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 秋田市の図書館で「かわいそうな本展」をやっている、という新聞記事を読んだ。破かれた本や、ペンなどでいたずら書きされた本などを展示していたようだ。実際に見に行ったわけではないが、木馬の行く図書館でもそういった本を見かける。赤ちゃんが目を離したすきにくれよんで書いてしまった、とか、表紙を破いてしまった、とかの偶然のことは仕方がないとして(本当はいやだけど)クイズの答えを書いたり、線を引いたり(しかもボールペン)と完全に故意にやったというものを見つけると「なんでこんなことするんだ!」と非常に腹立たしい。自分のものなら線を引こうが、写真にいたずらしようが構わないが、図書館の本は公共物、分かりやすく言うとみんなのものなのだ。だからもっとかわいがって、いつくしんであげようよ。
 かわいそうな本ではないが、某大学教授(古典なんかを声に出して読もうという本を書いている)が3色のボールペンで線を引きながら読むとよい、ということをテレビで言っていた。赤は大事なポイント、緑は面白いと感じたところ、とか言っていた。学術書ならいいかもしれないが、元来本に書き込みをしていくということが嫌いだし、そんなことしながら読むなんて面倒くさいと思う。木馬も教科書には蛍光ペンで色分けしながら、半ば遊びながら線を引いていた。だが、今は実用書でも引くことに抵抗を感じる。付せんはぺたぺた貼れる。書き込みも鉛筆でちょこっとならいいかと思う。でも消せないものは書かない。今読んだときに感じたことと、次読んだときに感じることが違うかもしれないからだ。引くことでいつも同じになってしまいそうなのだ。
 買ったばかりの本のドキドキを、初めて本を開くときのわくわくする思いをいつまでも感じられるまっさらな本が私は好きである。