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 今、はまっている番組がある。15分という短い番組であるがなかなか『深い』のである。幼稚園児か小学校の1,2年生とおぼしき男の子、女の子が古典やら漢文やらを流暢に話す。それを鬼の衣装をまとったコニちゃん(KONISIKI)が上手に受けとめる。子どももコニちゃんもたどたどしいながらも、その日本語が心に迫ってくるのである。子どもたちとコニちゃんのやり取りの合間に狂言の野村萬斎や講談師の神田山陽の日本語のプロが立板に水を流すように日本語を操る。この番組から「じゅげむ」などの落語が子どもたちの間で流行ったようである。
 さてしゃべっている子どもたちは意味を分かって言っているのでしょうか?私は分かっていない、いや分かっていて欲しくない。教えられたことを暗唱しているだけだと思いたい。だって小学1年生に「春宵一刻値千金」の意味が分かり、納得して言ってるなんて思えないもの。そんな子がいたら怖い。子どもたちは言葉の流れが気持ちよくて、響きが楽しくて言っているのだと思う。
 この番組を見ていると、日本語の美しさ、やわらかさ、多様さを実感する。木馬はカタカナがあまり好きではない。外来語は意味が分からないし、固い感じがする。だから「フローリング」よりは「板の間」のほうが落ち着くし、「キュート」より「めんこい(秋田弁でかわいい)」ほうがしっくりくる。だからといってカタカナを否定している訳ではない。パソコンを「電脳機械」と言い換える気持ちはさらさらない。ただ、正しい日本語を話していきたいし、これからもずっと残っていってほしいと思う。
 ひらがな、カタカナ、漢字の3種類の文字をたくみに扱うなんて日本人ってすごいと思いませんか。ところで、日本語は漢字を忘れてもひらがなやカタカナで何とかなりますが、中国では漢字を忘れたらどうしているのでしょうか?疑問です。