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 木馬の好きなことは本を読むこと。一日のうちに本を読まないと落ち着かない。これはやはり中毒なのだろうか?

 そして食べることも大好き。でも本を読みながら食べることは行儀が悪いし、本を汚すし、食べにくいからしてはいけません。そんなときはおいしく読める本がある。そんな本たちは木馬にとってよい本なのだ。

 まずは大どろぼうホッツェンプロッツシリーズ。ホッツェンプロッツが作るどろぼう料理や、カスパールのおばあさんのドイツ料理がとてもおいしそうなのだ。お話自体も三作とも面白いのだが、面白さに負けないくらいおいしいもの盛りだくさんでうれしい。いつの日かドイツに行ってホッツェンプロッツの店で食べてみたい。もちろんカスパールの家にもお邪魔しておばあさんの手料理もご馳走になりたい。

 次は小公女。お金のなくなった彼女にパン屋さんが出来立てのレーズンパンをあげる場面がある。そのレーズンパンがこれまたおいしそうなのだ。木馬の通学路にパン屋さんがあった。土曜日の帰り道などに(木馬の小学生の頃は週五日制ではなかったもんね)パンの焼けるいい匂いがするといつも小公女のパンの場面が頭に浮かんだ。これまでレーズンパンはいくつも食べてきたし、出来立てのおいしいものも食べた。だがやはり本の中のパンが一番おいしそうなのだ。

 日本のものではなんといっても、ぐりとぐらのカステラ。大っきいたまごを見つけたぐりとぐらはカステラを作るのだが、私としてはカステラというよりスポンジケーキを連想してしまうのだが、どちらにしてもおいしそう。やはりどんなカステラにも敵わぬ魅力をもっているのだ。

 手が届かないから、自分好みの味を思い描きながら読んでいるから、それは究極にして至高の一品になる。哀しいかな頭の中での一品だから実際に味わうことが出来ない。でも本を開くたびに、ぐりとぐらの歌を聴きながら森の中をいい匂いでいっぱいにするカステラを食べる気分を味わうことが出来る。そして手近にある長崎カステラ(長崎でなくてもいいが。もちろん長崎カステラもおいしいですよ。)を食べて思いをはせるのだ。いつかぐりとぐらやホッツェンプロッツに会えることを願いながら。

ただし本当にお腹がすいている時にこういう本を読んではいけません。キーっとなって本を破きかねないからね。