【指定金融機関制度とは?】0000 一般の方には、ほとんど馴染みがない(笑)都道府県の指定金融機関制度の解説です。 ひと言で言ってしまうと、都道府県庁のサイフを預かる銀行ということになります。 しかし、銀行の経営状況を考える上で、本当は非常に重要なファクターなんですね。 なぜかというと、 都道府県庁のサイフを預かっている=破綻すると地域経済に与える影響が大きい ということになります。 ちなみに、平成15年5月に実質国有化になった「りそな銀行」は大阪府、11月に国有化に なった「足利銀行」は栃木県の指定金融機関です。なぜ、ペイオフにならずに国有化になったのか? その要因の一つが、この「指定金融機関制度」です。 |
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【都道府県と市町村の違い】0001
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【指定金融機関を指定しない市町村】0002 収納事務取扱金融機関、収納事務取扱郵便官署を指定して収納事務を行わせることができる。※)議会の承認は不要 地方自治法施行令168条第6項〜7項 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
【指定金融機関の指定】0003 @都道府県、市町村が議会の議決を経て指定する。 A指定金融機関はひとつの金融機関でなければならない。 地方自治法施行令第168条で確認 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
【その他の金融機関の指定】0004 @その他の金融機関とは 指定代理金融機関、収納代理金融機関、収納代理郵便官署。 (「指定代理金融機関等」) 地方自治法施行令第168条第3項から第5項 A指定代理金融機関等を指定するときには、 (取り消しも同様) 指定金融機関の意見を聴くことが 都道府県・市町村に義務付けられている。 地方自治法施行令第168条第9項 ≪注意≫ 指定金融機関への意見聴取は地公体の義務だが、 地公体は、指定金融機関の意見に従う必要はない。
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【契約関係】0005 @指定金融機関は、都道府県・市町村が、 議会の議決を経て指定。 Aその他の金融機関はすべて 都道府県・市町村の長が指定。 地方自治法施行令168条第3項〜5項には、「指定金融機関をして」という文言があります。 一方、168条第6項〜7項には「収入役をして」 とあります。 これによって契約関係はつぎのとおりとなります。 【指定金融機関制度導入の場合】 右図の左のとおり、 地方公共団体は、指定金融機関以外の金融機関とは契約を締結しない。 【指定金融機関制度を導入していない場合】 右図の右のとおり、地方公共団体と各金融機関が直接契約。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
【金融機関の業務の違い】0006 収納事務・・・窓口収納・口座振替収納など 支払事務・・・現金支払・振込・隔地払など
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【指定金融機関の総括責任】0007 指定金融機関には指定代理金融機関等の事務を総括し、さらにその事務について責任を持つこととなっています。地方自治法施行令第168条の2第1項・第2項 そして、都道府県知事・市長村長が定めた担保を提供しなければなりません。地方自治法施行例第168条の2第3項 総括というのは、公金の取り扱いに関して、指定された金融機関を代表して地公体と契約を結ぶこと、一切の事務処理の総括にあたることと解されています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
【公金を収納できる書類】0008 納税通知書、納入通知書、その他の(出納長や収入役名で発した)納入に関する書類に基づかなければ、公金の収納ができないことと定められています。地方自治法施行令第168条の3 一般的に、領収書・領収(納付)済通知書・納付書の3連式になっています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
【公金の支払】0009 公金の支払ができるのは、指定金融機関と指定代理金融機関だけです。 そして、支払は「出納長もしくは収入役の振り出した小切手または通知によって行う」旨が定められていますこととなっています。地方自治法施行令第168条の3第2項 指定金融機関制度の特徴は。、現金出納から預金制度への移行でした。 民間企業と同様に当座預金という決済口座を持ち、支払事務は小切手によって行うことが原則でした。 通知と言うのは小切手に代わる伝票等のことになります。 現在、多くの地公体では、小切手ではなく、支出命令などの名称の通知で行われています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
【金融機関の検査】0010 出納長または収入役は、定期的に金融機関の検査をしなければならないことになっています。地方自治法施行令第168条の4第1項では定期及び臨時にしなければならないとあります。 (収納又は支払の事務、そしてそれに伴う預金の状況の検査) また、監査委員はその結果について、出納長や収入役に対して報告を求めることができることとなっています。 地方自治法第235条の2、地方自治法施行令第168条の4第3項 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
【地公体が直接収納した場合】0011 税金等を地公体が直接収納した場合は、速やかに金融機関に払込むことが定められています。地方自治法施行令第168条の5 速やかにとは、原則即日だそうです。 |