大宝令における俸禄
俸禄の概要 
 俸禄は、位階を基本にして与えられました。これは下の表を見て頂ければよくわかります。
 官職や役目によっては職田・職封が加増されたり、地方官や内蔵など物資を扱う仕事では正式に認められた役得があり、随分と資産を大きくすることができる役職もありました。
 親王には別に品位に応じて品田を下され、一品では80町、二品では60町、三品で50町、四品で40町があてがわれました。
 同じく品封(ほんぷ)といって一品が600戸、二品が450戸、三品が300戸、四品が220戸、無品の親王には150戸が与えられました。
 他に季禄というものがあり、季節ごとに与えられたり、節禄といって毎年正月元旦・睦月7日・睦月16日・重陽の節句(9月9日)・新嘗祭等の佳節に参列した者には特に絹や綿の布を賜られました。
 また、繁劇の要職にある者には、特に要劇料と要劇田が支給されました。
 身分が低い者には、大粮といって米や塩を賜られました。
   位 階 正一位 従一位 正二位 従二位 正三位 従三位 正四位 従四位
 位田 (町)   80   74   60   54   40   34   24   20
 位封 (戸)  225  195  150  128   98   75  −−  −−
あしぎぬ(疋)  −−   −−  −−  −−  −−  −−   10    8
 綿 (屯)  −−  −−  −−  −−  −−  −−   10    8
 布 (端)  −−  −−  −−  −−  −−  −−   50   43
 庸布 (常)  −−  −−  −−  −−  −−  −−  350  300
あしぎぬ(疋)   30   30   20   20   14   12    8    7
 綿 (屯)   30   30   20   20   14   12    8    7
 布 (端)  100  100   60   60   42   32   22   18
 鍬 (口)  144  144  100  100   80   60   30   30
 馬料 (貫)   50   50   30   30   20   20    7    7
 資人 (人)  100  100   80   80   60   60   40   35
位階俸禄表




   位 階 正五位 従五位 正六位 従六位 正七位 従七位 正八位 従八位
 位 田 (町)  −−  −−  −−  −−  −−  −−  −−  −−
 位 封 (戸)  −−  −−  −−  −−  −−  −−  −−  −−
あしぎぬ(疋)  −−  −−  −−  −−  −−  −−  −−  −−
 綿 (屯)  −−  −−  −−  −−  −−  −−  −−  −−
 布 (端)  −−  −−  −−  −−  −−  −−  −−  −−
 庸布(常)  −−  −−  −−  −−  −−  −−  −−  −−
あしぎぬ(疋)    5    4    3    3    2    2    1    1
 綿 (屯)    5    4    3    3    2    2    1    1
 布 (端)   12   12    5    4    4    4    3    3
 鍬 (口)   20   20   15   15   15   15   15   15
 馬料 (貫)    5    5 2500匁 2500匁 2350匁 2350匁 2200匁 2200匁
 資人 (人)   25   20  −−  −−  −−  −−  −−  −−




  位 階 大初位 少初位
あしぎぬ(疋)    1    1
 綿 (屯)    1    1
 布 (端)    2    2
 鍬 (口)   10    5
 馬料 (匁) 2050匁 2050匁


太政官官人職田・職封表
 四部官  長 官   〃   〃   〃  次 官   〃   〃
 職 名 太政大臣  左大臣  右大臣  内大臣  大納言  中納言  参議
 官 位  正一位  従一位  正二位  従二位  正三位  従三位 正四位下
 職田(町)    40    30    30    30    20  −−−  −−−
 封戸(戸)   2250   1500   1500   800   600   300    60
 資人(人)   300   200   200   200   100  −−−  −−−
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註:括弧内は単位