冬の旅(Winterreise、ヴィンターライゼ) 18回目の公演 2004年6月24日(木)

》ジョン・ノイマイヤーによるバレエー《

音楽 ハンス・ツェンダー 
シューベルトの冬の旅より
振付 ジョン・ノイマイヤー
舞台装置
衣裳
ヤニス・ココス 指揮 ペーター・ヒルシュ
テノール スコット・ワイアー フィルハ−モニッシュ・シュターツオーケストラ

オーケストラ編成 ヴァイオリン 2、 ヴィオラ 2、 チェロ 2、 コントラバス 1、 フルート 2、 オーボエ 2、 クラリネット 2、 ファゴット 2、 ホルン 1、 トランペット 1、 トロンボーン 1、 ティンパニー 1、 パーカッション 3、 ハープ 1、 アコーデオン 1、 ギター 1

途上にいる人たち
(Menschen unterwegs)

服部有吉
シルヴィア・アッツォー二、エレーヌ・ブシェ−、ジョエル・ブ−ローニュ、オットー・ブベニチェク
ラウラ・カッツァニガ、ゲイレン・ジョンストン、カーステン・ユング、ニウルカ・モレド、
アデラ・ポエルトヴァ、アレクサンドル・リアブコ、ロイド・リギンズ、セバスチャン・ティル



冬に投影された明るい影
(und die lichten Schatten, die sie im Winter werfen)

アーニャ・ベーレンド、オデット・ボルシェール、ジョージーナ・ブロードハースト
カトリーヌ・デュモン、アンナ・ホハウレット、ステラ・カナトゥーリ
カーリー・モーガン、リサ・トッド、ナタ−シャ・ウォ−ルドン、ディナ・ツァリポヴァ

ジョゼフ・エイトケン、アントン・アレクサンドロフ、ロリス・ボナーニ
ティアゴ・ボルディン、アントナン・コメスタッツ、エミル・ファスクートディノフ、ヤロスラフ・イヴァネンコ
アルセン・メグラビアン、エドウィン・レヴァツォフ、ヨハン・ステグリ



他の途上にいる人
(der andere, auf dem WEG)

ジョン・ノイマイヤー

お休み
Gute Nacht
服部
ティル、ポエルトヴァ
アッツオーニ、リアブコ、ブベニチェク、モレド
風見の旗
Die Wetterfahne
服部 と アンサンブル
凍った涙、かじかみ
GefrorneTraenen,Erstarrung
ブーローニュ
カッツァニガ
ブベニチェク、ユング と アンサンブル
菩提樹
Der Lindenbaum
服部、ジョンストン
溢れる涙
Wasserflut
リアブコ、服部 川の上で
Auf dem Flusse
モレド
服部、リアブコ
回想
Rueckblick
ブシェ−、ユング と アンサンブル 鬼火、憩い
Irrlicht,、Rast
リギンズ、服部 と アンサンブル
春の夢
Fruehlingstraum
アッツォーニ、服部、リギンズ 孤独
Einsamkeit
カッツァニガ、ブベニチェク
リギンズ、服部、アンサンブル
郵便馬車
Die Post
ブーローニュ、ブベニチェク、カッツァニガ、服部、アッツォーニ、ジョンストン、ユング、モレド、ポレルトヴァ、ティル と ブシェ−、リアブコ、リギンズ 霜おく頭、からす
Der greise Kopf
Die Kraehe
ブベニチェク
服部 と アンサンブル
最後の希望
Letzte Hoffnung
モレド、リアブコ と アンサンブル 村で
Im Dorfe
ユング
服部、リアブコ と アンサンブル
嵐の朝
Der stuermische Morgen
ユング、リアブコ と アンサンブル 幻覚
Taeuschung
ブシェ−ーティル、アッツォーニーユング、ポレルトヴァー服部、ブーローニューリギンズ
道しるべ、宿屋
Der Wegweiser
Das Wirtshaus
アッツォーニ、ブシェ−、ブーローニュ、ブベニチェク、カッツァニガ、服部、ジョンストン、ユング、モレド、ポレルトヴァ、リアブコ、リギンズ、ティル と アンサンブル 勇気
Mut
服部 と アンサンブル
幻の太陽
Die Nebensonnen
アッツォーニ、ブシェ−、ブーローニュ、ブベニチェク、カッツァニガ、ジョンストン、ユング、モレド、ポレルトヴァ、リアブコ、リギンズ、ティル と 服部 辻音楽師
Der Leiermann
ノイマイヤー、服部

初演時のキャストとコメントはこちら
冬の旅の歌詞についてはこちら またはこちらの対訳のSchubertを参照して下さい。かなり詳しい説明もあります。

いろいろなエピソードがある中で、ニウルカ・モレドとアレクサンドル・リアブコのパ・ド・ドゥが一番好きです。ニウルカの接触神経症(?直接、物に触ることができない)がアレクサンドル・リアブコとの出会いによって、ゴム手袋を外し、心を開こうとするところです。この作品の中で唯一希望を感じるところです。あとは明るい影が登場人物に寄り添うように踊るところはとても美しく、意識が多重に表現されているように思えてとても好きです。思わずノイマイヤーのこういう表現が好きなのよ、そうよ、そうよと一人で相槌を打ってしまいます。
この作品の中では服部有吉は異次元に迷い込んだような日本の少年なのでほとんどの登場人物の目には彼が映っていないように思えます。ただロイド・リギンズだけが彼の存在に気づきますが、そのシーンはとても哀しいです。
そして9.11を思わせるような道しるべ、宿屋。もう涙が止まりません。