鍼の効用
平成21年7月半ば、玄関で転倒した際、右上腕骨骨董を骨折する。あまりの激痛のため、1日おいて近くの開業医を受診する。レントゲン検査結果上記のとおり骨折と診断、約1ヶ月半通院する。肩関節痛は軽減するどころか、可動域すらほとんど改善しない。それどころか、ギブスで固定されたため、肘関節まで腫脹して疼痛を誘発する。
仕方なく、他の病院の整形外科を受診する。レントゲン結果骨頭がずれた状態で、仮骨も十分増殖していないという。この段階では、肩関節の可動域はほとんどゼロと言っていいくらいである。整形外科医が言うには、「リハビリを始めた方がよい」と勧めるので、「鍼はどうでしょうか?」と聞くと、東洋医学では駄目だと否定する。そして、年齢的にも1年はかかるであろうと付け加える。
それから、半月経ったころ、に日赤病院の整形外科でレントゲンとCTによる検査をして見ると、やはり正常に繋がっていないことが判明した。これは、触診でも確認出来ている。指示どおり、2週間後診察に行くと、骨頭のずれを手術でやり直すことはせず、自然治癒を待つしかないということで、これ以上通院治療の必要はないということであった。ならば、東洋医学で治療す他ないと、鍼治療を開始する。
患者Kさん76歳(女性)
毎日または、1日おきに鍼とソフトレーザー(10分照射)で治療する。現在も継続中であるが、肩関節痛は残存するも、可動域は前挙で水平に、側挙も水平に近くまでに回復する。現在では、コーヒーのコップも持てるようになり、右手で箸で食事が取れるまでに回復している。
五十肩は、50歳ころより発生することからこう言われている。原因となる要因はいくつもあって、触診だけでは、原因は速断出来ないが、症状から判断出来る病名である。
主な症状は、突然肩関節に激痛を発生するとともに、ROM(肩関節可動域)の制限を伴うことである。場合によっては、就寝中夜間痛を随伴することもある。詳細は以下のページをご覧ください。
http://www13.plala.or.jp/harii/tsubo/shoulder.htm
患者Aさん59歳(女性)
先日夕刻ころ、急に左肩関節に激痛を発生する。同時に上肢を動かすのも辛くなる。翌日治療に来院する。疼痛と関節可動域制限があることから五十肩と判断して治療する。
前処置として、肩関節にパック15分、十分に温めてから、合谷・曲池・肩K・臂臑・臑兪・天宗・巨骨・肩井に鍼治療する。5回の治療で肩関節の激痛も消失、関節可動域も正常に回復する。
鍼治療が、中国や日本のみならず、アメリカやイギリス・フランス・ドイツ他、多くの諸国で実施されている中、1000数100年前から行われている日本が東洋医学である鍼治療が医療として認知されないのは、不思議でならない。
とは言っても、日本でも鍼治療を実施している病院もある。これとて、極々限られた病院に過ぎないのである。
なにも、西洋医学(現代医学)で行われている物理療法のみがリハビリテーションだろうか?東洋医学である鍼・灸も患者治療に一定の効果があるとすれば、方法こそ違えリハビリテーションの一つではないかと思う。
経穴名は以下のサイトでご覧いただけます。