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物語
ナポレオン
の時代

    Part 1  第一統領ボナパルト

   
 

 第1章
 統領政のスタート

  

 
8. 有能な人材

 大きな仕事は、ひとりではできない。
 国家規模の財政改革や行政改革などをおこなうには、優秀なブレーン、勤勉な部下が必要である。

 ボナパルトは財政改革や行政改革だけでなく、司法改革や教育改革にもやがてとり組むのだが、そうした仕事を進める上で頼りにしたのは、参事院(コンセイユ・デタ)だった。

 
 参事院は諮問機関である。
 わが国の「参議院に」似ていてまぎらわしいが、立法府ではない。

 改革をするとは、新しい制度をつくることである。
 具体的には、法律を改正すること。
 参事院の主要な任務は、まさにその法案を準備することだった。

 発足時のメンバーは29名。
 官吏や各分野の専門家からボナパルト自身が選んで任命した。

  どのような組織でも、それをフル稼働させられるかどうかは、リーダーの力量次第である。
 第一統領には、まだ30代なのに、自分のめざす方向に官僚や専門家をひっぱっていく能力があった。
 それこそがリーダーシップである。

 部下がどのくらい自分の役にたってくれるか。
それをボナパルトはすぐに見抜いた。

 有能な者は、貴族の出であれ、庶民の出であれ、差別なしに登用した。
 
だいじなのは能力であり、家柄や育ちでない。
 この点でボナパルトは公平だった。
                        (続く