ブロック図

● ANT回路には10dB ON/OFFのアッテネーター回路を付加しております。
● バンドパスフィルターは、4エレメント構成で、FULL/MW/3.5/7/14/21/28の7バンド構成です、FULL=お好みのBPFを作成しユニット形式で差し込むようにしています。MW=AM中波放送を受信します。
● RFアンプは、2SC1747を使用した、よく言われるところのノートンアンプ(約12dB)で構成しております。
● 検波回路は、バススイッチ(FST3253)で、各出力(I/Q出力)は差動形式で出力し、インスツルメンションアンプ(INA163)でシングルに変換します。
● オールパスフィルターは8段で構成し、加減算によりLSB信号/USB信号を復調しております。
● RFのAGCは無く、復調したオーディオ信号でAGC処理しております。ブロック図ではAGC検波は、LSB/USB共通で処理しておりますが、最終的にはISBモードも復調出来るようにしているため、AGC検波回路もLSB/USB独立して設けております。
● 余談ですが、LSB=
Lower-Side-Band、USB=Upper-Side-Band、ISB=Indipendence-Side-Bandの略で、ISBは独立側波帯信号と称して、下側/上側はそれぞれ別の信号となっている。例えば、LSB側=SSTV信号、USB側=通常の音声で同時に2種類の情報伝送をします。AM信号は下側/上側共に同一の情報ですが、帯域としてはどちらも下側=3KHz、上側=3KHzと±3KHzを占有します。ISB信号はLSB=L-CH信号、USB=R-CH信号として伝送し、音遊びによく使われています。ISB電波で送信していると、帯域が広過ぎるとか、逆サイドがジャジャ漏れだとかクレームが聞こえる時がありますが、AM信号と同様にISB電波もきちっとモード資格も有りますので、問題では無いのですが、いずれにしてもゴールデンタイムとか、バンドが混んでいる時間帯は差し控えるべきで、決して他局に迷惑をかけてはなりません。
● Head-Phone-VRと、Speaker-VRは独立させ、送信機とシステム結線していれば、Head-Pheneは常時活性しておりますが、SPはエアーモニターとしても使用する場合があるため、送信時はSpeakerラインは、ミュートされます。(ハウリング防止のため)
● トランシーブ機能のON/OFF機能も搭載し、ON状態では、バンド情報(周波数、モード)は、受信機の操作で送信機が同期します。
● ダイレクトの欠点は、十分な感度を得るためには、AGCはオーディオAGCとしているため、本機はS9+5dB位をAGCの動作点に設定しております、そのため、S9以下の信号は強弱に比例して大小します。RFにAGCを設けると目的としない(不要な)信号でAGC制御され違和感があります。S9+の信号でラグチューする場合は非常にS/Nが良く、快適な音質で受信出来ます。
● 本機のSメーターは、S9=-67dBmに調整しているため、市販の無線機はS9=-73dBmで調整されている機器が多く、これ等と比較するとS1個分低目の表示となります、よって、S9+40dB=-27dBmとなります。



完成品

電源
内部写真
MAIN

検波アンプ
DDS

LPF

AFPSN
4エレメント RFバンドパスフィルター

 DET(検波)アンプ回路図

FST3253で復調された音声信号は、PSN復調するために、I/Q信号として出力させます、I/Q各差動信号として出力してきた信号をDETアンプ回路に入れて、I/Qのバランスのとれた信号にします、ダイレクト受信機の場合は、ゲイン配分をしっかりと設定しておく必要があり、十分な感度を得て、不要妨害信号、特に強力な大陸電波を数多く受信することとなり、これ等の妨害を排除するためには幾つかのノウハウがあります。DETアンプは、インスツルメンションアンプ+ローパス+アンプで構成しております。
● 受信Fカバー範囲内どこにおいても、不要強力電波は、ローパスの出力において復調されても良いが、決して電源電圧に飽和させてはならない、飽和してしまうとローパスを通過させても高調波の除去はしきれないです。
● ローパスのカットオフ周波数は、狭くするとI/Q信号間の位相差分が、パスバンド内で発生し、後段でLSB/USB信号を生成する時に逆サイド特性が悪化する。逆にカットオフの設定を広くし過ぎると、不要強力電波の除去特性が低下します。このあたりの設定が難しいところであり、面白いところでもあります。本機のカットオフは10KHz前後に設定しております、つまり、受信周波数のキャリアポイントから10KHz以上離れた周波数の不要電波は、このローパスフィルターで除去します。
● 最後のアンプの利得は、受信機の最大許容入力を設定します、オーディオAGCをかけるまでは電源電圧=±15Vで駆動していますが、直線領域は23Vpp位です、AGCの動作点とANT最大許容入力と感度の3項目が、それぞれ引き合います。本機は最大許容入力=S9+40dBとし、AGC動作点=S9+5dBに設定しております、これで実用感度=-110dBmとなります、つまりANT=-110dBmで、オーディオライン出力にて30dBのS/Nとなります。 ANT=S9+40dB信号でTP1/TP2にて20Vppとなるようにゲイン設定しております。

S9+40dB(-27dBm)入力時のライン出力
(3次IMD=-66dB)


-110dBm入力時のライン出力
(実用感度)


ダイレクト検波器へのI/Q搬送波
      DDS回路図

PSN復調するため、I/Qキャリアが必要となり、周波数もダイレクトで500KHz〜28MHzまでIQ条件で出力させる必要があります。又、検波器では周波数(バンド)が変わると、I/Q検波するためのキャリア位相差を微調する必要があります。本機はアナデバのAD9854を2個使用し、I/Qキャリアを生成しています、このDDSはD/A=12bit、周波数分解能=48bit、位相分解能=14bitの構成で、非常に細かい周波数設定が出来、位相=20ミリ度の分解能で調整出来ます、但し、本ICは3.3V電源ですが、電気をたっぷり食べます。使い方/モードにもよりますが、約350mA位です。逆サイド調整は、バンド毎にI/Q90度キャリア調整と、復調オーディオ信号のI/Q振幅バランスを調整し、各バンド毎の調整値を記憶しております。本受信機は調整時にSG等の測定器は不要で、内部に調整用のSGを設けている、’SG’ボタンを押すことにより、AD9851の発振でANT端子にS9+40dBmの信号を供給する、受信キャリアポイントから上下に自由な周波数をセット出来る。
DDS I/Q出力

ローパスフィルター
    LPF回路図

8次ローパスフィルターで、抵抗素子の箱を切り替えて4種類(2.4KHz/3.2KHz/3.8KHz/4.7KHz)の切り替えとしております。4個の箱を設けておりますから、抵抗値だけの変更で自由なカットオフに設定することが出来ます。当初はスイッチドキャパシターを使ったローパスフィルター構成でしたが、AGC回路の後ろに配置出来れば何の問題もありませんでしたが、AGCの前段に配置する必要があり(パスバンド外の信号でAGC動作してはならない)、そうなると20Vpp以上の信号が直線的に通過出来るダイナミックレンジが必要となり、アクティブフィルターにやり直ししました。

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