回路図
 
位相計として色々な発表がされていますが、それらを参考にし、PSNの機器を自作した時にI/Q信号間の位相差、振幅差を確認調整するための位相計、振幅計を作成しましたので紹介します。CQ誌にも過去JA9RSさんが掲載されておられましたが位相計はアナデバのAD734(乗算器)により位相差90度を基点とした位相差分を適度に増幅し、直流電流計を駆動します。I/Q信号を取り込みAD734へ供給するまでの間が最も重要で、この間では測定しようとする帯域内での位相差と振幅差が生じれば、測定誤差となります。メーターは100uAの直流電流計で、回路は±10V駆動し、メーターリターン=-10Vにすることにより、0V=メーターのセンターとなるようにセンターメーターではなく、通常の電流計をセンターメーターとして駆動しています。又、本メーターはデュアルメーターとなっており、黒針=位相/振幅、赤針=入力レベル計として駆動しています。AD734は電源投入後、安定するまでに少々時間を要します、4〜5分経過後に測定することが望ましいです。振幅計としては、アナデバのAD737(RMS→DC変換)により、I/Q入力信号をDC変換し出力のリップル成分をLPFで除去し各出力をインスツルメンションアンプ(IN101)で差動増幅し、I/Q入力の振幅差分を検出し適度に増幅してメーターを駆動しています。位相計/振幅計のいずれも直流アンプの利得を切り替えることによりゲインの切り替えを行っています、位相計はフルスケールで±1度/±0.1度、振幅計は±1dB/±0.1dBとなります、調整法はどちらも零調整ポイントに合せ込みをすれば良いだけですが、本機は絶対値の測定も可能です、但し、入力振幅=3Vppの条件が元になります、零調整はメーターのセンターになければならないと言うことはありません、SW=ZERO側で示している針の位置が目標値となりますから、測定モードでそこへ合せ込みをすれば良いです。本機の校正は回路図にも詳細を記載していますが、フリーソフトのウェーブジェネレーターのL-CH/R-CH出力信号を利用して位相/振幅共に確認出来る、但し、200Hz位までであまり高い周波数は誤差が出てきます。(サウンドカードにもよりますが)、3DDS(標準信号発生器)はI/Q信号を出力していますから校正確認にも使用出来ます。

@ I/Q入力から測定するための信号を入力します、赤針がセンター近傍のグリーンベルト内に入るように
   入力振幅をセット。
A モードSW=ZERO側にし、オフセット調整をします、黒針がセンターとなるようにオフセットVRを回す。
B モードSW=測定側にして、黒針がセンター(オフセット調整した位置)になるように被測定物を調整する。
C 最終的に高感度ポジションで入力信号をパスバンド内で振った時に、グリーンベルト内に入っていれば
   目安として理論的に逆サイドが80dB位にキープ出来ることとなる。

感度切り替えを行ったり、時間の経過でオフセットが動きます、その都度、ZERO調整でオフセットをセンターに調整しますが面倒なので、これは気にしなくて何度も申しますが、ZEROモード位置を目標位置にすれば良いです。



完成品

内部写真


AFPSN(オールパスユニット)の調整法

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