一部、構成を変えました。Pick-UP検出器から受信機の間は何も設置しない。可能であれば検出器内部のATTと受信機内部のATTで構成することが望ましいです。45dBATT+20dBATT=65dBATTで、1KW送信でS9+35dBですから、1KW以下のパワーではもっとATTは少なく設定した方が良いでしょう。

 どんな無線局でも、送信電波がリアルタイムでモニター出来るシステムが必要となります。我々アマチュア無線局は開局当初、自分の電波が出来るだけ遠くへ強く飛ぶようにマイクに向かってAM電波で叫ぶように運用していました。当然、モニターシステム等はなく、発射電波が歪んでいるのか、回り込み電波となっているのか、全くお構い無く運用しておりました。
それから何十年、技術の進歩もあり、昨今のSSB電波は周波数管理も精度が上がり、色んな方式が出現しHi-Fi-SSBなる電波も多くなりました。しかし時折歪んだ電波や回り込み等が感じられる電波もまだ聞かれます。このような電波でもリアルタイムに監視出来るシステムがあれば防げ、又こうすることにより意識的に電波の質を向上させる意欲が現れてきます。しかし、一言に、エアー・モニターシステムと言っても通常は送信アンテナの直下でモニターを実現させなければならず、このような強電界の元では色々と弊害が発生します。基本的には高周波電流のルートを明確にし、ループ形成を潰し、きっちりとマッチングをとれば可能と思います。 参考にはならないと思いますが、私の我流エアー・モニター構成を紹介しておきます。
構成
 エアー・モニター専用の信号としてアンテナ直前のPick-UP検出器から取り出し、必要なレベルで受信機へ供給する。モニター信号は十分なアイソレーションを確保する必要があります。
一般的に、ANT=ダミーロードでの受信機出力(オーディオ信号)とANT=実空中線で発射した時の受信機出力とで、各種測定器で確認比較すると差異が出ます。これは各ブロックのシールドとアイソレーションの手法で随分異なってきます。これとは別に回り込み現象によるものは別の要因となります。確認の仕方としては、実空中線で電波発射した時に、受信機のANT入力をシャント状態にし、この時のSメーターの振れ値(ぞくに幽霊電波と称するヤツです)と、入力をオープンにし、実エアー・モニター信号でのSメーターの振れ値、この比が大きい程、理想的なエアモニターとなります。


Pick-UP検出器内部に45dBATT、ここから当初、外部(途中経路)に30dBATTを付加していたが、止めました。直接受信機(内部20dBATT)へ供給。
モニター信号は、S9+30〜40dBが最適です。可能な限り受信機入力へは大入力がよろしいです。送信パワーにもよりますが、Pick-UP検出器内部のATTのみが良いです。但し、受信機内部には、最低20dBATT以上は設けるべきです。この状態で1KW送信でS9+35dBとなります。
Pick-UP検出器
 モニター信号の抽出法としては、いくつかありそうですが私は、C分割法とフェライトコアによるリンク抽出法を実験しましたが、結果としてはリンク抽出法で行っております。C分割法では高耐圧コンデンサーが必要なことと、制作レイアウト条件が微妙に異なることによる差とか、このままではアイソレーションの問題が発生し、これを更にリンク結合 てな事で複雑となりました。よって、最もシンプルなリンク抽出法を採用しました。

Pick-UP内部に使用するATT(1段目のATT)は、T型でもπ型でも、R1の抵抗は2Wを使用、その他は何でもOK。2段目以降も何でもOK。


 相手局との交信で、信号がノイズレベルと同じ位の局と交信すると、送信時のモニター信号で深いAGCとなり、受信に切り替えた時、通常、受信機のAGC=SLOWで使用しているため、受信機がフルゲインとなるまで、タイムラグを要し頭の部分が了解困難となる場合があります。よって、モニターシステムでは、送信→受信切り替え時には、mS期間でAGCコンデンサーを放電させ、即座にフルゲイン受信可能なシステムにしております。

 出力   受信機入力   Sメーター

 20W  -62.5dBm   9+10.5dB

 200W -52.5dBm   9+20.5dB

 1KW  -45.5dBm   9+27.5dBm
3.5MHz〜28MHz間で5dB位の差は発生しますが、S=1個分です、実使用上問題ありません。       Pick-UP検出器出力


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