以前(昔)は、無線機器の周波数安定性を図るのにOCXOや中古のルビジュム等を購入し、基準クロックとして使用していました。この時に真の絶対周波数として正しいのか、或いは周波数調整する手段として、テレビ放送局のカラーバースト信号を10MHz-VCXOにロックさせ、この10MHzに周波数を合わせることが出来る調整器/比較器を製作しました。しかし、このような機器もアナログTVが終了と同時に活用出来なくなりました。ただ非常に安価なGPSによる基準クロックを利用することが出来るようになり、もはやOCXOやルビジュウムは不要となりました。

以前製作した調整器/比較器です、TVチューナーとエンコーダー/CH表示機は廃止して、ここにNEO6Mを使用した基準発生器のLCDを装着して改修します。

                           


でも、やはりOCXOやルビジュウムを基準クロックとして使用したいと言われる局長さん(偏屈おじさん)が、たまにおられます。偏屈おじさんのために、調整器/比較器を紹介しておきます。
【概要】
OCXO/ルビジュウム出力の信号(今回は10MHz)はCMOSレベルのパルスである必要があります、サインウエーブとかレベルが小である場合は、74HCU04を使って波形整形する必要があります。位相比較器は1MHzどうしで行います、これは変動周波数が簡単に計測出来るためです、つまり、12個の回転LEDが1周する時間が例えば、1秒だったとすると1X10^6の変動です、10秒要すれば1X10^7の変動となります。当然10MHzどうしで行っても良いのですが、TC5081で行うのであれば、2MHzより高い周波数では出来ません、74HC86を比較器に使用しても問題ありません。各10MHzの出力はU4(74HC390)へ入力し1/10分周して1MHzにします、74HC390は4bitカウンターが2回路内蔵されており、1個で各10MHzが1/10出来ます。各1MHz出力はU2(TC5081)で位相比較しLPFの出力で位相差が直流電圧に変換されて出てきます。この信号をU1(BA689)の12点レベルドライバーでLEDを駆動します、BA689はレベル表示モードと位置表示モードのどちらでも使用できますが、位置表示モードで直流電圧レベルを1点LEDで点灯させるモードで使用しています。
次に、基準クロックとして、OCXO/ルビジュウムからのクロックを使うのか、GPSでロックしたクロックを使うのかをU5(74HC00)のNANDゲートで切り替え選択します、この切り替えられた10MHzは、U6へ供給されU6/U7で1/10、1/10、1/10分周し、1MHz、100KHz、10KHzを出力します。本機の基準クロックは10MHz/1MHz/100KHz/10KHzの計4種類出力させています。更に発振器が正常に動作しているモニターとして10KHzをU8/U9で1/10000分周して1Hz信号でLEDを駆動させています。このウルトラマンLEDが不要の方はU8/U9も不要です。

             参考回路図       おじさんが製作されたのを紹介します。   JA4IYO製作写真


更にLEDの回転が、位相遅れの流れ方向と位相進みの流れ方向で、右回転/左回転となるようにJA4AKI(松田さん)が改修されましたので紹介しておきます、つなぎ目のところはR14/R15を若干修正する必要があるかも知れません。レベルドライバーへ供給する信号は小レベルである必要があるため、そのままでは直ぐ飽和しますから、LEDの表示回転具合を見ながら追加した半固定VRで調整して下さい、最初は零にしておいて徐々に上げて点灯具合を確認する。位相検波器はデフォルトのTC5081でCNP2@の信号をオペアンプ(NJU7043D)へ供給してもOKです。但し、2MHz以上で比較する時は74HC86にすること。

             追加/変更回路                         JA4AKIさんの動画