『テニスクラブ会員投稿日誌』

★初稿記念号:
『板の上にすべて平衡(平行)に乗るということ』
(投稿者:会員=しゅうさん)

(▽写真はクリックすると拡大します。)

テニスとスキーは似ている。下半身が重要であり、特にひざの屈伸が重要であるといわれる。なぜか。
思いつくままに、自己流に共通点のことを述べる。

昔、スキー教室のコーチは、夏には、仕事がなくなるので、夏は、テニスコーチをして、年間を通じ て仕事にありついていたと聞いている。
共にコーチが勤まるということは、スキーとテニスには、共通点があると考えられる。
以下スキーについて考える。

スキーの原則は、『スキー板の上に、平衡に乗る』にある。
平らな地面であれば、スキー板を肩幅に開いて、その上に自然体のままに、左右の足の親指の付け根に 重心を感じて、身体のすべてが平行に、乗っている。
スキーの先端を結んだ線を基準線として、ストックを持った左右の手の線も、胸・肩の線も、もちろん、 左右のひざの線、腰の線、左右の目の線までもが、基準線と平行になった姿勢である。
これが、自然体で、スキー板に平衡に乗っているという意味である。

従って、重要なことは、ゲレンデの傾いた地面に位置した時の、平衡の維持姿勢である。
斜面から滑らないように、谷底に向かって(フォールライン上に)スキー板を直角にして止まっている 状況をイメージする。
谷側のスキー板と、山側のスキー板とは、急斜面であれば段差をつけて立つのである。
しからば、そんな状況で、左右の板に、均等に乗るにはどうするのだろうか。
初心者であっても、その状況で、滑り落ちないようにするのに、谷側の前方から本人のストックをひっぱら れても、ずり落ちないように、抵抗する姿勢をとってもらうと、それが、なんと、理想の姿勢になる。
一般に「く」の字姿勢と言われている。

スキーヤーが山側を右手にして立った姿勢を、前方から見ると、腰を頂点に上半身、下半身が「く」の字にな っている。そうしないと、スキー板の上に平衡にはならないのだ。つまり、スキー板の先端の段ちの線にす べてを揃えるには、谷側の肩は下げなければならない、均等に体重を乗せるには腰の重心を、山側に傾け ざるを得ない。
一連の傾きが、平衡原則維持のための合理的な姿勢である。
ひざは曲がって山側に傾いているだろう。スキー板は、結果、山側に食い込んでいるだろう。

この姿勢から、山側のスキー板を谷側のスキー板より前方に20センチほどずらし、原則に従って、ひざの線、 左右の手をつないだ線を、スキー板先端の線と平行に揃えたとき、「斜滑降」の姿勢となる。
その姿勢を保って前に進めば、ゲレンデを斜めに横切っていくことが出来る。

難しいのは、静態での平衡姿勢と、実際に斜面を滑っていく動態での平衡姿勢の維持の違いである。
簡単に言えば、『進行方向に、ひざを曲げ続けること』である。
動態時は、足から下が先に動いているので、腰から上の体重が、遅れて、残ってしまうのである。だから、スピ ードに合わせて、前傾姿勢を取ることが、スピードに乗って、平衡姿勢を維持している状況なのである。(続く)

今日はこれまで。続きはまたいつか・・・。

ひざの伸び縮みが、足のひねり、戻しにつながり、スキー板の、回転に関係するという話は、テニスの腰の ひねり、戻しとの関係に似ている。その辺りのことは、次回以降に話したい。

●写真は、菅平峰の原高原スキー場(2004年2月撮影)
(05/02/24)
▲このページのトップへ