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日本の心、日本人の心(自然周吾)

『NHKカルチャーアワー・生きる知恵 日本の心、日本人の心(下)』テキスト(山折哲雄著)が見つかっていたので、読み出した。
(2004年1月〜3月ラジオ第2放送テキスト)

始めての本かと思ったら、蛍光ペンが引いてあった。また、奥付に、”H17,1,30”のサインがしてあった。(一度読んだら、奥付に、 日付とサインをすることにしている。)つまり、当該テキストは、内容は全く覚えていないが、平成17年1月30日には、1度 完読したことになっていたのである???

出だし数ページを読んだが、実に重要な内容である。儒教・道教・仏教・キリスト教についての話が書かれている。
”不干斎ハビアン”(1565年〜1621年ころ)という日本人について、興味深い話が書かれている。
このあまり知られていないハビアンを評価して書いたのは、山本七平(『日本教徒』(1976年))である。

詳細は後日まとめたいが、”不干斎ハビアン”は、当該テキストに寄れば、生まれた環境からは浄土真宗の影響を受け、京に上って、 臨済宗の禅僧の修行をし、19歳の時に、キリシタンに改宗する。
『妙貞問答』(1605年)で、キリスト教の考え方に基づいて、儒教と神道と仏教を徹底的に批判する。
ところが、その後キリスト教を捨て、56歳の時、『破提宇子』(はだいうす)(1620年)という書物を書いて、今度は、 キリスト教そのものを、激しく批判したのである。
そして、翌年死去したのである・・・。

ともかく、この”不干斎ハビアン”は、興味のある人物である。
単純に考えても、仏教から、キリスト教に転向し、さらにキリスト教から離れ、今度はキリスト教を批判したというのであるから・・・。
まずは、山本七平の『日本教徒』を読んでみよう。

日本人には、平安時代から、契約の考えはあったという。
ただし、その契約は、西洋風の権利と債務という双務契約ではなく、一方的な債務至上主義であり、 日本人の美意識にも繋がるというのである。”過分の恩=債務”という考え方である。
日本人の倫理観では、”過分の恩”を受けたと感じたら、その”恩(債務)”は、絶対に返さなくてはいけないということなのである。
平家物語の平清盛と後白河天皇(上皇)との関係に及ぶのである。
平清盛は後白河天皇(上皇)から”過分の恩”を受けたのに、その債務を返さなかった。契約の観念を忘れ去ってしまった。 だから非業の最期を遂げたというのである。

すごい本を、再度読み直しているのである。(上)はどうしたのか見つかってはいない・・・。
(12/06/13)

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