漢方薬もそのまま簡単に服用できる「エキス剤」が普及してきました。
本場中国の純良生薬原料と日本の技術を併合して、中国から日本専用に製造された中身の濃い(満量処方)のご案内です。
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飲みやすい錠剤:一元製薬もあります平成4年9月価格改定になりました
番号 | 薬方名 | 成 分 | 効 能・効 果 | 解説 | |
T101 | 安中散料 |
ケイヒ・ボレイ・シュクシャ・カンゾウ・エンゴサク・ウイキョウリョウキョウ | ・胃腸の冷えをとり胃痛・腹痛をおさめます。中国伝統医学では、人体の体幹の部位及び生理機能を上焦(肺、呼吸器系)、中焦(脾胃、消化器系)、下焦(腎、膀胱、泌尿器系、生殖器系)に分けていました。 | 慢性的に胃腸の弱い方に使います。「安中」とはその中を安和にするという意味から名付けられました | |
T102 | 茵陳蒿湯 |
インチンコウ・サンシシ・ダイオウ | ・のどが渇いて、尿が少ないものの次の症状。 ・嘔吐、じんましん、二日酔いのむかつき、むくみ。 |
体力に余裕のある方の内臓の炎症 | |
T103 | 温経湯 |
トウキ・センキュウ・シャクヤク・ケイヒ・ッボタンピ・ショウキョウ・カンゾウ・ハンゲ・バクモンドウ・ニンジン・アキョウ | ・手足がほてり,唇がかわくものの次の諸症:月経不順,月経困難,こしけ,更年期障害,不眠,神経症,湿疹,足腰の冷え,しもやけ。 | 経とは広義の経路のことで、血管並に血液以外の生理的物質のながれる経路のことで。この経を温めることは、血液の循環をよくして、冷えを改善するという意 | |
T104 | 温清飲 |
オウレン・オウゴン・サンシシ・オウバク・トウキ・センキュウ・ジオウ・シャクヤク | ・皮膚の色つやが悪く、のぼせるものに用いる。 更年期障害、月経困難、血の道症、月経不順、神経症 |
四物湯と黄連解毒湯の合方です。四物湯が温補養血、黄連解毒湯が清熱瀉火に働くことから、その薬効より名付けられました。 | |
T106 | 黄連解毒湯 |
オウレン・オウゴン・サンシシ・オウバク | ・比較的体力があり、のぼせ気味で顔色赤く、いらいらする傾向のあるものの次の症状:鼻出血、不眠症、ノイローゼ、胃炎、二日酔い、血の道症、めまい、動悸。 | 主薬である黄連と、本方の薬効である解毒の作用をとって黄連解毒湯と名付けられました。 | |
T106 | 黄連湯 |
オウレン・カンゾウ・カンキョウ・ニンジン・ケイシ・タイソウ・ハンゲ | ・胃部の停滞感や重圧感、上腹部痛、悪心、嘔吐、食欲不振、口内炎を和らげます。 | 主薬である黄連の名をとって処方名とされました。 | |
T106 | 乙字湯 |
サイコ・オウゴン・トウキ・ショウマ・カンゾウ・ダイオウ | ・大便がかたくて便秘傾向のあるものの次の症状:痔核(いぼ痔)、きれ痔、便秘。 | 江戸時代の医家原南陽の創方で原南陽は、自製の常用処方に甲・乙・丙・丁という十干の文字を付し命名しました。 本方は原南陽創製常用の第2号処方といった意味あいで名付けられました。 | |
T109 | 葛根湯 |
カッコン・マオウ・ショウキョウ・タイソウ・ケイシ・シャクヤク・カンゾウ | ・感冒、鼻かぜ、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み。 | 葛根を主薬とするので、葛根湯と名付けられました。 | |
T110 | 葛根湯加 川j辛夷 |
カッコン・マオウ・ショウキョウ・タイソウ・ケイシ・シャクヤク・カンゾウ・センキュウ・シンイ | ・鼻づまり、蓄膿症、慢性鼻炎。 |
葛根湯に川jと辛夷を加味した処方です。 | |
T111 | 加味帰脾湯 |
オウギ・トウキ・サンシシ・ニンジン・ジュツ・ブクリョウ・サンソウニン・リュウガンニク・サイコ・オンジ・カンゾウ・カンショウキョウ・モッコウ | ・体質虚弱で血色の悪い人の次の諸症:貧血、不眠症、精神不安、神経症。 |
帰脾湯に柴胡、山梔子を加えたものです。 | |
T112 | 加味逍遙散 |
トウキ・シャクヤク・ビャクジュツ・ブクリョウ・サイコ・カンゾウ・ボタンピ・サンシシ・カンショウキョウ・ハッカ | ・体質虚弱な婦人で、肩こり、疲れやすく精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症。 |
逍遥散に、牡丹皮、山梔子を加えたもので、加味逍遥散又は丹梔逍遥散と言います。なお、逍遥散も『和剤局方』に収載されている処方で、不安、不眠、突然上半身に現れる灼熱感、怒りっぽいなどの逍遥性の神経症状に用いられます。 | |
T113 | 甘麦大棗湯 |
カンゾウ・バクガ・タイソウ | ・夜なき、ひきつけを抑えます。 |
甘草、小麦、大棗の3種類の生薬から成り、それぞれの生薬名をとって処方名とされました。 | |
T114 | 帰脾湯 |
オウギ・トウキ・ニンジン・ジュツ・ブクリョウ・サンソウニン・リュウガンニク・オンジ・カンゾウ・カンショウキョウ・モッコウ | ・体質虚弱の人の貧血、出血および不安、動悸、不眠などの症状。 |
漢方でいう脾は、造血及び消化機能に関連する臓器と考えられました。そこで、貧血・消化機能低下に用いられている薬方です。 | |
T115 | j帰膠艾湯 |
センキュウ・カンゾウ・ガイヨウ・トウキ・シャクヤク・カンジオウ | ・痔出血。 | 主薬である川j・当帰・阿膠・艾葉より1文字ずつとって名付けられました。 | |
T116 | 荊芥連翹湯 |
キキョウ・サイコ・ビャクシ・オウゴン・オウバク・オウレン・カンゾウ・キジツ・ケイガイ・サンシシ・ジオウ・シャクヤク・センキュウ・トウキ・ハッカ・ボウフウ・レンギョウ | ・蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび。 |
本方は『万病回春』に記された荊芥連翹湯の加減方で、17種類の生薬から成り、その主薬である荊芥、連翹、の名をとって処方名とされました。 | |
T117 | 桂枝湯 |
ケイシ・シャクヤク・タイソウ・ショウキョウ・カンゾウ | ・体力が衰えた人のかぜの初期:頭痛、発熱、悪寒、体の痛み。 |
その主薬である桂枝の名をとって処方名とされました | |
T118 | 桂枝加芍薬湯 |
ケイシ・シャクヤク・タイソウ・ショウキョウ・カンゾウ | ・腹部膨満のある次の諸症:、しぶり腹、腹痛。 | 桂枝湯の芍薬を増量し加えたもので、処方名はこれに由来します。 | |
T119 | 桂枝加竜骨牡蠣湯 |
ケイシ・シャクヤク・タイソウ・ショウキョウ・カンゾウ・リュウコツ・ボレイ | ・体質の虚弱な人で疲れやすく、興奮しやすいものの次の諸症:神経質、不眠症、小児夜泣き、小児夜尿症、眼精疲労す。 | 桂枝湯に竜骨と牡蠣を加味した処方で、処方名はこれに由来します。 | |
T120 | 桂枝加苓朮附湯 |
ケイシ・シャクヤク・タイソウ・ショウキョウ・カンゾウ・ブクリョウ・ビャクジュツ・ホウブシ | ・関節痛、神経痛。 | 桂枝湯に朮と附子、茯苓を加えた処方で、これを方剤名としました。 | |
T121 | 桂枝茯苓丸 |
ケイシ・ブクリョウ・ボタンピ・トウニン・シャクヤク | ・比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭痛、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えつつ議の諸症:月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)しみ、しもやけ。 | 初出の桂枝・茯苓の名をとって方剤名とされました。しかし、桂枝・茯苓が主薬で、残りの牡丹・桃仁・芍薬が脇役ということではありません | |
T122 | 五積散 |
ソウジュツ・チンピ・ブクリョウ・ビャクジュツ・ハンゲ・トウキ・コウボク・シャクヤク・センキュウ・ビャクシ・キコク・キキョウ・カンキョウ・ケイシ・マオウ・カンゾウ・タイソウ | ・慢性に経過し、症状の激しくない次の諸症:胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、冷え性、更年期障害、感冒。 | 気・血・痰・寒・食の五積(体内にこれら五つの病毒が鬱積することをさしている)を治すという意味で名付けられました(『臨床応用漢方處方解説』)。 | |
T123 | 牛車腎気丸 |
ジオウ・サンシュユ・サンヤク・タクシャ・ブクリョウ・ボタンピ・ケイヒ・ホウブシ・ゴシツ・シャゼンシ | ・疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少または多尿で時に口渇がある次の諸症:・腰痛、下肢痛、しびれ、老人のかすみ目、頻尿、排尿困難、かゆみ、むくみ。 | 八味地黄丸に牛膝、車前子を加えたものです。八味地黄丸は「腎気丸」とも呼ばれるのです。 | |
T126 | 柴胡桂枝湯 |
ケイシ・シャクヤク・タイソウ・ショウキョウ・カンゾウ・サイコ・ハンゲ・オウゴン・ニンジン | ・多くは腹痛を伴う胃腸炎、微熱、寒気、頭痛、はき気などある感冒、風邪の後期の症状。 | 小柴胡湯と桂枝湯の構成生薬をすべて含むので、小柴胡湯と桂枝湯の合方と考えられています。 | |
T127 | 柴胡加竜骨牡蛎湯 |
ケイシ・タイソウ・ショウキョウ・カンゾウ・サイコ・ハンゲ・オウゴン・ニンジン・ブクリョウ・リュウコツ・ボレイ・ダイオウ | ・精神不安があって、どうき、不眠などを伴う次の諸症:高血圧の随伴症状(どうき、不安、不眠)神経症、更年期障害、小児夜泣き。 | 小柴胡湯の加減方である柴胡加竜骨牡蛎鉛丹桂枝茯苓大黄湯の略と考えられています。現在は一般的に原典の12味ではなく、鉛丹・大黄を除いた10味を柴胡加竜骨牡蛎湯として用いることが多くなっています。 | |
T128 | 柴胡桂枝乾姜湯 |
ケイシ・カンキョウ・カンゾウ・サイコ・オウゴン・カロコン・ボレイ | ・体力が弱く、冷え性、貧血気味で、動悸、息ぎれがあり、神経過敏のものの次の諸症:・更年期障害、血の道症、不眠症、神経症。 | その主薬である柴胡、桂枝、乾姜を並べて、処方名としました。 | |
T129 | 柴朴湯 |
サイコ・ハンゲ・オウゴン・ニンジン・シャクヤク・タイソウ・ショウキョウ・カンゾウブクリョウ・コウボク・ソヨウ | ・気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、時に、動悸、めまい、吐気などを伴う次の諸症:小児ぜんそく、気管支ぜんそく、気管支炎、せき、不安神経症。 | 小柴胡湯と半夏厚朴湯の合方であり、両方の処方から1文字ずつ取って名付けられました。 | |
T130 | 柴苓湯 |
サイコ・ハンゲ・オウゴン・ニンジン・シャクヤク・タイソウ・ショウキョウ・カンゾウ・ケイヒ・ブクリョウ・バクジュツ・チョレイ・タクシャ | ・吐き気、食欲不振、のどのかわき、排尿が少ないなどの次の諸症:水瀉性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、むくみ。 | 小柴胡湯と五苓散の合方です。 | |
T132 | 四物湯 |
トウキ・シャクヤク・ジオウ・センキュウ | ・皮膚が枯燥し、色つやの悪い体質で胃腸障害の無い人の次の諸症:産後あるいは流産後の疲労回復、月経不順、冷え性、しもやけ、しみ、血の道症。 | 本方は4種類の生薬から成り、処方名はこれに由来します。 | |
T133 | 十全大補湯 |
ニンジン・オウギ・ジュツ・トウキ・ブクリョウ・ジオウ・センキュウ・シャクヤク・ケイシ・カンゾウ | ・病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血。 | 気血・陰陽・表裏・内外いずれも虚したものを完全(十全)に大いに補うという意味の名前です。 | |
T134 | 十味敗毒湯 |
サイコ・キキョウ・ボウフウ・センキュウ・ブクリョウ・オウヒ・ドッカツ・ケイガイ・カンゾウ・ショウキョウ | ・化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、急性湿疹、水虫。 | 本方は『万病回春』に記されている荊防敗毒散を基本として華岡青洲が創製した処方で、10種類の生薬から成り、化膿性疾患に用いられることから名付けられました | |
T135 | 潤腸湯 |
トウキ・ジオウ・アマニン・トウニン・キコク・コウボク・オウゴン・ダイオウ・カンゾウ | 便秘。 | 本方の主治は「大便閉結して通ぜざるを治す」(『万病回春』)であり、処方名は腸を潤して排便をつけるという薬効より名付けられました。 | |
T136 | 小建中湯 |
ケイシ・シャクヤク・タイソウ・ショウキョウ・カンゾウ・コウイ | ・体質虚弱で疲労しやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、、手足のほてり、冷え、頻尿および多尿などのいずれかを伴う次の諸症:小児虚弱体質、疲労倦怠、神経質、慢性胃腸炎、小児夜尿症、夜泣き。 |
体力虚弱で、脾胃(消化器系)が強壮でないものに用いられます。建中の‘建’は建立、‘中’は中焦つまり消化器系を指し、その作用を改善、正常化するという意味で、「大建中湯」に対比させて名付けられました。 | |
T137 | 小柴胡湯 |
サイコ・ハンゲ・オウゴン・ニンジン・シャクヤク・タイソウ・ショウキョウ・カンゾウ | ・はきけ、食欲不振、胃炎、胃腸虚弱、疲労感および風邪の後期の症状。。 | 本方は柴胡を主薬とする柴胡剤の1つで、7種類の生薬からなります。一方、大柴胡湯は8種類の生薬で構成され、適応面でも体力の充実したものに用います。大柴胡湯に比べれば、それよりもやや体力の低下したものに用いられることから、小柴胡湯と名付けられたといわれています。 | |
T138 | 小青竜湯 |
シャクヤク・マオウ・カンキョウ・カンゾウ・ケイシ・ッサイシン・ゴミシ・ハンゲ | ・気管支炎、気管支ぜんそく、鼻水、うすい水様のたんを伴う咳、鼻炎。 | 青竜は中国の神話に出てくる四神の1つで、東方を守護する神です。 青竜の青は麻黄の色の青さから名付けられたといいます。青竜湯には大青竜湯、小青竜湯があり、大青竜湯ほど症状の激しくないものに用います。 | |
T140 | 消風散 |
ジオウ・セッコウ・トウキ・ゴボウシ・ソウジュツ・ボウフウ・ゴマ・チモ・カンゾウ・クジン・ケイガイ・センタイ | ・分泌物が多く、かゆみの強い慢性の皮膚病(湿疹、蕁麻疹、水虫、あせも、皮膚掻痒症)。 | 風は漢方でいう病因の1つで、外因性・遊走性の疾患を指します。処方名は、この風を原因とする皮膚疾患を改善することから名付けられました。(漢方では、そう痒感は、風邪に起因すると考えられています。) | |
T141 | 参蘇飲 |
ハンゲ・ブクリョウ・カッコン・キキョウ・ゼンコ・チンピ・キジツ・ソヨウ・タイソウ・ニンジン・カンキョウ・カンゾウ | ・感冒、せき。 | 主薬である人参・蘇葉より1文字ずつとって名付けられました。 | |
T142 | 清上防風湯 |
センキュウ・オウゴン・レンギョウ・ボウフウ・ビャクシ・キキョウ・サンシシ・ケイガイ・オウレン・キコク・カンゾウ・ハッカ | ・にきび。 | 主薬は防風です。清上とは上焦つまり横隔膜よりも上部、とくに顔面、頭部にうっ滞した熱を清解させる意で、則ち炎症症状を緩解させることを示唆しています。 | |
T143 | 大黄牡丹皮湯 |
ダイオウ・ボタンピ・トウニン・ボウショウ・カシ | ・比較的体力があり、下腹部痛があって、便秘しがちなものの次の諸症:月経不順、月経困難、便秘、痔疾。 | 本方は5種類の生薬から成り、その主薬である大黄・牡丹皮の名をとって処方名とされました。 | |
T144 | 大柴胡湯 |
サイコ・ハンゲ・ショウキョウ・オウゴン・シャクヤク・タイソウ・キジツ・ダイオウ | ・がっしりとした体格で比較的体力があり、便秘の傾向のあるものの次の諸症:胃炎、常習便秘、高血圧にともなう頭痛、肩こり、便秘肥満症。 | 柴胡を主薬とする柴胡剤の1つで、小柴胡湯に対比して大柴胡湯と名付けられました。 | |
T145 | 猪苓湯 |
チョレイ・ブクリョウ・カッセキ・タクシャ・アキョウ | ・尿量減少し、尿が出にくく、排尿痛あるいは残尿感のあるもの。 | その主薬である猪苓を処方名としました。 | |
T146 | 釣藤散 |
チョウトウコウ・キッピ・ハンゲ・バクモンドウ・ブクリョウ・ニンジン・キッカ・ボウフウ・セッコウ・カンゾウ・ショウキョウ | ・慢性に続く頭痛、頭重で中年以降、または高血圧の傾向にあるもの。 | 主薬である釣籐鈎の名をとって処方名とされました。 | |
T147 | 桃核承気湯 |
トウニン・ケイシ・ボウショウ・ダイオウ・カンゾウ | ・比較的体力があり、のぼせて便秘しがちなものの次の諸症:月経不順、月経困難症、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)。 | 調胃承気湯に桂枝・桃仁を加えたもので、桃核とは桃の種子を含む内果皮のことを言います。承気とは気をめぐらすという意味で、ここでは腸の機能を活発にし排便を促すことを指しています。 | |
T149 | 当帰芍薬散 |
トウキ・センキュウ・シャクヤク・ブクリョウ・ジュツ・タクシャ | ・比較的体力が乏しく、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり動悸などを訴える次の諸症:月経不順、月経異常、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え性、しもやけ、むくみ、しみ。 | 主薬である当帰、芍薬の名をとって方剤名とされました。 | |
T150 | 二朮湯 |
ハンゲ・ソウジュツ・イレイセン・オウゴン・キョウカツ・コウブシ・テンナンショウ・チンピ・ブクリョウ・ビャクジュツ・カンゾウ・ショウキョウ | ・五十肩。 | その主薬として蒼朮・白朮の2種類を含むことから名付けられました。 | |
T151 | 女神散 |
コウブシ・センキュウ・ソウジュツ・トウキ・オウゴン・ケイシ・ニンジン・ビンロウシ・オウレン・カンゾウ・モッコウ・ダイオウ・チョウジ | ・のぼせ、めまいのあるものの次の諸症:産前産後の神経症月経不順血の道症。 | 安栄湯と呼ばれていましたが、婦人の血症に用いて特験があるため、女神散と名付けられました(『勿誤薬宝方函口訣』)。 | |
T152 | 人参湯 |
ニンジン・カンゾウ・ビャクジュツ・カンキョウ | ・体質虚弱、あるいは虚弱により体力低下した人の次の諸症:きゅうせい・慢性胃腸カタル胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐。 | 主薬である人参の名をとって処方名とされました。理中湯とも呼ばれています。 | |
T153 | 八味地黄丸 |
ジオウ・サンシュユ・サンヤク・タクシャ・ブクリョウ・ボタンピ・ケイヒ・ホウブシ | ・疲れやすくて、四肢が冷えやすく、」尿量減少または多尿で時に口渇のあるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ。 | 8種類の生薬から成ることを八味と表現し、地黄を主薬とするので、八味地黄丸と名付けられました。「八味丸」、「八味腎気丸」「金匱腎気丸」などともよばれます。 | |
T154 | 麦門冬湯 |
バクモンドウ・ハンゲ・コウベイ・タイソウ・ニンジン・カンゾウ | ・たんの切れにくい咳、気管支炎気管支ぜんそく。 | 主薬である麦門冬の名をとって方剤名とされました。 | |
T155 | 半夏厚朴湯 |
ハンゲ・ブクリョウ・ショウキョウ・コウボク・ソヨウ | ・気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔吐などを伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声。 | 小半夏加茯苓湯に、厚朴と蘇葉が加わった処方といわれます。小半夏加茯苓湯は半夏湯と呼ばれることもあります。そこで、基本の半夏湯に、加えられた薬味を代表する厚朴を続けて、半夏厚朴湯の方名が生まれました。 | |
T156 | 半夏瀉心湯 |
ハンゲ・オウゴン・カンキョウ・ニンジン・カンゾウ・タイソウ・オウレン | ・みぞおちがつかえ、ときに悪心、嘔吐があり、食欲不振で腹が鳴って軟便又は下痢の傾向のあるものの次の諸症=急・慢性胃腸カタル、醗酵性下痢、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔い、げっぷ、むねやけ、口内炎、神経症。 | 主薬である半夏と薬効である瀉心(心窩部の痞塞感を除く)より名付けられました。 | |
T157 | 半夏白朮天麻湯 |
ハンゲ・ビャクジュツ・チンピ・ブクリョウ・ソウジュツ・バクガ・テンマ・シンギク・オウギ・ニンジン・タクシャ・オウバク・ショウキョウ | ・胃腸虚弱で下肢が冷え、めまい、頭痛などがあるもの。 | 主薬である半夏・白朮・天麻の名をとって処方名とされました。 | |
T159 | 白虎加人参湯 |
ちも・コウベイ・セッコウ・カンゾウ・ニンジン | ・のどの渇きとほてりのあるもの。 | 白虎湯に人参を加えた処方です。白虎とは中国の神話に出てくる四神の1つで、西方を守る守護神です。西方の色は五行説では白で、主薬である石膏の白色にかけて名付けられたものです。 | |
T161 | 補中益気湯 |
オウギ・ニンジン・ビャクジュツ・トウキ・チンピ・タイソウ・カンゾウ・サイコ・カンキョウ・ショウマ | ・元気がなく、胃腸の働きが衰えて疲れやすいものの次の諸症=虚弱体質、疲労倦怠、病後の衰弱、食欲不振、ねあせ。 | 中は脾胃即ち、消化吸収に関する消化管を指し、気は飲食摂取によって得られる精力・活力を、意味します。本方はその薬効より中を補い、気を益するとされています。 | |
T162 | 防已黄耆湯 |
ボウイ・オウギ・ビャクジュツ・ショウキョウ・タイソウ・カンゾウ | ・色白で疲れやすく汗のかきやすい傾向のある次の 諸症:肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)、 関節痛、むくみ。 |
主薬である防已、黄耆の名をとって方剤名とされました | |
T163 | 防風通聖散 |
トウキ・シャクヤク・センキュウ・サンシシ・レンギョウ・ハッカ・ショウキョウ・ケイガイ・ボウフウ・マオウ・ダイオウ・ボウショウ・キキョウ・オウゴン・セッコウ・カンゾウ・カッセキ | ・腹部に皮下脂肪が多く,便秘がちなものの次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘 | 防風を主薬とします。防風は文字通り風ふう(外邪である六淫(六邪)の一つ)を防ぐ効があります。通聖とは聖人のことで、重要な薬という意味が込められています。 | |
T164 | 麻黄湯 |
マオウ・キョウニン・カンゾウ・ケイシ | ・風邪のひき始めで、寒気がして、発熱、頭痛があり、身体のふしぶしが痛い場合の次の諸症状 : 感冒・鼻かぜ。 | 主薬である麻黄の名をとって処方名とされました。 | |
T165 | 麻杏甘石湯 |
マオウ・キョウニン・カンゾウ・セッコウ | ・小児ぜんそく、気管支ぜんそく 。 |
本方は麻黄・杏仁・甘草・石膏の4種類の生薬から成り、これらの生薬の名から一文字ずつとり名付けられました。 | |
T166 | 麻杏甘湯 |
マオウ・キョウニン・ヨクイニン・カンゾウ | ・関節痛、神経痛、筋肉痛。 | 麻黄・杏仁・よく苡仁・甘草の4種類の生薬から成り、これらの生薬名から1文字ずつとり名付けられました。 | |
T167 | 苡仁湯 |
マオウ・トウキ・ソウジュツ・ヨクイニン・ケイヒ・シャクヤク・カンゾウ | ・いぼ、皮膚のアレ、利尿、関節痛。 | 主薬であるよく苡仁の名をとって処方名とされました。 | |
T168 | 抑肝散 |
トウキ・チョウトウコウ・センキュウ・ビャクジュツ・ブクリョウ・サイコ・カンゾウ | ・虚弱体質で神経が高ぶるものの神経症、不眠症。 | 漢方では内蔵は精神とも関連し、肝の亢ぶりは怒り・興奮等の精神神経症状をもたらすと考えられています。 | |
T170 | 六君子湯 |
ニンジン・ビャクジュツ・ブクリョウ・ハンゲ・チンピ・タイソウ・カンゾウ・カンキョウ | ・胃腸の弱い人で、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血症で手足が冷えやすいものの次の諸症状: 胃炎・胃アトニー・胃下垂・消化不良・食欲不振・胃痛・嘔吐。 | 主薬は君薬とも呼ばれます。本方は四君子湯と二陳湯の合方ですが、それぞれの主薬である人参、朮、茯苓、甘草及び陳皮、半夏の6生薬より六君子湯と名付けられました。 | |
T171 | 竜胆瀉肝湯 |
ジオウ・トウキ・モクツウ・オウゴン・シャゼンシ・タクシャ・カンゾウ・サンシシ・リュウタン | ・比較的体力があり、下腹部筋肉が緊張する傾向があるものの次の諸症=排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ。 | 適応は肝経の湿熱つまり尿不利を伴う熱であり、これを瀉して治すことから、その主薬ならびに薬効より名付けられました(『臨床応用漢方処方解説』)。 | |
T172 | 苓桂朮甘湯 |
ブクリョウ・ケイシ・ビャクジュツ・カンゾウ | ・めまい、ふらつきがあり、または動悸があり、尿量が減少するものの次の諸症=神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛。 | 茯苓・桂皮・朮・甘草の4種類の生薬から成り、これらの生薬より1文字づつとって名付けられました。 |