サイドカウル加工
ちょっとでも涼しい夏を過ごすために
ここが暑さの元凶だと思ったので・・・・・・
「夏は暑い」と形容されるBMWのバイク。
それは古いRでも古いKでも同様のようで、近年の新シリーズBMWバイクで「やっと」使われなくなった言葉のようです。
まあ、夏はどのバイクに乗っても暑いのだから、このことは諦めよう。
ウチのK100RSはその「夏は暑い」と言われた時代のBMWなので、これからの季節・・・・大体6月〜10月ごろ・・・・は
メッシュジャケットを着て乗ったとしても脱水症状を起こしそうなほど暑く(熱く)、乗るのを躊躇するときもあります。
が、暑いのは乗る人間ばかりでなく、そのK100RS自体も同様らしく、
信号待ちですぐにラジエターファンが回りだし、一生懸命自分を冷やそうとしています。
やはりドイツ生まれには日本の夏は暑すぎるみたい。でも、こればっかりは、しょうがない・・・・諦めよう。
しかし・・・・・・。上には「諦めよう」って書きましたが、本当に諦めてよいものだろうか?
そこで、今回は「K100RSの冷却性能を向上させよう」というネタを思いつきました。
他のGPXやK1300Sでもそれなりに素人考えの冷却性能を向上させる対策(GPXならアンダーカウルを外して、
K1300Sはアンダーカウルの穴あけ&フィンの追加)をしていたので、そういったのをK100RSでもやってみようって訳です。
その前にK100RSをよく観察してみると、ラジエターはそこそこ大型のようですが、
ラジエター直後に大きなエアクリーナーボックスが鎮座し、ラジエターを通り抜けた空気の抜けが悪そうに見えます。
さらにはサイドカウルのアウトレットも、デザインの割りには空気通路がさほど大きくなく、ここでも抜けが悪そう。
パッと見た目では、この部分が一番冷却性能をスポイルしてるんじゃない?
同時期のBMW・Kシリーズのサイドカウルのデザインを見比べると、K100RS(2Vも4Vも)が開口部の
面積が一番狭そうで、ついでK1100RS<KのLTとか<K1とサイドカウルの開口部の面積が増えていってませんか?
LTとかK1はそこに網がついていたとしても、その元々のカウルデザインはかなり大きめ。
直系シリーズであるトコロのK1100RSと比べたって、K100RSのそれよりもK1100RSのは大きくて
エンジン内部が見えるような邪魔な部分の無い開口デザインになってます。
それならば、K100RSの開口部を何とかして広くして、ちょっとでもスムーズにラジエターから空気が抜けるような
形状にすれば良いんじゃないか?・・・・・って思いついたんです。
でも、その加工をやるのに今装着してるカウルを加工するのは気が引けた(失敗したら嫌だ)ので・・・
ネットオークションでサイドカウルのみを入手。当然、左右セットで。
これを生贄にしてサイドカウルの加工をしてみたいと思います。
その加工の前に、アウトレットの実際の寸法を実測。
カウル外側での大きさが約10cm、一方のカウル内部は約6〜7cm程。
ここで30%くらい損をしてるか?
ここを広げれば、かなりの通路面積が確保できるはす。
これを左右で出来る限りキレイにカットして、開口部を大きくしてみます。
仕事の合い間に時間を作って、仕事で使う塩ビパイプ用のノコギリやホームセンターで買ってきた
FRP用のノコギリ&ヤスリを駆使して加工すること『2枚でおよそ90分』
こんなになりました。
最初は一番広く開口できるように四角くしてしまおうと思ったのですが、あの「目の字」状のカウルデザインが
K100RSのデザイン上の特徴でもあるかな?と思いとどまり、ギリギリのところまでで残してみました。
カウル左側の加工後
カウル右側の加工後
「目の字」の細いところを残したりとか、カウルステーを残しつつ不必要と思うところを切ったり削ったりするのに
ちょっと苦労しましたけど、それなりの開口面積を確保できた加工が出来たと思います。
本当なら、このカウルを実装→走行して水温低下などの効果を確認した方がよいのですが、
そういったことは一切せずに装着してみたい思ってるので、
GW後にディーラーに問い合わせて
「これにあのイエローの塗装をしたら幾らになるか?」を聞いてみます。
ディーラーじゃなくても近所の塗装屋とかを探し出して塗装を依頼しても良さそうですけれど、
ここはやっぱり「純正塗料」での塗装をやってみたい。
噂では、赤・黄系統の色ってのは部分塗装には向いていない(バラバラに塗る&部分補修では色が合わない)らしいので
純正塗料にこだわるのは得策ではない気もしますが、そこは上手くやってもらおう。
もし、失敗したら・・・・・・
別なヤツを使って、再チャレンジ。
そのときは近所の塗装屋にしよ。
2011年5月追記
GW後のGPXいじりが一段落ついたんで、宅急便でディーラーに加工したサイドカウルを送って
表面の傷の補修&再塗装の見積もりを頼みました。
で、今はその返答待ちの状態です。
そのディーラーからの話では、「あのイエローのカウルの一部を送ってくれれば、その色に合わせて
イエローを調合(調整?)して塗装出来る」って話が出たんで、見積もりが納得の内容ならば
そのようにやってもらうつもりです。
2011年5月追記(2回目)
ある日、ディーラーからカウル塗装の見積もり連絡が入りました。
その金額は・・・・・・・・・カウル2枚の塗装代で6桁でした。(四捨五入無しで)
最初は聞き間違いかと思いましたが、マチガイのない6桁の金額。
まあ、ディーラーから専門の塗装業者に頼んで、
傷・割れの処理→FRPの下地処理→調色した塗料での塗装→完璧な仕事→それを送る送料が
その見積もりの中に入ってると納得してても、そんな金額は出せない。
だいたい、こっちはそこまで気合を入れてる訳ではないので。
で、ディーラーから一旦送り返してもらって、ネットで今回のネタをやってもらえそうな塗装屋を調べています。
出来たら、梅雨明けごろまでにはカウルを完成させたいなぁ。
2011年6月追記
ネットであちこち探し回った結果、上記の見積もり金額のおよそ4分の1でやってくれる塗装屋を見つけられたんで、
そこにサイドカウルを送って作業依頼をしました。
仕上がりはともかく(相手を信頼・信用するしかない)、金額的には対応できる金額で依頼出来たと思います。
後は、仕上がりと乞うご期待。
2011年7月追記
塗装屋に預けておよそ1ヶ月後。やっと返ってきました。
その完成時に塗装屋からメールが届きまして、かなりメンドクサい作業だった様子がうかがえました。
素人ながらに「あのイエローに調色するのが面倒だろうなぁ〜」と思っていたんですが、その前の作業段階から
メンドクサい作業だったようです。
以下、その送られてきたメールから抜粋。
通常では考えられないのですが、先に塗装されていたものが密着が悪く剥がれてる状態でした。 密着してない塗装の上に下地は作れないので、塗装を剥がす事になりました。 スクレパーでパリパリと剥がれる状態でした |
「通常では考えられない」ような塗装(これも再塗装か?)でも
こっちは全然驚くでもなく、「それがBMWクオリティ」って感じ。
で、これの傷を修正・パテがけしてもらって・・・・・・
だんだんとキレイな表面に。
調色した塗料で塗装→磨いて、完成。
このような段階を踏んで、やっと手元に戻ってきました。
蛍光灯の下で見ると、ちょ〜っと色味が強い気がするけど。
太陽の下で見ればまた違うでしょ。
そして、やっと巡ってきた休日。幸いにして梅雨らしくない晴れた空になってきた。
じゃ、早速取り替えましょう。
交換作業前のカウル内部の見え方。
HIDユニットのある左カウルが面倒だったけども、比較的簡単に交換完了。
よく見ると、太陽の光加減で色味が違って見えるような見えないような・・・・・・
ま、許容範囲だな。
と言う訳で、あっさり交換作業終了。
交換後のカウル内の見え方。
だいぶ『スカスカ』感が増強された感じにはなりました。
で。さらに。
秘蔵ステッカーも忘れずに貼り直し。
これで一連のネタが終了したことになります。
この後、買い物に出かける用事があったんで、試走かたがたアチコチ走り回ってみたものの、
具体的に分かるような変化は無し。
信号待ちとか渋滞とかに巻き込まれていないので、冷却ファンが回るようなこともありませんでした。
それなら、今度はわざと渋滞に巻き込まれてみようか?
もうちょっと続く・・・・・・・か。
2011年7月追記(2回目)
カウルの効能を確かめに出かけたら、ラジエターファンの不調(固着?)が発覚したんで、
ラジエターファンの回り方を調べることでの冷却性能比較がしばらく不可能になりました。
ファンが直ってから、実験再開します。・・・・・・・・って言うか、修理するのが先です。
2011年8月追記。
ラジエターファンが直り、数年ぶりの北海道ツーリングをこなした中で、加工したサイドカウルの効能および予想外の影響を
簡単に羅列します。
まず、『暑い(熱い)中を走って、エンジン・ラジエターの放熱効果を上げることが出来ているか』と言う点で、
あの加工はだいぶ有益な加工だったと思います。
北海道ツーリングの最中での数少ない渋滞走行の中において、ラジエターファンの稼動回数・時間は
加工前よりも格段に少なくなったと思います。
渋滞・信号待ちで全く動いてない状況ではダメですが、多少でも走行してる(ラジエターに風が当たってる)のであれば
しっかりと放熱をしてるようで、ノロノロ運転中でのファン稼動はありませんでした。
その一方で、サイドカウルから放出される熱量の多い風が今まで以上に足元(脛とかふくらはぎとか)にまとわりつき、
走行中ちょっと厳しい時がありました。
大体50〜60km程度のスピード時に上手くまとわりつくようで、足がすごく熱い。
それ以上だと、今度は上手く散らばる・流れるようで、それほど熱くない。・・・・・・でも、このときも加工前よりも多分熱いな。
2011年9月追記
K100RSの車検のために、ディーラーまで渋滞の中を走って行ったんですが、やはり効果アリ。
ラジエターファンの稼動回数・稼動時間はそれなりに減少し、エンジンの熱負担が軽減されてると思います。
また、抜けが良くなって、カウル内に熱がこもることが少なくなってるのも実感できます。
だって、その分確実に足の脛・脹脛が熱風にやられますから。
渋滞で停止中にファンが回りだし、その後渋滞の列が流れ始めて車体の周りに空気の流れが発生すると、
排熱性能が向上したあの穴から一気に熱が排出されるのが足の感覚で如実に確認できます。
北海道へ行ったときにはここまで熱くは無かった。
元々のカウルはやはりそれ相応に抜けが悪かったのでしょうし、そのためにカウル内の熱の逃げも悪かったのでしょう。
費用対効果の面で言えば、「やって成功」と言えるでしょう。その点で言えば『ディーラーに任せないでよかった』
後は、これから涼しくなる・寒くなる季節での使用で悪影響が出るかどうかが心配。
どのタイミングでオリジナルのカウルに戻すか・片側だけ残すかといった温度調整が必要になってくるでしょう。