エアダクト改造
はい、大きく息を吸ってぇー。





効果があるのを期待してますが、効果があると確信が持てません。


2016年のGW直後の事です。
K1300Sの洗車と同時に、K100RSの洗車&サイドカウルを夏用に変更してたら、何となく目に付いたのが、このエアダクト。
・・・・・・・1000ccのエンジンの割りにちょっと細いし、少々長すぎませんか?

エアダクト入り口がラジエター脇なので、多少のラムエア効果があるような気もしますが、これをもうちょっと太くしたらどうだろう?
そうしたら、もっと吸気出来る空気量が増えるんじゃないか?


     
エアクリーナーボックスとサイドカウルの隙間を縫って
細長くエアダクトが前方に延びています。


     
で、夏用サイドカウルに交換すると、幾分余裕が生まれて
『何か出来そう』な空間が現れます。


確かその頃、本屋の立ち読みで四輪の雑誌に「エアクリーナーボックスを変更して、吸気をスムーズにさせると、
パワーアップが見込める」なんて記事を読んでしまい、すっかり影響されてしまいました。
フラットROM以外はずべてBMW純正のままのエンジン関連なのに、むやみやたらに部分的に変更(改造)しても
それに見合った効果が出るかどうかは分かりません。それに記事では『エアクリーナーボックス』でしたが、こっちは『エアダクト』
やってるコトはまるっきり違ったりしますが、とにかく一度この部分をイジってみたくなったから、勢いそのままにやってみた


     
そういえば、GPXでも同じようなコトにチャレンジしたなぁ。
GPX750Rのエアクリーナー入り口の白いパーツを取り外して、吸気効率を上げたつもりになって・・・。
で、その変化ですが、2個とも取ると高回転域まで気持ちよく回るけど、スタートダッシュが何か非力に感じ、
2個とも取り付けると、まあ『元通り』で問題無いけど、さっきの高回転域の気持ちよさが無い。
それを踏まえて、暫くは『1個だけ取り付けた』状態でしたが、結局2個とも取り付けてます。
やっぱ、純正状態が一番無難だった。


・・・・という過去の経験があります。
何となく同じような結果になりそうな予感がするものの、こっち(K100RS)はインジェクションだから
多少の空気量の変化なら、勝手に補正して『丁度良い状態』になるのではないか?とも思ってたりします。


しかし、何の準備もせずにイジるわけにもいかず、暫くの間はカー用品店やバイク用品店をくまなく回って、
使えそうなパーツをピックアップしたり、車雑誌の記事で参考になりそうな記事を探してみたり、ヤフオクで使えそうなパーツを
入手したりと、無駄になるのも覚悟の上で改造に必要なモノを集めていました。

それに平行して「純正エアダクト以上の吸気量を確保出来るエアダクトの通り道と、その固定方法」を頭の中で
何回も設計してみて、これなら出来そうだという所で実行してみました。この辺までで、タップリ1ヶ月くらいかかってます。
(同時進行で、K1300Sの整備やGPXの復活準備もあり、そちらへの時間や資金も必要だったから)


     
まず入手したのが、K100RS用のエアダクト部と、右側サイドカウル内の鉄製ステー。
今車体に装着してる部品は加工したくなかったので、加工用に入手しました。



そして、4輪用のアルミダクト(ブレーキとかの冷却用のダクト)を購入。
安い品物を探すよりも、確実に手に入る材料にしました。



エアダクト(エアクリーナー直前の部品)とアルミダクトの比較。
うーん、多少は口径アップになるんじゃない?


一連の改造作業で、一番最初に手をつけたのが、エアクリーナー直前にあるエアダクト部品の加工。
これとアルミダクトを接続出来るように、部品側の入り口を大きくします。
今回一番の難所の部品加工だと思います。


     
仕事の合い間に、仕事場にエアダクト部品を持ち込み
ガスバーナーで熱して形状を変形させました。
耐熱性に優れた部品なのか、熱しても柔らかくならなくて、変形しづらい。


で、これがある程度の形状(あまりに完璧を追求しすぎると、部品が溶けてしまいそうなので、ほどほどにしましょう)になったら
次に金属ステーを加工します。


     
金属ステーをサンダーで適当な形状まで切り落とし、必要な部分を捻じ曲げる。
途中の写真がありませんが、加工したステーを車体へ取り付けます。


     
そして、元々のエアダクトの不要な部分を取り外す。これはちゃんとキープしておこう。
本当なら、エアクリーナーボックスまでアルミダクト仕様がいいんだけど、
エアクリーナーボックスはイジりません。


     
加工したエアダクト以下、用意した部品をこんなレイアウトで取り付けました。
エアファンネル部はタイラップで固定、加工エアダクトとアルミダクトはアルミテープで固定。
アルミダクトが当たりそうな部分には、クッションスポンジを貼り付けてます。
純正エアダクトよりもエアダクト部が長いけれど、口径アップがそれを相殺するか?


     
ハンドルを右へフルロックさせても、エアファンネルと干渉しないし、
雨や虫の侵入も最小限に抑えられる場所・・・・・と思って、ここに持ってきました。
ここなら純正位置以上のラムエア効果も期待出来そう。


     
元々のエアダクト入り口は、空力チューンでも使ったテープで裏打ち。
いつかこの上にカーボンステッカーでも貼ってやろう。
よくよく見ると、正式な位置よりも雨も虫も入らなさそうだけど・・・・・。


     
カウルなどを取り付けても、余計な当たりもなくて良かった。
しかし、夏用サイドカウルじゃないと、このレイアウトが成立しない。
冬用(つまり純正形状のままの)サイドカウルだと、新造エアダクトが干渉するから
それをかわすのに、再改造するか、もしくは純正に戻すかが必要です。


夏用サイドカウルを再取り付けしたら、ちょっとだけ試走してみた。
若干、始動性が悪くなった気がする(いつもよりチョークを大目に効かせる必要があった)けど、極端に悪くなった訳じゃないから
こんなモノだろう。要はチョークを大目にすればいいだけだから。

走り回ってみると、もしかしたら『ラムエア効果?』とも思える力強さがちょっとだけ感じました。
40kmくらいから『アクセルのツキが良い』というか、『トルク感が増した』というか、『エンジンに空気入ってます』という
変化はあったような気がします。
また、4速で40kmから120kmくらいまでの速度変化を与えるような走り方をすると、やけに加速が良い気がする。
で、そのまま5速に入れると、これまた気持ち良い加速が続いたりして・・・・・。

その5速のままで40kmくらいまで速度を落とし→再加速すると、前よりもスムーズに加速する。ちょっとはダルい感じはあれど、
ま、これも納得出来る範疇だろう。

そして、その試走中、ヘルメットの下から「コォ〜〜〜・・・・・・」なんて吸気音らしいのが聞こえるのも楽しかったりして。
そういったのも含めて、改造して悔いなし。



ここまでやれば、コイツが活きてくるか。


2016年9月追記
9月に入り、残暑も厳しい日が続いたりして、何となく気になるのがラジエターからの熱気。と言うか吐き出される熱風がスゴい。
その熱風を受けながら何となく気がついたのが、『エアダクトの空気も暖まってる?』可能性。
アルミ製で熱伝導も良さそうだし、せっかくのクールエアがホットになるんじゃ困るなぁ〜。

と思い込んで、4輪レース雑誌の写真などを参考にエアダクトの追加工をしてみた。


     
ライコランドで買った断熱アルミテープ。
中にガラス繊維の層があって、断熱効果をもたらすそうです。
これをエアダクトの上から下まで広範囲にカバーしてみました。
よく観察すると、近くにラジエターホースもあり、熱の影響を受け易そうだった。


どのくらいの断熱効果があるかどうか分かりませんが、何もしないよりも良いんじゃない?って位のノリでやってます。
で、試走などはせず、そのまま終いこみました。いかんせん、雨の予報で出かけるわけにもいかなかったから。




2016年11月追記
久しぶりにゆっくり時間の取れた日曜に、夏用サイドカウルを冬用へと交換すると共に、自家製エアダクトを純正のに戻しました。



上にも書きましたが、純正サイドカウルとエアダクトが当たってしまうので
全てを純正形状品に戻しました。
エアダクトが小さく・細くなっても、空気密度が上がってくるだろうから・・・・
と呑気に考えてます。


その作業後、そのままブラっと出かけたらば、驚いた。エンジンのトルク感が増えてる!
ちょうど、この頃にマフラーのバッフルを中間サイズのにして走り回ってたりしてて、それなりに注意しながら走ってたので
間違いのないコトだと思います。結構変化するもんだねぇ〜。

冷静に観察すると、「エンジンのトルク感が増えてる」と言えるかもしれないが、「エンジン回転上昇が若干タルい」とも言える。
ちょーっとエンジンの反応(エンジン回転上昇の仕方)が遅く思える。それがトルク感と思ってしまうのか?
それまでの自家製エアダクトを使って走ってた時よりも、断然走りやすい。

マフラーを交換し、エアダクトもイジってるというのは、やり過ぎだったのかな?
思い起こせば、自家製エアダクト+謎のモトロニック+純正マフラーの組み合わせは、結構使えるし、パワー感もあった気がする。
それに、純正エアダクト+フラットROM+ステンチューン・マフラー(バッフル無し)でも8000rpmくらいまで普通に回ったから
そんなに空気を入れなくても良かったのかもしれない。
イジるなら、エアダクトかマフラーかの一方だけでも十分効果的だったのか?
しかし、両方やったからこその『実験結果』だったと思いたい。



来年の春先になっても、出番は無いかも。


『マフラー』のように通年使えるのと違い、夏用サイドカウル併用じゃないと使えないエアダクトなので、これに固執するのもねぇ。
エアダクト無しで何とかするように計画変更するか。