11’北海道ツーリング
『血中北海道濃度』を上げに行こう。




去年・一昨年と行けなかった北海道ツーリング。
今年は8月12日〜16日までの盆休みが取れ、資金的にも何とかなりそう・・・・実際は『何とかした』・・・・だったんで、
これは北海道へ行くしかないでしょ!、と早々に夏の計画が決定しました。
去年・一昨年と行けなかった反動で、今年の準備作業には自ずと力が入ります。「今年こそは行くぞ!!」って


その一方で、主力機種のK100RSがツーリング前にトラブるというお決まりのネタを披露するし、
何時ぞやの取り締まり体験を払拭すべくレーダー探知機の新規導入をしたり、
そのレーダーの取り付けステーを突貫工事で作成したり・・・・と、前日までドタバタと余計なネタをこなして
何とか盆休み前日までに準備完了。そのまますぐに出発できる体制を整えていきました。
今年も「深夜超特急」で北海道を目指しますよぉ〜。


     
本当に久しぶりの北海道だったんで、
必要以上の意気込みで用意をしてました。


ちなみに、今回のツーリング内容は前回2008年のツーリング内容にほぼ準拠しております。
何てったって前回のツーリングは、『K100RSでは行けなかった』ところからの再スタートの意味もありますから。
それを含めて、前回行ったけど全然ダメだった知床峠を最遠目的地にして、天気の良い(であろう)道東をひたすら巡ろうと考えて
ルート設定をしてみました。

それを後押ししたのが、帰りのフェリーチケット。
今回運よく「苫小牧⇒八戸」のチケット・・・・・それも、深夜24時出発の・・・・・が取れたんで、それを有効利用しようと
必要以上に道東をウロウロしようと思ってます。
で、せっかくだから、苫小牧と八戸のフェリーターミナルの変わり様を確認しておこうかと。
そんなネタも企みながらツーリングマップルを眺めていました。






そして、8月11日の夜。
盆休み前の仕事も順調に終わらせ、帰宅後すぐにでも出発したかったんですが、・・・・・・・出発を躊躇してます。
ここ最近多い「ゲリラ豪雨」の心配があったんで(実際、近くまで雨雲が迫っていた)、ネットで雨雲の様子を伺いながら
フェリーの手続き時間から逆算した時間と過去の走行時間とを比較検討して、これ以上は待てないギリギリまで待って、やっと出発。
雨雲が過ぎ去ったと判断したルートで常磐道へアクセスして、そのまま北へ。
常磐道は多少路面が濡れてたけど、水溜りがある程ではなかった。それに気をよくして、快適なペースを維持しながらひたすら走る。

やはり夜の高速道は車も少なく、風景の見えない事もあり、単調な走行になりがちです。
深夜3時くらいまでは何とかなりますが、それ以降は自分との戦いになっていきます。すばり、眠気との戦い。
ちょうどそのころは盛岡を通り過ぎたころで、そこから先はそれまで以上に車が少なくなります。
ペースメーカーにするような車も後ろからプレッシャーをかけるような車も無く、ただ一人で淡々と走る時間。
このころが非常に眠い。

ちょうどそんなときに、後ろから『赤い回転灯を回しながら猛スピードで追いかけてくる覆面パトカー』が。
あれ?自分ですか?
せっかくレーダー探知機を取り付けたのに、気が付かなかった。馬鹿だねぇ〜。
北海道ツーリングの初日・・・・どころか上陸前に御用になるなんて。

・・・・・と、諦めにも似た覚悟をしていたんですが、その覆面パトカーは自分を無視して追い越していきました。
どうやら眠そうなライダーへのモーニングコールだったようです。おかげで一発で目が覚めました。ありがとう。
(実は、その先で故障したトラックが停まっていて、それを確認しに急いでいたようでした)


そこから最後のラストスパートで東北道・青森ICへ辿り着き、予想通りの「12日早朝」に青森フェリーターミナルへ無事に到着。
しかし、過去に見慣れた風景とちょっと違う。



前のターミナルビルが無くなってる。


あれ?青森港も変わったんだ? 3年も間が開くと、こういった環境の変化にすぐに対応するのが大変です。
青森港には、新しいターミナルビルがフェリー会社ごとに建っていました。



今回使った津軽海峡フェリーのビル。
駐車場を挟んだ反対側にもう1つの青函フェリーのビルが建ってました。
前は1つのビルに2つの会社が入ってたんですよ。


フェリー出発までは2時間半、手続き開始まででも1時間以上余裕があったんで、仮眠をしながら時間調整。
ちょっと時間が余りすぎの感がありますが、道中に何があるか分からないから、時間の余裕はあった方がマシです。
で、問題無く「手続き⇒フェリー乗船⇒出港」して、予定通りに「昼ごろの函館港」に到着。
予定通りに物事が進むっていうのは、気分が良いもんです。



乗船前の待機場所にて。
早朝7時40分発のフェリーだったせいか、乗船したバイクは自分を含めて4台ほど。
ターミナル周辺に待ってるバイクも少なくて、非常に閑散としてる雰囲気がありました。



前回2008年と同じ到着時間。
同じような撮影場所。
そして、同じように晴れた北海道の空。


北海道に上陸したものの、いきなり走り出さずにまずは腹ごしらえ。『腹が減っては、戦はできぬ』です。
それに、前回同様に今日の目的地は千歳市。そんなに急ぐ必要性はありません。
個人的には、道南(国道5号線)は移動区間ですから。


     
そんな国道5号線沿いの駐車場にて。左が長万部方向、右が大沼方向か。
いやぁ〜、本当に良い天気だ。
しかし、天気が良すぎるせいか、メットに当たる虫が多い!!


途中、突貫工事で取り付けたレーダー探知機の不具合を解消するのにホーマックに寄ったりしましたが、
他に何事も無く千歳のビジネスホテルに到着。
明日からいよいよ北海道本番だ!・・・・と言う訳で、無駄に出歩くこともせず、明日の朝食用のコンビニパンを確保したら
ホテルに篭って明日からのルート確認をしてました。
でも、不覚にも途中で寝落ち。そんなに疲れていたのかなぁ。




8月13日
北海道ツーリング本番ともいえる2日目。
早朝の時間帯にやってるTVの天気予報では、今日も良い天気らしい。しかし、明日からは全道的に下り坂だとか。
そういった情報を頭に入れつつ、昨日のコンビニパンで栄養補給。



いつものように早朝に出発。
朝5時の千歳駅前にて。


今日は網走まで行けばいい。そして、そこまでの間にドコを巡るかも大体決めてある。けど、どの道を使うかは結構アバウト
行きたいトコはたくさんあるけども、ドコをどの順番で回るかなんてのは、その時の気分に任せます。
そういったユルい感覚で駅前から出発して、337号線→226号線→462号線→274号線と日高峠へ。

それにしても妙に車の出が早いなぁ。
そういったのを避けるのもあって早朝に出発してるに、同じ考えをする奴が多いのか、もうそれなりの車列が出来てます。
まだ大した車列では無いからペース的には問題ないけども、『誰も居ない北海道』を思う存分走り回るってのがちょっと難しい。
それに、この分だとじきにもっと車が増えて、自然渋滞のような風景が目の前に出来上がりそうなので、
途中の追い越し可能車線とか「登坂車線」のある坂道では、遠慮なく追い越させていただきます。
特に車格の違いが如実に現れる坂道なんかでは、気持ちよく軽&1BOXカーなんかを置いてけぼり。

たまに車格の割にガンバる車(ひたすら登坂車線の右側を走るイマイチ体力の足りない車)に出会うときもありましたが、
そういったコトをするのであればもうちょっと頑張っていただきたいものです。


今回の日高峠では、幸い霧や雨などに会う事も無く、快適な風景&道程を堪能できました。
天候の不安の無い峠越え(上りも下りも)って言うのも、なかなか体験したことって無いなぁ。


     
清水側の日高峠から。撮影場所はマチマチです。
この風景を見ると、北海道へ来た実感が沸いてきます。
これぞ北海道!


撮影場所を探すべく峠道を何度か上ったり下りたりしてから、やっと38号線に合流。
とりあえず、ここから釧路を目指してさっさと『お土産を買って→宅急便で送る』をしておこう。そうすれば、後で心配することもない。

で、釧路を目指すのにそのまま38号線を帯広方面に向かうことなどはせず、御影付近で55号線→62号線と進んで、
帯広をショートカット。多分、そのまま38号線で帯広市街地に行ったら信号待ちとかで退屈しそうだし。



その62号線沿いにある日本一長い防風林。
いやぁ〜、「消失点」が遠い。


この55号線も62号線もいかにも「北海道の雄大な風景」が広がっていて、見た目で飽きません。
関東の畑&水田地帯とは異なり、緩やかにうねる大地が遥か遠くまで広がって、そこに様々な作物が育てられてます。
トウモロコシ畑と思ったら次はジャガイモ畑。そしたら今度は葡萄畑ですか。そして、その畑の持ち主ごとに植え方・収穫時期が違うと、
大地のカラーも様々に変化して、一見単調とも思える畑の1本道でも走っていて飽きません。


で、そんな風景を楽しみつつ帯広の先の38号線の豊頃町に。
ここのセイコーマートで小休止。ちょっとした腹ごしらえとメットの掃除をして、体制を整えます。

さて、じゃぁ釧路を目指すか・・・とセイコーマートを出ようとしたら、運悪くパトカーの先導がついてしまい、
身動きが取れなくなるハプニングが発生。
一応、追い越し可能な車線だったけど、まさかパトカーを追い越すわけにもいかず。
さりとて、どっかでやり過ごすだけの余裕(道路沿いの時間つぶしできそうな店とか屋台とか)も無いし。
北海道の風景をサービス過剰なほど楽しめる速度域でひたすら「どっかに行ってくれないかなぁ」と考えながら走ってました。
こっちのポリスマンは仕事熱心なのか、ひたすらドコまでも先導してくれました。


先導してくれたパトカーが浦幌のあたりで先導を止めてくれてから、また元のペースで釧路方面へ。
やっぱり、北海道は自分のペースで気分良く走りたい。



多分、音別の先辺りの風景。
車載カメラ(左手)で撮ってみました。
あれからの道程は快調そのもの。




で、その快調を保ったまま釧路市街地へ到着。
いつもならそのまま和商市場あたりでお土産を物色していたんですが、今年はちょっと趣向を変えて


     
釧路フィッシャーマンズワーフMOOに寄ってみました。


お土産を買うだけなんで、買えればドコでもよかったんですけどね。所謂「新規開拓」ってやつで一回は来てみたかった。
ま、こういったトコは一回くれば十分でしょ。
で、その感想。・・・・次からは和商市場にしよう。多分そっちの方がいろいろとワクワクできそうだし、面白そうだ。

釧路で無難な線のお土産を確保できたんで、今後当面はお土産の詮索をしなくても済みそうになりました。
丁度、お土産を買い終わったところでお昼の時間。残り半日を使って、心置きなく北海道を楽しむことを再開しますか。


釧路市街地から392号線→13号線→243号線→885号線で今度は開陽台へ。
ぼちぼちと本日一番メインの知床峠方面を目指すとするか。今日の目的地の網走までは、まだ先は長い。


     
392号線にあるシラルトロ湖。


釧路付近ではそれなりに車の台数も多かったけど、そのうちに車の数も少なくなって、快適な北海道を満喫。
ツーリングマップルや北海道の情報誌などで取り扱わない道だったけども、それなりに楽しめる道だったと思います。
海沿いの道も良いけど、このような多少山がちな方が自分の好みに合ってるみたい。
緩い登り&下りがあって、緩い左右のカーブが続く山道が多い場所は、ゆっくり楽しめるからいいねぇ。
そういった道路の多い北海道は、それをいっぱい楽しめるから、うれしくなります。



養老牛のあたりで見つけた看板、
自転車で通学と言っても、雄大な北海道ではかなり厳しそう。


そういった楽しみ方をしてると、結構あっけなく次の目的地である開陽台に到着。それなりにゆっくり来たつもりなのに。
道東は道路事情が良すぎて、距離感が麻痺してくるのが良く分かる。



開陽台
・・・の上からの風景。


     
で、さらにそこから遠くの風景。
写真左に薄く見えるのがロシア領。



その開陽台で一服。
本当はゆっくり味わいたかったんですが、溶けるスピードには敵わず。



開陽台の下の北19号線の撮影スポット。
ここに来た人が皆写真を撮ろうとしてるので、写真待ち渋滞が出来てます。
それを上手くかわす場所を見つけて、やっと一枚。


開陽台でやりたいことが終わったんで、いよいよ知床峠へ。そんなに残り時間もある訳でもないし、そこそこ急ぎます。
標津町で一旦給油した後、335号線を一路北東方面に。



355号線沿いからのロシア領。


で、これもあっけなく知床峠の下の羅臼に到着。さて、知床峠を上ろうか・・・・・・・とその前に、ちょっと寄り道。
天気も良いし、せっかくこっちまで来たのだから、もっと知床峠の最深部まで行ってみよう。
・・・・と、羅臼から87号線を使って、もっと北東方向へ。


     
相泊温泉で有名な相泊地区まで行ってみた。
ここが知床半島の一番奥まで行ける地点らしい。
(地元の人はもっと奥まで行けるみたいだけど)


この写真ネタを撮りたいがためにここまで来てみました。
さて、撮るだけ撮ったら、さっさとUターンです。本気で網走を目指さないと、・・・・・・・・だんだんと予定が押し気味になってます。


     
相泊までの途中で見つけました。
そんなコト自慢してる場合か!


意外に時間の掛かった相泊往復をこなして、やっと羅臼まで戻ってきた。
じゃ、その勢いのまま行ってみようか。

『羅臼側は急坂急カーブ』なんて言葉に負けず、K100RSの能力に物を言わせてグイグイと上り坂を登っていく。
それまでの北海道の道路とは様子の違う道路だったとしても、それをも楽しむようにひたすら登る。
途中、道路のガードレール・ワイヤー付近まで野生の鹿が近づいていましたが、写真を撮るよりもこの峠を走ることを優先して
ひたすら上を目指していきます。
幸いにして、今回の峠道はドコまで行っても晴れていた。


     
で、念願の「晴れた知床峠」頂上に到達。
ほほぉ〜、これが羅臼岳ですか。


     
海も空もきれいに晴れ渡って一番良い時間帯に来たかもしれない。


前回来たときなんかと比べたら、まさに見違えるような風景。
いやぁ、ここに来たかいがありました。若干夕暮れっていうシチュエーションも、旅の雰囲気を盛り上げてくれます。
やっとここに到達したってある種の達成感もあるし。

さて、これで今日のイベント関係は全て終了。
後は予約を入れてある網走のビジネスホテルまで行くだけ・・・・・・・・・、結構残りの距離があるなぁ。
この知床峠にいる時間は、本当ならとっくに網走に到着してる時間でした。ちょっと予定を欲張りすぎたか?
ま、せっかく来たんだから、夕暮れの知床を楽しみながら網走へ行こう。

知床峠を下りて、そのまま道なりに斜里町まで。
そこから、244号線で網走を目指す無難なルートで多少ペースを上げて走ってく。
確か記憶が確かなら、網走市街地って結構細かく分かれてて、予約したホテルもその細かい中にあったはず。
出来れば明るいうちに(迷っても探しやすいから)到着したかったけども、この時間からは無理だな。
迷ったら、何とか探そう。


途中、妙に後ろからプッシュしてくる軽カー(3人乗り?)がいましたが。・・・・・・地元の若者でしょうか?
こっちが一台車を追い越すと、それに負けじとその車を追い越してくる。
で、こっちのペースに合わせて?走ってくる・・・・・そんな気がしてました。何だろうねぇ。
海岸線の平らな道なら、良い感じで追いかけてきましたが、アップダウンの道になるとダメだねぇ。
ちょっとした上り坂でも、坂の手前で軽くブレーキかけてスピードを殺して→上りでスピードアップして上ると、やはり軽カーは
3人分?の重さがキくのかあっけなく離されていき、遥か後方へ。
うーん、残念だねぇ。やはり軽カーで北海道を走るのはツラいか。


そういったことをしつつ、夕闇迫る244号線を網走目指してひた走る。
時間は押してるけど、こういった時間帯の北海道を走る行為もなかなか良い感じだね。



濤沸湖付近の駐車スペースにて。
斜里岳(多分)と月とK100RSのある風景。


で、予定よりも1時間半ほど押して、やっと網走に到着。懸案のホテルまでの道程も迷わずに行けたんで、良かった。
チェックインしたら、早速、夜の網走市街地へ。
・・・・・・・・・・やっぱ、何にも無いね。
贅沢を言わずに、『場末のラーメン屋』でセットメニューを頼んで、帰りにコンビニパンを確保して、1時間ほどで市街地探検終了。
明日もたくさん走ろう。そのためにさっさと寝よ。




8月14日
快適な睡眠の後のさわやかな朝。でも、早朝のTVの天気予報はあまり良くない。・・・・なんか気分台無し。
前回こっちに来た時と同様に、天気は本格的に下り坂で夕方から雨みたい。
とは言え、いつものように早朝出発。
本日のホテルの予約を入れてる帯広まで、時間の許す限り道東の道路を縦横無尽に走っていきたいと意気込む朝5時。
・・・・勝負は午後3時くらいか。



毎朝の一枚。


今日の一番目の目的地は野付崎のトドワラ。ナゼか知床半島の反対側へ。
昨日行けばよかったとお思いでしょうが、目的地を無駄に繋いでいったらこういったルート設定になりました。
今日は朝から『時間調整』が入ってます。



昨日来た道を戻っていきます。


網走から244号線だけをひたすら走っていけばそのまま野付崎まで行けるので、何も考えずに早朝の雰囲気を楽しみながら
誰も居ない北海道を東へ走ってく。
昨日はこういった「交通量の少ない」時間帯が無かったから、この朝の雰囲気は大事にして走っていきたい。
例え、たまに出くわす地元の車に追い越されようが、そんなことは些細な事なのだ。

斜里町から244号線で山道を越えた頃・・・・・要は反対側に出た頃・・・・・急に霧が出てきた。
マズい。山の手前と向こうで天候が違ってたか?
本当なら雄大な牧草地のような風景が広がってるはずなのに、今は薄いグレーの空間があたりに立ち込めてる。
昨日は天気が良かったのに・・・。
でも、雨が降りそうな気配は無いので、そのままのペースで244号線を海に向かって突き進む。
やがて、霧っぽいのもだんだんと薄くなっていって、それなりに周囲の風景が見えてくるようになった。
どうやら海水温が低くて、海霧が大量に発生したみたい。やっぱり北海道の海水は冷たいのか?

244号線が海に突き当たったら、そのまま右折。で、以前行ったときのように、左手に海を見ながらひたすら進むと、トドワラ。



・・・・若干、行き過ぎました。
目的地は手前のネイチャーセンターです。


ここまでは以前来たことがありましたが、この先のトドワラに行くのは本当に久しぶり。前にトドワラを見たのは、・・・・・10年前?
あれからどのくらい変化してるのか?来た本人も忘れてるくらいですから、ゆっくり観察してこよう。



前にここに来た時は、これ見て終わったんだっけ。



ネイチャーセンターからトドワラまでの小路。
前に来た時はもうちょっと広かったような気がするけど・・・・



ここの看板はまだ健在でした。


     
何かだいぶ「木」だったモノが少なくなってるような・・・・・
前はもうちょっと立ち木が残っていたような・・・・・


まだ早朝の7時だというのに、旅の初っ端から『黄昏の時間』を楽しんでおります。
薄いグレーの空、薄いグレーとグリーンのコントラストを織り成す大地、重苦しい鉛色の海。時折吹き抜ける風がより一層の
静寂さを醸し出しています。
・・・・・・全く明るさの無い北海道の一面です。


     
アンドリュー・ワイエスの絵にもなりそうな北海道での風景。


トドワラの重苦しい空気を振り払うように来た道を戻って、244号線→272号線で次は摩周湖へ。
普通に野付崎から摩周湖へ行くのなら、272号線で中標津まで行ったら、次は13号線で虹別まで行って、243号線ってルートが
無難なルート選択と思われましたが、『時間調整』のために272号線を直進→243号線を右折って道程で摩周湖まで。
ま、時間はいっぱいあるから。

そんなに交通量の多くなかった272号線と243号線。
海から離れたら段々と青空も現れて、昨日と同じ明るい北海道の風景が戻ってきました。
やっぱり、北海道には青空が良く似合う。

気持ちの良い北海道の風景を楽しみながら、摩周温泉街の観光渋滞をやり過ごして、摩周湖までの坂道をぐいぐい登ってく。
さて、今回の摩周湖は晴れてるか?それとも霧の中か?


     
今回も晴れた摩周湖でした。


しばらくの間、晴れた摩周湖を楽しんで、ここの売店で『摩周湖にやってきました』的お土産を物色して・・・・・・・、



昨日と同じように甘いもので一服。
こういったのには目が無くてねぇ。


摩周湖で一通りの観光行動をこなして、時間を確認すると・・・・・・・そろそろ11時か。
それじゃ、今日の「本命」目指して山を下るか。


摩周湖からそのまま道なりに山を下りて、391号線に合流。
その先の52号線を左折して、硫黄山をやり過ごし、屈斜路湖の湖畔を流す。
ずーっと湖畔沿いの道を走ってると、いきなり道の右側に路上駐車の車が。それも大量に車が並んでる。

その先の屈斜路湖湖畔が一番近いと思われる場所まで行って、


     
屈斜路湖での証拠写真。


何?この人出の数は?
ツーリングマップルを見ると「湖畔の砂を掘ると、温泉が湧き出す」らしい。それが目当てか。
それにしてもすごい数の路上駐車。
どんだけココが魅力的なのか?そこまでしてココに来る理由があるのか?
キャンプも兼ねてここに集まってるようなのですが、湖畔にある林のなかに乱立するテントを見てると
「ここはドコの難民キャンプだ?」と勘違いしそう。
ま、こっちは興味ナイから通り過ぎるだけ。


騒がしい湖畔沿いを通り過ぎて、その先の静かな湖畔沿いの場所に到着。
今日一番の目的地はココです。



丸木舟というお店。


今回の北海道ツーリングに参考にした情報誌に出てたお店なのですが、ここではアイヌ料理が食べられるということなので
せっかくだからここでお昼を食べようと決め、開店直後の空いているであろう11時ごろを狙って、いままで走ってきた訳です。
そのために今日のルート設定をしていました。
そして、ほぼその予定通りにここに到着。

どうやら今日の一番乗りらしい。
まだ店のおばちゃんが準備をしてましたが、入っても大丈夫みたい。
注文を取りに来るまでお店の中をぐるりと観察。・・・・・・・・ここは料理だけでなく、アイヌ関連の商品も扱ってるのか。
アイヌ伝統の楽器・・・・・ムックルだっけ?・・・・とかバンダナとかアイヌ音楽のCDとか怪しげな品物(褒め言葉)の数々。
さらにはピアノとかスピーカーとかアンプとか、ここでコンサート・・・・当然、アイヌ音楽の・・・・が出来そうな音響設備も整っていて、
そういったこともやってるお店らしい。ふーん。

そのうちに注文を取りに来たんで、テーブルの上にあるメニューを確認してみる。
確か、情報誌には『コタン丼』ってのがあったんだっけ。それにしようかなぁ〜。



「あなたの野生がよみがえる」って何だよ?


このメニューにあるコタン丼の上の野生丼ってのがやけに気になる。
普通に考えるなら、この順番ならコタン丼よりも上級の品物だよねぇ。それじゃ、そっちを食べてみようか。
「すいません、この野生ど・・・・・・・」

「ハイ!野生丼ね。」

間髪入れずに即答。よほどこの注文が出るのか、言い終わる前に注文が決定しました。


注文が終わってから、またしばらくの間お店の中を観察。
お店の中のCDとか購入してみようかとも考えましたが、多分話題だけで終わってしまうのが確実なので、ヤメ。
その他商品も話題だけで終わってしまいそうなので、ヤメ。
さすがにこういった商品は、そのときの気分で買ってはいけない。


結構長めに待ってから、野生丼がテーブルに運ばれてきた。



ぱっと見た目は「ワイルドな中華丼」って感じ。


お店のおばちゃんは「クセが無くて、美味しいですよ」と言っていましたが、こっちはそういった心配は一切してません。
中の肉が、牛だろうが豚だろうが鳥だろうが羊だろうが鹿だろうが熊だろうがトドだろうが、加熱してあれば大丈夫。
それよりも海鮮丼とかの海の魚・・・・・いわゆる刺身とか生で食べるヤツ・・・・・・の方が苦手。
北海道まで来てそういったのを食べたのは、・・・・小樽で一回だけか。それくらい苦手なんです。

この野生丼は、全然クセなど無くて普通に美味しくいただけました。
鹿肉って言われても、食べた感じは「脂身の少ない牛肉」って感じで、臭みとはは全然ない。
注文の受け答えからは「ある種の度胸試し」的食べ物みたいに扱ってるようでしたが、そんなことが成り立つ食べ物では無かったです。

摩周湖で食べたアイスクリームがちょっと重荷に感じましたが、キレイに完食。
ちょ〜っと食べすぎの感もありますが、これからいっぱい走ってカロリーを消費しよう。


ここで食べ終わって、ちょうど12時ごろ。
お店を出たら、何となく空が曇ってきてるような・・・・・・・。やっぱり天気予報どおりか。
今日の目的も達成したことだし、ちょっと早めに帯広に向かうか。


ツーリングマップルで帯広までの無難なルートを確認して、屈斜路湖から243号線→717号線→241号線→242号線→38号線と
まず普通だと思われる冒険をしないルートでひたすら走る。
241号線の足寄くらいまでは暑いくらいの陽気でしたが、そのうちに雲がだんだんと厚くなってきて
本別とか池田あたりまで来たら、遠くに雨雲&降雨してるのが見えてきた。

どうやら天気予報どおりの天候になりそうだったんで、急いで帯広入りしたかったんですが、帯広に近づくにつれて
予想以上のスピードで増殖する車が行く手を阻みます。
38号線に合流するころには、空は完全に雨模様の空に変わり、弱い霧雨みたいのも降ってきた。
最近の天気予報は良く当たるなぁ。・・・・・と感心してる場合ではないので、北海道入りしてあまりやらなかった車の脇をすり抜け
帯広市街地へ一目散。

帯広のホテルまで到着の見通しが立ちそうな頃合で、明日の分の給油を済ませて、ホテルへ滑り込む。
本気で雨が降る前に着いたみたいで良かった。



着いた時は道路がこのくらいのマーブル模様になる程度の降水量がありました。


雨が降らないうちにコンビニパンとかの買い物を済ませて、やっぱりやってた祭りの会場で出店を物色し、
そういた時間つぶしをしながら帯広の夜を過ごしていました。


     
そのうちに本気の雨が降り出してきた。
そこで急遽駅ビルの100円ショップで買った「スクーター用のカバー」で要所を保護。
明日の天気の回復を待ちます。




8月15日
いつものように朝4時ごろ起床。そうすれば、朝5時には出発できるから。しかし、外は雨。
仕方なく、二度寝。

次は6時ごろに目が覚めた。しかし、まだしつこく雨模様。・・・・・・・前よりかは勢いが弱くなってるか?
TVの天気予報やケータイの天気予報などを何度も何度も見直しながら、コンビニパンを食べて何時でも出発できる体制は整える。
でもなぁ、まだ道路が濡れてるから、イマイチやる気が無い。


予定(希望)では、いつものように早朝に帯広を出て→富良野とか旭川方面→札幌のHTBビルで記念撮影→支笏湖方面
→苫小牧フェリーターミナル・・・・・・ってルートを考えてたんですが、全然回れそうに無い天気予報になってます。
この日は全道的に雨模様で降ったり止んだりの天気らしい。
レインコートでも着ていけば問題無い様な気もしたんですが、一方で雨の中走り回っても面白くないだろうって考えもあり、
ホテルの窓から見える市街地の様子を観察しながら、今日のルート設定を再検討してました。

いろいろと天気予報を確認するにつれて、早く苫小牧方面に行ったほうが雨に濡れる確率が低そうだったんで、
自分の希望は諦めてさっさと苫小牧方面へ移動して途中の小ネタを拾っていって時間つぶしをしようという作戦に。
やっぱり、雨の北海道を楽しみたくないんでね。



ホテルを出る前から時間調整のために駅前をうろついてました。


たっぷり3時間くらい希望時間が過ぎた頃にやっと帯広を出発、無難なルートの38号線で清水方面へ。
路面は多少濡れてるものの、空にはだんだんと青い部分も見え始めて、天気はよくなっていきそうは雰囲気・・・・・はある。
でも、そんな空でも信用出来なさそう。

一瞬「富良野に行こう」なんて誘惑に駆られそうになりましたけど、誘惑に負けることなく清水から日高峠へ。
頭の中にまだ残る誘惑を振り払うように、一心不乱に峠道を登っていく。
もう、ひたすら先へ行こう。途中で止まらないぞ。
たとえ「行く手の空模様」が怪しくても、途中の休憩所で「他のライダーがレインスーツを着てる様子」が見えても、
反対車線から来るライダーが「レインスーツを着ていて」も・・・・・。
確信は無いけど、多分大丈夫。


日高峠のトンネルを抜けると、そこはドシャ降りだった。
うわぁー。計らずも雨天決行モードとなりました。結構降ってるジャン。
さすがに「どっか途中で停まれる場所が無いかなぁ〜」と探してみましたが、下りってそういうところが少なくて、
結局日高峠を下り切るまでノンストップ。
不幸中の幸いだったのが、そこそこのスピードで走っていたおかげで、手足部分は濡れたものの
体の中心部はそれほど濡れることはなかった。さすが防風・防雨性能のいいK100RSだからこその結果です。
しかし、状況は厳しい。


日高の道の駅まで何とか来れたものの、・・・・・・一旦休むか?それとも進むか?まだ雨も降ってるし・・・・・・。
進むにしても、夕張か?富川の方へ出るか?
さて、どうしたものか?

・・・・と、走りながら思案した結果、富川方面に行くことに。
理由@ 変わりやすい?山の天候を避けるのに、さっさと海沿いに出たほうが良いかもしれない。
理由A 確か、富川までの途中にアイヌの資料館みたいのがあったはず。そこで時間調整しよ。
そんな打算的発想で富川方面の237号線を選択して、自分の思いつきに賭けてみました。

そしたら、日高からそんなに行かないうちに雨も上がり、路面も乾いてきた。やっぱり、山の高い方が雨だったか。
雨の心配が無くなったところで、道沿いにあったメイコーマートで小休止&ジャケットを乾燥。
ま、時間はいっぱいあるから。

たっぷりそしてゆっくり休んだ後、また237号線で海沿いへ。
しばらく行くと右手にデカい看板を発見。



二風谷のアイヌ文博物館前に到着。


この奥に博物館とか野外展示スペース(アイヌの家を再現してる場所がある)とかがあり、全体を通して見学すると
かなりのボリューム(必要見学時間)になります。
以前に東北のアマゾン民族館とかもそうですが、けっこうこういった資料館などを見学するのって、楽しい。
だから、一人でもノコノコ入っていくのに抵抗感はありません。

で、この博物館に入るときに、もう一ヶ所資料館があるらしいことを教えられて、博物館見学後そっちにも行ってみました。



萱野茂二風谷アイヌ資料館。


道路を挟んだ反対側にある資料館なんですが、こっちの方が博物館よりもより身近な品物をより生々しく展示してあって
良くも悪くも迫力がありました。
さらには外国の民族の展示品・・・・・それこそアマゾンとかの・・・・・・もあって、インパクト十分な内容となってます。
どうやって日本国内に持ち込んだのだろうか?


この2ヶ所を見学し終わる頃、何だかまた空模様が怪しい。
今年の北海道はこれで終了か。
2011年の北海道はこれで切り上げて、また237号線で富川方面に出発。で、237号線→59号線→74号線→235号線で
寄り道せずに苫小牧へ。



午後2時、苫小牧フェリーターミナルに到着。


ここも変わってないかい? 久々の苫小牧だから覚えてないけど、こんな建物じゃなかった気がする。

最後にここ(苫小牧港)を使ったのが何年前のことだろうか?
そのくらい前の事なんで、違いすぎて逆に違和感が無くなってます。・・・・・・でも、こんなんじゃなかったような。
ま、いいや。


それよりも、これからに時間調整の方が重要な課題であり、切実な問題でもありました。
出港時間までたっぷり10時間。手続きまでだって8〜9時間。夕暮れまで行動出来ることを考えたら、とってもモッタイナイ。
さて、ドコでナニをしようかな・・・・・と悩みます。

で、結局1時間くらいターミナルビルを観察した後、ターミナルビルから出かけて、苫小牧から276号線→453号線→37号線→
36号線→苫小牧とグルっと一周。最後の北海道観光を敢行。
予想外の(案の定)雨に降られる一幕もありましたが、それも雨天決行で乗り越えて、無事に苫小牧港まで帰ってこれました。
それでもまだ時間が余ったんで、市内のラーメン屋で北海道最後の食事を済ませて、後はターミナルビル内で
ウロウロしたりゴロゴロしたりひたすら時間潰しをしていました。

本当は『深夜24時発』の前にあった『夜9時15分発』のが取りたかったんだけども、それはかなわず。
最後まで天気が良かったならば、こんなに時間潰しに苦労する必要は無かったなぁ。
まあ、そういった思い出は来年の予定を組むときにネタの一部にでもしよう。


散々待ったかいがあって、問題なく帰りのフェリーに乗船して出港。
・・・・・・したものの、ツーリングの神様は意外なところにまでネタを用意してくれたらしく・・・・・・。

出港してしばらく(2〜3時間後)してから、突如艦内放送が。
「当船からお客様が海に転落したようなので、しばらく当船は捜索活動を行います」
・・・・・・そんな刑事ドラマみたいな展開は要らないって。

素人考えで「深夜の海で人探しをして、見つかるの?」と思いもしましたが、文句を言うわけにもいかず。
その分、しっかりと睡眠を取らさせていただきました。


そして、予定よりも3時間遅れでようやく青森の八戸港に到着。予定通りなら朝7時半の到着が、結局10時になりました。


     
到着間近の様子と八戸フェリーターミナル。


船の上から「あ、ターミナルビルはそのままで、色だけ違う」なんて八戸フェリーターミナルの健在ぶりを喜んだのもつかの間。
3時間遅れでやっと着いたと思ったら、今度は到着直後から八戸港は雨。
それもかなりの勢いのある雨が急に降り出してきた。・・・・・・・・・・なんでだよぉ〜。

仕方なく、北海道内では着ることの無かったレインスーツを着込んで、雨の八戸市街地をICに向かって走り出す。
しかし、それも岩手県内まで来たらあっさりと止んで、蒸し暑くなったんで邪魔者扱いに。
しかも、雨上がりのところに今度は強烈な太陽の光が届き始めて、高速上は蒸し風呂のような熱気をはらんできました。
さらに、じょじょに多くなる帰省帰りの車が走行ペースを上げさせてくれず、所々に長い渋滞まで発生させてくれる始末。
「あぁ、フェリーが予定通りに着いていてくれれば、こんなことなかったのになぁ。」
車の脇をすり抜けつつ、夏の蒸し暑い高速道路上で考えるのはそんなことばかり。
高速ICの看板を見るたびに、「先は長い」とグッタリした気分になりました。




過去の「高速の帰り道での休憩」よりも多くの時間を休憩に使ったせいもあるのか、千葉の自宅に着いたのが
夜の8時過ぎ。
明日からは普通に仕事の予定(それも朝からバリバリ肉体労働するような予定)があったんで、本当はもっと早く帰りたかった。
それに、いろんな後始末もしたかったけど・・・・・・・・・・、それは後回しにして、さっさと寝よう。明日も早いぞ。

それでも寝ながら来年の行き先を考えてました。来年は『最北』だな。