13’北海道ツーリング
最北、最高!




皆さんの今年のお盆休みは『いつからいつまで』でしたか?
人それぞれ違うと思いますが、多分「カレンダーを見て、何となく並びの良さそうな日付」で休めると思います。
ただ、ウチの場合(住宅建築業界?)は、「カレンダーの並び」「13日〜16日のお盆期間」とのバランスが問題になります。
どちらかと言えば、「13日〜16日のお盆期間」の方が重要なので、「そこだけ休めば、基本OK」と言うスタンスなんです。
で、運よく土日とかが続くようだったら、そこまで休めると言うわけ。

今年のお盆休み=ツーリング期間の予想では、14日〜18日という予想を立てたんですが(そういう休みの業者・会社があったから)、
ウチ(実家の水道屋)は13日〜16日までの一番スタンダードな日付での休みとなりました。・・・・・ちょっと考えが甘かったか?

その休みが確定する前に、北海道でのフェリーとかビジネスホテルとかの予約をしてしまったものだから、その休みが確定してから
一旦全ての予約をキャンセルして、全てを再計画・再予約するというピンチに陥りました。
その休みが確定した7月下旬ごろは、フェリーやホテルの予約などほぼ埋まっていて、なかなか予約の空きが無かったんですけど、
毎晩デイトレーダーばりのインターネットでのチェックを欠かさなかったおかげで、自分の計画にマッチしたフェリーとホテルの予約が取れ、
無事に北海道へ行ける目処が立ちました。

今年の北海道の目的地は、最北の稚内。ここ近年遠ざかっていた地だったんで、久しぶりに行ってみようか・・・・って。
しかし、元々は5日で行く計画だったのが、4日で行く計画にし直してのツーリングなので、必要以上に走り回ります。
まあ、その辺は毎年恒例だし、何とかなるでしょ。




8月12日。
中途半端に半日仕事だった月曜日。その仕事が終わってから、いつものように東北道を深夜超特急すべくK100RSを引っ張り出し
荷物を積み込み夕方6時に出発。この時間に出発して、いつものペースで北上出来たら、13日早朝3時ごろには青森フェリー乗り場に
到着するだろう・・・・・と予想して走っていきます。
もっとも、13日の朝5時10分発のフェリーしか予約出来なかったから、この時間に出発できて良かった。
仮に『夕方まで仕事』とか『ゲリラ豪雨』なんかがあったら、全ての計画がダメになるところでした。

で、夕方の常磐道→夜の磐越道→深夜の東北道と進んで行って、予想通りに早朝3時に青森フェリー乗り場へ到着。
ほぼ時間ピッタリな到着時間に、自分でもピックリ。道中が空いていてスムーズに走れれば、青森まで9時間で来れる。



その早朝3時のフェリー乗り場の駐車場。


到着して早速乗船手続きを済ませて、出航まで待つこと2時間。フェリー内で仮眠して過ごしていれば、朝の函館に到着。



午前9時ごろ、無事に到着。晴れてて良かった。


フェリーから下船したら、いつもの写真は撮らずに



朝の函館駅前へ。


早速、駅前の朝市でお土産などの買い物を済ませて、宅急便で送ってしまいます。
今年は「ネームバリューのある土地でのお土産」を買う予定が無いので、この先の「どんなお土産買おうか?」の心配を無くすためにも、
ここである程度買い物を済ませてしまいます。
後日、ここでの行動が行動計画を楽にしました。

ある程度買い物が済んだら、今度は腹ごしらえ。


     
去年も食べたラッキーピエロで遅い朝食など。
で、わざと「テイクアウト」にして、カップを調達。
これが今年のネタになります。


で、大体11時ごろに函館を出発。移動区間である5号線を走って、長万部から37号線→230号線で洞爺湖を回って、札幌へ。
その洞爺湖の近くにある



サイロ展望台ってところへ寄ってみた。


     
到着早々、遊覧ヘリが離陸。思わず激写。



洞爺湖ぉ〜。


って写真を撮って終わり、また移動。230号線で札幌市街地を目指して走りだす。
途中の中山峠で地元?の白いアウディなどを突っつきまわしながら、ひたすら札幌へ。目的は「ネームバリューのあるお土産」
白い恋人パークでの買い物です。たまには「有難がられるようなお土産」を買ってみよう。

230号線から82号線へ入る辺りで、いきなり北海道のナイト2000に遭遇。トランザムじゃないですよ、ナイト2000ですよ!
信号待ちでちょっとだけ確認したくらいでしたけど、外観はおろか内装もほぼナイト2000に作り上げられていて、凄いソックリ。
世の中にはスゴいモノがあるもんだ。

そんな遭遇もありながら、82号線→5号線へ合流し、本日最後の目的地の


     
白い恋人パークに到着。
北海道版「チャーリーとチョコレート工場」です。


ここで本日・・・・もっと言えば今年の北海道ツーリング最後のお土産を買い込んで、今日のイベントは終わり。
後はどっかで給油して、ホテルへチェックインして、さっさと休もう。



そんな自分へのささやかなご褒美。





8月13日
早朝4時。ケータイの目覚ましが鳴る音で、さわやかな目覚め・・・・・とはいかず。
「あれ?自宅にいるのに、何でケータイの目覚ましが鳴ってるの?」と一瞬混乱してから、「・・・・・・・・あ、北海道か」と納得。
いつもと同じように北海道ツーリングをこなしているつもりなのに、身体はちょっと疲れ気味のようです。

で、いつものようにコンビニパンで朝食。食べながら見てたTVの天気予報では、道北方面は曇りのち雨の予報になってた。
その天気予報では、今日も明日も曇りのち雨の予報。道北地方はそういった天気らしい。昨日までは曇りだけだったのに。
さらにケータイで雨雲の動きを確認したら、移動中に絶対に遭遇するコースを進んできてるように見えた。
こりゃ、雨だな。



朝5時の琴似駅前にて。


まだ曇り空の札幌市街地から276号線→431号線→1137号線→275号線と進んで、そのまま北上。
交通量の少ない市街地を抜けながらも空の様子を伺い、「何時くらいまで持つかな?」と心配しながら走ってました。
とりあえず今日最初の目的地である北竜辺りまでは雨は降らないで欲しいな。

札幌から離れるにつれ信号が少なくなり、建物も少なくなって見通しが良くなり、いかにも郊外って感じの風景に変化してきた。
だんだんと北海道っぽい・・・・・・千葉では味わえない雄大な道路環境・・・・・・が現れ始め、早朝とはいえ序々に気分も高ぶってくる。
早朝でもそこそこに交通量のある場面では、自分よりペースの遅い車をパスしながら先へ進んでいく・・・・・・・・・・・・・。

のですが、この275号線って途中から「追い越し禁止」車線が出てくるんですよ。
まあ、全線全てでは無くて、途中に追い越し可能区間もあることはあるんですが、全体から見ると全然少ない区間です。
大体、新篠津村辺りからずっーーーと追い越し禁止だったかな?この辺からフラストレーションが溜まりだす。もっと何とかなんないか?
スムーズに走れそうな区間に限って、先頭に遅い車が引っ張っていく3〜4台の車列が出来上がってくるんだなぁ。
で、その少ない追い越し可能区間を狙って追い越しを掛けるんですが、対向車線にも同様の車列が向かってくることも多く、
一遍に追い越しを仕掛けることが出来ない。

仕方なく、出来る範囲で追い越しを掛けながら275号線を走っていく。
ツーリングマップルにあった『追い越し禁止区間多いが、R12より札幌〜滝川間時間短縮』って説明文通りに
この区間を使って時間を稼ぐトラックなんかも多いので、早朝の割りに平均進行スピードが遅いのがちょっと「モッタイナイ」気がしました。


そんな275号線を北上してって、そこそこ快適な時間を過ごしていくと、やがてあちこちにひまわりが植えられている地域になってきた。
どうやら目的地が近いらしい。



北竜のひまわりの里へ到着。


以前行けなかった智恵文のひまわり畑を想像しながら寄ってみたんですけれど、そういったものなのか?


     
こんなもんなの?


     
ま、確かに広いひまわり畑だとは思うけれど。



8月中旬のひまわりの里の開花状況。


休憩がてら一折見学を済ませて、さらに北上すべく移動開始。まだ空からは雨が落ちそうにはなかった。でも、時間は無さそうだ。
ここからまだ275号線を使って走り出す。

計画では275号線を北上して、途中の239号線で日本海側へ出て、後はそのまま海岸線を稚内まで行って
宗谷岬を含む最北地域を時間の許す限り走り回ろうって考えていたんです。
しかし、だんだんと雲が厚く雨が降り出しそうな色に変わってきて、そういったプランは白紙に戻りそうな雰囲気。
何より、無事に稚内に着くかどうか心配になってきた。

275号線から239号線に入ってすぐ、メットにパラパラと雨が当たるようになってきた。
以前に状況判断を間違えたことを踏まえ、すぐに停止出来る場所を探し、タイミングよく現れたチェーン脱着場に緊急停車。
雨が収まろうがもっと本降りになろうが、レインスーツを着てバックに防水カバーを取り付けるんだ!
・・・・と強い決意の元、手際よく準備をしていたら、そのうちに本気の雨が降ってきた。今回は良い判断を下せたようです。


準備をしてた5分くらいの間ででも、路面状態がすっかりウェットに変わっていって、一気に気分も萎えていく。
とりあえず、給油が必要になるまで距離を稼ぐように走っていって、寄り道しないで北を目指そう。・・・と作戦を決めて走り出す。
さっきのところからずっと下り坂のようで、緩くエンジンブレーキがかかるように5速に入れたままひたすら流して走る。
結構雨の勢いがあるけれど、このくらいの緊張感で済むんだったら、有難いなぁ。
そんなペースで239号線を下っていって、海岸沿いの232号線へ合流。苫前で給油し(245km/11.3L)、
羽幌の道の駅でトイレに寄り、強くなったり弱くなったりを繰り返す雨模様の中を交通の流れに乗りながら稚内方向へ。
たまに目一杯水が溜まっているトコで、反対車線のトラックに盛大に水をかけられることがあっても、ひたすらガマン。
いつかは雨も止むだろう。出来れば、それは早くやってきてほしい。


バリバリ雨が降る中を2時間近く走っていったんですが、それも序々に弱くなっていき、天塩に入る前辺りで止んでくれた。
路面もタイヤが当たる部分がレコードラインのように乾いていき、走行ペースも元通りにペースアップ出来そうになってきた。
よし!ちょっと休憩。


     
道の駅・てしおで一息入れる。
雨天走行の間、ビニール袋にいれておいたはずのデジカメ&ケータイが
水没しかかってたのはヤバかった。


雨は止んだけど晴れそうには無かったんで、レインスーツと防水カバーはそのままに、天気と時間を見ながら予定を立て直す。
・・・・・計画通りにこのまままっすぐ行って、宗谷岬まで行こう。
どうせ、山の中(の道路)は濡れてて、そんな中を走っても面白くないし。宗谷岬まで行けば、向こうの路面は乾いてるだろう。
時間は余るだろうけど、当初の計画通りに進んで行って、向こうで時間調整をすればいい。と、計画続行を決意。

で、メットの水滴なんかをきれいに拭き取って、再出発。


     
『一番盛り上がる場面』の前の風景。
まるで利根川河川敷の風景ですが、撮影地は北海道です。



また雨が降り出す前にネタ用の写真は押さえておこう。


     
オホーツク海側にも同じようなのが用意されてるようなので、
日本海側のこれを押さえておく。
ぜひ、両方ともを写真で撮っておきたい。



で、こんな構図のも撮っておく。



稚内市街地入り口の展望台にて。
利尻島は全く見えません。


オロロンラインから稚内市街地を抜け、238号線で北東方面へ。
幸いにして天気も雨の心配をしなくていいくらいの曇り空になって、レインスーツだとけっこう暑い感じになってきた。
多少の遅い車に遭遇しながらも、何回かパスさせていただき、最北の地に到着。


     
日本の端へ来たぞ!


過去の宗谷岬では、適当にお土産を買って→稚内駅前でまたお土産を物色→旭川へUターン・・・なんてのが定番でした。
しかし、今年は稚内にホテルを予約してあるので、そういった移動時間とかの心配はしなくてOK。夕方までたっぷり時間はある。

宗谷岬までの道のりもけっこうドライな路面で、全然普通に走れるのがわかったし、いつも以上に最北を楽しもうって考えもあったから、
宗谷岬周囲のお土産物店の観察も適当に切り上げて、新たな最北を発見すべく宗谷岬を後にする。

宗谷岬から稚内市街地へ戻るように走って、889号線で宗谷丘陵地帯へ。
そっちから宗谷岬の上へ上がってみる。


     
散々北海道・・・つまりは宗谷岬に来てるつもりなのに、
宗谷岬の上に来たのは初めてです。
その場所に来るまでの道&去るときの道もすごく気持ちよい道でした。


宗谷岬の上から889号線に戻り、4速くらいでビィャァ〜〜〜ってエンジン音を奏でながら、1077号線でオホーツク海側へ。
そこから『何となく』猿払の道の駅まで行ってみる。そこまで行って、時間を考慮して、その後の行動を決めよう。
もう3時を過ぎてるから、そこから先へは行けないだろうけど。

で、3時半ごろに猿払の道の駅に。


     
ここまで来たら、やっと晴れてきました。本日初めて陽の光を浴びた気がします。
陽が出たら出たで、けっこう暑い。
せっかく買ったソフトクリームが勢いよく溶けていきます。


本当ならば、オホーツク海側の『北緯45度のモニュメント』まで行ってみたかったんです。
しかし、そこまで行って稚内へUターンするほどの時間的余裕が残っていないので、行くのは諦めました。
朝方見た天気予報のコトも気になるし、稚内周辺でネタを拾いつつ、ホテルへ行こう。そうした方がツーリング全体から見ても良いだろう。

と、ソフトクリームを食べ終わったら、稚内市街地へ出発。猿払市街地でガスを満タンにして、238号線・・・ではなく138号線で山越え。
何となく千葉の成田空港よりも奥の山道を彷彿とさせるような風景の中を快適なスピードで右へ左へ駆け抜ける。
北海道特有?のおおらかなカーブの続く道を走れる喜び。余計な信号も多車も無い道路を独り占めで走ってます。
ただ、こっちも多少は雨が降ったのか、所々に雨で道路に泥が流れた後、車に踏まれてビチャビチャになって乾いた跡があって、
必ずしも良好な路面状況ではなかったのが減点ポイント。


で、138号線→40号線と宗谷岬をグルッと1周するようなルートで稚内へ戻り、今度は稚内駅へ。
しばらく見ない間に駅舎が変わったらしいのですが、どんな感じになっているのか?


     
あの昭和な感じの駅舎がすっかり平成なのに変わってた。



『線路の終点』という碑も用意してあった。


     
しかし、本当の終点は駅舎の中からガラス越しに。


この駅舎、普通の鉄道の駅の他にも道の駅としての役割も持ち合わせて再建させてるみたいで、後ろ側に大きめの駐車場も
用意してあった。そういったこともあってか、以前の駅の雰囲気は全くない。ずいぶんとハイカラになったもんだ。

写真を撮ってる間に駅舎の中のお土産物屋なんか覗いてみたものの、「稚内」を想像させるお土産が見当たらないんで、
ここでのお土産購入を諦めて、ネタを拾いに駅舎を後にする。



次に北防波堤ドームに寄ってみた。


ここも今回のツーリングで初めて来てみた場所です。
過去のツーリングでは、ここに寄る時間も作れないほどのタイトなスケジュールで走り回ってました。
で、初めて見た感想・・・・・・・・、想像以上にローマしてました。ドカなんかで写真を撮ったら、必要以上にイタリアチックな写真になりそう。


     
ドームの後ろはもう海でした。


さて、この写真を撮り終わった頃はもう5時をとっくに過ぎていて、そろそろホテルへチェックインしても良さそうな時間になってました。
しかし、明日の天気が気になった(もしかしたら、雨?)んで、もう一つのネタを押さえに行くことにしました。

稚内駅から40号線を戻るように走っていって、目指すは「最北のマクドナルド」。
夕方で混んでるかなぁ〜と思っていましたが、そういったお客さんが居そうに無い駐車場の空き具合。これはちょうど良い。



某D氏の真横に乗り付けて、一枚。


で、この後、別バージョンの写真を撮ろうとしてたら、チャリダーの人が来て同じことをしたいらしく、「終わりましたか?」って。
そのチャリダーの人に「もうちょっと待ってもらっていいですか?」と猶予を貰いつつ、バックから荷物を取り出す。
その荷物を見て、チャリダーの人は笑ってました。


     
函館からもってきたカップと某D氏の2ショット写真。
(画像は一部加工してあります)


今年のツーリングで一番やりたかったコトがこれだったりする。このために稚内に来たと言ったら、信じてもらえるでしょうか。


この写真を撮り終わったら、速やかにチャリダーの人に場所を明け渡し、最北のマクドナルドを後にする。
で、このまま市内のGSで明日の分の給油を済ませて、ホテルへチェックイン。また適当に夕食を済ませます。
コンビニパンの調達に市街地をブラブラ歩いてみたんだけど、そこそこに良い夕暮れの稚内市街地にしか見えない。
しかし、明日の天気予報では、朝から雨らしい。




8月15日
最近の天気予報は良く当たる。昔に比べたら、確率精度が上がってる?
・・・・などと感心してる場合ではない朝の稚内。朝から雨脚の強い雨が降ってます。それもご丁寧にカミナリ付き。
少なくとも、朝から元気よく走り回れる天気ではありません。

『天気が良かった場合』の予定では、時間の許す限り宗谷岬を含む道北地域を走り回り、後は真っ直ぐ苫小牧まで寄り道せずに行き、
夜9時出港のフェリーで八戸に帰る・・・・・ってつもりだったんですが、それは叶わぬ話となりました。
こんな雨の道北を走り回ったところで面白くも何とも無いので、今年の道北は諦めてさっさと南下して道央方面へ行ってみよう。
もしかしたら、幾らか快適&快調に走り回れるかもしれないから。

そういう訳で、雨が降っていてもいつものようにコンビニパンで朝食。
で、結局いつもと同じような朝5時までに準備を整える。ホテルの部屋を出る前からレインスーツをビシッと極めこみ、
多少雨が弱くなったかな?って頃合にバイクに荷物を載せて、出発。


やはり、雨の中を走るのに山道っぽいところは不適と思い、昨日と同じ安全策でオロロンラインを選択。
ホテルを出てから最短距離のルートで、稚内市街地からさっさとオロロンラインへ入ります。
本当なら、駅前で一枚撮りたかったところですが、それをするほど雨の勢いは弱くはならなかった。

で、そのオロロンライン。
市街地から抜海を過ぎるくらいまでが、一番雨がヒドかった。出発時よりも空は暗くなり、雨はさらに強烈に降るようになってきた。
抜海辺りまでのオロロンラインには、多少のカーブと上下のうねりがあって、そのうねり下った部分には水溜りを通り越して
『子供用プール』みたいなのが待っていた。
新品のフロントタイヤと重い車体のK100RSじゃなかったら、弾かれたかもしれない。それほど強烈な水の抵抗を感じつつ
その水溜りを蹴散らすくらいの速度を保ちながらひた走る。

レインスーツはおろか、その下のメッシュジャケットをも貫く痛さがある雨の中を走るのは、好きじゃありません。
仕方なく走ってます。
HIDのライトを点灯しても視界は悪く、その雨の勢いはメットのシールドを覆いつくし、そのシールドの中は自分の息で視界不良になる。
そのうちに、閉めているはずのメットのインテークから水が入り込んでるのか、視界の上からポタポタと水滴が落ちてきた。
その水滴がメットの内装をしっとりさせて、不快指数が急上昇。
そんなオロロンラインを走りながら考えてたのは、「出発、もっと遅くてもよかったかな?」


そんな雨もサロベツ原生花園の入り口くらいまで来たら小降りになり、昨日も通った天塩まで来たら何となく止んだ感じになった。
しかし、そういった現象に惑わされることなく、ノンストップでひたすら南下。オロロンラインから232号線に入っても、
ペースを変えずに走り続ける。

朝の動き出しがある市街地付近では交通の流れに迎合し、市街地を抜けたら速やかにパスさせてもらう。
そんな走り方を続け、路面と天候が安定した地域までエスケープした結果。



朝8時の留萌駅前に到着。
いつもの朝の一枚の代わりです。


とりあえず、朝から着続けたレインスーツを脱ごうと近くのコンビニへ。
この辺りまで来たら、あまり雨の心配をすることの無さそうな天気になったんで、この先のツーリングルートを再考しながら
ちょっと長めの小休止。
要らなくなったレインスーツを畳みながら、天候を観察してみる。・・・・・・・・・少々風が強めに吹き、遠くに黒い雲もある。
もうちょっと移動して、もうちょっと安心してみようか。まだガスもあるし、給油タイミングまで走ってみよう。


瑠萌駅前から233号線→深川瑠萌自動車道で深川方面へ。この自動車道も多少ウェットな部分が残ってたけど、
無料だからと大らかな気分で走りぬけ、途中で空の様子なども気にしながら秩父別ICで降りる。
で、深川市内で給油と再度の小休止。

コンビニ駐車場で缶コーヒーを飲みながら地図を広げて、北海道ツーリング最後のルートに思いを巡らせる。
場所は深川市、時間は朝の9時半。残りの時間を最大限に使いつつ、少々余裕を持たせて、夕方6時には苫小牧に到着したい。
それを可能にするルートはあるだろうか?


もし、北海道の地図があるなら、それを広げて以下の独白をご覧下さい。


1、深川からそのまま南下して、最短距離で苫小牧まで行く。・・・・・・・・・・・・かなり大量に時間を持て余しそうな予感がする。
2、深川から旭川経由で美瑛→富良野などを回って苫小牧へ。・・・・・・・・・・道的には面白そうでは無い。あちこち混んでそう。
3、深川から旭川→三国峠→ナイタイ高原を回って苫小牧へ。・・・・・・・・・・・まだ行ったことの無い場所へギリギリで回れるか?

と3番に決定。そうと決まれば、話は早い。缶コーヒーを飲み干し、旭川方面へ出発。
決めたは良いが時間的余裕は無さそうなので、途中でネタは拾わずにひたすら前進あるのみ。本当にギリギリのルート設定だから、
向こうまで行ってタイムオーバーによる『ナイタイ高原を横目に見ながらスルーする』覚悟もしながらの走行です。


深川市街地から47号線→12号線→旭川新道→39号線→273号線とひたすら走って走って走り回る。
旭川市街地では渋滞&暑さにウンザリし、39号線ではノロい車にウンザリし、273号線では大量に飛び交う虫(ハチ&バッタ)に
ウンザリし、三国峠からの風景に感動することも忘れ、途中で何のネタも拾うことなくただひたすらに走り続けて
やっとのことで上士幌へ。ノンストップで3時間ほどの行程でした。



ナイタイ高原への入り口を間違えた?と思いましたが、
これさえ見つければ大丈夫。


市街地から道央地域に多い農耕地&牧草地が混じってる風景を走りぬけて、ようやく到着。



ナイタイ高原へ。


     
真っ白です。


何だよぉ〜。せっかく来たのに、何にも見えないじゃん。
上士幌から進むにつれて霧みたいのが現れ始め、高原に上がれば上がるほどどんどん白さが濃くなってきちゃって、
駐車場についたらこの有様。全く、摩周湖じゃあるまいし。

せっかく来たのに風景がこれなので、それは諦めてここで昼飯を食べて気分を落ち着かせよう。
ここまで来てすぐにUターンするのもモッタイナイし、何よりお腹が空きました。稚内で朝食を食べた時間からして、およそ9時間、
途中で缶コーヒーだけだったので、体にもエネルギー補給が必要でした。



そこのレストハウスでソーセージのホットドックをチョイス。
ホットドックをナイフとフォークで食べたのも初めてだ。


美味しゅうございました。さて、それでは帰りますか。


     
ナイタイ高原の帰り道にて。
「霧が無ければ、良い風景だろうな」と思わせる風景でした。



また来よう、・・・・・・気が向いたら。


ナイタイ高原を出発したのが、大体午後1時半ごろ。ここからおよそ4〜5時間かけて、苫小牧のフェリー乗り場まで帰るのか。
またノンストップだな。

上士幌市街地で苫小牧まで余裕で行けるように満タンにして、274号線で士幌→瓜幕→鹿追→美蔓と進み、十勝清水から
日勝峠をアップ&ダウン。下りきった日高から274号線→74号線→59号線→234号線って進んで、苫小牧まで。
やはり、日勝峠とかが帰省渋滞?してて思ったほど走行ペースが上がらなかったけど、『苫小牧に6時』って予想時間よりかは
先行してそうなペースだったんで、素直に大きい国道を通らず、最後の悪あがきとばかりに中途半端そうな横道に逸れました。
ツーリングマップルにも交通量少ない快適2車線なんて書いてあったし。

確かに交通量は少ないかもしれないが、自分の先5台くらいに遅い車が先導してるような状況では、決して快適ではなかった74号線。
59号線でも同様のことが再発し、最後の最後での良い思い出作りには失敗しました。

それでも無事に234号線に合流できたので、北海道最後の給油を済ませ、北海道最後の食事・船内での食料確保のために
コンビニへ寄り、自己申告のゴール時間である6時ごろに苫小牧フェリー乗り場へ到着。
正確な感想を言うならば、「やっと着いた」



今年もここから帰れます。


さて、この帰りのフェリー。出発前の再計画時には全く空きがなかったんですが、運よく15日の午後9時15分発の2等船室のが取れ、
今回の北海道ツーリングで一番運を使ってしまったような部分でもありました。本当にラッキーでした。

そういったコトを思いながら窓口での手続きをしに行ったら、受付嬢に「このチケットの番号通りのところに行ってください」と言われ、
一瞬聞き取り間違えた?と思う場面に出くわしました。予約したのは2等船室ですよ?
しかし、しっかりチケットには番号が振ってあるし、間違いでは無さそう。
心の中で「2等船室のあの場所・・・・いわゆるタコ部屋・・・・・に番号なんて振ってあるのか?」と訝しがりながら受付を済ませました。


やがてフェリーにバイクの乗船が始まり、フェリー内の客室へ行ってみると・・・・・・


     
これが2等船室ですか?


何これ?どっかのサッカークラブの控え室風の仕上げと言うべきか。2等なのに、ある程度の「個人のプライバシー」が保たれてる。
1ボックス(って言うのか?)に20人が入るようになっていて、番号1つ1つに簡単な仕切りと鍵付きのロッカー(100円・返却機能付き)が
用意されてる。以前に使っていた2等船室から比べると雲泥の差、まさに昭和と平成のジェネレーションギャップ
ずいぶんと快適性が向上されてます。

この他にも客室内部の間取り・レイアウトが変更されていて、スゴく綺麗な内装に変わってました。
この変更がこの船だけなのか他船も同様なのかは分かりませんが、こういったフェリーに乗れたのもラッキーでした。


で、この変更点の最改善点?とも言えるのが、謎の座席指定システム。何で2等船室なのに番号別に乗客を振り分けるのか?
ずばり、この座席指定によって、消灯時間後には快適な睡眠時間を確保出来ます。

昔の雑魚寝システムでは自分のような「一人旅」と帰省する「家族・団体」が2等船室内に混在して、静かにするVS騒ぐ
寝るVS起きてるなどの混乱が発生しますが、この座席指定システムだと、あっちは「一人旅」こっちは「家族・団体」と
フェリー会社による選別?で、そういった混乱の発生が少なくなってるような(あるいは混乱の発生を防いでる?)気がします。
今回では、この部屋に居るのはほぼ「一人旅」のようで、それぞれが指定された場所に陣取ると、大体が横になってました。
自分も同様で、写真にある3段座布団・・・・・引っ張り出すと細長いマットレス状になる・・・・ですぐに休んでしまいました。
で、周囲に騒ぐようなヤツは居ない・・・・・・みんな同じく寝てるから・・・・・ので、航行中は快適に寝れました。
2等船室でここまで熟睡できるとは思わなかった。



快適な睡眠後のさわやかな目覚め。
ツーリング最終日の八戸港の見え方も違って見えます。


で、最後は八戸から東北道を一っ走り。ひたすら千葉へ向かって走ります。
ちゃんと寝れると、幾らかは気分も違います。周囲の車の動きが良く見えて、しっかり安全運転することが出来ます。
しかし、体力はそこまで復活することは無く、距離が進むにつれて上昇する気温にもやられて、だんだんとペースダウン。
それでもおよそ9時間で自宅まで帰れました。


今年の北海道ツーリング終了後、気分の高まりが抜けないので、何気なく来年のプランを想像してみた。
ケータイのカレンダー機能で来年の8月をチェックすると、・・・・・・・・・・13、14、15、16、17、来年は5日あるな。