オルタネーターベルトの調整
これを見て作業をするのは構いませんが、あくまで自己責任でお願いします。
どっちが使用後でしょう。
私のGPXですが、2007年9月の車検で都合4度目の車検を受けました。
昨年のGPX20周年も無事にこなし、エンジンからタペット音が聞こえてはいるもののそれなりに快調な状態だと思います。
その車検でも特に問題点などは無く、普通に「車検」だけ受ければよかったのですが(ブレーキとかのOHを予定してましたが
純正部品の欠品のために今回の車検での作業は止めました)、一ヶ所だけ部品の交換をお願いしておきました。
それは、GPXの問題点?のオルタネーターのベルトです。
過去いろんな媒体(雑誌・ネット上・20周年イベントでの会話)で常々聞いてはいたんですが、その「怖さ」についての
実感ってのが無いんです。今までこのベルトが切れるとかのトラブルってのはありませんでしたから。
記憶が正しければ、GPXを手に入れてから(多分購入直後くらいの時期)一回だけベルトを交換して、それから特殊工具による
調整ではなく自己流の調整方法で大体6年・5万キロくらいは楽に走破してると思います。
ここまで走るとそれなりに痛んでるだろうし、自己流による調整で本当に良かったのだろうか?という疑問もあるわけで・・・・。
じゃあ、今回の車検でそのベルトを交換して、その痛み具合なんかを調べてみようというわけです。
幸いにして、このベルト自体はまだ部品として供給可能なようなので(バイク屋に頼んだら、普通に入荷したみたい)
それなら預ける時に一緒に交換してしまった方が良いでしょう?
で、ベルトの話ついでに特殊工具を使わない自己流によるベルト調整の方法もネタとして書いてみよう。
こういう話題を通して少しでもGPXオーナーに寄与することが出来ればと思っております。
ってことで、早速自己流のベルト調整の方法について。
この方法ってのは、もともとGPX購入前から持っていた考えでした。確かGPX本体よりも前に買っていたSMを見ていたら
「特殊工具でないとちゃんと調整できない」ような雰囲気は無かったので、工具が無くても何とかなるだろうって。
第一、そのベルト調整をするのにエンジンとフレームを固定するボルトを抜いてしまう方法ってのが嫌だった。
※AKIさんのHPにも書いてありますが、そのボルトだって「SMにも書いてない隠れネジ」があってスムーズには抜けない。
それならば、「決して正しい張り具合では無いだろうが、調整しないよりもマシだろう」という考え方のもとで
ありあわせの道具によるベルトの調整方法を思いついたのです。
それでは、自己流ベルト調整に必要な道具とは?
これ。
デカイモンキーレンチと8mmの6角レンチ。6角レンチは2種類(ラチェットレンチがあればそれ用も含めて)あった方が便利。
オルタネーター周りの分解に10mmと12mmのボルトを回す必要がありますが、多少バイクの整備が出来る人なら
そういったのもあるでしょう。自己流ベルト調整に大掛かりな道具は必要ありません。
では、早速調整作業にかかりましょう。
まず調整前にオルタネーターの目盛りで現状の状態を確認しておきます。
例えばこの状態なら「下から5山目」
そうしたら、オルタネーターの下にある12mmボルトと10mmボルト2つを緩めて
右側から先に緩めて
次に左側。この左のボルトはかなり奥まったところにあるので
柄の長い6角レンチがあった方が便利だと思います。
でも、通常サイズのレンチ+モンキーレンチでも出来る。
ここまで緩めるとオルタネーター本体が自由に上下するようになります。
で、この状態までにしておいてから「張り具合」のための計測をするのです。
まず、下から軽く持ち上げた(張ったと感じるまで)ときの目盛りを計測。
この状態のときには「下から5山目よりちょっと上」
次にモンキーレンチで下から力を入れて上に持ち上げた状態で計測。
で、この時には「だいたい下から4山目」
この2つを測り、その中間点で本固定をするのが「マイルール」です。別にちゃんとした技術的根拠とかはありません。
ただ、このオルタネーターを持ち上げる際に特殊工具を使ったときのトルクレンチの指定値が1.3kg−m。
他の場所のトルクレンチの指定値をみると、「エンジンオイルドレンボルトの締め付け」が2.0kg−m・「スパークプラグ締め付け」で
1.4kg−m。それと比べるとそんなに強く持ち上げなくても良さそうなので、そういった固定の仕方にしてみました。
で、結局元とほぼ同じところに本固定。
「下から5山目よりちょっと下」です。
GPXのSMにも書いてあるんですが、張り方が弱いと「ベルトが滑って、充電不足になる」だけで済みますが
(バッテリーの捕充電で済む)、張り方が強すぎると「オルタネーターのベアリングが壊れる(とエンジン側プーリーのベアリングも)」ので、
壊したときにどっちが被害が少なくて済むか?を考えると、幾らか弱めに張っておいた方が良いんじゃないかと思います。
この張り方で大体1年間・1万kmは放ったらかし。で、気が付いたとき(約1年おき)に張りなおしてます。
そのときも2回計測してその中間点あたりで固定するだけ。時間にして10分くらいのメンテナンスです。
あと注意点としてるのは、新しいベルトなら「中間点よりもちょっと張り目に」。古いなら「ちょっと弱めに」って手加減をするくらい。
張り方が弱くなっていればベルトの音がいつもとは違う風に聞こえたりするようですが、あんまり気にしてません。
この方式で今まで走ってきました。
これで北は北海道から南?は島根までさんざん走ってきたわけなのですが、そんな使い方をしてたベルトの状態ってのは
どうだったのか?
こんな外観です。それぞれ汚い方が古いベルトです。
(左が下側・右が上側)
さして古いという様子には見えない。
左が古い方、右が新品。
若干古い方の溝が幅広く磨耗してますが、それくらいしか違いがありません。
ささくれとか傷みたいのも2〜3ヶ所くらいで、使おうと思えばもっと使えた感じ。
クルンっと引っくり返してもこんなもの。
大して痛んでるようには見えない・・・・と思う。
素人のアバウトな調整方法のわりには、そんなに間違った張り具合ではなかったのかな?
今回ベルト交換して確認した劣化ぐあいなら、当面ベルトの部分には注意しなくてもいいと思っております。今までどおりでOK。
さて。
このベルト調整をみて他のGPXのベルト調整をチャレンジしてみるのもいいんですが、
1台1台のGPXの状態(プーリーとかベルト)が違うので、ここでの調整方法はあくまでも参考程度にして
それぞれのGPXで最適な調整方法・調整目安を発見してみてください。