GPXも2番手になって一周年
K100RSに乗ってわかったいろいろなこと
ウチにK100RSが来てからすっかり2番手になってしまいましたGPXですが、2台もっていて初めてわかったことや
K100RSにはない長所とか見えてきて『懐刀』的存在になりつつあります。つまり、魅力再発見。
K100RSが一周年記念企画「12ヶ月点検」をやっていますので、こっちも同様に「2番手になって一周年」企画を・・・・・
しかし、イジるとこはイジってしまい現状維持をしていくつもりの車両なので、とにかくひたすら2台の個人的比較論
・・・・今まで読んだ2台の雑誌記事から読み取ったりした内容なども含めて・・・・を並べます。
Kのページの「機構編」のところで購入時点での比較も書いてますから重なる箇所もあるかと思いますが、まあいいでしょ。
まずは車格から。
K100RSに乗りなれてしまった体では、非常にコンパクトに感じるGPXの車体。750のバイクにしては小柄だと思う。
K100RSは1000ccのバイクってことを差し引いても大きい車格ですから、小柄な人では取り回しとかちょっと苦しいと思う。。
大柄な体格の私でも自宅車庫から引っ張り出すのはかなり憂鬱になる作業です。
そこへいくとGPXはちょうどいい感じの車体の大きさに感じられるので、乗る前の作業が苦にならない。
とっつきやすさでいったら断然GPXの方が上。ハンドルの幅なんかジャストフィットしてます。
『ハンドル幅が狭い』といわれるK100RSが広く感じられるくらい。
※過去の記事によると、GPXのハンドル幅が625mm、K100RS(4V)が700mmと記載してありました。
K100RSの2Vになると600mmまで狭くなるらしい。
と書いておいて実際はどうなのか、実測。
GPXのハンドルグリップの端から端までで、約630mm。
同じくK100RSのグリップの端から端までは・・・・
約620mm。おやぁ?
ハンドルウェイトまででも700mmなんて数字にならない。なぜ?
今わかった事実・・・・・ハンドル幅はほとんど同じ。Kの方が広いと思ってたけど、人間の感覚ってけっこういい加減。
幅の話ついでに。
幅と言えばハンドル幅よりも違和感を感じたのが、ステップの幅。K100RSの幅たるやかなり広め。
GPXが『そのまま真下』に足を置ける感覚なのに対して、K100RSでは『足をかなり広げて』置かなくてはならない感覚です。
うっかりすると、ジーパンとかの裾がステップに引っかかってバランスを崩します。
シャフト駆動でそのジョイントがステップ近くにあるせいかステップの位置も外に追いやられてるんでしょう。
その反面、タンク付近はかなりすっきりと絞られていてスリム。なので、K100RSに乗ると足の形がハの字に近くなる。
せっかくなので、ハンドル幅と一緒にステップ幅も計測。
日曜大工で使うサシガネ(写真参照)で地面に印をつけてその幅を測ってみました。
こんな風に
結果・・・・GPXが580mm。K100RSが620mm。
GPXはいいとして、K100RSはハンドル幅とステップがほとんど同じ幅だったとは・・・
そうすると、もっとハンドル幅の狭かった2VのKはステップ幅の方が広かったのか?
一般道でも大柄なK100RSはもてあまし気味。広い幹線道路とかは良くても、狭い道や路地は不得意。
GPXはK100RSに比べて広い意味での「一般道」・・・狭い道から広い幹線道路まで・・・で特に不得意な道ってのは無し。
もっともK100RSよりも乗った時間・距離が全然豊富なので慣れているのもあるでしょう。
日本国内での走行なら、両車とも遜色なし。ただ、得意な走行場所が違うだけ。GPXはK100RSより低中速度状態が得意。
※(単純に速度の問題だけでなく渋滞とか車の流れについて行くのも含めての状態)
あと2台を乗り比べてわかったのが、GPXの方がアタリが柔らかい。Kはアタリが硬い。
サスの感じやシートのすわり心地なんかも、そう。一般道ならGPXが快適。
ただし、GPXのシートは自由度がなく『ここに座れ!』的な設定のシート形状になってると思う。
K100RSは設定速度が高めなのか?一般道で車の流れに乗る速度では結構コツコツと路面の凸凹を体に伝えてくれます。
それでもK100RSのシートはしっかりした椅子のようで快適です。車のシートより硬いかも。
GPXのサス設定は結構柔らかい設定みたいで、擬音で例えるなら『フワフワ』
フロント側はその設定をアンチノーズダイブ機構(ESCS)で補ってるのでしょう。
だから、ブレーキング時はしっかりと踏ん張ってくれます。ESCSがしっかり生きていればの話ですけれどね。
この夏にやったリフレッシュ作業でフロントフォークのオイル交換をしましたが、これだけでもフィーリングがとっても良くなって
自分の考え以上の効果が感じられました。
当初の予定でフォークスプリングも一緒に交換したいと思っていたものですから、オイル交換のみでは大したことないと
予想していました。でも、エンジンでもサスでもオイルって大事だなぁ・・・と感心しました。
GPXのサスがダメになってESCSをどうにかしたいと思ってる方がいたら、まずはフォークオイル交換をしてみては?
どっかの雑誌の受け売りですが、ノーマルの新品の状態に直してからでも他車のサス移植は遅くないと思います。
そうそう、フロントブレーキは当時のカワサキ最高速車のZX-10と同じフロントブレーキなのですから、
機能的にはGPXにとって不足は無いはず。オマケにステンメッシュホース装備のフロントブレーキは過剰装備か?
じゃあ、K100RSのサスはどうなのかって言えば、一言硬め。
ちなみに2台のサスを比べると、GPX=Fが140mm、Rが120mmのストローク。K100RSが同じく
135mmと125mmのストローク。移動量自体は両車そんなに違わない。
で、硬いからといってそんなに動かないかっていうと、さにあらず。センタースタンドを外すときなんか結構動く。それでも
ほんの少しの移動量での話。走行中では結構硬めに感じる場面が多い。
しみじみと感触を確かめると、サスが硬いって言ってもスプリングではなくオイルが硬いって感じ?
細かい凹凸はかなり体に伝わるのに、ブレーキの時とかはちゃんと沈む(って表現でいいのかな?)。
例えば、信号でのブレーキでは、停止線に向かってサスが仕事してますという手ごたえを感じながら止まるんです。
で、完全に停止してからサスが戻る時にはスパッと素早くそして意外と多い移動量で戻る感じって言えばわかるでしょうか?
単純に硬いサス設定じゃありません。硬く感じるわりにしっかりストロークを使ってます。
その一方で、普通に交通の流れに乗って走ってるときはGPXに比べてゴツゴツと硬い感触で走るんですよねぇ。
そういった感触をさらに硬いシートが助長するので、GPXの乗り心地と比べたらそりゃ硬い。
※「語彙の少ないヤツがサスのインプレをするもんじゃない」とつくづく思いました。
ツーリングへ行ったとしてK100RSが「信頼できるバイク」と例えるなら、GPXは「信頼してるバイク」。
やっぱりK100RSよりも乗った時間・距離が全然豊富なので慣れているのがその理由。
BMWの装備面・性能面にはかないませんが「履きなれた靴」のように気兼ねなく使える道具のような存在と
私の中で勝手に思っています。
BMWって意外と強情っていうか、世間で言われているBMW乗りでないとうまく乗れていない感触がするんです。
変に力を入れないで「リーンウィズ」でダラッと行ったほうがスムーズに乗れてる気がします。
GPXに乗るような乗り方でカーブを曲がろうとすると、拒絶反応を示してくれます。つまり曲がんない。
GPXはBMWよりも何でもアリの乗り方でOK。気の向くまま適当に乗っていてもうまく乗れてる気がする。
これはGPXに限らず『日本車』全般のクセでしょう。万人向けの味付け。
K100RSもBMWのなかでは『クセの無い』バイクって言われてますが、日本車よりはやはりクセがありますよ。
同じBMWでもRとかモトグッチとかもっとすごいんだろうなぁ。
ステアリング関係での数値を拾って見るとフォークのキャスター角はほぼ一緒(GPX=27度・K=26度)で、
トレール量もほとんど同じくらい(GPX=97mm・K=90mm。・・・・Kの方が短い!)。
大きく違うところではホイルベース(GPX=1460mm・K=1565mm。)、やはりK100RSは大柄。
ホイルベースが長い分コーナリングではGPXが有利なのか?・・・・とはいえども、2台にそんなに差があるわけでナシ。
2台の間ではエンジンの搭載位置も違うし(Kの方が低い位置に収まってる)、前記のサス設定も違う。
2台の一番の差異はタイヤのサイズか?GPXがめちゃ細めのサイズだからK100RSより身軽に感じる。
K100RSに乗り換えるとコーナーの度にどっこいしょって感じになります。
やはり太いタイヤって重く感じるのかなぁ?
Kシリーズに限らずBMW全般に言われている「重心が低い」という車体ですが、車体に対してどのくらいの位置にあるのか?
意外とわかりにくい項目なので、自分なりにわかりやすく目印を付けてGPXと比較してみました。
センタースタンド掛けの比較ですが、目安にはなるでしょう。
車体中心部に下から30cmごとに印を付け、パソコンで着色。オマケで前後タイヤ中心にも着色。
こうやって比較してみると、確かにKの方がGPXよりも低い位置にエンジン本体があるように見える。
下から30cm付近でオイルパンの下側ギリギリのGPXに対して、すでにオイルパン本体があるK100RS。そして60cm付近で
シリンダーブロックの辺りに印のあるGPXと、もう重たいエンジン本体が収まってるK100RS。
車体全体ではK100RSがGPXより高いけど、60cmより上にあるのは空っぽにちかいエアクリーナーボックスとアルミ製タンク
ぐらいで大して重いものは・・・・・FRP製のカウルか。
GPXは60cmより上にまだシリンダーヘッドがあるから車重が軽くても、重心はK100RSよりも高いでしょう。
加えてGPXのフロントタイヤの中心がK100RSよりも低いから、ブレーキをかけたときに前に行こうとする力は
K100RSより大きく加わるかも。しかしGPXは16インチだから仕方ないか・・。
それに比べてホイルベースの長いK100RSがブレーキをかけたときに前に行こうとする力はもっと穏やかでしょう?たぶん。
ツーリングなどで気軽に付き合える感覚のGPXも気持ちよく飛ばすとその分の見返りが必要になります。
K100RSよりも燃費の悪い大喰らいなバイクだったんですねぇ。
K100RSを買うときに「GPXより燃費が悪いのは仕方ない」と半ば諦めていたところがあったんですが、
いざ蓋を開けてみれば「GPXの方が燃費が悪い」という結果に。
一番燃費がいいときでも20km/L(木崎湖ツーリング時の高速で)悪いと15km/L以下(同じく木崎湖ツーリング時の高速で)。
K100RSの一番いいときが24km/L(九州ツーリング時の高速で)悪くても16km/L(一般道で渋滞にいる時間の多いとき)
GPXが距離を走っている車両だとか調子が悪いだとかであってもちょっと納得いかない結果です。
でも、その分気持ちいいと感じることが多いので・・・エンジン音の変化であったり、加速感であったりいろいろ・・・・
そこは大目に見ています。
動力性能的にはお互いにどんなバイクか?
昔の雑誌を引っ張り出して調べて見ると(馬力とかは他のサイトや資料でも書いてあるだろうから、それ以外で)
最高速度が、GPX=242km/h(雑誌社企画の特集記事で)。K100RSが230km/h(BMWの広報資料?で)
0→400m加速がGPX=11.2秒。K100RSが12.2秒だとか。(参照は上記と同じ)
これを調べてて「昔は雑誌社で最高速チャレンジみたいなことしてたっけなぁ」と感傷に浸ってしまいました。
それはさておき、数字の真偽はともかく体感的に感じる両車の速度は、比較的数字に近いところにあると思います。
つまりGPXの方が速く感じる。特に市街地での信号ダッシュではGPXの圧勝。
K100RSははっきりとダッシュが苦手といえます。下手するとフィ○トとかビ○ッツに負けます。(つーか負けた)
※普通に発進してもGPXなら勝つであろう状況で、K100RSは結構気合を入れていかないと負ける。
ある程度(50km/hくらい)からは速度が伸びてきてくるんですが、それ以下だとまるでダメ。
だから、都内とかの走行では隣に何が来てもスタートダッシュは諦めて、伸びで勝負してます。
馬力やトルクの表示はGPX<K100RSでも、車重&低回転域のトルクの無さでその関係が逆転してると思う。
両車とも購入前には散々雑誌などで情報のみを集めていたのですが、いざ乗ってみてそれぞれを比べて見ると
雑誌で言っていたことはこういうことなのかとか雑誌とかちょっと違うんじゃないとかいろいろ気づくことが多かったです。
やはり実際に乗らないとわからないことばかりです。
両方とももっと乗り込んでもっと奥深いところまでドップリ漬かってみたいと思います。