シートカスタム
25年以上使ってヘタったシートを蘇らせよう。





数年ごしのネタをやってみます。


思い起こせば、2011年のGPX25周年イベント当日朝のことです。
sheetsさんに自分のGPXのシートの必要以上のヘタりを指摘されたのがダメ押しだったのかもしれない。

そもそも、GPXのシートのヘタりは前々から気づいていました。しかし、そのヘタりの経年変化を受け入れながら
散々走り回っていましたし、シートの状態を他車と比較することも無かった・・・・・GPXに乗ってる人って少ないから・・・・・・ので、
ずーっと新車から装着しているであろうシートを使い続けていました。
そして、そのシートがダメ出しされても、さして改善しようとも思わず、ネタの一つとしてキープするだけでした。


そうだったんですが、2012年夏に発生したK100RSのABSコントロールボックスのトラブルで、新たなコントロールボックスを
入手する必要に迫られ、それをネットオークションで買った際についでに、同じところからGPXのシートも買ってみました。
夜で賢明な判断が出来なかった勢いからですね。



出品されてるモノの良し悪しなどパソコンの画面だけでは判別が出来ないので
こういった買い物は「勢い」で買いましょう。


で、このネットオークションで手に入れたシートを古いシートと入れ替えて、2012年の「KCBM in 浜名湖」で使ってみたら、
思いのほか良かった。生産されてから同じ年数くらいのシート(だと思う)が、「これがかつてのシートの乗り心地か〜」って感心したくらい。

その後、シートは完全に入れ替わり、古いシートはダンボール箱に仕舞い込み、交換したシートはGPXに装着して
車体もろとも自宅から離れた場所に仕舞い込む。そんな使い方をしてました。



向かって左が古いシートで、右が今装着してるネットオークションで買ったシート。


     
光の加減で分かりづらいと思いますが、
左の古いシートの方が右のシートに比べて、ラインが甘いのが分かりますか?
さらに古い方はシート表皮が硬化して、コシがありません。


そして、2013年の秋。
GPXの何度目か忘れたくらいの車検を受けさせて、そのタイミングで古いシートを蘇らせようと画策してみました。
正確な表現ならば、シートカスタムですね。K1300Sでやったことと同じコトで、目指す方向性も一緒です。

GPXのシート高は775mm。身長184cmの体からすればちょっと低めのシート高で、もうちょっと高めでもいいくらい。
そして、若干前傾気味で平面部の少ないシート形状は、GPXだけしか知らなければよかったかもしれないが、
K100RSのシートの形状や乗り心地(これはこれで全く問題がないわけじゃないけど)を体験すると、
GPXにもそういった乗り味を加味して、さらにGPXを良くしたいと思うのが人情でしょう。
で、シートがヘタってると気づき→新たなシートを入手し→シートカスタムすると決心するまでにこれだけの年数がかかった訳です。


まあ、シートカスタムしてくれるシートショップについては、K1300Sでお世話になったショップはあるし、
そこへ自分好みの形状・乗り心地をオーダーする手法もそれなりに確立してる・・・・・つもりなので、後は実行あるのみ。
古いシートと寸法を記入した用紙を携えて、いざシートショップへ。


     
とりあえず、「多分、この寸法だったら良いだろう」という数値を書き入れてみました。



その数値を確実に伝えるために、シート上面に糸を張って
「ここから何cm下に揃えてください」と寸法を取っています。


で、この時に一緒にK100RSのシートも持っていって、2つのシートをやってもらうことにしました。
費用はともかく、時間的に両方共に仮完成するのでも10月くらいまでは確実にかかるそうなので、気長に待ちます。




2013年10月追記。
K100RSのシートが届いてからさらに数週間後、やっとGPXのシートが届きました。


     
狭い6畳の部屋にデカいダンボールが2箱。
早速開封して、中身をチェックします。


     
シート単体で見る限りは良い仕上がりになってる。


届いたのならさっさとシートを入れ替えて『夜の散歩』に出かけたいのですが、ちょうどシートが届いた日の夜から
台風接近に伴う雨が降り出し、出かけることが叶わず。夜な夜なダンボールから取り出して、ニヤニヤ眺めるのが日課になりました。

で、その台風が過ぎ去った日の夕方、走りにいけなくてもシートを交換して跨ってみたい気持ちを抑えられず、
GPXを引っ張り出して、シート交換してみた。


     
完成した改造シートを取り付けるとこんな感じ。
シート表皮を純正っぽいのにしたんで、そんなに違和感は無い。



若干、ボテっとした印象を与えるのは、多分シートのラインがシャープに出ていないから。
シートを張り替える時に、「ノーマルシート」のようにシート表皮1枚で全て押さえると
シートの角などのラインがシートに引っ張られて、きれいなラインになりにくいそうな。
だから、有名他社のシートが、大抵シート表皮を縫い合わせた製品になってるのか?
シートのラインも大事ですが、それよりも『純正』のように見える仕上げの方も自分にとっては重要なので、
何とか1枚で仕上げてもらいました。
これは過去のK1300SもK100RSも同様のオーダーです。


     
ちょっと大きさが違いますが、シートの水平度チェックの写真。
右の純正に比べ、左の改造シートの方が水平に近い。


     
若干シート高を上げた分、跨る部分の幅をちょっと狭くしてます。
で、跨ってみたけども、純正に比べてシート前後の余裕が増えたように感じます。
純正シートはそれこそ電池ボックスに電池を入れるくらいのはまり方だったのが
改造シートはずいぶんと楽になりました。
この辺はK100RSに影響を受けた部分かもしれない。


     
純正シートと改造シートの直接比較。
(右の写真)奥の改造シートの方が座る部分が高めで、シートの曲面も浅い。




2013年11月追記。
本当ならば、さっさと乗りに出かけたかったんですが、休日出勤&雨模様の日が続き、11月に入ってからやっと少しだけ乗ってみた。



文化の日の夕方5時。
フラッシュを使わなくても、ここまで写った。


同時に仕上げてもらったK100RSのシートよりもずいぶんと柔らかめに仕上がっていたんで、「柔らかすぎないか?」と
ちょっと心配になっていたんですが、乗ってみたら柔らかすぎることも無く、程よい柔らかさに仕上がってました。
惜しむべくは、もうちょっと・ほんの少しコシのある柔らかさだったら良かった。

その一方で形状的にはもうちょっと改良の余地があって、シートとサイドカウルとの境目が純正よりも段差が出来てしまって
そこに違和感を感じるので、そこはもうちょっと削ってもらうようにしたい。



シートの方が幅があり、太もも内側にやたら存在感を示してきます。


何度かの試走をこなして、この部分だけの違和感だけが解消しなかったんで、またシートショップへ送って、ここの微調整をしてもらおう。


     
純正シートとの比較。
ほんの5mm程度のふくらみですが、乗ってる方は非常に気になってます。


で、GPXを保管場所へ移動する時に純正シートに付け替えて、改造シートはシートショップへ送りました。
まあ、年内に戻ってくれば、正月辺りにまた試走へ行けるでしょう。




2013年12月追記。
2014年まであと2週間を残すばかりの頃、再調整をしたシートがシートショップから帰ってきた。


     
手触りで確認する限りは、純正シートと同じようになったか?


見た目の変化は少ないですが、しっかりと修正された形状となって帰ってきました。
シートが届いたのならば、早くシートを入れ替えて試走に出かけたい気持ちはありますが、年末の忙しさ(現実的時間不足と
趣味に時間を費やすのが憚られる雰囲気)が影響して、ダンボールにしまったままにしておきます。

という訳で、このシートを楽しむのは正月休みに入ってからにします。




2014年3月追記
正月休みもすっかり過ぎた頃、ようやくGPXに乗る機会が出来たんで、早速シートを入れ替えて試走開始。

うん、修正前のシートよりかは違和感が少なくなって、純正シートに近い感触に変わってる。
K1300SやK100RSのシートよりもソフトな乗り心地のシートですが、新品ウレタンのおかげで純正シートよりも乗り心地は上等で
シート形状の最適化も含めて快適なシートになってました。


     
手直し前(左)との比較。
ふっくらした感じが無くなり、サイドカバーとスムーズな面でつながるようになってます。
純正よりも多少出てますが、違和感は極小。

しばらくはこれだな。