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 給炭装置
ガントリークレーン給炭槽の図面が入手できたことで、これらを最初に製作しました。
この図面には沼津機関庫給炭装置と書かれています。しかし、昭和30年代後半には沼津にはこの設備はありませんでした。仙台機関区のクレーンがこのタイプのものでしたので、模型ではこれを参考にして製作しました。
 鳥取機関区給炭槽 

   1962.9.30
機関区周囲の建物
機関区には事務所の他に乗務員宿舎、作業員詰所、風呂場、ボイラー室、倉庫などの付帯施設がありました。
倉庫

機関区事務所
昭和40年代には木造の機関区事務所はあまり見られなくなっていましたが、佐倉機関区に旧事務所が残っていました。木造の切妻タイプの一目で事務所と分かる典型的な建物でした。また、比較的作りやすそうでしたので、これを模型化しました。
 ガントリークレーン

模型では骨の材料を□1×1の真鍮角材をメインに使用し、ハンダ付けで組んでいます。
注意点は橋脚のスパンが350mmと長く、熱膨張で骨が変形しないように短時間での鏝当てがポイントです。また、橋部で組む順番により鏝が入らなくなる箇所が出るので組立て方の注意も必要です。100Wの鏝を使用しましたが、30Wの方が細くてよいことが後で分かりました。操縦室は桁の中間下部に設けられ、そこに行く通路や地上からの梯子を設けています。梯子は長いので安達のプレス品を繋げています。桁上部には石炭のバケット上下及び左右移動用の機械が置かれていますので、移動できるようにレールを敷いてあります。
中央にメーカーの「日立」マークとその両脇に「石炭節約」の標語をパソコンで作り貼ってあります。
クレーン本体の台は2×7×2チャンネルを使用、ダミーの駆動装置をこの台の上に載せここから左右の駆動輪を結ぶ軸を実物同様にクレーンの門型に沿わせ、角に傘歯車をつけて結びました。クレーンの車輪は片側を料フランジ、他側をフランジレスとして転がるようになっていますので、手動で移動できます。
三相の集電装置のアーム柱から出し、地上側に置かれた架線柱の間を手動で動くことができます。
塔の図面がなく、実物の高さが約33mと聞いて、模型の高さを415mmとして、写真から塔骨組みの形状寸法を割り出しました。
塔の柱は□1×1の真鍮角材をハンダ付け組みました。投光台の形状は種類がありますが、比較的大きなタイプと小型の2種類を製作しました。地上からの梯子は安達のプレス打ち抜き品をつないで使いました。投光器は内径φ3mmのパイプを切って、φ3mmの白色LEDを差し込みました。LEDを並列につなぎ、各LEDの−側を塔の枠ハンダ付けとし、+側をφ0.28のホルマルでつなぎました。リード線が細いため気になりません。高輝度のLEDのため十分な光量で夜間の役目を果たしています。
レンガ倉庫
珊瑚1mmエッチング板からの製作です。軒下は4枚重ねになっています。
エムズコレクションの建物のペーパーはぎれ材料での製作です。屋根は真鍮製波板を使いました。
照明塔
風速・風向計
 朝日を浴びて金色に輝く扇形庫。塗装するのがもったいない気持ちになりました。
 給砂装置
砂撒き装置は給砂塔を新小岩機関区のものとしました。均整が取れた形状で写真が撮れていたためです
給砂小屋は鉄道技術発達史に図面が載っていたのでそれを基にしました。小屋には乾燥用の炉があり、屋根から圧縮空気で給砂塔に供給するパイプが出ています。建屋の製作はこ
の砂乾燥小屋が最初です。 小さな小屋でも窓の数が150あり、心配でしたがt0.3真鍮板を切り抜いて作りました。これで自信がつき扇形庫の製作に挑むことができました。
t0.3mmの真鍮板製です。
線路班詰所

佐倉機関区    1966.12.2
風呂場

これも、カトーのNゲージ用の建物を1/80に直して、t0.3mmの真鍮板で作りました。
佐倉機関区旧事務所           1966.12.2

取り壊しのためか、撮影当日に屋内の荷物が玄関の前に積まれていました。
駅ホーム端に置かれた寒地タイプの給水スポート

市販品にガラスホースを付けました。
大宮機関区給水スポート        1962.6.24

碓氷峠のラックレールが柱に使われていました。
 ポンプ小屋
t0.3mm真鍮板での構成です。ドアはエコーモデルのエッチング板を利用しました。
 給水スポート
給炭装置の近くには給水ポートが置かれています。
 吉松機関区給水タンク         1966.2.26

このタンクはコンクリート製でした。水面レベル標記が目立ちます。


左の給水タンクは珊瑚のキットを利用したものですが、下の台はレールの骨組みのものに替えました。
これは駅ホーム端の給水ポート用です。
 佐倉機関区給水タンク         1966.12.2
 給水タンク
給水タンクの形状は各機関区で千差万別です。この中で佐倉機関区のものをプロトタイプとしました。古レールで作った台の上にタンクが置かれた他に例を見ないタイプのものです。タンク脇にはポンプ小屋が対で設置されていますが、この写真を撮っていませんでしたの想像で作りました。
後に、当機関区の規模ではタンク一個では寂しく、国府津機関区の給水タンクを模したものを追加製作しました。
 佐倉機関区扇形庫       1966.12.2
 佐倉機関区扇形庫       1966.12.2
 佐倉機関区扇形庫 向かって右側に1線庫追加されています。                        1968.11.22
組み上がり転車台との位置関係を見ています。。
立体になり感じが出てきました。
 模型化に当たっては、コンクリート構造の標準扇形庫の図面をを参考にして寸法を割り出しました。基本の寸法を抑えることはバランス上たいせつなことですので、現物がなくなった今は参考になる図面に頼らざるを得ません。
模型は12線を一体で作るには大きすぎますので、4線ずつの3分割としました。それでも0番の車両程度あり、1/80の車両造りとはだいぶ異なります。真鍮板も大きいサイズのものが必要です。t0.3mmを主体で使いました。切断は300mmありますので懐の深い糸鋸を使いました。羽目はケガキ針で線を引いて表現しました。
問題は窓ですが、エッチング板を使えますが、窓の引違の段差を表現すると枚数が多くなり、とんでもないコストになりますので糸鋸で抜くことにしました。2007年4月15日に着工して、この年の5月の連休は朝から晩まで窓抜きの工事が続きました。窓の数は1600を超えます。糸鋸の休み穴はφ0.6のドリルを使いましたがしたが折ることなく、1本で済みました。屋根板はt0.3mm板にエコー製の波板を3-6サイズに切って貼りました。こちらも1600枚を超えました。パーツの工作は1/80の車両と同様な感覚で作れますが、これを立体するのはスペースが必要で大変です。重量もありますので前面の柱は□2.5×2.5、その他は□2×2を使用し、ハンダを十分流して接合しました。屋根の形状は、佐倉機関区に倣い前下がりと後ろ下がりの組み合わせとして特徴を持たせました。煙突は1線に前か、後のどちらか1本が一般的のようですが、佐倉機関区では両側にありましたので、これのも倣いました。煙突はφ6の銅パイプを使用し、各煙突を4本のφ0.35の真鍮線で高さの中央から下方へ支持しました。煙突の傘はφ10の丸棒から旋盤で作ったものを取り付けました。背面3線に工作室が付け足した格好になっていますのでこれもアクセントとしてつけました。
組立は各線の9°の分配角度が重要ですのでCADで原寸図を描きこの上に載せて行いました。
屋根の吸気口のルーバーは中が透けるように帯板で実物通りとしました。7月中ごろに組み上がりましたので後期は3か月でした。

 佐倉機関区扇形庫 背面     1966.12.2
 扇形庫
大きな扇形庫は標準タイプがコンクリート製でしたが、味気に欠けて好みでなく、木造タイプを作ってみたかったのです。しかし、10線以上のものは見つからず、4線庫でしたが佐倉機関区の扇形庫の造りに魅力を感じこれを12線にアレンジして作りました。
 新小岩機関区給砂装置       1968.11.22
 豊岡機関区給砂装置       1962.9.29
 架線柱

このクレーンに給電するための架線柱は平機関区のものをベースとして、クレーンの移動両端部と中央部の3箇所に設けました。中央部は隣線の建築限界の関係で「ヘ」の字に曲げてあります。これも平機関区のものと同様です。
線路間隔が狭すぎて車両との間隔がぎりぎりです。最初の計画をミスしたためです。
柱を□1×1、補強を0.8×0.8のアングル材で構成しました。碍子はパイプを輪切りに
して真鍮線に差し込みました。
給炭槽

給炭槽は二線用の給炭槽が上部にあって給炭口から機関車に給炭するタイプのもので、給炭槽は二連としました。一本の柱は1×1のアングル4本に0.8×t0.2の帯板をXにハンダ付けをして構成しています。給炭槽はt0.3の」真鍮板と周囲の補強を1×1のアングルで構成し、上部にφ1.0の真鍮線で格子を設けました。給炭口は給炭槽の角錐底から各線4個計8個、筒状に斜めに降りています。先端には開閉用の鎖と給炭槽には上部からの梯子が設けてあります。
給炭口は給炭位置にすると機関車のキャブや煙突に支障するので手で回転して格納位置にに動かせるようにしてあります。余談ですが、作業員が給炭を行うため高所から梯子を降りて鎖の操作をする必要が分かり、とても危険なことが日常業務であったことを知りました。
 給電トランス用電柱

この架線柱に給電するための電柱です。
電柱はφ2.4丸棒を使いました。
 照明塔に登って撮られたこの写真はまさに蒸気機関車全盛時代の活気に満ちた機関区の風景で、この情景を模型で再現することを目標としました。
 仙台機関区給炭装置  1953年7月14日  撮影 澤村 豊
大宮機関区         1962.6.14
 平機関区 架線柱         1966.6.12
乗務員宿泊施設

模型は、カトーのNゲージ用の建物を1/80に直して、t0.3mmの真鍮板で作りました。
模型は0.3mmの真鍮板を側と妻板に使い横方向の羽目板の筋はケガキ針で罫書打て表現しました。裏面に□1×1角材で補強をしました。屋根はスレート瓦でしたが、エコーモデルプラ製日本瓦らにしました。雨どい、雨どい管は実物に合わせ付けました。寸法の割り出しを間違えオーバスケールになっています。
新鶴見機関区給水スポート        1968.2.22
 模型は図面がないため、写真から寸法を割出しました。
タンク本体はt0.3の真鍮板をローラーで曲げて環状として1箇所で接続しました。台の骨組みは70番レールを使用して実物通りの構造としました。
 佐倉機関区扇形庫       1966.12.2
 教習所  豊岡機関区の建物をプロトとした。
大宮機関区に風速・風向計が設置してありました。
印象に残っていましたので作ってみました。
釣鐘は手持ち部品の利用です。
 この他の実物構造物図面を見る
藤枝駅ホーム、、レンガ倉庫     2009.5.17 
模型は大宮と新鶴見のものを合わせた形状としました。上部給水館は回転できます。ホースは電線保護用ガラスホースを使用しました。
 国府津機関区給水タンク   1966.10.21

上のタンクと同様t0.3mm真鍮板での構成です。
骨組みの台は吉松の給水タンクを参考にしました。

タンクに標記を入れるとより実感的になると思いますのでいずれ入れる予定ます。
 側、妻、屋根板が出来上がり、六面体になる直前です。