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(1)再生ヘッドの原理
(A)何故テープを走らすと信号が出るのか?
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自転車の発電ランプの発電機は左図の様に銅線を巻いたも
のの前で永久磁石を回転させて、電気を発生させている。銅
線を巻いたもの(コイルと呼ぶ)の前で磁石が動くとコイルに
は電気が発生する。
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テープレコーダーではヘッドにコイルが巻かれており、永久
磁石の代わりにテープ上に鉄粉の磁石がある。従ってテ
ープを走らせるということは磁石を回転させているのと同じ
であり、ヘッドのコイルの両端には電気(信号)が発生する。
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(B)ヘッド両端の発生電圧の性質
発電ランプは回転を早くすると高い電圧が出て、ランプがより明るくなる。磁石の強
さが不変であれば(発電ランプの場合は永久磁石のため不変)S極→N極→S極へ
の切り替えが早ければ早いほど発生電圧は大きくなる。
テープレコーダーでは、テープを早く走らせればS→N→Sの切り替えが早くなり、発生
電圧が大きくなる。もうひとつS→N→Sの切り替えが早くなる状態がある。テープ上
に記録されているS→N→Sの繰り返し(周波数:1秒間に何周期あるかということ:
Hz)が細かければS→N→Sの変化が早いことになり、発生電圧は高くなる。
テープ上に記録されているS→N→Sの繰り返しが細かいということは
同じ速度でテープが動くとすれば、発生信号の周波数が高いと言うことである。
(C)周波数とは 周波数の単位はHz(ヘルツ)
1秒間に何回繰り返すかと言うこと。上の例では3Hz。1KHzとは1秒間に1000回
プラスマイナスを繰り返すと言う事。
(D)なぜ の波形になるのか?
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発電ランプの場合をもう一度考えてみると、磁石の極性Sがコイルの前を動く場合と、N極がコイルの前を動く場合では発生する電気の発生方向が逆である。
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従って発生する電圧はプラスになったり、マイナスになったりする。
(E)ヘッドの周波数(1秒間に何回繰り返すか。サイクルと同じ)特性
発電ランプを早く回す
=テープ上に記録されているS→N→Sの繰り返しが細かい(テープの走る速さは一定)
=テープ上に記録されている信号の周波数が高い。従って周波数が高い程発生電圧が大きくなる。
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周波数があまり高くなると、いろいろな損失が増加して上記の説明の様にならず左図の様になる(「ヘッドに高域損失がある」という)
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(F)再生する時録音した時と同じ音色で聞く為には
同じ音色とは、録音した時の音に比べて キンキンした音(高い周波数の成分が大きくなっている)
になったり、ボソボソという音(低い周波数成分が大きくなっている)になったり、しないで同じ様な音
になっていることを言う。
ヘッドから発生する電圧は1〜2mVしかないのでそのままではスピーカーを鳴らすことが出来ない。
(スピーカーを鳴らすには電力が必要だが、今のところは電圧が小さすぎるとしておきましょう。)
信号増幅器(アンプ: アンプリファイ=大きくするに er を付けてアンプリファイアーの略称)で信
号(電圧)を大きくしてスピーカーで聞くことになる。
小さい信号をただ大きくしたのでは(E)で述べた様に周波数が高い程大きな音となり、元の音と同じ
にならない。
元の音に戻す為、「イコライザー」(イコライズ=等しくするに erを付けた)と呼ばれるものをアンプに組
み入れている。
高い周波数の音を小さくして元の音に合わせる装置をイコライザーと呼んでいる。
イコライザーを入れることにより、ブーという低い周波数の音もピーいう高い周波数の音も同じ強さで
聞ける。
従って、イコライザーを組み入れたアンプの周波数特性は低い方の周波数の方が高い周波数より
多目に信号を大きくしている。
再生時の音がおかしい(周波数特性 F特と省略されることも有る の不良)場合、再生アンプが正
常がどうかは、上記の様なアンプの周波数対発生電圧の関係になっているか?アンプ単体で調べ
てみるとよい。(F はFrequency 周波数の頭文字)
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