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2008年1月25日 22:19:27

旧逓信省千島回線陸揚げ庫保存会


通信施設について

 明治33年頃、今からおよそ100年前の建物と推定されています。
当時、根室のハッタラ浜と国後島ケラムイ岬に海底を通し電話線で結んでいた施設です。
(以下、海底ケーブル)
距離にすれば、およそ30kmでケーブルの太さは約7cmぐらいです。
ケーブルは国後島のみならず、択捉島まで届き、各島の公の場に電話のかたちで
つながっていたと聞きます。
当時の管轄は現在のNTTではなく、郵政省(逓信省)のものだったのですが、
昭和30年頃に民間に払い下げられ、現在に至っています。
幸いにもその後、倉庫として利用されていたため、傷みも少なく残されていたのだと思います。
先日そのケーブルがホタテ漁の道具(八尺)に引っ掛かり、
漁業関係者にとって事故の元になるとの事でとりあえず、
1500m程陸揚げされました。100年間海底に埋設されていたわりには、ケーブル自体、
通電してみたところ、まだまだ使える位、傷みはなく私自身、驚きを隠せませんでした。
鋼鉄の頑丈なワイヤーに包まれ更にタールを大量に含んだ麻縄に厳重に包まれ、
ゴムの間から黄金色の直径2mm程の銅線を見た時、当時の島々と根室の人々の
リアルな会話が私の耳に聞こえたような気がしました。
おそらく当時の最高の技術を投資したのだと思います。
建物自体、100年近く悪条件下で今だ残っているのですから、
やはりそれに見合うだけの建物なのです。
いずれにせよ、海底ケーブルでつながっていたのはここに示すとおり事実です。
もしかすると同じ建物が対岸(ケラムイ岬)にまだ残っているかもしれない
という期待も私の心にあり、確かめてみたい気持ちです。





海底電線切断部スケッチ