灯台記念日に寄せて


灯台記念日についてのPR (広報担当) 

  11月1日(木)は灯台記念日です。
  ところで、灯台記念日というのは、あまり聞いたことがないと、言う方も多いのではないのではないでしょうか。
  海守ブログでは、その定義(説明)が以下のように書かれています。
 
  「灯台記念日」とは、日本最初の洋式灯台である観音埼灯台の起工日が、1868年(明治元年)の新暦で11/1だったことにちなんで、1949年に海上保安庁が制定したのものです。                                          
  また、同ブログによると、この日を記念して、全国の灯台や海上保安庁の施設で行事が開催されるそうです。
 
   各地での行事に参加し、理解を深めてみるのもいいですね!!文化の秋!!

                     

                                               

灯台記念日に寄せて  (隊長)


  さて、上記で広報が説明した「灯台記念日」を目の前に、ふと、灯台に思いをめぐらせていました。
  それは、航路を照らし、船舶の安全航行に欠かせない灯台への感謝、各地の馴染み深い灯台の思い出など。
 
 こうしたさなか、先日来の領海侵犯の報道が飛び込んできました。

 読売紙によれば、10月28日の夕方、中国の民間活動団体が尖閣諸島付近の領海内に侵入したが、海上保安庁の巡視船が進行を阻止した、と。
 その後、産経新聞には、町村信孝官房長官は29日、抗議船が領海に入ったことについて、
「尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないことであり、日中両国間に領土問題は存在しない。たとえ1時間余りでもわが国の主権を侵害したのは大変問題だ。
(この方針は)福田内閣であろうと、どの内閣であろうと変わるところはない」と述べ、強い遺憾の意を表明した、と。


 尖閣諸島は明治28年(1895)に政府の閣議決定により領土編入措置が行われました。その後、1970年後半になり、東シナ海大陸棚の石油開発の動きが表面化するなかで、はじめて中国が尖閣諸島の領有権を主張するようになった。

 当時の中国の激しい抗議行動に対し、昭和53年(1978)に日本の民族派団体「日本青年社」が魚釣島に灯台を建設し、以後30年近く、保守点検を行い、灯台の灯りを守り続けた
  そして、平成17(2005)年2月に、本灯台は長い年月を経て、ようやく海上保安庁に管理が引き継がれ、海図に灯台が記載された(H17.2.25刊行)。


  
  灯台記念日を前にして、灯台を通じて国の領土を想うなか、雑音がした。

  今、改めて思うことは、記念日を一つの機会として、日本政府は魚釣島に建つ日本の灯台をしっかりと守り、管理していただきたいということだ。
  そして、私たち国民も、尖閣諸島だけでなく、竹島、北方領土についても、自分たちの国の問題としてとらえ、強く領土意識を持ってもらいたい、ということである。
 
 やがて、いかなる雑音が起ころうとも、そこに確固たる意識があり、雑音は雑音のなかに消えていくことだろう。


 私の愛読書「針路を海にとれ〜海洋国日本のかたち〜産経新聞出版 大山高明著」のP.222に一つの提案がなされている。私たちが今考えるべき一つの例として、かいつまんで示したい。
 
 日本の現状を憂う原因の一つとして、教育問題を挙げる人が多い。かつての日本のように、多くの恵みをもたらす海、国土の四方を囲む海への理解を、教育により深め、海に恩返しすることが、日本に生きる我々の義務ではないか、と。そして、恩を返すということこそ人の倫理の基本である、と。


 我々、海救隊も灯台記念日を機に、こうした問題に対して、今後も一層、向きあっていかなければならぬものと考えます。

                                               2007.10.30


CF:灯台記念日用表紙(2007.11.1〜11.30掲示)                        


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