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第9回世界バレエ・フェスティバル全プログラム1口感想

3年に一度催される世界バレエ・フェスティバルも今回で9回目です。私は88年の5回めから 見ておりますが、プログラムを全て見たのは今回が初めてです。
前回、前々回は地元名古屋でも公演があったので、それを見ることで、まあ、満足していたのです が今回は東京公演のみ。当初は大好きなバレリーナ、ラリッサ・レジュニナも出演予定だったた め、こうなったらAもBもガラも全部行ってやる〜、と決心してチケットを購入したのでした。

バレエ・フェスは基本的にはパ・ド・ドウ集なので、感想も短くザザ〜っとまいります。
振付と音楽は概要を参照してください。


Aプログラム 2000年8月6日(日)
★チャイコフスキー・パ・ド・ドウ
バルボラ・コホウトコヴァ&ロベルト・ボッレ
「チャイコフスキー・パ・ド・ドウ」ほど踊りの精度が重要なパ・ド・ドウもないと常日頃思って おりました。ピルエットの多少の揺らぎや、ほんの少しであっても音楽に遅れたりすることが、こ のパ・ド・ドウにとっては致命的にひびいてしまいます。最初の登場の部分から最後、リフトで幕 に去るまで、踊りの流れがどこかで止まったら、わがままな私はもう、満足しないのでありました。 それだけ、このパ・ド・ドウが好きなんですけどね。
この二人のペアは、確かなテクニックでもって私を満足させてくれました。コホウトコヴァには期 待していたので、期待通りだった感じです。ボッレの端整なラインも嬉しかったです。
★アニュータ
斉藤友佳里&セルゲイ・フィーリン
こういう全幕ものの一部分を取り出して、踊られるのってやっぱり難しい。とりあえず「アニュータ」 は事前にお勉強していきましたが。やっぱり少し地味かしらっていう印象は拭えませんです。
★シェリ
カルラ・フラッチ&マッシモ・ムッル
プティお得意の、女と男の頽廃的な恋模様。ムッルがステキなスーツ姿から、舞台上でどんどん 服を脱いでいくのがなんだかすごい〜。フラッチはおいしい役どころだなあ、なんて思ってみた りしてました。わたし的にはちょっと長いかしら?って感じでした。
★黒鳥のパ・ド・ドウ
ガリーナ・ステパネンコ&アンドレイ・ウヴァーロフ
前の「シェリ」のように初めて見るものと違って、こういうのは心底楽しめるから楽ですね〜。 ステパネンコねえさんの超絶技巧にはまたもや磨きがかかったように、思いましたです。
両手を上に上げて黒鳥のポーズで回るグラン・フェッテもすごかったですね〜。これを見た時に 黒鳥でこんなことするってことは、「ドン・キ」や「海賊」も押して知るべしかもなあ、との 予感がよぎりました。的中しちゃいましたが。
でも、これだけのテクニックがあるとほんとに安心して楽しめるからいいですよね。ウヴァーロフ も去年暮れにTVでみた「ドン・キ」の時よりいい感じでした。
★「白鳥の湖」第2幕より
アニエス・ルティステュ&ジョゼ・マルティネス&東京バレエ団
ルティステュ、美しかったです〜。考えてみれば(考えなくても)ルティステュの容貌や雰囲気 は白鳥のお姫さまにぴったりでした。マルティネスの王子さまについても今更私がいわなくても って感じです。
今回特に目に焼き付いたのは、オデット特有のパ・ド・ブレで身を震わせるシーン。ルティステ ュ、膝から下が、それはもう美しくしなってましたです。
わたし的にはコールドに今一つ不満。あれはプティパ版とは違うのでしょうか? カタカタ動きすぎ でうるさい感じ。イワノフ版ってことなのか。馴染みがなくてどうもな〜。やっぱ、コールドはプ ティパ版が好きだ。変えないで欲しいです〜。
それにしても、4羽の白鳥や大きな白鳥ぐらい名前のクレジットしてあげればいいのに、と思い ましたです。
★バーンスタイン・ダンス
ヘザー・ユルゲンセン&イリ・ブベニチェク&オットー・ブベニチェク
ノイマイヤーにしてはわかりやすい演目です。しかし一回見た限りではどうしても、印象は薄い のでした。女一人、男二人のダンス。違うメンツで見てみたいなあ。(いや、この3人が悪いとい うわけでは決してないです)
★カルメン
オレリー・デュポン&マニュエル・ルグリ
ルグリのホセはほんとおステキです。しかし、ここで私がうかがった面白いお話を披露すると、ル グリは普段煙草を吸わないから、吸わなきゃ!って感じで一生懸命吸って、鼻から思いっきり煙を 吐いていたそうです。かわいい〜〜! それから吸殻の火も思いっきり消していたらしい。
オレリーちゃんのカルメンは若いだけあって、新鮮な感じ。彼女がカルメンにあってるか、あって いないかは、ここのパ・ド・ドウだけではやっぱ決められないなあ。でもドラマティックな感じが もうちょっとあるといいかなって気はしました。
★アダージェット
ジル・ロマン
この作品はベジャールのドンへの思いとか、ドンへのベジャールへの思いとかロマンのベジャール とドンへの思いとかが、いろいろいろいろ積み重なってて、それだけでも見てる私を圧倒するもの があります。でもこういうふうに踊り継がれていくのはステキなことですね。心配なのはロマン以 後だなあ。誰か踊る人いるんだろうか…?むーん…。ベジャール・バレエ団、最近ちょっと人材不 足なような気がする…。
★椿姫
アレッサンドラ・フェリ&ウラジーミル・マラーホフ
うーむ、フェリの調子が悪かったですね(フェリ、全体的に今回悪かったけど)。まだテクニック が落ちちゃう歳でもないのに〜。私はちょっと悲しい。マラーホフファンに恨まれちゃうのもかわ いそうだよーん。でもあれじゃ仕方がないかなあ…。
しかしこれはぜひ全幕のお勉強をしたいです。全容を知りたい〜。
★アルキヴィア
アニエス・ルティステュ&ジョゼ・マルティネス
かっこいいモダン作品ではありましたが、どうせなら彼らのレパートリーであるところの、フォー サイスの「パ/パーツ」なんかが見たかったよ〜、って感じです。見たいよ〜!
★ヌアージュ
バルボラ・コホウトコヴァ&ロベルト・ボッレ
ここ最近になってやっとその素晴らしさがわかってきたキリアン作品は今回とっても楽しみにして たわけですが、これはですね、あすわさんにお借りしたルディエールのビデオに入っているルディ エール&ルグリの踊りの印象があまりにも強くて、どうも、この若い二人のは負けちゃいました。 決して悪いわけではなかったですが。
★三人姉妹
シルヴィ・ギエム&ニコラ・ル・リッシュ
この作品も全容を知らないのだった。だからどうしても印象が薄くなっちゃいます。ギエム、きれ いだったですけどね。ル・リッシュはしかしガタイが立派になりすぎました。まだそんなに立派に なっちゃう歳じゃないはずだよ〜。もうちょっとスリムになって、お願いって感じです。
★ドン・キホーテ
パロマ・ヘレーラ&ホセ・カレーニョ
ヘレーラもカレーニョもあんまし、調子よくないように見えました。リフトとか地味めで寂しかっ たしな。グラン・フェッテもステパネンコのを見ちゃってるしさって感じ。うーん…。
Bプログラム 2000年8月10日(木)
★チャイコフスキー・パ・ド・ドウ
オレリー・デュポン&マニュエル・ルグリ
今回のバレエ・フェスのわたしにとってはまさに白眉でありました。わたしがこうあって欲しいと 思う「チャイコフスキー・パ・ド・ドウ」そのもの、いやそれ以上でした。 オレリーはほんとに波に乗っていた感じで、全てのパが決まることといったら、もう鳥肌が立つぐ らい。ルグリも全く非の打ち所がなく、ふたりの完璧なアンサンブルはここちよい疾走感を伴って、 私の目の前を音楽そのもののように流れていきました。もう一回見たい〜!
★マーラーの交響曲第3番第4楽章“夜”
ヘザー・ユルゲンセン&イリ・ブベニチェク&オットー・ブベニチェク
出だし数分間、全く音楽の無いなかで踊りが踊られます。わたし的には音楽の無いバレエなんていや じゃ〜、ってわけでして、どうにも苦痛。音楽無しで踊られる意図がどうもわからないです。のため マーラーの音楽が始まっても乗り切れないまま終わりました。全体を見ればもう少し何かわかるのか なあ、どうかなあ。
★フー・ケアーズ?
パロマ・ヘレーラ&ホセ・カレーニョ
バランシンのこういうダンスってどうも好きになれない私。いいと思ったことがないです。 ヘレーラがあんまし好みじゃないってのもあるが(すみません)。他の人でみたらいいと思えること もあるのかしら。
★グラン・パ・クラシック
アニエス・ルティステュ&ジョゼ・マルティネス
「グラン・パ・クラシック」は88年のバレエ・フェスのギエム&ルグリペアの印象がいまだに強い 私だった。もちろんこのお二人のだって悪くないです。が、しかし、…ってなっちゃうんですね〜。
★薔薇の精
カルラ・フラッチ&ウラジーミル・マラーホフ
マラーホフ、あの薔薇の精のトレードマークのお帽子かぶってないし〜、全身タイツはシースルーだ し〜って感じ? それにしてもフラッチと踊るところはしょうがないとしても、一人で踊るところ、も うちょっとジャンプ高くできるんじゃない? とか思う所がそこここにありました。何故かしら?セッ トのせい? フラッチはあの少女役にはもう、ちとつらい気が…。
★カルメン
アレッサンドラ・フェリ&マッシモ・ムッル
フェリ今回は大丈夫かしら? と見てたらさすがにこれはステキだった。でも、プティ作品だったら1 度でいいから「恋する悪魔」を見てみたいものです。少年役としての踊りはちょっともうつらいかも しれないが(でもできればこっちがみたいぞ)、少女役としてのほうとかでもいいからさ。せっかく のバレエ・フェスなのになあ。ほんのさわりでもいいから見てみたいなあ…。 ムッルはルグリに比べるとやっぱ物足りないでございますね。
★ライモンダ
バルボラ・コホウトコヴァ&ロベルト・ボッレ
すっかり楽しみになったこの二人の踊り。端整で丁寧。「ライモンダ」にぴったり〜。コホウトコヴァ はほんと私好みのバレリーナでこれからが楽しみです〜。
★海賊
シルヴィ・ギエム&ニコラ・ル・リッシュ
ギエム、黒地に金(小さな水玉のような感じだったかな)をあしらったステキなチュチュでご登場。 ギエムがこういうのを踊る時は、まあ、何も考えないで見るのがいいというわけで、見ておりました。 もちろんヴァリエーションもギエム風アレンジ。しかしやっぱり好みじゃない私。ル・リッシュは一回 書きましたがどうもナマっちろくてな…。 仕方ないよなあ、私の中でアリはルジマートフだからさ(笑)。
★ラ・シルフィード
斉藤友佳里&セルゲイ・フィーリン&東京バレエ団
ラコット版のラ・シルについてはこれまた全容を知らない私だった。しかしこれに関しても実は91 年のバレエ・フェスでルディエールとルグリで見ていてそん時の印象が強かったりして。そ、ルグリ がステキだったんですよ〜。もちろんこのお二人が悪いというわけでは決してないのですが。
★小さな死
オレリー・デュポン&マニュエル・ルグリ
この前のパリでの「ライモンダ」もあるし、そして今回のバレエ・フェスで私の中でオレリーちゃんの 株は一気に上昇したのでした。これがまた本当に美しい作品で、何か(例えば美とか哀しみとか)に感 応した魂の震えそのものを踊りにしたような感じなのです。絡まり合いそっとひそやかに動かされる二 人の脚や腕が、これまたほんとに美しいーーの。 これはしかしパンフレットによると1部分のようなので、全容を見てみたい! と切に思うのでした。 ほんとに見たいなあ〜。今度のNDTの日本公演でやったりするかしら。どうだったかな。
★「マノン」より寝室のパ・ド・ドウ
アレッサンドラ・フェリ&ウラジーミル・マラーホフ
これは94年のバレエ・フェスでおんなじこの二人のペアで見たのでありました。やっぱりそんとき の方がよかったかも…。ま、過去ばっか振り返ってちゃいけないっつうのはありますが。しかたがな いのよーん。
★ディアナとアクティオン
パロマ・ヘレーラ&ホセ・カレーニョ
これも私には分の悪い出し物でして、ラリッサちゃんルジマートフペアのやつが頭をよぎるわけです。 全てにおいてあれを凌駕してるのなら、素直に誉めますが、それ以外はね〜。
★クレオパトラと奴隷
カルラ・フラッチ&マッシモ・ムッル
フラッチ、薔薇の精の少女よりこっちのほうが、ずっと無理がなく、よかったです。美しかったし。 しかしリフトが結構あったりして、首藤くん、そのせいで肩痛めたんじゃなかろうか、と思いました。 フラッチ、決して若いバレリーナのようには軽くないだろうからなあ。振付ちょっと変えてあげれば よかったのにな(リフトのせいと決めつけているらしい)。
★「マノン」より沼地のパ・ド・ドウ
シルヴィ・ギエム&ニコラ・ル・リッシュ
ギエムのこれもバレエ・フェスでは2度目です。ドラマチックでいいはいいのですが、わたし的には どうもあまり好きになれないのです。これ、あんまり踊ってないからなあ。
★椿姫
クリスティーヌ・ブラン&小林十市(語り)&東京バレエ団
十市くん、声がきれい〜。語りもお上手。ブラン、かわいらしいバレリーナで結構好き。しかしこれ も全容がわからないことにはどうにもって感じですが、ベジャールのバレエはノイマイヤーのよりは 見慣れている分親しめる感じですね。
★ドン・キホーテ
ガリーナ・ステパネンコ&アンドレイ・ウヴァーロフ
何も考えずに楽しむのだ〜って感じです(笑)。ステパネンコねえさんのフェッテ、これはトリプル 入りまくりでしたっけ?(もう、記憶があやふやだ)お祭りだからいいよいいよ、どんどんやってく ださいまし〜〜、ですね。(そしてガラの「海賊」があるわけさ)   
ガラ・パフォーマンス 2000年8月13日(日)
★序曲「戴冠式行進曲」
この曲を聴くのも今日で最後てな感じです。それにしてもクレジットの一番最初に自分の名前を持っ てくるってのがすごいよな〜佐々木さん。どうだっ!ってことかしらん。
ちなみにフィナーレはチャイコフスキーの「眠れる森の美女」の大団円(あー、なんていうのか忘れ ちゃったよ〜)の音楽だったですが、この日は生演奏が途中でとぎれちゃいました。うーん、別に 最後までやってくれたってよかったのに。いったんの区切りってことでさ。せっかくオケが入ってい るんだからなるべく生で聴きたいってもんです。
★パリの炎
パロマ・ヘレーラ&ホセ・カレーニョ
残念ながらあまり印象に残りませんでした。なにせこの日は長かったし、おまけとかいろいろあった し(笑)。
★ダンス組曲
ニコラ・ル・リッシュ
チェロ独奏があまりにもよくなかった。ああ、あんな音じゃかわいそうだ〜。ロビンスが見たらきっ と怒るよ〜。ル・リッシュはやっぱガタイが…。軽やかに音と戯れてほしかったですが、まあ、あの 音じゃ戯れられないかもしれない…。無伴奏チェロ、好きなのにな〜。
★「オデュッセイア」より“戦争”
イリ・ブベニチェク&オットー・ブベニチェク
実は今まで3人で踊られたものより、ガラプロのばらばらになって踊ったものの方が、わたし的には 双子ちゃんのもユルゲンセンのもよかったりなんかします。しかし、これも小難しそうなバレエでは あります。
★眠れる森の美女
バルボラ・コホウトコヴァ&ロベルト・ボッレ
「眠り」は私のだーい好きなバレエだけに普段点が辛いのでありますが、コホウトコヴァは今回見て きてオーロラ向きのダンサーだとわかったのでとても楽しみでした。期待通りだったけど、振付がい まひとつ私の好きなやつじゃないのが、ちょっと寂しかったです。 でも、十分満足でした。ボッレの王子様の衣装がね、腰のあたりがヒラヒラしててちょっと笑ったで す。ま、似合うからいいんだけどね。
★ジゼル
アレッサンドラ・フェリ&ウラジーミル・マラーホフ&東京バレエ団
マラーホフファンはさぞかしお喜びのことと思います。彼のアルブレヒト、非の打ち所がないですね。 美しいです。でもあまりに軽やかなので、ウィリにこれでもかと踊らされても、まだまだ君、余裕あ るんじゃない? って感じですね。 しかしフェリのジゼルは…。ムードや情感はもちろんいいんですが、細かなジャンプが床から離れて なくて、ウィリに見えない〜。あーん、フェリ、どうしちゃったの? 9月のミラノ・スカラ座日本公 演の時には調子を取り戻していることを願います。
★祭典
ヘザー・ユルゲンセン
そう、「春の祭典」だった。私の大好きな曲です。実は名古屋の「世界バレエ・モダンダンスコンク ール」でこれの男性のパートを踊った子がいたのだった。そん時から全部見てみたいなあ、思ってい たのでした。今回一端を見ることができて嬉しいです。まあ、考えてみればノイマイヤー作品はなか なか見ることができないから、貴重なんですよね。
★枯葉
マッシモ・ムッル
このあたりでちょっと連日の疲れがきたのか、少し眠ってしまいました。ムッル、ごめんなさい〜。 音楽ときっと踊りも気持よかったのだと思います。
★海賊
ガリーナ・ステパネンコ&アンドレイ・ウヴァーロフ
今回、ステパネンコはロシアバレエのスゴさの一端を見せてくれたように思いますです。そうそう、 揺るぎ無いテクニック。踊りのダイナミズム。グラン・フェッテ3連続なんて誰もできないって。 でも、終いにはちょっと飽きちゃいましたよ。 次回は招聘会社の枠を越えて、ぜひともキーロフのダンサーを読んでほしいものです。典雅なロシア バレエが見たいよ。
★くるみ割り人形
クリスティーヌ・ブラン&木村和夫&東京バレエ団
ベジャールだから、と思って見始めたのに中身はまったく古典だったですね。パンフをよく見たら プティパへの尊敬の念から原振付のままだそうだ。そうだよ〜、ベジャールだってそう思うんだよ ね〜。だからヌレエフ版の「くるみ」はどうも好きになれないってここじゃ関係ないか。ブラン、 古典もちゃんと踊れるんだな〜、と変なところで感心する。(当り前っちゃ当り前か)
★ルナ
シルヴィ・ギエム
今更説明の必要はないですね。初演当時こそ違う人が踊ったのだろうが、今じゃギエムじゃな い「ルナ」なんて見る気はしないってもんです。ギエムが踊っている間はやる人もいないだろうが。 しかし、この作品が全く踊られなくなってしまうのも寂しい。ぜひ誰か後に続いていってほしいで す。
スッとなんの苦も無く上げられた脚。ギエムのいる空間だけ別の次元のようです。見てる私はただ 舞台の上でおこっていることを堪能すればいい。至福ですね〜。
★コート
ウラジーミル・マラーホフ
ああ〜、びっくりした。本当に文字通り空中遊泳なんだもん。マラーホフ一体どれだけ跳んでるん だろう。しかも、ほとんど足音もさせずに。演出の妙とはいえ、もはや人間わざとも思えないって 感じ。ほんと妖精だよね〜。
★グラン・パ・クラシック
オレリー・デュポン&マニュエル・ルグリ
はたしてルグリの頭には、88年のバレエ・フェスでギエムと踊った時のことが甦っているのかど うか。そんなことを考えながら見ると、なんかせつない気持になっちゃいますね(ってあんたがな ってどうする?って感じですが、笑)。ルグリ、バレエ・フェスでこれを踊るのは実に12年ぶり だったわけだ。ルグリもまあ、もちろんですがオレリーちゃんの心中もいかに?って感じですね。 いろいろ考えると妄想モードに突入しちゃうのでもうやめますが。(笑)
もちろん踊りはお二人ともステキでした。オレリーちゃん、パリで見た時より今回ずっとよくなっ てる感じでした。光輝く感じ。もしかしたら今が一番バレリーナとして成長する時期なのかもしれ ないですね。
★ライモンダ
ガリーナ・ステパネンコ&アンドレイ・ウヴァーロフ
「ライモンダ」音楽も好きだし、何度も見ることができて、わたし的にはとても嬉しいのだった。 今回、ステパネンコの踊ったものの中で、これだけちょっと種類違ってましたね。でも、どうせ だったら「ジゼル」なんかも見てみたいもんです。もちろんウィリのほう。彼女もウラノワ先生の 教え子だったはずだものね。
★イサドラ・ダンカン
カルラ・フラッチ
イサドラ・ダンカンについてはいまひとつお勉強不足なわたし…。しかし、フラッチ、この長い作 品をきっちりと踊りこなしているのはやはりさすがというものでありましょう。
★シルヴィア・パ・ド・ドウ
アニエス・ルティステュ&ジョゼ・マルティネス
やはり、今回出場した全ての人達のなかで、一番のパートナーシップを見せてくれたのはこのお二 方でありましょう。同じポーズを取る時、踊りの間、脚を上げる角度までなにからなにまで、気持 よくそろってました。踊りの美さそのものを堪能するには、こういうバランシン作品はやっぱりい いですね〜。
★ドン・キホーテ
シルヴィ・ギエム&ニコラ・ル・リッシュ
ギエム、今度は白の総レースのチュチュでご登場。やっぱりギエムのこういう衣装って、ギエム自 身がデザインしてるのかなあ。誰が教えてやってください。冒頭挿入される二回のすごいリフトは きっと誰にもできないでしょうね。サポートの方も誰でもできるってもんじゃなさそうだけど。し かしあれがあるためか、アダージョの最後の部分のリフトは無し。ちょっと寂しい。あの、サポー トの人の膝にのってそるポーズ、好きなんだけどな。 グラン・フェッテは、パリ・オペラ座エトワールの皆様お得意の大きく優雅に回るってやつを今回 期待したのですが、ちょっとはずれましたね。やってほしかったです。 ル・リッシュはわたし的にはこのバジルが一番よかったです。
★「おまけ」
ちらちらとBBSに書いたので、サラッといきますが、皆様楽しそうで、ほんとになりよりであり ました。しかし、衣装とか皆様持参してきてるのかな。マルティネスのオーロラとか、カレーニョ のジゼルとかさ。はたしてサイズとかはどうなのか? 特注なのだろうか。謎だ…。

一言づつでも全体通すと相当長いものになってしまいました。最後まで読んでいただいてありがと うございます。
わたしはこう思うぞ、等ありましたら、どんどんバレエ・フェスBBSにカキコしてやってくださ いね。お待ちしております〜。
カオル
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