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旅の食事


けちけち旅行につき、情けないご飯の連続ですが…

「極力旅費を押さえる」というと、どうしても削るのが食費。幸い二人とも食道楽ではないので、食費を削ることにはお互い異論は無し、なのでした。参考にもならないとは思いますが旅の記録の一部ということで、パリの日々の食事をご紹介。(1ユーロはだいたい128円くらい)

 15日 一日飛行機の中。
   名古屋〜仁川:軽食1回。
   仁川〜パリ:昼食 ピビンバ!
         夕食 チキンor魚

 16日朝はホテル近くで見つけた、日本にも何件かあるブーランジェリー・ポールで食べる。お約束の言葉アン クロワッサン シルヴプレでクロワッサンとコーヒーの朝食(お値段は忘れてしまった)。「パン オ ショコラ」を1個だけ買って、かじりながら歩いていくお嬢さんも結構いました。簡単朝食?

 その後買出しの為、とりあえず近くの百貨店サマリテーヌの地下の食品売り場へ。お惣菜も売っているようだったけれど、時間が早かったのでショーケースには1つも並んでいなかったのが淋しい。昼のおかずを買おうと思ったのに当てが外れてしまい残念。とりあえず、明日からの朝食用パンとジャム、水を購入。水もお馴染みの「エビアン」「ビッテル」の他に見たこともないメーカーがたくさんある。目新しいもの〜と浮かれ気分で、止せば良いのにガイドブックにモデル御用達とか紹介されていたコントレックスを購入。これが後で大きく後悔することになろうとは…。
 昼食をどうしようかと言うことになり、ホテル近くの中華料理デリで買うことにする。お店の名前は「金都」。ショーケースにお惣菜が一杯! 迷いながらも、「ブロッコリーの炒めもの」「海老の甘辛炒め」「炒飯」を購入。量り売りで、200gくらい入る入物にぱんぱんに詰めてくれるお姉さん。買い方が良く判らないのでほぼお任せ状態…。3種類買って、12ユーロくらい。どれも美味しかったよ〜。やっぱり中華料理ははずれが無いですわ。
 お昼だけでは食べきれなかったので、残りを夜ご飯にすることに。
 そうそうお昼ご飯とともに、先に買ったコントレックスを飲んでみると…、イヤー! 滅茶苦茶まっずーい! よくよく見ると水に含まれているカルシウムやらカリウムやらがやたら数値が高い。今までエビアンとかのミネラルウォーターを飲んでも、不味いと思ったことは無かったけど、このコントレックスは駄目だ〜。なんか、すっぱいというか、薬っぽいというか、しびれるというか、説明できない味…。でも買ってしまったものはしょうがない。全部飲み終わるまで我慢我慢…涙。

 
 17日 お昼ご飯はルーブル駅にあるフードコートで。世界各国の料理がそろって、席数も900席とか。一回りぐるっとみて、どれにしようか考える。これが悩む悩む。イタリアン、メキシカン、フレンチ、スペイン料理、ハンバーガー、その他色々、お寿司もあるし、うぅー、迷う〜。どこのお店もセットメニューを用意していて注文しやすくしてある。料金もセットメニューはだいたい12ユーロくらい。店内を二周りくらいして、ようやくスペイン料理に決定。パエリア一皿7.62ユーロと、セットメニューの「お惣菜3種類+サラダ2種類+デザート+エビアン500ml」の9.8ユーロ(たぶん)を頼んで食べる。セルフサービスのフードコートとはいえ、結構良いお値段だったりするなぁ。でもこれでお腹一杯。大満足。近くに座っていたおば様方は、お寿司を食べてました。今時はフランス人でも生魚は抵抗が無いのだな。まぁもともと生牡蛎を食べる国民だしなぁ…。
 ホテルに帰る途中で、夜ご飯を仕入れにサマリテーヌの地下食品売り場へ。16日には売りだし前だったお惣菜がずらり。キッシュ、パイ、テリーヌ、グラタン、色々な種類のハム。たくさん並んでいて楽しい。ここでも迷いつつマッシュルームのパイと、ほうれん草のキッシュ。あと日本のコンビニでも売っているような、プラスチックの器に入ったフレッシュサラダを買う。このサラダが異常に賞味期限が長かったような…(一週間程)。そして、このサラダにかにかまぼこが入っていたのには驚きでした。日本だけの食品と思っていたのに、パリでかにかまを見るとは。パイとキッシュは、日本のデパ地下のお惣菜屋さんで買うよりも濃厚な味で美味しかった。

 18日 この日のお昼は簡単にポンピドゥー近くのカフェ。とーっても寒かったので、お店の中の席に座ることにしました。一度本場のクレープを食べたいってことで、クレープ・ジャンボン(ハム入りの塩味クレープ)5.5ユーロとクレープ・クレームマロン(栗のクリーム入り甘いクレープ)5.5ユーロ、後はそれぞれカフェ・クレーム(カフェオレっすね)4ユーロを頼むことに。クレープはこんがり焼目が付いていて、でももちもちしててとても美味しかった。でもこれだけで一人9.5ユーロか、う〜ん結構お高かったりして。クレープは食べ歩き用に売っているところの料金を見ると、どのお店も大体2ユーロくらい。店内で座って食べると2倍になるわけだな…。
 夜は再び金都の中華惣菜。「牛肉とピーマンの炒め」、「もやしサラダ」、「カレービーフン」を購入。どれも美味しそうで、色々試したいところだけど胃袋の容量と照らしあわせて今回も3種類。前回と同じ入物に黙々と詰めてくれるお姉さん。お値段は牛5.84、もやし2.62、ビーフン2.33、合計10.79ユーロなり。(今回の分はレシートがあった) 中華惣菜は野菜が採りやすいからありがたいです。旅先ではどうしても野菜不足になりがちだけど、今回はホテル近くに中華デリがあってとっても助かりました。美味しかったし。

 19日 悲しい(情けない?)事が起きていた。昨日買った、牛肉の炒め物をお昼に食べようと出したところ、がーん! 腐っている…。牛肉特有の匂いかと思いつつもう一度確かめてみるも、うっ、これは腐敗臭だよ。夕べは寒かったから大丈夫かと思って、冷蔵庫に入れておかなかったのがまずかったらしい。ああー情けない。もったいない。どうしようもないから、袋を固く縛ってゴミ箱へ。…いや待て。明日の朝までゴミはこのまま、このまま外に出しておいたらもっと部屋に臭いが充満する? それは嫌…。考えた末明日の朝まで冷蔵庫へ入れておく事に(泣)
 夜はお店を探すのも億劫になっていたので、ホテル近くのカフェ兼レストラン?に入る。 ニコニコと感じの良いギャルソンが「メニュー、フレンチ?アングレ?」と聞いてくれて、思いきり「イングリッシュ!」と答えた私達。せめて「アングレ」って言えよ(って後で気が付いた次第であります)。英語メニューのおかげで「ミートソーススパゲティ」と「チキンのグリル」を無事注文。飲み物はオレンジジュースとガス無しミネラルウォーター。スパゲティはパスタが柔らかめではあったけれど(フランス人はアルデンテが嫌いらしい)アルデンテじゃなくちゃ嫌って訳じゃないのでその辺はOK。ミートソースが美味しくて満足。(日本の喫茶店で出てくるようなインスタントではなく、ちゃんと手作りの感じ)そして、チキンのグリル。なんとなく予想はしていたのだけど、運ばれてきたチキンを見ると…、やっぱりか…皮から毛が生えてるよ。美味しそうにこんがり焼けて、パリパリの皮なんだけど、毛が生えてる〜。もうちょっと丁寧に仕事してくれ〜(泣)。あぁ、涙を浮かべて食べた給食の鶏肉を思い出すなぁ。まぁいちいち気にしていたら食べられないので、見ないふりをして食べる。簡単に塩胡椒で焼いただけなのだけど、美味しいなあ。お肉がふっくらしてて美味。付け合せのフレンチフライポテトもしっかり完食。(ちょっとだけ鳥皮を残した…) デザートはどう? とすすめるギャルソン。流石にそこまでの余力がなかったので、コーヒーを注文。パリのコーヒーは美味しくて好きだ〜。
 夕食の席で隣に座っていた若者。オニオングラタンスープとメインプレート(イマイチ良く見えなかったけど、野菜がたっぷりのっていたな。覗くなって…)を運ばれてくるなりものすごい勢いで食べていたのが印象的でありました。フランスにも早飯の人もいるのだな。

 20日 今回の旅行で一番情けない日がこの20日だったかもしれない。予定としてはバスチーユ方面の書店を3軒見た後、カフェにでも入って一休み。その後オペラ座で「白鳥の湖」の当日券をゲット、ってところだったのに、しょっぱなから挫折の本屋全滅。カフェの変わりに屋台のクレープ(2.5ユーロくらい)にしたところ、これが胸焼けがするくらい甘い(激甘の「ヌテラクリーム入り」にした私達がわるいのだけどさ…)、とどめが当日券完売でバレエ見られず。いやもう、すべての力が抜けました。夕食を考えるのも億劫で、シャトレ駅からホテルの間にあった、ケンタッキーフライドチキンに入って、フライドチキン3ピースとフレンチフライ、コールスローサラダをお持ち帰り。全部で8ユーロくらいだったかな。ホテルで悲しく夕食でした。

 21日 パリでの最後の日。とりあえず一日くらいはちゃんとしたフレンチを食べよう! と一昨年カオルさんが行った、シテ島にあるレストランに行く予定にしていた。11時30分すぎにいそいそと行って見ると、どうやら予約で満席で、飛び込みはだめらしい(泣)。あ〜、それなりのお店はランチでもちゃんと予約を入れておかないと駄目なのね。さて困った。特にレストランをリストアップしていなかった私達は、困ったときのデパートだって事で、サマリテーヌのレストランへ行ってみる事にする。サマリテーヌ5階にあるレストラン「トゥ・パリ」。当たり前だけど日本のデパートのレストランのように、メニューの蝋細工の見本がないよ〜。とか泣き言を言いつつ店の前をうろうろしていたら、メニューらしきものが置いてあるじゃないですか。良く見ると英語でも書いてあるし、どうやらランチはセットメニューだけみたいだし…。これならなんとかなるじゃろうと足を踏み入れた(そんな大げさな)。
 入ってみると窓が床からの一面の大きな硝子で、ものすごく見晴らしが良い。セーヌ川に向かって建っているので、シテ島が一望できる景色の良さ! 案内された席は流石に窓際ではなかったけど、余裕をもってテーブルが並んでいるので、無理無く外の風景を楽しめました。
 そして肝心のメニュー。ランチコースは3種類あって、

1.メインディッシュ+グラスワインorお水
2.前菜orデザート+メインディッシュ+グラスワインorお水(17.5ユーロ)
3.前菜+メインディッシュ+デザート+グラスワインorお水
 (パンはサービスでついてきます)

私達は2のセットを前菜とお水で頼みました。(悲しいかな二人とも超が付くほど下戸なのだ)前菜は4種類の中から1つ選んで、メインもサーモンかチキンのどちらかを選ぶというもの。で、前菜はトマトとモツァレラチーズのサラダ+メインがサーモン、前菜が冷たいスープのガスパチョ+メインはチキンロースト・マデラソース。という組み合わせにしました。情けない英語を使いつつも、なんとか注文を終えた時にギャルソンが「トレビアン」などと言ってくれたのがちょっと嬉しかったよぅ(泣)。
 どのお皿も盛りが良く、美味しかった〜。つけあわせの野菜も1つも残さずきれいに食べてしまいました。さすがにここのチキンは毛は生えていなかったな…。
 ここでもテーブルを片付けに来たギャルソンは、デザートは? と聞いて来た。ちょっと引かれるものもあったのだけど、ここででっかいケーキが出てきたらとてもじゃないが食べられないので、ここでもコーヒーだけ頼みました。あぁパリで飲む最後のコーヒーだ。良い景色を見ながらゆっくり味わいました。食後のコーヒーはサービス価格なのか2.1ユーロでした。
 後は空港へ行って飛行機に乗るだけ。さようならパリ〜。

 そしてシャルルドゴール空港からコリアンエアーで空の人になる。
 一応機内食をご紹介 パリ〜仁川:夕食 ピビンバ!
                 朝食 オムレツ
          仁川〜名古屋:軽食 ちらし寿司(結構美味だった)
と言う訳で、最後1日はに飛行機の中でブロイラー状態になりながらも、しっかり食べてしまった旅の終わりなのでありました。

 改めて書いてみると、ほんとに情けない食事してるな〜。でも通りの持ち帰り専門で売っている、カスクートやパニーニなんかを買って食事代わりにすると、もっと節約できたりして。そう思うとデパ地下の惣菜やデリなんかを利用している分、結構贅沢だったかも…(?)
 今回お店に入って食事をしたのは、レストラン1回、カフェ2回でしたが、カフェ文化が確立されているパリではどのお店もおいしくて非常に居心地がよかったです。ギャルソン(ポンピドゥーのカフェはギャルソンというほど若くなくておじさんだったけど、笑)はみんな感じがいいし、お客をもてなそうという気心にあふれているのが気持いい。ホテル近くのカフェの、笑顔のかわいい彼は、英語もよくわからない私達にあれこれと話しかけてくれたし(ま、ラテンのお兄さんということもあるかな)、レストランの彼は私達が食べ終わって満足していた時、おいしかったかどうかこちらも笑顔でたずねてきました。ツーリストにとってはこんな何気ないことでもうれしかったりするものです。
 パリのギャルソンよ、良い思い出をありがとう〜。

… 2002/11/10 …

photo by *Green Paradise*