[落ちてきて]


今日は曇り空、風は強い。
サイファーが喧嘩をふってきた。
面倒だったけどガンブレードの訓練になるからうけてやった。

ガーデンの外の岩場ではじめるとあの野郎、卑怯な手を使った。
不意打ちで魔法を使い、それにひるんだ俺に切り掛かってくる。
でもアイツのガンブレードは俺の額をかすめただけだった。
そしてまた間合いがうまれたかと思うと何かが落ちてくる音。
すると、サイファーがきえた。代わりに変な奴らが現れた。

どぉぉぉん!!

いってー!お約束過ぎて痛すぎ!てかタチバナどいてくれよ!

巻き起こった土けむりが風に流されて晴れたとき
青いんだか緑なんだか灰色なんだか変な色の髪をした男うつむせに倒れていた。

「あら、思ったよりも体力無いのね。」

そいつを椅子の如く堂々と上に座り、足を組んでいる女子。
(男が呼んだ「タチバナ」はこいつのことだろう)
こいつの髪は茶色だった。
でも俺よりは色素は薄い気がする。

「(が・ま・ん!)
 そう思うなら早くどいてくれよ!
 っていうかほら、俺なんか誰か押しつぶしてるみたいだし!」

悲痛な声を上げる男だが女子は全く無視をして辺りを見回す。
するとその場にガンブレードを構えたまま立っていた俺と目が合った。

「!」

思わずだたじろぐ俺。
でも女子はニコリと笑った。



ニヤリと笑った。

「ねえ、スコール・レオンハート?」
「あ、ああ。」
マジ!?あ!師匠!って若っ!!

女子の質問に俺が答えると
重さに耐えられず今にもつぶれそうになっていた男も勢いよく顔を上げた。
というかなんだこいつのキラキラしてる目は。

「すご!俺とほとんど年変わらねえじゃん!」
「は?」
俺カズヒサ!よろしく師匠!
「師匠?」

いきなり自己紹介してきた男――カズヒサってやつは
これまたいきなり俺のことを「師匠」と呼んできた。

なんだよこいつら

「悪いけど俺は弟子をとったことはないしあんた達に覚えもない。」

そうかえしたら

「やっぱり師匠だー!」

逆に喜ばれた。
あんた何だよ・・・

「気にしないで、
 わたしはあなたを知っているだけで、
 あなたが私たちを知らないのは当然だから。」

女子も意味不明なことを言い出す。

帰ろう。

俺はそう思った。
押しつぶされたサイファーには悪いけれど(とは微塵にも思ってはいないけど)
俺は2人に背を向けてガーデンへと足を出そうとした、
そのときだった。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!」


さっきと同じ落下音と
また別の女子の声。
そして俺にかかる影。

何かと顔を上げたとき

今度は黒髪の女子が落ちてきた

もう、なんだよ・・・


どしーん!!


派手な衝突音と激痛と共に
俺の意識はどこかへいってしまった。



next...

---------------------------------------

オープニングシーン。2008/4/5
<back<ff8next

用語メモ
・サイファー 主人公(スコール)のライバルみたいなヤツ。パツキンオールバック。
・ガンブレード 銃と剣の合わせ技。使い手はあんまり多くない。
・ガーデン FF8における兵士養成学校みたいな。頑張れば浮く。