那須街道入り口にある九尾の狐の交通安全看板


 どれが殺生石なのかわからない


 千体地蔵はどれもみな大きな手をしている

  殺生石


那須と言えば殺生石、殺生石と言えば九尾の狐が

連想の流れです。

そして九尾の狐と言えば玉藻(たまも)の前。

江戸時代以降歌舞伎や人形浄瑠璃の題材として

取り上げられて有名になったようで、鳥羽上皇

に寵愛された空想の女性とされています。

この玉藻の前、九尾の狐の化身と言われています。

九尾の狐は絶世の美女に化身するとの話が多く、

殷(いん)の紂王(ちゅうおう)をたぶらかした

姐己(そき)、古代インドの王子だった班足王子

(まだらあしおうじ)の妃の華陽夫人、そして

玉藻の前などの話が残っています。

日本を除けばいずれも中国人女性の名前ですね。

紀元前からの中国の歴史の中に九尾の狐は天界か

ら遣わされた神獣として幾度も現れます。ところ

が美女に化身した場合は国を滅ぼすような悪さを

するようです。この玉藻の前がなぜ殺生石か、は

ぜひ訪ねてみていただきたいと思います。

殺生石が九尾の狐のなれの果てというのも不思議

な気がしますが、石になってまで人々に悪さをし

たために和尚さんによって打ち砕かれました。

打ち砕いた和尚さん、名前を玄翁といいます。

げんのう、です。砕かれた石が全国の3ヶ所の高田

と呼ばれる場所に飛散したと言い伝えられていま

すが、そのいずれもが亜硫酸ガスや硫化ヒ素を噴

き出すそうです。そう聞けば九尾の狐はどうやら

濡れ衣のような気もしますがいかがですか。

さて、我らが殺生石、すでに九尾の狐の抜け殻と

おもわれますが、次に九尾の狐が化身した絶世の

美女はどこにいるのでしょう。

ところでわが那須塩原市、その玄関口の黒磯駅に

は駅弁として“九尾寿司”という稲荷ずしがあり

ます。またこの黒磯駅には特別改札口があります。

天皇専用の改札口で、昔お召列車で那須の御用邸

にいらっしゃられた時に使用されました。

“あります”と書きましたが今は“ありました”かも。

その那須の御用邸は殺生石の少し下から広がって

いる広大な原生林の中にあります。

ところで、御用邸の方が後からできたんだろうか。

それはさておき、その原生林のかなり広い部分が

最近公園化されました。いいですね。




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