「臨床カイロプラクティック」

                                                   著者  目崎 勝一
                                           
(2003年1月出版))

                                  「  輝くもの、必ずしも金ならず  」  シェイクスピア 


著者略歴
昭和24年 東京生まれ
昭和47年 中央大学商学部卒業
昭和55年 東京鍼灸柔整専門学校本科Ⅱ部卒業
昭和56年 塩川カイロプラクティックスクール卒業
昭和57年 目崎カイロプラクティック治療室開設

翻訳:ジョン・E.アプレジャーD.O.著「頭蓋仙骨治療Ⅰ、Ⅱ」(スカイイースト)他

本書で最も訴えたいことは、

1.骨格系は一定のパターンで歪み、患者の個性はどのレベルに関節の固着が起こり、どの程度の硬さで固着が起こっているかに係っていること。
2.矯正の刺激の種類と量は患者毎、関節毎に診断しなければならないこと。
3.硬膜菅の付着部が骨盤部では尾骨しかないことを考えると、仙骨尖と尾骨の屈曲病変を避けて通ることはできないこと。
4.仙腸関節の病変の実態は過可動性であり、可動性減弱はほとんどないこと。
5.症状の原因はサブラクセイションだけではなく、その20~30%ほどでしかありません。そのため、カイロプラクターはアジャストメントの他に食養を行わなければならないことの5点です。

本書の内容
第1章  カイロプラクティックの基本的考え方  
 この章では、カイロプラクティックの原理と共に、症状の原因には何があるのか、なぜ脊柱の矯正が必要な のか、適応範囲、患者さんの注意事項等を解説します。
第2章  検査法
 この章では、なぜレントゲン分析ではサブラクセイションを診断できないかを解説し、触診、筋力検査等の重 要性、感覚的な検査法の目的とその注意点を解剖学的観点から解説します。
第3章  脊柱の変位のメカニズム
 骨格系が一定のパターンで変位する理由とそのパターンのあり様を解説します。患者さんの個性はそのパターン のなかでどのレベルで関節の固着が生じるかに係っています。このパターンは感覚的な検査法を行う上での 指標になりうると考えます。
第4章  矯正法
 患者さんには個性があり、矯正に必要な刺激の種類と量は患者毎に診断しなければなりません。一定のパター ンで変位した椎骨を、いつ、どの順序で、どのような刺激で、どのように矯正するかを解説します。
第5章  頭蓋骨矯正
 外傷による歪みを除いて、頭蓋骨は重力負荷に順応する形で一定のパターンで歪みます。そのメカニズムと矯正法、その適応範囲を解 説します。
第6章  食養
 食品アレルギーは誰にでもあることであり、その多くは症状として現れませんが、その影響力は考えていた 以上に大きく広いものです。食生活の適否を考慮することなく患者さんを治療することはできません。食養を構成するアレ ルギー食品、補助食品、不足する栄養素、医薬品について解説します。
第7章  症例
 第6章までに解説した治療法をいかに応用するかを実際にあった25の症例を基に解説します。

正誤表

P.32 13行目 ダイヤモンドの指輪(ジルコニアでも可)
   14行目 鋳鉄棒→鉄棒
   20行目 紙・・・・・・真菌 (以下追加)   
   21行目 磁石棒、鉛棒・・・・・・器質的疾患
   22行目 アクリル棒・・・・・・膿腫
   23行目 真珠・・・・・・精神的な問題
   24行目 水晶・・・・・・生命力
   25行目 プラチナ・・・・・・神経伝達障害、ミオパシー、パーキンソン(2009年10月4日)
P.90 写真4‐10 C1のPLSの間接法→C7のPLSの間接法
P.91 写真4‐11 C1の屈曲に伴う前方移動に対する矯正→C7の以下同文
    写真4‐12 C1のPLSの直接法→C7の以下同文 
P102 (追加)尾骨TL陽性が出て、尾骨矯正を行う必要がある時、大抵尾骨矯正後にP130の蝶形骨の屈曲病変が現れる。矯正後に頭蓋骨の可動性と筋力検査を行い、必要があるなら矯正する。この時点で治療が終わることもあるし、脊柱の矯正が後に続くこともある。(2006年10月4日)

2008年1月以降の変更と追加事項
P.82 矯正の手順において、脊柱の可動性減弱がはっきり現れず、サブラクセイションのレベルが見つかりにくいことがあります。同じく可動性減弱を示す頭蓋骨がTL陽性になるなら、頭蓋骨の矯正から始めると、脊柱の可動性減弱がはっきりと現れ、脊柱のTLも陽性になることが多くあります。どこから矯正しようか迷う時、頭蓋骨に注目してみてください。(1月16日)

P93 T2~11の胸椎アジャストメントは訂正いたします。トピックス 83をご参照ください。(2017年9月1日)