智頭宿と板井原集落 
鳥取県智頭町 平成21年8月29日(土)


国道53号線を通って鳥取へ向かう途中、かねてから訪ねてみたいと思っていた智頭宿に寄って見ることにしました。まず智頭駅前の智頭町総合案内所でパンフレットを求め、見所のポイントを聞いて、車を町民グランドの駐車場に移動させました。ここから石谷家住宅までは3分だそうです。





智頭往来
鳥取から用瀬(もちがせ)を経て姫路へ向かう智頭往来は、奈良時代以前から因幡と畿内を結ぶ街道として物流を担ってきました。江戸時代、参勤交代の大名行列が鳥取城を出て一日目の宿泊地がここ智頭宿でした。智頭町は県内で最大の宿場町として栄え、藩主の止宿の場所である御茶屋の他、奉行所や制札場が置かれていました。本町にはその名残りを止める史跡や道標など、往時を偲ばせる町並みが残っています。

 
智頭町総合案内所でパンフレットを求め、観光のポイントを訊きました。(左)
興雲寺(曹桐宗)の門前。(右)


杉の葉で作ったフクロウ三匹何ともユーモラスですね。
消防屯所(国登録有形文化財)昭和16年に建築され、現在も現役だそうです。(左)


石谷家住宅


古くは鳥取城下で塩の卸問屋を家業とし、その後、大庄屋として智頭宿の発展に寄与しながら問屋業や山林業を営んできた石谷家。屋敷は広く、約40の部屋数を有し、江戸時代からの古屋敷や蔵に加えて、大正時代に智頭スギをふんだんに用いて改築した住宅は、国登録有形文化財に指定され、大規模な近代和風建築として高い評価を得ています。

 
土間に入るとご覧のように広大な空間が迎えてくれます。どうです、この松の巨木を用いた豪壮な梁組。圧倒されますね。現在では同じものを作ろうとしても材料がもう無いそうです。私はかつてこのような土間と梁を目にしたことがありません。奈良県今井町の今西家住宅の土間もすごいと思いましたが、はるかにしのぐ大きさです。

 
茶花にも使用されるシュウカイドウ

左は茶室です。外壁の腰板は湿気に強い
舟板を使用しているそうです。

江戸座敷
江戸期の建物です。この江戸座敷から見る池泉庭園は見事というほかありません。
時間があれば一日でも眺めていたい気分です。癒されますね。

 
窓の障子に見事な細工が施されいます。でももっとすごいのがその上の欄間です。(左)
2階から見る庭園もなかなかのものです。


敷地はと3000坪と広大です。こちらも素晴らしい意匠の障子。(右下)
 

石谷家住宅 入館料 大人500円 智頭駅から徒歩13分 水曜日休館 (財)因幡街道ふるさと振興財団





  

板井原は、日本の山村集落の原風景(昭和30年代)が残る、全国的にも希少な集落です。駅前の観光案内所の係りの方の話では、あの京都の美山よりも素朴で素敵とか!智頭駅から車で15分ほどですが、急な山道とトンネルを通ります。途中で大きな車と遭遇するとちょっと大変です。近くには専用の駐車場がありますが、うまくいけば(停めるところが空いていれば)さらにすぐ近くまで行くことができます。集落内には車や車道はいっさい無く、地割(土地の形状)がそのまま残っています。左の茅葺の屋根は藤原家住宅で、平成11年に茅葺屋根を葺き替えたそうですが、10年たつと結構痛むものですね。冬は雪に閉ざされほとんどが里に降りるそうです。

 集落で会った住人はたったの一人。開けっ放しの民家からはテレビの音が響いていました。道を歩いていてもお家の敷地内を
歩いているような気分で逆に落ち着きません。でもほんとに静かなところですね。話声はすべて観光客のものでした。

喫茶店「野土香」
 
集落内にあるこのお店は、100年前の古民家を改築したものだそうです。
営業時間が日暮れ頃まで、というのがアバウトでいいですね。
若い女性の方がたった一人で切り盛りされていました。当然、冬は閉まっているのでしょうか。

  
 
お店には女性二組のお客さんがいました。窓際に近いカウンターに席をとりました。
 
すぐに目の前の木に一羽の野鳥がやってきました。竹で作られた餌箱の餌を漁っています。
抹茶のシフォンケーキと紅茶をたのみました。(セットで700円)
無農薬・無肥料の珈琲。自然卵を使った手作りスイーツ。川のせせらぎを聞きながら癒しの時も味わえます。


囲炉裏もあります。


初めてなのに、懐かしい。まるで、時間が止まったような静かで穏やかな気持ちになれる場所
 
そのむかし平家落人の隠れ里とも伝えられています。

智頭町総合案内所 0858-76-1111 智頭町役場 0858-75-4111

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