近江八幡を訪ねて
滋賀県近江八幡市 平成22年6月26日(土)





近江八幡はかねてから訪ねてみたい町でした。私の旅の愛読書「小さな町小さな旅」関西版の表紙を飾る八幡堀、時代劇のロケ地としても有名ですね。JAFMate6月号の表紙を飾るこれまた近江八幡の水郷めぐり、まさに梅雨の時季、天気はまったく当てになりませんが、下調べをすればするほど、行ってみたいという、その思いは強くなりました。幸いにも福山からの高速バス(みやこライナー)は現在片道3000円(限定期)と格安です。
お天気が心配でしたが、駅に着いた頃から雨になりました。まず観光パスポートを購入するため駅北口の観光案内所を訪ねました。




八幡瓦。江戸時代、元禄年間に京都の瓦職人が寺院建築のために移住してきたことから始まったのが八幡瓦のルーツです。かわらミュージアムは、国内では3つしかない瓦専門の展示館です。世界の瓦なども紹介されています。白を基調とした建物はどこか斬新です。

瓦を埋め込んだ路地や広場。かわらミュージアムならではですね。
 近江八幡市多賀町738-2 入館料大人300円 TEL 0748-33-8567
かわらミュージアム



八幡堀は、琵琶湖を往来する荷船を寄港させるため、豊臣秀次が整えた全長6qの運河。八幡が商いの町として繁栄する基盤となりました。江戸を舞台にした時代劇のロケ地にもなっています。

 
この舟は、水郷めぐりの舟ではありません。もう一つの舟遊び。このかわらミュージアムの乗船場から八幡堀をめぐります。あきんど、と付いた名前がおもしろいですね。所用時間35分で、大人1000円の予約制です。(左)、八幡堀の遊歩道(右)ご覧のように石畳です。風情がありますね。


途中で団体さんとすれ違いました。八幡堀めぐりをするのでしょうか。
  
堀の周辺には桜や柳、菖蒲や紫陽花が植えられており季節を演出しています。

紫の紫陽花の向こうを舟がゆっくり通り過ぎます。

 
遊歩道から見る橋。なかなかお目にかかれない光景です。

このあたりが時代劇に撮影にもっとも利用されるところです。桜の咲くころは絵になる風景が見れることでしょう!



八幡堀周辺でみかけたお店です。ギャラリースペース新町浜(左)は地元の作家さんの作品や工芸品、雑貨、小物を展示販売しています。瓦の造形美が斬新です。麩の吉井(右上)は、近江八幡の郷土料理にはかかせない丁字麩のお店です。郷土料理喜兵衛(右下)の建物は、江戸末期の商家。湖国の味が自慢です。


八幡堀南側の路地。このあたりも情緒があります。



近江商人達がかつて住んだ地域(新町・永原町)は、格子戸や見越しの松、うだつなどが並び「重要伝統的建造物群保存地区」として町並みが保存され、近江八幡の代表的な観光地域となっています。(近江八幡観光物産協会・記事より)
近江八幡市立資料館
 
まずやってきたのが、旧伴家住宅。玄関に巨大な山車が展示されていました。近江商人の信仰があつかった
日牟禮八幡宮の春の礼祭「左義長まつり」の左義長でしょうか!虎の出来栄えが素晴らしいですね。


憧れていた新町通りの風景。工事中のグリーンのネットが残念です。正面の山が八幡山です。

旧西川家住宅(重要文化財)
畳の部屋から庭を眺める。最高の贅沢ですね。
「大文字屋」の屋号で蚊帳や畳表などを扱った西川利右衛門の旧宅です。

雨の庭。苔がとても鮮やかできれいです。
箱階段(左)上に行くほど箱が小さくなりそのスペースが階段の役割をします。


お願い地蔵さま、なんでもきいてくれるのでしょうか!



ロープウエイを利用すると、八幡山頂上までたったの4分で到着です。座席は10人分ぐらいしかない小さなものです。季節がら室内にうちわが用意されていました。運賃は往復800円ですが、パスポートがあれば無料となります。頂上にはかつて豊臣秀次が築いた八幡城の石垣が残り、本丸跡に秀次の菩提寺である村雲瑞龍寺が建っています。

 
日牟禮八幡宮の奥にあるロープウエイ乗り口。右は山頂駅。

八幡山から見る琵琶湖。緑の田園がとてもきれいに見えます。碁盤目状に見える旧市街も眼下に。ロープウエイの職員の方によると視界はやはり秋口が一番よいとのことでした。このあと水郷めぐりへ行くといったら大丈夫、動いていますよ!このロープウェイ、15分間隔で運行されています。30分あったら回れるとのことでした。でも利用する人は意外に少ないようです。

 
八幡城址の石垣。村雲瑞龍寺の開山は高野山で自害させられた豊臣秀次の菩提を弔うために、生母の瑞龍院日秀尼公が文禄5年、
京都の村雲の地に建てたことにはじまり、昭和36年に八幡山の地に移築されました。





近江八幡和船観光協同組合の水郷めぐりの発着場に向かう途中、住宅地で見かけた
紫陽花(隅田の花火)。緑と白のコントラストが鮮やかでした。


  
発着場(左) 過去、訪れた有名人の写真がずらり(中) 写真班の女性スタッフ(右)
 
乗り合い舟は、10時、15時の2回就航しています。予約は随時。ただ、乗り合いも人数が揃えばその時点で出るそうです。一人2,100円(但し、パスポート持参なら1,800円)私が乗った3時の船には、熟年のご夫婦、母と娘の親子、そして私の5名でした、バランスをとるため両端に分かれて座ります。雨も小降りとなりビニールのカバーもめくって視界もよくなりました。船頭さんは、櫓と竹竿を使い分けながらゆっくり進みます。この船頭さん、今日は3回目だそうですが、前の2回は雨足が強くてカバーはおろしたままだったそうです。

 
一番混む時季はやはり桜の咲く4月ごろとか。生い茂る葦(アシ=ヨシ)とガマ。
聞こえるのは船頭さんが櫓で水を切る音と、ヨシキリの鳴き声だけ。時間がゆっくり流れます。


卵を抱くカイツブリ。船頭さんはどこに巣があるのかよくわかっていて、その先に巣がありますよと事前に
教えてくれます。他に見た鳥は、ヨシキリとトンビでした。


ベテランの船頭さん。お世話になりました。
  
橋は10程くぐりますが、写真の橋はよく時代劇のロケがくるとか!(左)
ペットボトルは、マナーの丸い人が投げ込んだものではありません。魚の仕掛けの目印だそうです。
右はエンジン付きの別の水郷めぐり。時間がない団体さんにはいいかもしれませんね。


安土城のあった安土山や八幡城があった八幡山が近くに見えます。
近江八幡和船協同観光組合



あとは、おみやげを買って帰るだけです。いったん日牟禮八幡宮境内にもどりました。
広い駐車場は満車の状態でした。
 
(左)白雲館 明治10年に建てられた旧八幡東学校が、観光案内所として活用されています。
(右)日牟禮八幡宮 千有余年の歴史を誇る近江八幡の総社


日牟禮ヴィレッジ クラブハリエ
 
和菓子舗「たねや」の洋菓子店。バームクーヘンの名店です。あの水郷めぐりの船頭さんの話によると「うちのお客さんの半分はこのお店が目当て」とか。駐車場は満車。私も行列に並びました。付近は、雨除けのナイロンカバーがかけられたこのお店の紙袋を提げた人でいっぱいでした。焼き立てバームクーヘン日牟禮1ロール=630円(込)
クラブハリエ

雨に煙る八幡堀です。このカットが撮りたかったのですが場所がわかりませんでした。下の遊歩道を通ったとき振り返れば気がついたのかもしれません。でもこれですっきりです。あと、ヴォーリズの洋風建築もみたかったのですが、時間がありませんでした。結局、雨は終日、止むことはありませんでした。



バスの時間まで京都駅ビルでひと休み

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