HMA-9500MKUの改良No.2
2007/5/7

 HAM−9500をメイン機器に使うようになって2年が経過しました。
試運転が終わってとりあえずということでパソコン周辺機器のジャンクから取り外して付けていた電源コードも、そろそろ交換してやらなくてはいけません。
という訳で、メンテナンス及び多少の改良を行ってみます。
  

 今回のメンテナンスの内容は、、、、、
 @電解コンデンサの交換
 A電源コードの交換
 B終段MOS-FETのソケット撤去
 Cその他   思いつくまま??
 の予定です。
 
電解コンデンサの調達
 
電解コンデンサを何に使用かと考えました。結果はニチコンのMUSE-KZ(一部エルナ-トーンレックス)にしました。
理由は簡単、、、、、値段が手頃だったからです。 特にこだわりないのです。
コンデンサも各店舗かなり値段が違うようで、ネット検索で安いところから通販で購入しました、
 

今回交換のコンデンサ群
  
ニチコン MUSE-KZ
  
ニチコン MUSE-ES  バイポーラ
  
電源部はELNAのトーンレックス
メンテナンス第2段開始
 
久々の御開帳です
  
次の瞬間はもうばらばら状態。
 
コンデンサ交換前
  
ニチコン MUSE-KZに交換完了
 
  
バイポーラコンデンサはニチコン MUSE-ESを使用
  
電源基板も電解コンデンサは全て交換
  
電源部のアップ
保護回路のコンデンサもおまけでMUSE−KZ
  
外したコンデンサ

初段FETの2SK131
分解すると2SK130Aが2つ出てきます
 
マニュアルを見ると2SK131はIdssの違いによりK・L・Mに分類され、回路図ではMランクになっています。
以前購入した2SK130AはVDS9Vで測定して9.4mAでしたが、外した2SK131も同条件で同じ9.4mA。
そうすれば購入した130Aも使えそうです。
これで初段のFETも交換可能!!
  
  
以前に購入してあった2SK130A

  
ペアを組みました。瞬間接着剤で貼り付け。

 終段のMOS−FETはソケットで取り付けてありますが、どうもこのソケットというのが好きになれません。
いかにも「鉄」という材質、接触。
ソースは取り付けねじを電流が流れます。 よって取り外して直配線することにします。
  
 
取り外したソケット
  
問題はどのように配線するか、、、
ソケットとFETの「足」の接触状況。
「点接触」に近い。
 ←
 終段のMOS−FETの電流が流れる部分も決して太く ないプリントパターンと錫メッキ線のジャンパー。
  

 改めて基板を見ると改善する部分が見えてきました。
終段のFETのソースから0.22Ωまでのラインはソケット経由細いプリントパターンと錫メッキ線のジャンパー。
ドレインも同じような状況が見受けられます。
やはり終段の大きな電流が流れる部分はもう少ししっかりしたラインにしたいものです。
ドレインとソースの配線は別配線にしましょう。
まあ安全性も考慮した上での設計でしょうから、最大出力時でも必要な電流を流せるようにはなっているのでしょうが、、、。
それに電線も太ければ良いというものでもない事はわかっているのですが、ある程度の太さがないと気持ちのいいものでもありません。
  
メンテナンス再開
2007/3/26

HMA―9500Uがばらばらになって放置状態でしたが、気を取り直して?再開です。
MOS-FETの付いていた部分のシリコングリスをとるために手抜きをして、パーツクリーナーをたっぷり振りかけたのが大失敗。
乾いたらなんと真っ白けになってしまいました。
再塗装しなければ、、、、、、、。
   
   
なんとも悲しい状況になってしまいました。 手抜きはいけませんね。
  
  
  
今までどおりマットブラックにて塗装することにしました。
塗装したらきれいになりましたよ。

   
MOS-FETの取付 2007/4/5
  
ヒートシンクの再塗装も終わりいよいよMOS-FETの組み付けです。
金田式アンプの製作と平行作業しているのでさっぱり進みませんね。

今回のメンテナンスはコンデンサの交換とFETのソケットの取り外しがメインです。
ソケットをやめて直配線です。
 
 
MOS-FETのケース(ソース)にはコードをねじ止めします。 ヒートシンクを貫通するので熱対策にチューブをかぶせます。
 
    
  
こんな感じになります。
 
MOS-FETの取り付け・配線             2007/4/15
 
ヒートシンクと基板を取り付けました。  やっと付いたという感じです。
配線は苦しい取り回しです。
  
  

  
今回のメンテナンスでもうひとつ行ったこと。

出力リレーの手前から直接OUTを引き出しておきました。将来アンプの切り替えリレーボックスを作ろうと思っていますが、その時はアンプ本体のリレーをバイパスし、アンプとスピーカーの間にはリレーが1個になるようにするためです。
その為にリレー駆動のコードも切り替えSWを付けて引き出しておきます。
 
トラブル発生  2007/5/6

 配線を終わっていよいよ調整となりました。
一応MOS-FETのドレインに全て3Aのヒューズを入れて調整です。
コンデンサを変えただけなので、、、、という安易な考えでバイアス調整用の半固定抵抗を最小側にセットしないままスイッチON。
電流確認用にソース抵抗に繋いだテスターの表示は300mVを超えてさらに上昇しています。
うん?電圧は確かMAX66mVのはず、、、、こりゃあまずいと思ったら基板上のトランジスタのコレクタが真っ赤になっています。次の瞬間火を噴き始めました。
いかーーーーん。  と思ったのもすでに遅し、、、、、、
電源を切って状況を確認するとドライバ段のトランジスタが完全に焼けています。
その他の被害を確認すると、なんとバイアスモジュールのトランジスタも火を噴いた後があります。
うーーん。これは被害が大きい。
手抜きの結果であります。
  
  
ドライバのトランジスタ
 
バイアスモジュール
  
見事にリード(コレクタ)が焼け落ちています
  
バイアスモジュールも2個は完全に焼損
残りも加熱の痕があり
今回のトラブルが原因かどうかはわかりませんが抵抗の皮膜が剥げています。
  
気を取り直して反対側のチャンネルの調整を試みました。
今度はちゃんとバイアス調整の半固定抵抗は最小側にしておきます。
するとバイアス調整ができません。
TP2の電圧が3V、TP3の電圧が0.5V程度で変化しません。
なんだこれは???
MOS-FETの配線でも間違えたかと思い確認したら問題なし。
原因は今のところ調査中。
しかし、なんとも情けない結末でした。
復旧には相当な時間がかかりそうです。
その前に原因を突き止めることが先決ですが、、、、、、、、、、。
皆さん決して手抜きはしないようにしましょう。
  このダメージは大きい。  本当に涙が出ました。

続きは・・・・・・ 2007/5/7

 反対チャンネルのバイアス調整ができなかった理由は、パワー段の電源に入れていた保護用のヒューズがマイナス側だけ切れていたためでした。
焼損した時に切れたのでしょう。保護ヒューズが切れたことによりMOS-FETが焼損を免れていれば良いのですが。
後日FETのチェックをしてみましょう。
それにしてもバイアスモジュールが焼けたのは痛い、、、、、、。
バイアスモジュールを製作しなくては。最近老眼気味なのでチップタイプのトランジスタでなく、もう少し大きなトランジスタで基板から作ってみようと思います。
それにしても電解コンデンサを交換しただけでこれほどバイアスが狂うものでしょうか。
メンテナンス開始時にバイアスモジュールを外して写真を撮ったのですが、その時に接触不良か機械的な損傷が出たのでしょうか。
 いずれにしてもドライバー段には相当な電流が流れたわけで、バイアスモジュールも道ずれになっていることから広範囲のトランジスタやダイオード、抵抗が損傷している可能性もあります。
チェック後、安全のために部品はなるべく広範囲に交換したいと思っています。
なぜならテスターやトランジスタチェッカーでは正常でもダメージを受けていることも考えられますから。
それが一番怖い。
  
この後の続きは「HMA-9500MkUの修復」にて、、、、。