金田式バッテリードライブ電流伝送プリ No.215TYPE
最終更新     2012/8/14
製作開始 2011/8/21

無線と実験誌8月号に電流伝送プリアンプが発表された。
同じようなタイプのイコライザアンプは1979年頃YAMAHAから、ピュアカレントサーボアンプ方式としてHA-2というイコライザ-アンプが発売されています。 1980年のラジオ技術誌に日本楽器製造ステレオ技術部による詳しい解説が出ていますが、それを見ても今回のアンプと考え方が同じであることがわかります。
HA-2は2009年にジャンクを購入しヘッドシェルに取り付ける「サテライトアンプ」を製作して現在稼働しております。
(詳しくはHA-2のページをご覧ください。
HA-2の音質は確かに良いと思いますので、今回の金田式の電流伝送アンプも作らないわけにはいきません。
HA-2のサテライトアンプもそうですが、ヘッドシェルに2SK97を乗せた場合トーンアームのウエイトが標準では足らなくなる場合が考えられます。 その場合はウエイトを足すか、ヘッドシェルをなるべく軽量なものにする必要があります。
HA-2の音のクリアーさや粒立ちの良さはを考えると、今回のアンプは期待が持てます。
完成したらHA-2との比較もしてみたいと思います。

  

YAMAHA HA-2の自作サテライトアンプ No.1

        
No.2
部品取付け完了 2011/9/21

イコライザアンプとフラットアンプの部品の取付けが終わりました。
裏面の配線はこれから。
  

イコライザ基板
フラットアンプ基板
 
パーツは極力手持ちを流用します。 そうしないと使わない部品が増える一方でして、、、、、。
部品の配置はオリジナルに近くしてあります。

 
専用ヘッドシェルの製作 2011/9/22
 
専用ヘッドシェルを組み立てました。
  
 
FETは2SK97ではなく2SK43を2個使用
 
なるべく軽量化を、、、
  
FETは2SK97ではなく2SK43を使用しました。
理由は簡単、、、、値段ですね。
それにこちらの方が配線が簡単でコンパクトにまとまります。
FETは瞬間接着剤でシェル本体に接着。
ソースにつながるリードはFET本体に接着してあります。


おーっとこりゃあまずい。
FET規格表で確認したら足の配置を間違えていました。 真中がゲートじゃあないのですね。
思い込みの怖さであります。
明日直さなくては

  
  
確認と調整 2011/10/4
 
裏面の配線も終わり、配線の確認を行っていよいよ試運転の第一段階です。
  
 
イコライザアンプ基板
 
フラットアンプ基板
 
まずフラットアンプが動作するかの確認です。
電源を接続し出力電圧と電流を確認します。 スイッチをONするとほどほどの値で、一安心して調整に入ります。
DCバランスもすぐにとれ、電流調整用に設けた半固定抵抗を回し所定の電流値に合わせます。
本来なら半固定抵抗の値を測って固定抵抗に入れ替えるのでしょうが、当面このままでいきましょう。

次はイコライザアンプの調整です。 ヘッドシェルの代わりに2SK43を接続して調整に入ります。
スイッチONすると出力電圧はほぼ電源電圧に張り付いています。 半固定抵抗を回すと出力電圧はほぼゼロになるとのことですがいくら回しても変化がありません。 暫く回し続けると突然マイナス側の電源電圧になります。
こりゃあ誤配線か、、、、。
とりあえずそのままにしてもう一枚の調整に入ります。
そうすると順調に調整できます。 やはり誤配線かと、配線パターンの確認を行います。
しかし、何回見直しても配線パターンは間違いありません。 こりゃあなんだ???
半田付けがおかしいのか、、、と思い半田付け部分のチェックを行います。
そうすると一か所おかしいそうなところを発見しました。 3方向からのリードを半田付けしてあるランドを拡大鏡で見てみると、1本の抵抗のリードにハンダが回っていないように見えます。 テスターで確認すると半付き状態です。
これか〜。 再度調整すると何とか既定値に調整できました。
とりあえず動作しているようです。 まだ信号は通していませんがおそらく大丈夫でしょう。
後日信号を通して波形でも見てみましょう。

    
ケースへの組込 2011/10/18
 
基板の再調整を行った後でケースに組み込みました。
  
 
右側:電流伝送EQ 左:No.213のEQ取付け部
 
入力切替リレー基板
 
リレー基板の下にEQアンプ
  
リアパネル:アンプ電源とコントロール用の5V入力
 
ケースはNo.213の基板を外して組込ました。
入力切替リレー基板も作り直しました。
音出し確認をしないままケースに組込むのは無謀ですが、、、。 運が良ければ一発で音が出るでしょう。
No.213よりはすっきりまとまっています。
左側のスペースにはNo.213のEQ基板と電源リレー基板が付きます。
電流伝送EQ用の入力ジャックは通常のRCAタイプ以外に変更したいところですが、間違わないという前提で変更なしに。
もし間違ったらカートリッジが、、、、、。

  
音が出ました 2011/10/19
 
電源リレーを取付けいよいよ試運転です。
試運転用のカートリッジは多少カンチレバーの曲がり気味の廉価版MCカートリッジを使用しました。
今回は発振器とオシロで動作確認することもなしに一気に音出しです。
理由は、、、手抜きです。

  
電源リレー基板
試運転の様子
  
 
カートリッジを接続し、パワーアンプを繋ぐ前にプリの出力電圧だけは確認しました。
異常内容です。 CDプレーヤーも接続し、レコードを乗っけてスイッチON。
ボリュームをほんの僅か上げて、パワーアンプ(真空管のLUX A3700U)の電源を入れます。
暫く立つとスピーカーから音が出始めました。
真空管のアンプを使うのはトラブルが発生した場合、スピーカーへの影響が少ないと思われるからです。
隣の台所でかみさんが音楽を聴きながら片付けをしているので、少音量での音出しです。
特に異常は無いようです。
電流伝送タイプはやはり良いような気がします。 YAMAHAのHA-2を使っていなければ結構感動が大きかったのでしょうね。

後はNo.213のEQアンプを組込んでどうなるかです。

それにしてもケースはメーカー製の流用が良いですね。

  
組立完了 2011/10/20
 
何とか組立が終了しました。
No.213のEQ基板も組込ました。

 

内部全景
 
No.213EQ基板
No.213のEQ基板は今まで使用していたので問題ないでしょう。
一応DCバランスは確認しておきました。
後日最終的な音出しと体力測定を行いましょう。
このアンプの「手持ち部品の活用」という目的はかなり達成されたと思います。
結局今回も「金田モドキアンプ」となりました。
入力は電流伝送EQ(MC)、No.213のEQ(MC)、CD、AUX、TUNERの6系統
  
再調整 2011/10/21
 
今回はなんと順調なんでしょうと内心喜んでおりましたが、これで終わらないのが金田式の楽しいところ。
試運転第2弾を行ったところ、、、、、、。
ありゃあこりゃあなんだ。 音は出るけどボリュームMINでほどほどの音量となり、ボリュームを上げていくとだんだん音が小さくなるではないですか。
こりゃあ調整不良だな、、、細部まで確認しなかったからなあ、、、と思いつつ再調整を行いました。
電圧等をチェックしてみると電流値がおかしいところが、、、。
再調整をしようと思ったら一番恐れていた、と言いますか、完全に想定内なのですが、三段重ねの基板配置では簡単に半固定を回すことができないのであります。
結局リレー基板を外し、2段目のEQ基板を無理やりずらして再調整を行いました。
調整を行い、基板を元に戻し、外した電線数本を付け直し完了。
とりあえずフォノだけ繋いで試運転。
今度はちゃんと音が出ました。
ボリュームも正常に動作します。
こんなことをしているとかえって旧タイプの方が素人には良いような気もします。 その代り発振には大いに悩まされますが。
いずれにしても金田式は自作マニアにとってはいろいろな意味で楽しめる(見方によっては地獄のような)アンプです。

試運転を兼ねてYAMAHAのHA-2も繋いでみました。
小音量、短時間ですから評価はしませんが、まあ同じようなコンセプトなので音質も大差ないような気がします。
但し、HA-2はサテライトアンプが自作なので、100%の動作をしていない可能性が大なので、メーカー製品としての比較はできませんが、私の耳には差があるような無いような。
できれば同じカートリッジ、同じレコードで切り替えながら比較をすれば差が分るかもしれませんね。
旧タイプのプリも動員し、金田式電流伝送EQ、ノーマルMC用EQ、初期型MM用EQ、YAMAHA電流伝送EQを切り替えて遊ぶ予定であります。 どんな差が出るのやら。 
しかし、個人的にはプリは初期型(MM用)のタイプが一番好きですが。
そうなるとSONYのヘッドアンプHA-55+初期型MMプリが復活する可能性が大ですな〜
HA-55は最近ジャンク品をもう1台GETしましたので、ケース(フロント、リアパネル)を移植して残骸はオークションにでも出しましようか。

  
イコライザアンプ第2弾 2011/11/7
 
No.213タイプイコライザもこの際電流伝送タイプにしようということで組みなおしました。
それに伴いシェルももう一組製作です。
HA-2のシェルと間違わないように青いシェルにしました。
このシェルは軽量なのでFETを乗せる時には良いシェルです。 
  

  
 
今回も2SK43を使用します
  
組み直したイコライザ基板
 
シェルの製作はYAMAHA HA-2のサテライトアンプも含めると6個位製作しているので最近は慣れてきました。
基板は裏面の配線を完了して簡単な動作試験を行いました。
最初はRチャンネルの調整を行いました。 すると全く調整不能です。
おかしいな〜と思いつつ配線チェックしても間違いはないようです。
そのままにしてLチャンネルの調整に移ります。
Lチャンネルは問題なく調整できました。 今度はRチャンネルにシェルのLチャンネルを接続してみました。
今度は調整可能です。
再度シェルのRチャンネルを繋ぐとやはり調整不能です。
シェルのFETか?
試験に使ったアームのケーブルコネクタが少しゆるいようです。 シェルの接点も拭いてコネクタをグリグリと動かし再度スイッチON。
お〜、今度は調整できるではないですか。 接触不良か!!
まあ、なんとか両チャンネル動作しているようです。
再調整は後日。

  
再調整 2011/11/9
 
再調整を行いました。
その前に試験用のトーンアームの接点を調整して接触不良が無いようにします。
調整を行うとDCバランスは取れるのですが終段の電流がうまく調整できません。
30分位基板をひっくり返して眺めていると、なんと、、、テスターのリードを繋ぐ場所を間違えていました。
今度はOKです。 終段の電流を8mAにセットし、DCバランスをとって調整完了。
う〜んうまくいった、、、。  一休みしながらMJ誌の記事を眺めていると、お〜っと間違えた!
終段の電流は終段トランジスタのエミッタに繋がっている抵抗の両端の電圧で見ていましたが、それを10Ωと思い込んで調整していました。 イコライザは39Ωですから2mA程度しか流れていません。
今日は仕事も含めて低調な日だな〜とどっと疲れが出てきたので、後は明日ということで決定。

翌日気を取り直して再調整を行い、仮の半固定抵抗を固定抵抗に交換して無事完了。
その後ケースに組込みました。
イコライザ2組入りとなりましたが問題が出なければよいのですが。

  
 
電流伝送イコライザ2組目
 
組込み完了
 
はたして試運転がうまくいくのか?
それが終わったら体力測定も、、、

 
音出し 2011/11/10
 
シェルNo.2に試運転用のカートリッジを付けいよいよ音出しです。
No.1、No.2それぞれにレコードを乗せ、CDにもディスクを入れて準備完了。
とりあえずCDに切り替えパワーアンプのスイッチON
暫くしてスピーカーから音が出てきました。
次にNo.1に切り替えるとこれもちゃんと音が出ます。 (これは出なきゃあおかしいか)
いよいよNo.2に切り替えます。
音が出ました。 カートリッジの関係からかNo.1より若干音が小さ目です。
おやあ、少し音が歪んでいるか〜。 こりゃあまずい。 少し顔が引きつりながら、、、もしかして針が汚れている??
針を掃除して再度音を出してみると今度はOKのようです。 びっくりさせるな〜
明日カートリッジを正式なものに変えてみましょう。
改造前の音出しの時、カートリッジによっては低域で発振したような現象が起こったので注意が必要です。

  
 
電流伝送タイプ三役揃い踏み
左:No.1 中:No.2 右:YAMAHA HA-2

     
 
結局MCタイプはすべて電流伝送タイプになりました。
写っていませんが左のDQX1000のもう1本はMM用のSME3009


セレクタをEQにしてボリュームを上げていくとハムが出ます。
バッテリー駆動なので電源が原因ではないと思われるので、犯人はトーンアームのアースが不良なのか?
本体ケースのアース不良?

カートリッジが欲しいですね、新品のものが、、、。
手持ちのカートリッジはほとんどが中古・ジャンク品なので針の状態がどうなのか分りません。
手持ちの機材を処分して新品でも購入しましょうか。
何が良いか。
 

    
充電器 2011/11/15
 
バッテリーの充電をどうしたら簡単にできるか考えていたら、こんなものがリサイクルショップで安く売っていました。
ラジコンに使用するバッテリーチャージャーです。
14セルまで充電可能で、充電電流も調整でき、おまけに2系統充電対応となっております。
但し、値札の注意書きに「1系統充電できません」となっているので故障している可能性大であります。
セッティングは2系統できたので正常かもしれませんが。
うまくいけば10本一気に安全に充電できます。
後日試験を行いましょう。

  
 
ヨコモの充電器 正常に動けばもうけもの
 
2系統充電可能 温度センサー付き
 
プリの電源にバッテリー以外でAC電源を製作しているのですが、バッテリーが結構長持ちするのでバッテリーオンリーで十分のようです。
そうなると充電装置が重要に、、、。
翌日充電チェックをしたら2系統とも充電ができました。
これで充電は万全だ!
  
  
バッテリーパック 2011/11/16
 
バッテリをケースに入れました。
温度センサーも組み込んだので充電用のコネクタも付けました。
センサーがなければいらないのでが、、。
  
 
それにしてもバッテリーは結構な時間使えるものですね。
まあ1日1時間程度しか聴いていませんが、述べ1週間はOKのようです。
結論:AC電源は不要だ
    
やはり発振 2011/11/20
 
レコードを聴いていると何か変な感じがします。
濁りのようなものを感じます。 おそらく、、、、。
とりあえずフラットアンプの出力にオシロを繋いでみます。
スイッチを入れるとオシロの輝線が太く滲んでいます。 やっぱりなー。
ボリュームを上げるとだんだん振幅が大きくなっていきます。 すごいすごい!!
ボリュームMAXではなんとP-Pで400mVもあります。
ボリュームMINでもP-P10mV。
周波数は140kHzでわずかに1.4MHzが重畳しています。
通常の試聴レベルでも数十mVの発振波形が出力されています。
これじゃあな〜。
これほどの発振だと聴いているうちになんとなくわかりますが、これがもっとわずかだと聴いただけでは分からないでしょうね。
これが金田式の怖さでもあります。 
金田式の製作にはオシロは絶対に必要です。
後日発振対策を行いますが、その間は久々の初期型MMプリアンプが登場です。
CDを繋いで聴いてみると重厚ないい音が出ますね。
初段ソリトロンの2N3954、2段目2SA726G、終段2SA872、2SC1775のゴールデンメンバーです。
最新のバッテリータイプも良いのですが、旧タイプも甲乙つけがたいですね。
MMカートリッジをセットしてレコードを聴いてみるとLチャンネルから大きなノイズが出ます。
RチャンネルはOK。
こりゃメンテが必要だ。

  
電流伝送プリ 2号機 2011/11/30
 
EQアンプとフラットアンプの発振対策をしようにも今の状態だと基板を外して、単体で調整などをしなければなりません。
電流伝送プリの基板が組みあるので別途1台くみ上げることといたします。
今度は基板の上面下面両方が解放している配置にし、最短距離での配線と調整及び改良がし易いようにします。
リサイクルショップに懐かしの鈴蘭堂のケースCL10-AL(というような型番だったと思います)の未使用品が出ていましたのでそれを使用します。

  
 
このケースは上下2枚のカバータイプなので底板に基板を付けると基板下部からのアクセスができなくなります。
よってアルミアングルを使用して前後のパネルを結合して、そのアングルに基板を取り付けるアングルを渡す構造にします。
そうすると製作・調整時は上下のカバーを外せば基板の上下両方が解放されます。
バッテリー充電器を手に入れたことによりバッテリーは本体に内蔵し、外部からの充電ができるようになりました。
フロントパネルは5mm近くあるシャンペンゴールドで高級感があります。
しかし、手持ちのスイッチを使用したのででデザインはいまいちですね。
スイッチは左から電源、充電、真中はボリューム、その右はセレクタ、一番右はミューティングスイッチです。
ツマミは解体したアンプのものを仮につけてます。

   
 
2号機の配線 2011/12/2
 
フラットアンプの基板は2号機用のものも製作中ですが、とりあえず1号機のものを移植してみました。
ボリュームは延長シャフトを使用し、基板との距離を最短にしてあります。

  
 
基板の取付け完了
 
各入力の抵抗はこんな感じ
距離の短縮とリアパネルの取付け補強
  
だんだん形になってきました。
ケースの大きさがぎりぎりなのでサブシャーシのアングルが細くなり強度が少ないので、抵抗を使って補強するというなんとも見苦しい様子。
抵抗のリードが疲労して折れてしまわなければ良いのですが。
とにかく最短距離で配線できるように配置を行いました。
何が何でも最短がベストかどうかは?ですが長いと問題発生の可能性がぐっと上がるような気がします。
しかし、結局は雑誌の製作記事のとおりの配置配線にはなってませんね。
また発振かな〜

   
バッテリーの取付 2011/12/4
 
バッテリーと電源回路、フロントパネルの配線を行いました。
バッテリーは外部から10本一括充電を行います。

  
 
LEDは子供が幼き頃のおもちゃから外したもの
 
バッテリーと電源ON-OFF用リレー
 
何とか電源回路ができたのでこれからはアンプ部の調整を行っていきます。 
    
2号機の調整 2011/12/8
 
細かな配線をしていよいよ調整に入ります。
片チャンネルの電源を接続してスイッチON。
発振しながらも音が出ていた基板なので調整は微調整でOKです。 オシロを繋いで出力を見てみます。
以前のような大幅な発振は無いようです。 オシロの目盛からノイズが2mV(P-P)程度です。
時間がないので本日はこれで終了。 明日はEQアンプの調整を行いましょう。
同じ基板で発振したりしなかったり、、、、。 配線の取り回しでこれだけ違うとは。
金田式アンプは部品配置から配線まで同じにしないと発振地獄に落ちることを再認識。
とは言いつつ天邪鬼の私は、技術も無いのに全く同じにというわけには性格上行かないのであります。
コマッタコトダ。

 
2号機の調整完了 2011/12/12
 
日曜日の午後たっぷり時間を使って一気に完成と、昼食もそこそこにアンプに向かいました。
EQアンプの調整を行います。 ところがEQアンプの電流の調整がうまくいきません。 オシロを見ると50HZの正弦波が出ていますが発振はしていないようです。 今までとりあえずは動いていた基板なのに調整ができないとは??
ハムは調整の為、入力関係に余計なコードを付けているし、剥き身状態なので仕方ないとして調整不能は原因がわかりません。結局半日かかって進捗どころか後退状態。 
ぐったりしながら風呂に入っていると頭の中で電球がぱっと点灯しました。 「あ〜そうか」と原因判明。
全くのケアレスミスでお話しするのも恥ずかしいので、、、、、。 あ〜情けない情けない。

本日再調整を行いました。 今度はすんなり調整が進み2時間程度で最終配線も完了。
明日はいよいよ音出しであります。

  
試運転完了 2011/12/13
 
試運転を行いました。
例によってトラブルが、、、、、
  
 

CDとプレーヤーを繋ぎいよいよ試運転を行います。
スイッチを入れようとしたら、「その前に再度出力に以上電圧が出ていないか確認しなければ」と思いましたが、保護回路があるから”まあいいか”と、、、いういつものくそ度胸でスイッチON 。 まずCDの音を出してみますがこれは問題なくOK 。
次にレコードに切り替えました、、と、、ブツッと音がでてパワーアンプの保護回路が動作しました。
ありゃりゃ、こりゃあまずい。 閉めたばかりのケースを開けて確認したところEQアンプの出力が+3Vから−5V位を行ったり来たりしています。 おーこれは危ない危ない、神様仏様保護回路様。  金田式アンプには何が無くとも保護回路です。 昨日と今日の違いはカートリッジを取り付けた事ぐらいです。 電流伝送プリ1号機を作ったときカートリッジによって今回のような現象が出たことを思い出し、カートリッジを外して入力ショートで電圧を見るとほぼ正常値です。
他のカートリッジを付けると正常に動作します。 手持ちのカートリッジでは動作確立が5割程度です。 とりあえず異常が出ないテクニカのAT-32Eを取り付け、カートリッジを付けた状態で微調整を行いました。 再度機器を接続してスイッチONしたところ今度はちゃんと音が出ます、、、一安心。
音は、、、良いですね。 1号機より低域にレンジがぐんと伸びたように聴こえます。 夜遅くなったので小音量での視聴となりましたが、それほどの音量でも今までより明らかに低域がよく出ています。
それにMJ誌9月号の最後の角田氏のコメントのようにスクラッチノイズが少ないようです。 ダイナミックレンジも大きく感じます。 これは久々の感動ですね。
そういえばヤマハのHA−2を始めて聴いたときも同じような感動がありましたので、後日の聞き比べが楽しみです。

  
金田式とヤマハHA-2の試聴比較 2011/12/27
 
金田式電流伝送とヤマハのHA-2を比較試聴してみました。
同じ条件となるように、1曲単位で比較できるように工夫してみました。
但しHA-2は純正のサテライトアンプではなく自作品ですから、HA-2の本来の性能以下であると思われます。
まあお遊び程度ということで、、、、、。

  

金田式電流伝送
  
ヤマハ HA-2イコライザ サテライトアンプ
 
録音に使用したポータブルDAT
 
ヤマハ HA-2
 
同条件にするために同じカートリッジと同じヘッドシェル、同じプレーヤーを使用します。
金田式は金田式電流伝送イコライザ→金田式フラットアンプ→DAT  ヤマハHA-2は HA-2→金田式フラットアンプ→DAT
と接続を行い双方を別々のDATテープに同じ曲を録音します。
それを1曲ずつ交互に再生しヘッドフォンで比較試聴しました。 細部を聞き取るためにあえてヘッドフォンを使用しました。
その結果は
金田式の方が若干クリアで微妙なニュアンスが出ているようです。 出ているようですというのは、僅かな違いは感じるのですがどう違うのかは何回か繰り返し聴いてやっと「ここが違うね」と思う程度の差です。
どちらが良い悪いというよりどちらが好きかという好みの範囲ともいえます。
先に述べたように純正サテライトアンプではないので、HA-2が完全な状態なら甲乙付けがたいというか、ほとんど差が無いのではないかと思われます。
HA-2を初めて聴いたときは結構な驚きがありましたから、初めて金田式を聴いた場合はかなりの驚きがあると思いますので、やはり電流伝送はお奨めのアンプですね。
しかし、金田式の難しさは周知のことで、雑誌の記事だけでは情報不足のことが多く、ネットを駆使して先輩諸氏の製作事例を良く見ないとうまく動かなかったり、発振を抑え込むことが難しくなります。

その後暫く聴いていなかったレコードを聴きましたが、全く印象が(音が)違ったのには驚きです。

  
  
1号機再組立 2012/1/4
 
1号機もケースに入れてみました。 但しEQアンプのみです。
  
 
スペースの関係でバッテリーは外付け
 
ケースはパソコン用の外付ドライブのケースを流用
 
EQアンプのみなので納戸に転がっていたパソコン用の外付けDVDドライブのケースと5インチ3.5インチ変換パネルを流用しました。 リアパネルは自作です。
組立後に調整を行ったのですがまた問題が、、、、。
調整は最初入力(カートリッジ)ショートで行い調整完了。
その後カートリッジ(AT-F3U)を繋いで再度微調整を行おうとしましたが動作が不安定です。
カートリッジによっては動作が不安定になったり発振したりするのは今まで経験したことです。
次にSAECのXC-10を繋いでスイッチを入れたら猛烈に発振しました。
次に少し前に改造用に手に入れたデンオンのDL-103(針折れ品)を繋いでみました。
これは安定しておりうまく調整できます。
なるほどね〜 。 やっぱり金田式はDL-103なんだな〜 。
カートリッジの違いで関係しそうな点は内部インピーダンスと思い、各カートリッジの内部インピーダンス(カタログ値)をネットで調べてみました。

その結果
デンオン   DL-103     40Ω 正常
テクニカ   AT-32EU    17Ω 2号機で正常
テクニカ   AT-F3U     12Ω 不安定
ゴールドバグ メデューサ   12Ω 2号機で不安定、発振気味
SAEC     XC-10       4Ω 猛烈に発振

この結果から電流伝送プリはカートリッジの内部インピーダンスが17Ω以下では動作が不安定となり、10Ω以下では発振する可能性が高いということ???
ということはインピーダンスが最低17Ω以上のカートリッジでなければ使用できない???
う〜んこれは困った。
DL-103を購入しなければいけないのか、、、、。
どなたか解決策を御教授願えれば幸いです。

HA-2の自作サテライトアンプは発振防止にカートリッジに1000pのコンデンサをパラに入れていますが(ある方から教えていただいたのですが)同じ対策でOKなのでしょうか。 後日実験してみましょう。

  

発振対策 2012/1/7
 
発振対策を実験してみました。
まず実験用の小道具の製作から、、、。
FETとカートリッジの間にDIP10Pのソケットを付け、そこにいろいろ差し替えてみてどうすれば発振が止まるか見てみました。

  
 
実験装置 SEコンデンサを挿入した状態
   
SAEC XC-10用
 
まず実験装置に何もつけずにスイッチを入れると見事に強烈な発振。
カートリッジにパラに1500pF SEコンデンサを入れると発振しません。
コンデンサの代わりに40Ω位の抵抗を入れるとこれまた発振しません。
HA-2と同様コンデンサを入れる方向で容量を変えてみます。
手持ちのSEコンデンサの20pFを入れると発振の振幅は減りますがまだ発振状態です。
次にディップマイカの33pFを入れてみると発振はしません。
へ〜33pFでいいのか、、、。
HA-2の1000pFは結構余裕があるのかな??
とりあえず33pFで組んでみました。
シェルに接着しない状態で動作試験です。
調整も問題なく、出力も安定しています。
こんな対策で良いのか悪いのかは私の知識では分かりません。
音を聴いて問題なければOKとしましょう。

これでDL-103を買わずに済めばラッキーということで、、、。
     
  
1号機試聴 2012/1/8
 
1号機の試聴を行いました。
再度調整を行い電圧などの確認を行いました。音は、、、特に問題はなく音が出ています。
問題の音は、、、、良いですね音に厚みが出てきてますし、、低い方の量感も向上しています。
気を良くして聴いていると突然パワーアンプの保護回路が動作しました。
これはどうした!!
プリからのケーブルを外して電圧を確認します。
DCが出ています。 セレクターを切り替えてみるとどうやら2号機のEQアンプがおかしいようです。
時間が無いので本日はこれで終了にして、ついでに補充電しようと思いバッテリーチャージャーを繋いでみると、なんと+−で9.6Vしかないではありませんか。 規定は12Vなので2.4Vも低い電圧です。
テスターで確認してみると同じ電圧です。
なんとバッテリー切れのようです。 そういえば結構聴いたような気もします。
う〜ん、ついバッテリードライブというのを忘れてしまうとこういうことになるのか。
それにしてもバッテリーチェックのLEDは明るく光っているのに。
配線間違えたか??
明日充電して再起動してみます。

 
問題解決 2012/1/9
 
バッテリーが無いにもかかわらずバッテリーチェックのLEDが消えなかった点については、バッテリーチェック回路のツェナーダイオードが+−逆に付いていました。
原因は記事の回路図(8月号)の間違いでした。 金田氏の記事は結構間違いがあるので注意すればよかったのですが、、、。
ダイオードの向きを変えて問題解決。 LEDが消える電圧をチェックしたら11.6Vでした。 まあ良しとしましょう。
小さな手直しもついでにやってバッテリーを充電し、出力の電圧を確認したら問題はありません。
ヘッドシェルのFETも接着剤で固定しすべて完了。
レコードを聴くと良い音が出てきました。
この電流伝送アンプはカートリッジの違いを楽しむには不向きで、ほとんど専用になってしまします。
カートリッジの数だけEQアンプが必要な状態です。 まあ、金田氏はカートリッジの違いを楽しむというお考えはないのでしょうからこれでいいのでしょうね。
それにしても良い音が出てきます。 ベースの音が”ブルルン”と弦の振動が感じられます。
  
発振対策 DL103R 2012/8/14

カートリッジをDL-103R(中古ですが)にしてみました。
暫くは順調に音が出ていた(気がしていた?)のですが、急に動作が不安定になってきました。
おまけにスピーカーからラジオが聞こえてきます。
アーム周りのアースを取り直してみましたが大きな変化はなし。
DL-103Rはインピーダンス14オームとのことで、前述したインピーダンスと安定度の相関から行くと境界型というところか、、、。
カートリッジの端子付近を指で触るとラジオも消え動作も安定します。
試しに針のないDL-103を繋ぐと全く問題なし。
しょうがないのでカートリッジの端子に(FETの入力に)24PFのコンデンサをコードの心線で縛り付けてみました。
今度は動作安定雑音なしです。
Rが付くと付かないとで大きな違いです。
これで様子をみましょう。

 
  ← 動作確認 24PFのディップマイカを仮付
 
  
 
正規版は20PFのSEコンデンサをこんな感じで、、、、
  

kanetaanp218type.htmlへのリンク