McLaren F1 GTR Long Tail 1998出場車#41 製作記1

 

2013.11.17(日曜日)

当サイトを閲覧の皆様、新年あけましておめでとうございます。

しばらく更新が滞っておりましたが、新年を迎えたことを機に活動を再開していきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

なお、次回製作予告をしていたクラウンのパトカーは進行しておりますが、新年一発目はフジミの最新のキットを製作していきたいと思います。楽しみにしていた方はごめんなさい。近日中に公開していきたいと思いますので、もう少々お待ちください。

また、既にこのキットも製作が進行中ですが、振り返りながら公開していきたいと思います。よって、製作月日は実際の日付で表示していきたいと思います。そのうち現在の進行に追いつくかと思いますのでお楽しみに。

※平成26年 1月 7日記述

 

てなわけで、マクラーレンF1ロングテール。キット化がずっと叫ばれていましたがようやく実現しました。模型として人気車種なだけに、なぜ、今までキット化がされなかったのか不思議なくらいです。

ほぼ同時にアオシマ文化教材の方からも、同車種のキット化が発表されました。アオシマの方は、より精密な設計になっているようで、発売は春以降になるらしいです。

2社からマクラーレンF1ロングテールが製品化されるのはうれしい限りではありますが、まずはフジミのキットを製作していきたいと思います。

キットの内容ですが、最近のフジミスタンダード的な内容。パーツ数も多すぎもせず少なすぎもせず。私的には好印象です。

それでは細部を見ていきたいと思います。

まずはボディーから。

成型色は白。今回のキットは1998年ルマン出場車のカーナンバー41番。ロックタイトカラー。実車は黒ですので、塗装必至です。

塗装を前提に作る人には成型色が白なのは下地処理の加工上、有り難いのですが、塗装をしない(できない)人にとってはカーナンバー41を作ることはできません。無塗装派の方にとっては敷居が高いかもしれませんね。

ボディーの形状は最新のキットだけあってシャープです。また、今回はドアが別パーツになっており、開いた状態と閉じた状態とを選択して製作する仕様になっています。

 

続いては、ボディー関係パーツ群。

当然白成型。

ドアが別パーツになっています。

自動車のプラモデルの場合、ドアを別パーツにすると再現するパーツが増えてしまい、設計する側にとっては大変です。そこに挑んでてきたフジミ模型に感謝です。

ドアを別パーツにすると、強度的な問題や開閉のためのヒンジをどうするかという問題とかが出てきますので製品化はしづらくなります。極端にドア開閉モデルが少ない理由はここにあります。

今回のキットは、ドア開閉モデルではなく、開いた状態か閉じた状態かを選択する方式になっているので、開閉する仕様にするためには、そこそこの技量が必要になってきます。

足回り、内装パーツ群。

成型色は黒。

シャシーは精密には設計されておらず、簡易的なものになっております。

シャシーにこだわりのない私には、シンプルで作りやすいのでこれはこれで有りだと思います。

ブレーキ、サスペンション、エンジンのパーツ群。

実車もそうですが、リアのウインドウが透明でないのでエンジンはほぼ見えません。

それに合わせてか、エンジンのパーツも見えるところのみの簡易的なものになっております。エンジンをがっちり作り込みたい方にとっては物足りないものになりそうですが、私はこれで十分ではないかと思います。

エンジンを作り込みたい方は、アオシマのロングテールの方で期待してみてはいかがでしょうか。

クリアーパーツ群。

最近のフジミのキットは、ウエルドライン等も無く、とても綺麗なクリアーパーツになっています。

ちょっと前まで、タミヤのキットのクリアーパーツの成型が綺麗で好印象でしたが、フジミのキットも遜色ないものになってきているので安心して製作することができます。

タイヤ、リアのドライブシャフト、ポリキャップ。

ほぼフジミの標準的な内容です。

タイヤはフロントとリアとサイズが違うものになっています。

こちらはデカール、マスキングテープ、エッチングパーツ。

デカールはカルトグラフ社製のデカールです。品質は問題ないでしょう。レーシングカーのキットでカルトグラフ社製のデカールが付属されるとモチベーションが上がるのは私だけでしょうか。それくらい、デカールの品質って重要です。

最近の標準仕様となりつつあるウインドウのマスキングテープ。こちらも、製作する側にとってみれば非常に有り難いパーツです。一昔前は、ウインドウのマスキングをどうしようか悩みどころでしたからね。

それと、このきっとのもう一つの目玉でもあるエッチングパーツ。エッチングを付属してくれると、ディテールが向上するので非常に有り難いです。ただし、エッチングは金属パーツなのでなれてない人には敷居は高いかも。このキットの位置づけは、一応、上級者向けになっているようです。

それと、今回のキットでは別売りでフジミ純正のエッチングパーツとマフラーエンド、アンテナパーツが発売されました。

さらなるディテールアップをする方にはおすすめです。

私も、今回は、こいつも一緒に組み込んでいこうと思います。

ざっとキットを見てきましたが、最新のキットだけ合って、至れり尽くせりという感じ。好印象です。

このまますんなり組み上がれば、非常に良いキットとなる訳ですが、その辺りは実際に組んで確認していきたいと思います。

それでは早速製作していきたいと思います。

とは言っても、製作前の下準備から。

プラスチックモデルには金型に塗られた工業油みたいなものがあるので、そのまま製作すると、塗装するときに塗料を弾いたりします。

それを防ぐために、洗浄となるわけですが、全部のパーツを細かく洗浄するのは一苦労の作業。

そこで、こんなものを導入してみました。

炊飯ジャーみたいな様相のものが超音波洗浄機。ランナーを細かく細分化し、水を張ってスイッチを押せば2分くらい超音波の波で洗浄してくれます。中性洗剤を2〜3滴入れるとより効果的です。

さすがにボディー全体を超音波洗浄機には入らないので部分的に洗浄していきます。

洗浄が終わりましたので、パーツを切り出してきます。

ボディーは繊細に再現されています。フロント部のルーバーは非常に細かくシャープに整形されています。

Aピラーも、非常に細いです。模型でドアを別パーツ化してしまうとこのような細いAピラーになってしまいます。実際は、Aピラーがあってウインドウの下にはフレームがあるので丈夫な構造になっているのですが。

これを折らないように注意を払いながら製作しなければならないので大変なキットです。

問題のドアパーツ。

マクラーレンF1ロングテールのドアはガルウイングではなく、スイングアップ式で開くポップアップドアになっています。

キットは開いた状態か閉じた状態かを選択するようになっていますが・・・せっかくドアが別パーツになっているので、モデラーとしては開閉仕様で製作したいところ。

そこで、今回は開閉仕様で製作を進めていきたいと思います。

キットの仕様を変更して製作するということはそれなりに大変なわけで・・・

上手く行くかわかりませんがチャレンジしてみたいと思います。

 

 

2013.11.27(水曜日)

この10日間あまり、ヒンジをどうしようかいろいろと考えてました。

真鍮線で作ったり、洋白線を試したり。でも、どちらも柔らかすぎて向きませんでした。私の持っている金属線は、あまり径の太いものが無かったのが問題でした。

そこで、ふとクリップを取り出してみました。サイズは28ミリ。径は約1ミリです。強度的には十分です。

この事務で普通に使うクリップを写真のようにカットして使います(中央部分)。

角度(可動角)的にも、この部分が一番良かったので、この部分を2つ用意します。

ドアのこの部分に厚さ1ミリのプラ板で肉厚にし、そこにピンバイスで1ミリの穴をあけて瞬間接着剤でくっつけました。

もちろん、位置決めは、何度も仮組みをして理想な開閉角になるように調整して決めました。

キットの固定式ヒンジのパーツを取り付ける場所の少し左側が最適でしょう。

同様に反対側のドアもヒンジを取り付けます。

ボディーの受け側になる箇所に少々大きめの穴を開け、先ほどのヒンジがスライドするようにします。

遊びをもたせるためにも、写真から見て縦長に開けると良いでしょう。

このときも、良く仮組みをして最適になるように位置を決めて穴を開けます。

カウンタックのスイングアップドアとは違い、マクラーレンF1ロングテールのヒンジはルーフ側にもあります。2点で跳ね上げるような仕組みになっています。

ルーフ側のヒンジはさほど強度を必要とするわけではないので、キットのパーツのものを、少し平らに削り込んで使用することにします。

黒いパーツとドアの裏側がツライチになるように整えます。

接着には瞬間接着剤を使用しました。

ルーフ側には、固定するための小さな穴が開いてますが、可動させるためには穴を広げてあげなくてはなりません。

可動の仕方を確認しながら、写真のように穴を拡大しました。

仮組みをしてみました。

自分のイメージしていた開閉状態を再現することに成功しました。

写真で紹介するにはたったこれだけのことですが、この状態にたどり着くまでかなり苦労しました。

可動式にするというのは非常に難しいです。

 

閉じた状態だとこんな感じ。

これから細かい摺り合わせが必要ですが、良い感じに収まっているのではないでしょうか。

両方のドアを跳ね上げるとこんな感じ。

今のところ、理想通りに開閉してくれています。

ただ、ボディーとドアのパーツ単体同士で上手く可動しましたが、これにウインドウのクリアパーツ、ドアの内張パーツ、フェンダーのパーツ等を取り付けてこの状態に開いてくれるかが問題です。

早速、次のステップ、関係するパーツを取り付けてきちんと可動してくれるか仮組みしていきたいと思います。

まずはフロントウインドウパーツから。

固定してみるとさっそく問題発生。ヒンジがクリアパーツに干渉して収まってくれません。

良く確認しながら、クリアーパーツの方を干渉しないように削り込み問題は解決しました。

が、次のトラブル発生。

ウインドウパーツを取り付けたままドアパーツを取り付けて跳ね上げてみるとウインドウパーツにドアがぶつかって、理想の位置まで跳ね上がりませんでした。やはり一筋縄には行きません。どこが悪いのか、究明して調整を続けていきたいと思います。

可動式にするには思った以上に大変です。

 

 

2013.11.28(木曜日)

跳ね上げたときにウインドウパーツとドアのパーツが干渉して半分くらいしか開きませんでしたが、L字のようにヒンジの穴を開けてやることによって、問題が解決しました。

外側にヒンジの支点を逃がしてあげることによって開閉する範囲が広がりました。

実車とは開き方が違いますが、開くようになったのでOKでしょう。

反対側も同様にして加工します。

実際にドア側も、内張、クリアーパーツを取り付けて状態をチェックします。

問題も解決され、理想の位置までドアが上がるようになりました。

反対側もこんな感じ。

ルーフ側のヒンジも若干広げてやりました。そうすることで、スムーズに開くようになります。

ここまで来れば、難関は突破したでしょう。

開閉仕様が無理だった場合、すぐに閉じた状態のプロポーションモデルで作成しようと思っていましたが、その危機は脱出しました。

が、ここに来て、また大きな問題にぶち当たります。

フェンダー後方の別パーツを取り付けて仮組みをしてみましたが、今度はこのパーツとドア側のパーツが重なり合って、ドアを開けることができません。

このキットはもともとドアを開いた状態か、閉じた状態かを選択する仕様だったので、可動を想定して設計されておりません。

もうちょっと可動させる人のためにも配慮して頂きたいところではありますが。

何が問題なのか確認してみたところ、ドアの三角形の部分が強度不足を補うためにこのような形状になっておりました。もちろん、実車はこのような形状ではありません。

この部分を切り取ってやれば問題解決と、簡単に想像できるわけですが、実はこの裏側には分厚いドアの内張パーツがあるので、それも干渉しないように深く切り込んであげないといけません。

思わぬところに落とし穴がありました。

こうなったら、閉じた状態のプロポーションモデルで組んでしまった方がストレスが貯まらなくて良いかもしれませんね。

さて、どうしましょうか。

 

 

2013.12.02(月曜日)

ドアを開閉仕様にするために、ドアを固定するパーツを自作します。

実車はダンパー構造になっているようですが、私はたた単純にボディー側、ドア側に受けをつくって、そこに金属線で固定する形式にしたいと思います。

まずはボディー側から。

直径1.4ミリのプラ棒に0.8ミリの穴を開けて金属線の受けを作ります。穴は貫通させないように注意します。

実車はもう少し上側に取り付けられていますが、開閉のしやすさを考えるとこれくらいの方が良いでしょう。

ドア側にも同様にしてプラ棒で自作しました。

実車の受けとは形状が違いますが、機能を重視します。

金属線をはめ込むとこんな感じ。

もちろん、金属線は伸縮しませんので、取り外しすることになります。

両方のドアを固定してみました。

関係するすべてのパーツを取り付けて最終的にはこんな仕上がりになりました。

これでドアの調整は終わりとします。

ドアを開けるのに、若干コツが必要ですが、目標にしていた開閉仕様にできました。

ドアのルーフ側のヒンジパーツですが、このままだとすぐに抜けてしまうので、プラバンを先端に接着し、ストッパーを作りました。

取り外しができるように小さく作るのがポイントです。

さて、前回の懸案事項でした干渉する部分を超音波カッターで切断しました。

あまり切り込みすぎると、今度は裏側のパーツが切り離されてしまうので、そうならないぎりぎりのところで止めておくのがポイントです。

ようするに、切り込みすぎないように注意しましょう。

反対側は、ドアの内張パーツがあるので、ボディー側と干渉する部分を確認しながら切断していきます。

写真のようにこれくらい削り取ってあげたら干渉しないようになりました。

このままだと見た目が汚いので、内張パーツの内側からポリエステルパテを盛って乾燥させます。

硬化してから形状を整えていきたいと思います。

 

 

2013.12.10(火曜日)

ボンネットのパーツを仮組みしたときに、ちょっと気になったのが、この段差。

ツライチになりません。ボンネットの方が低くなってしまいます。

ここはツライチにしたいところ。

少々加工します。

ボンネットパーツの周辺をすべてカットしてしまいます。

そしてツライチになるように調整して、パーツの裏にプラバンの爪を付けて

後から取り付けられるようにしておきます。

先日、パテを盛っていたドアの内張パーツ。

1週間くらい放置しましたが、ぜんぜん硬化してくれません。

古いポリエステルパテを使用したので、消費期限が過ぎてしまったようです。

仕方がないのでパテを取り除いて、別の方法を考えたいと思います。

最近はあまり見かけない大容量のポリエステルパテ。

購入したのが、もう10年くらい前です。

私のようなキット1台につき少量のパテしか使わないユーザーにとっては、120gは多すぎです。

最近は、40gの容量のものが発売されているので、今後はそちらを購入しようと思います。

もったいないですが、このパテは廃棄処分することにします。

さて、仮組みも一通り終わり、最後に気になったのが車高です。

ちょっとレーシングカーとしてはこの車高、高すぎです。

F1マシンやGTマシンは、地上すれすれの車高にセッティングされているはずですが、このキットは一般の市販車なみの車高になっています。

定規をあててみると6mmもありました。

実車に換算すると約15cm。

一般の市販車を作るのであればこれぐらいでも有りですが、レーシングカーを作るので、ここは少し車高を下げたいところ。

どうやら、タイヤが異常にでかいようです。

何もいじっていない状態でホイールハウスギリギリの寸法でタイヤが収まっています。

このままでは車高を下げる余地がありません。

タイヤをタミヤのGTカー用のものに変更しようとも考えましたが、タイヤは大きい方が迫力があって格好いいのでこのまま使用したい。そうするとサスペンション関係の足回りをいじって車高を下げるしかありません。

とりあえず、ホイールハウスのパーツを取っ払ってみました。

だいぶタイヤとボディーの隙間ができたので、これでしたら車高を落とすことができそうです。

さて、どのように車高を落とそうか、少し考えたいと思います。

今回のキットは、なかなか手がかかるキットです。