2004東京国際マラソン  2月8日(日) フル(20kmでタイムアウト)

 東京国際マラソンに初めて出場したのは1997年。以後韓国に長期出張して出場できなかった1999年を除いて毎年参加しているので7回目の参加となります。自分にとっては年間でも最重要レースであり、夏のトラックレースや秋のハーフマラソンは、冬の東京のためと言ってもいいでしょう。ハーフなら1時間10分、フルなら2時間30分、これを2年と空けずに出さなければならない緊張感もまた年間の練習にメリハリをつけてくれます。
 さてその東京も最初の3回までは2時間27分、29分、25分と3回続けてサブ30を切った相性のいい大会でしたが、その後は一転DNF、2時間34分、タイムアウトと後半3回は相性の悪い大会に変わってしまいました。今大会はというとどうもポイント練習段階からキレのある動きがあまり見られず、恒例の札幌つどーむの20km走、道外に行ったついでに行った30km走も20km関門突破に必要なキロ3分30秒の壁が例年以上にきつく、中には設定した距離さえこなせないことが多々ありました。これは過去にはなかったことで、不安を抱えたままの東京入りとなりました。
 練習の裏打ちがないならあとは神頼みというか仏頼み、過去に当たっている浅草の浅草寺に必勝祈願に出かけました。実は浅草寺に初めて行ったのは確か大学2年生の時の全国教育大大会で東京に行ったときに始まり、この時は初めて行って「明日の大会で自己新が出ますように」とお祈りしたら次の日10分の1秒ですが、800mで自己ベストが出ました。ちょうど年号が昭和から平成に変わった翌日にも浅草寺に行っており「どうか駅伝で勝たせてください」とお祈りしたら本当に全日本大学駅伝にも行くことができました。忘れもしないのは初めて2時間26分を切った前日も「どうか(26分を切って)福岡に行かせてください」とお祈りをして225円のお賽銭をしたら本当に翌日その通りになりました。それが自分の浅草寺詣でにつながっているようです。 ただし、思い通りにならないこともあります。浅草寺ではおみくじですでに2回「凶」をひいてます。うち1回その年は自己記録がほとんど出ませんでした。
 前日「どうか2時間30分切れますように」とお祈りしてから、境内のおみくじをひくとなんと「凶」をひいてしまいました。書いている内容?いいことが書いている筈はありませんでした。

 前置きが長くなりましたが、レース当日。午前6時30分に起床。ホテルの近所を20分くらいゆっくりジョギングして体をほぐし、スタート3時間30分前におにぎり2個とパスタ、そして今回の秘密兵器しゃぶしゃぶもちを食す。このしゃぶしゃぶもち、うす型で熱湯につけただけで柔らかいもちになるスグレモノ。いつもは甘い大福を泣く泣く食べてましたが、今回は味噌汁に入れて雑煮状態(^_^)
 今回はソンス妻が応援として同行していたのですが、「スペシャルドリンクを競技場まで持っていってあげよう」との有難い言葉。スペシャルドリンクの提出はスタート2時間40分前までなので早くから競技場入りしなければならないけど代理が持って行ってくれればレース1時間半前までに競技場入りすれば良いわけでその分、部屋でゆっくりできて助かりました。
 予定通り1時間半前に競技場入りし、1次点呼の後にウォーミングアップ開始。流しを数本入れるも、スピードが出ていない割には脚にだるさを感じる。アップが軽いといってマラソンのタイムが良くなるかといえばそうでもないので、そのときはあまり気にしませんでした。
 12時10分に一斉スタート。調子が良くないのは自覚しているので省エネ走法、急加速・急発進しないよう心がけて1周目は84秒とゆったり目の出だしとなる。1周してすぐアウトコースに招待選手の黄色いナンバーカードの選手が見る見る抜いていくのが見えました。そうNTTの清水選手で後でスタートで転倒のアクシデントがあったようです。1kmは3分25秒くらいの通過でまずますの出だし。
 2週と3/4して国立競技場を後にする。例年だと競技場を出てからは自分のつくべき集団を求めて抜いたり、抜かれたりということが多いようですが、今年はなぜかあまり動きがないような感じでした。10度くらいで直射日光もあるので皆、自重したのかもしれません。
 3kmは10分19秒。ここから四谷の下りが始まり、集団が形成されつつあるようで、縦長だった選手の列がだんだん集団の塊に分かれてくる。昨年はこの時点で5名くらいの集団だったのに対し、今年は周りをみてもその3倍以上はいるような選手団がペースを上げ下げするでもなく淡々と走っているのでなんとか自分も流れについていくようにしましたが、その時にはいつもより呼吸が荒く、動きもぎこちないかなと感じていました。5kmは坂を下りて17分3秒の通過。例年でも16分台で通過することはあまりないので滑り出しとしては上々。 ただし5kmでのスペシャルの給水は失敗し、ゼネラルテーブルの水を飲みました。今回はゼネラルテーブルは水しかないので糖分の補給からすればスペシャルが取れないとダメージは大きいのかもしれませんが、まだ序盤ということで精神的なダメージもなかったです。
 6kmの東京ドーム付近はこのコースでも最もギャラリーの多いところ。ただ不思議に沿道の声援が自分の耳にあまり聞こえてきませんでした。これがレースに集中していたのか?それともいっぱいいっぱいで余裕がなかったのか?この時点ではまだレースに集中できていましたがこれものちほど6km後には明らかに後者のほうに変化します。6km過ぎから1km毎に時計をチラチラみるとどうも1キロ3分30秒のペースに乗っちゃったみたいでこの集団の状況なら遅れない限り20kmの関門を通過できそうな期待感が頭をよぎります。その時は序盤のぎこちなさも取れて体もほぐれていました。10kmは地下鉄日比谷駅付近、34分27秒で通過。今度はスペシャルドリンクを取ることができました。ここで穏やかだった集団の流れも徐々に動いてきます。が、調子が良かったのもここまで。例年増上寺付近を通過する13km地点は自分にとって東京国際マラソンの第一の関門です。今までハイペースで押してきた疲れがここで出てきますが、今年はモロにペースダウンという形になって表れました。右膝裏から太ももにかけてバネがなくなったような感覚でした。このペースダウンで集団の中団から一気に最後方、そしてただ一人あっという間に取り残されました。抜かれてみて初めて「こんな大集団だったのか」と驚きました。ちょうど芝公園のあたりはソンス妻が応援すると予告した場所であったが、声援がかろうじてわかっただけで反応することも見つけることもできません。このままずるずる遅れてはまずいと、ここで早くもムチの入った走りになってしまいました(まだ早いよ)。田町の第一京浜に入るところで一旦集団に追いつき15kmは52分00秒。すぐまたスペシャルのテーブルが待っています。しかしここでもまたスペシャルドリンクを取ることに失敗。いつもならレース終盤に疲労して取れないことはあるけれど、前半からこれだけ給水に失敗するのも初めての経験です。
 せっかく追いついた集団にも給水後を境にまたじわじわと離され始めました。品川を過ぎ、八つ山橋の上りにさしかかると集団はもう50m以上前離れていました。おまけにここから風が明らかに向かい風になっているのを感じました。残り4km弱、20km関門に引っかかるかもしれないとこの頃考え始めました。残り2km手前でIAUのウルトラマラソンでも一緒だったのむらさんが追いついてきました。まさかこんなところで関門突破をかけた争いをするとは。。。残り2km、時計を見たら関門通過まで6分53秒。のむら選手はここで1人の選手を従えてロングスパート状態。自分はみるみる離されている。残り1km、関門閉鎖まで3分18秒。この1kmは3分35秒かかっているだけにこのタイムはちょっと厳しいか?大集団は先にある緩い左カーブを曲がって見えなくなっていました。自分もカーブを曲がってちょっと先を見ると係員が関門閉鎖を告げる表示を手にしており、前にいた選手が走路から歩道に上がる姿が見えてきました。自分も事情を飲み込むとちょっと力が抜けた走りになりましたけど、20km通過後に腕時計のスイッチを押して歩道に上がりました。1時間10分31秒にて失格にてレースは終了しました。

 最後は反省タイムといきましょう。走れなかった原因を考えてみると
1.スピードの不足
 1月にインターバル練習をしても3分18秒がやっとだった。これでは5000mでもやっと17分を切れる程度。それを入りの5kmを17分3秒で入るのだからオーバーペース(でもこのペースでいかないと20km通過はまず不可能)。ちょうどハーフマラソンでも15km手前が一番苦しい地点なのでペースダウン地点がハーフと一致する。つまりはこのペースだとハーフまでしか持たないことになるでしょう。
2.テーピングの失敗
 ここ数年来、3km地点くらいから右ひざの動きが悪くなり、着地の際に足の指がきちんと地面をつかむ走りにならず痙攣に似た感じが出てきている。いろいろ試行錯誤して対処してますが、今のところテーピングでその部位を固定することしか思いつきません。今回もひざの周りと足底、足の指の付け根をぐるっと巻き、五本指ソックスの上からさらに一週とめちゃくちゃな貼り方でした。血行悪くなっていたかもしれませんね。
3.完走への意欲
 20km関門突破という目標だけじゃだめでした。集団にくらいついて絶対完走の意欲がなければ。。。
 
 次のびわ湖ではこれらの点には注意して走りたいです。   

おみくじ マラソンゲート
うわーっ「凶」が出た 前日のマラソンゲート
スタート直後 電光掲示板
スタート直後 ナンバーカード・名前と所属が電光掲示板に出ます