第30回記念大会 洞爺湖マラソン2004 5月23日(日) 2時間36分32秒=4位

  昨年に引き続きの参加になる洞爺湖マラソン。この時期は地元でもトラックの大会があったり、このあともレーススケジュールがけっこう混んでいたりと、この時期のフルマラソンはちょっと、なんて思ったりもするけど、洞爺湖一周、キラキラ輝く湖面と噴煙たなびく有珠山&昭和新山、遠くに見える羊蹄山の抜群のロケーションと街を挙げて大会を盛り上げている雰囲気のこの大会は、そんな雑念を吹き飛ばしてしまうくらい魅力ある大会です。昨年は翌月のサロマ湖100kmのペース走の一環だったけど、今年はズバリ記録狙いのレース。春先から例年になく5000mや10kmでうまい具合に走れていたのと、3月のびわ湖までの走り込みのスタミナがうまくミックスできるかなとの淡い期待があったため。ただし30km以上のロング走はまったくしていなかったので記録狙いが望めなくなった時点で頑張り過ぎないようペースダウンすることを考えていました。で、記録狙いとのペースとは?キロ3分30秒。5kmを17分半で行けるところまで行くという作戦。4日前の一人でやった10000m走で34分35秒だったので20kmまではキロ3分30秒のラップは刻めそうだなとの自信がありました。そのレースをスタートする前までは。。。
 今回はソンス妻も同行しました。付添い&湯治です。せっかくの洞爺湖温泉ですから前夜に開催される花火大会もしっかり見ました。ところがその花火見物に水を差す第1のアクシデント発生。ユニフォームを忘れてきてしまいました。幸いランパンは練習用を持参してきたのですが、シャツはTシャツのみしかもこんな時に限ってけっこう重めのTシャツだったりします。一応、その中で軽そうなものにナンバーカードをつけましたが、なんとも前途多難な前夜です。確か例年出店が出るのでそこで購入しようと気分を切り替えて早寝でした。
 翌朝、起きてみると霧かかった曇りの天候、これならTシャツでもいいかなと思ったら時間の経過とともに陽の光がさし始めてホテルをチェックアウトする時点では快晴になってました。これならランシャツを購入しなきゃいけないな。会場に着くと早朝札幌を出発したネットランナーの選手も集結して、しばし挨拶や情報交換。そして自分は出店でランシャツの購入へ。「上下1000円、G○NAの相当古いモデルだけど安いぞ!」と興奮してよく見るとレディース。できることならランパンは持ってきたからランシャツだけでいいと思って無造作に積み上げられた箱を除くとFS社製のランシャツがなんと半額。早速色合いがランパンに合う1着を購入してナンバーカードを付け替えました。スケスケメッシュセクシーランシャツ(注:命名パパさん)での出走です。
  9時40分にフルマラソンの部の選手が洞爺湖湖畔の遊歩道を一斉スタートします。スタートして昨年の1・2位の選手が飛び出しました。実力的に彼らは5キロ17分そこそこでフルを走りきる選手なのでいくら前半飛ばすという目論見でも危険な賭けですので、次の集団でと思ってましたが、1kmくらいの温泉街の通りに出ると自分がその次の集団を引っ張ってました。しかしその時点で早くも右足のふくらはぎに違和感を感じてました。そう、思い当たる節がありました。4日前の10000m走の疲労が抜け切っていなかったようです。あの時は10000mの前に学生と400mを5本70秒を切るペースもあって今の自分にはかなり筋肉を刺激する内容でした。その2、10000mのラストも最後は流さずにスパートをかけてしまいました。その3、1週間前に10kmのレース、4日前の10000m、刺激は2本も必要なかったということです。
 折り返しまでの上りはそうでもなかったのですが、下りになるとふくらはぎの違和感は軽い痛みに変わってました。痛みはサロマ湖のウルトラマラソンの時の軽い肉離れと痛みが似てるように感じました。5kmの通過は18分26秒。目標とするペースからは1分悪いタイムです。この時点で記録狙いは完全に終わりました。いや一番弱気になったのは5km地点。このまま痛みがひどくなれば、湖一周37kmは長すぎるのでスタートラインを再び通る6kmくらいでやめてしまおうかと考えたくらいです。5kmを過ぎ、再び遊歩道に入るとそれまで引っ張っていた第2集団から完全に引き離されて差がだんだん大きくなってきました。スタート地点を通過するところが一番応援の多い地点です。周りから「頑張れ」と声をかけられると、せっかくここまで来たんだし、脚に負担がかけぬよう40km走だと思って、気楽に走ることに方針転換。10km手前で後ろの集団が追いついてきました。10km通過は36分41秒(18分15秒)。
 若干の下りと追い風のせいかペースは上がっていました。集団内では14km地点の上り坂で脚がしっかり蹴れるかどうか確認したかったのでちょっと前に出た以外は後方待機でした。上りはいいとして下りでペースが上がった時には痛みがありましたが、平坦になればまたペースが元に戻るので心の中では「助かった」とほっと一息。この地点は小刻みなアップダウンが続くものの、木陰が日光を遮りひんやりするくらいの森の中で爽やかなランニングでした。15kmは55分25秒(18分44秒)。
 ここを過ぎ集団から1人が脱落して3人の集団に。仲洞爺のキャンプ場付近の20kmは1時間14分21秒(18分56秒)とペースダウンしているが、集団の流れに身を任せているのでペースは全然気にならなく、むしろレースを楽しむような余裕が出てきて、今思えば時々痛みはあったけど、ランニングハイになっていたのかもしれません。給水担当の高校生の雰囲気もアットホームな感じです。給水に近づくと「おじさん、こっち、こっち!」と紙コップも手渡しです。おじさんって俺のこと?と思いつつも苦笑い。
 中間点は1時間18分24秒、途中で老人ホームの人たちが並んで応援してくれるのも嬉しく、片手でちょいと手を挙げて応援に応えました。25kmは1時間33分7秒(18分46秒)と18分後半に落ち着いてきて体もそのペースに慣れてきてました。このまま行って集団から離されるよりは、ここまで来たのだからひとつでも上位でゴールしたいと欲が出てきました。幸いにもここまで10km以上引っ張ってもらったのでかなり力も温存していました。頭の中ではレベルに違いはあれ大阪の坂本選手のようなスパートをイメージしてました。ここでも頭の中が完全にハイになった状態でした。
  30km関門の少し手前で少しづつピッチを早めて集団の前に出ました。30kmは1時間52分6秒(18分59秒)。前の集団から落ちてきた福岡のK選手が見えてきました。Kさんはサロマ湖、台湾のワールドカップと一緒に走った方です。そしてペースを上げても集団から1人の選手が付いてきてました。34km付近でしょうか、だんだんK選手が近づいてもう少しで抜けるかなとつま先に力を入れた瞬間にまたふくらはぎに鈍い痛みが走りました。一瞬痙攣かと思ったほどのショックがあって一瞬立ち止まった感覚になり、すぐゆっくりジョギングに入りましたが、ヒヤッとした瞬間です。この時にあっという間に10数メートル差が開きました。また痙攣が来るのかなと恐怖感がありながらもジョギングのペースはだんだん普通のペースに戻ってきました。そして今度はつま先に力を入れないよう、右足はかかと着地で足の裏全体でキックする走り方に変えるとふくらはぎの痛みはかなり軽減され、一度は開いた前2人との差が縮まりまた集団の前になりました。35kmは2時間10分33秒(18分27秒)。
  35kmの給水で賭けに出ました。給水を取らずにスパート。一瞬差がついて決まったかなと思いましたが、また後ろの足音と息遣いが大きくなってきました。そしてまたつかれた時に2回、3回とペースを上げ下げしてなんとか残り4〜5km地点で後ろを振り切ることができました。これでゴール直前での競り合いを避けることができるかなとひと安心。40km手前で湖岸の周回道路と分かれて再び国道に、この区間は序盤の5kmまでの区間と重複してます。序盤はけっこう絶望的雰囲気だったけど、40kmをうまくまとめきれたなと安堵感でいっぱいでした。40kmは2時間28分29秒とこの区間では唯一17分56秒と17分台のラップを刻み、何度も後ろを振り返り差を確認して2時間36分32秒で無事ゴールすることができました。
 当初の予定では30kmまではレースをして残り12kmは踏ん張る予定でしたが、実際は30kmまで我慢して残り12kmがレースになってしまいました。アクシデントが2つもあって今後の準備のしかたや調整の教訓になりました。反省点の多いレースでしたが、あえて収穫を書くならスタミナ切れがなかったことぐらいかな?
 レース後はドリンクを配っている高校生のところに行って、氷をもらってのアイシングです。本当は洞爺湖に脚を浸してみたかったけどゴール付近は遊覧船の発着する桟橋なんで、脚をつけたらドボンしてしまいそうなので。冷やしたあとは速やかに温めること。この大会は洞爺湖温泉のいくつかの旅館の無料入浴券がついています。結局、近いので昨晩泊まったところと同じ旅館で入浴して気分も爽快でした。これにビールがあれば言うことなしなんですけど。
 帰りの車中は夕方の便で離道する福岡のK選手夫妻と今大会の優勝者のH選手と一緒でした。2時間弱の車中でしたけど、いろいろ走りに対する考えを聞かせてもらい、眠くならずに運転できました。その中でこの大会は自然豊かですごくいい大会だとお褒めの言葉を頂きました。道産子としても誇らしく嬉しく思いました。
 翌日は筋肉痛よりも肩の周りが日に焼けて痛いのなんのって。スケスケランシャツ効果なんでしょうか?

スタート 洞爺湖 ゴール
スタート地点風景 洞爺湖と遠くに羊蹄山 ソンスのゴール(ぽん太さん提供)

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