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AH-1W Super Cobra

AH-1W Super Cobra
AH-1Wスーパーコブラ攻撃ヘリコプター

SPECIFICATION
 ◆回転翼直径:14.63m
 ◆全長:17.68m
 ◆胴体全長:13.87m
 ◆全高:4.32m
 ◆自重:4,630kg
 ◆全備重量:6,690kg
 ◆最高速度:270km/h

 1960年代、米陸軍はヘリボーン作戦において輸送ヘリ(スリック)を護衛する攻撃ヘリ(ガンシップ)を必要としていた。この要求に応え、ベル が自主開発したのがモデル209、後のAH-1ヒューイコブラである。
 最初の量産型であるAH-1Gは1967年に就役を開始、同年中には戦火渦巻くベトナムに投入され、護衛、偵察および攻撃任務に尽力した。その後、100機前後のG型はTOW対戦車ミサイル発射能力が与えられたAH-1Qに改造され、75年には機動力が向上したAH-1Sが登場、AH-1G、AH-1Qの全機がS型仕様に改造されたほか、新規に100機のAH-1S(後にAH-1Pと改称)が生産された。AH-1Sは後に能力向上型のアップガンAH-1S(後のAH-1E)、モダナイズド・コブラ(近代化コブラ)型AH-1S(後のAH-1F)に発展し、88年までに在籍機全機がAH-1Fと呼称を改めた。わが国の陸上自衛隊もこのAH-1Fと同等の能力を有したAH-1Sを装備しているが、米陸軍のAH-1Fは2001年の10月までに全機が退役した模様である。
 ところで 米海兵隊 は1969年以降、米陸軍から少数のAH-1Gを譲り受けて使用していたが、71年からは海兵隊専用モデルであるAH-1Jシーコブラの配備が始まっている。AH-1Jの陸軍型との相違点は、双発エンジンを装備し、機首ターレットにガトリング式機関銃ではなく、M197回転式20mm機関砲が採用されている点などが挙げられる。また、77年に就役したAH-1Tは胴体が延長されたモデルで、後にTOWの発射能力が付加されている。
 現在の主力は1986年に配備が開始されたAH-1Wスーパーコブラである。AH-1Wはエンジンが従来のT400からT700に換装され出力が大幅に向上、兵装もTOWやヘルファイア対戦車ミサイルに加え、サイドワインダー空対空ミサイルの搭載が可能となっており、新装された電子機器と合わせてその名に恥じない重武装ヘリとなっている。また、AH-1Wにグラス・コックピットを導入、従来機に比べ航続距離で3倍、兵器搭載量で2倍に強化された改良型、AH-1Zへの改修計画も進行中である。


AH-64A Apache

AH-64 Apache
AH-64アパッチ攻撃ヘリコプター

SPECIFICATION
 ◆回転翼直径:14.63m
 ◆全長:17.76m
 ◆胴体全長:14.68m
 ◆全高:3.86m
 ◆自重:5,165kg
 ◆全備重量:9,526kg
 ◆最高速度:295km/h

 米陸軍 が1972年に公示したAAH(先進型攻撃ヘリコプター)計画に対応して提出された5社の候補案のうち、73年に国防総省はベルYAH-63とヒューズ(後のマクダネル・ダグラス、現・ボーイング )YAH-64をAAH候補として選定、2社による競争試作の末、76年12月にYAH-64が勝利したことが宣告され、米陸軍への制式採用が決まった。
 綿密な飛行試験の末、実際にAH-64Aの生産が開始されたのは1983年のことで、実戦配備に至ったのは86年のことである。本機の総生産機数は827機で、その内試作機6機を除く821機が96年までに米陸軍に納入されている。また、それとは別に116機のAH-64Aが生産されており、97年までにエジプト空軍、ギリシャ陸軍イスラエル空軍 、サウジアラビア陸軍およびアラブ首長国連邦空軍に就役している。わが国の 陸上自衛隊 も、AH-1Sの後継として間もなく導入を開始する見込みである。
 本機が世界最強の攻撃ヘリとも呼ばれている所以は、夜間、悪天候時を問わずピンポイントに攻撃を加えることが可能な点にあり、これは機首に搭載されたTADS/PNVS(目標捕捉指定照準装置/パイロット用暗視センサー)によって実現している。また、サバイバビリティにも重点が置かれており、機体は23mm機関砲弾の被弾に耐え得ることを前提とした装甲が施されているほか、「ブラックホール」と呼ばれる赤外線放射抑制装置を備え、敵地上部隊の赤外線誘導ミサイルの脅威にも対処している。無論兵装も強力で、機首下面のM230チェーンガンに加え、機体側面にAGM-114ヘルファイア対戦車ミサイル、ハイドラ70ロケット弾を搭載することができ、敵機甲部隊に対しては比類なき攻撃力を誇っている。


AH-64D Apache Longbow

AH-64D Apache Longbow
AH-64Dアパッチ・ロングボウ攻撃ヘリコプター

SPECIFICATION
 ◆回転翼直径:14.63m
 ◆全長:17.76m
 ◆胴体全長:14.97m
 ◆全高:4.95m
 ◆自重:5,352kg
 ◆全備重量:10,110kg
 ◆最高速度:260km/h

 AH-64Aは既に卓越した能力を有する攻撃ヘリであったが、現在は近代化の改良が加えられたAH-64Dへの改修が進められている。また、それとは別に、ローター・ヘッド上部にロングボウ・ミリ波レーダーを搭載したAH-64Dアパッチ・ロングボウが開発されている。
 AH-64D(以降のAH-64Dは全てアパッチ・ロングボウを指す)は、同機に装備されているロングボウ・レーダー、AGM-114Lヘルファイア・ミサイルおよび新装されたアビオニクスが統合することによって、探知した敵目標のうち、脅威の度合いの高い16目標に対して優先順位を指定、全ての目標に30秒未満で正確な攻撃を加えることが可能である。また、本機はAH-64Aよりさらに優れた全天候性能を持ち、低空の遮蔽物に隠れたまま目標の捜索もできるため、非常に生存率が高い機体となっている。
 実際、1995年に実施された 米陸軍 の運用試験において、6機のAH-64Dの試作機は明確にその実力を実証している。試験結果によると、AH-64Dの敵目標の撃破数はAH-64Aの4倍、生存率で7倍の実績を残したのである。
 ボーイング は2002年までに232機のAH-64Dを米陸軍に納入する予定である。また、ロングボウ・レーダーを装備しないAH-64Dを オランダ空軍英陸軍ウエストランド WAH-64D)が導入しており、イスラエル空軍 もD型への改良を進めているほか、シンガポールもアパッチ・ロングボウを購入する見込みである。


UH-1N Huey

UH-1 Iroquois
UH-1イロコイ汎用ヘリコプター

SPECIFICATION
 ◆回転翼直径:14.69m
 ◆全長:17.46m
 ◆胴体全長:12.92m
 ◆全高:4.39m
 ◆自重:2,800kg
 ◆全備重量:5,080kg
 ◆最高速度:240km/h

 1955年、米陸軍 の次期汎用ヘリコプターの審査において、ベル の設計案、モデル204が採用された。これが後にベトナム戦争で兵員輸送および負傷兵の後送に大活躍した傑作汎用ヘリ、UH-1である。
 試作機はXH-40という名称で米陸軍に引き渡され1956年に初飛行、59年から量産型のHU-1Aの納入が開始されている。このHU-1という型式名に由来した「ヒューイ」という愛称の方が、62年に命名方式が変更されUH-1と改称された現在に至っても、正式名称の「イロコイ」よりも一般的に知れ渡っている。
 HU-1A(UH-1A)182機に続き、1961年からはキャビンが拡大されたHU-1B(UH-1B)が1,014機、63年からはさらに大型化されたUH-1Dが2,008機、調達順序が入れ替わってしまっているが、B型よりも燃料搭載量が増加したUH-1C(一部は暗視装置を搭載したUH-1Mに改造)767機が65年から納入を開始している。
 1968年から76年にかけて、UH-1Dのエンジン換装型であるUH-1Hが5,435機引き渡されたのを最後に、米陸軍向けの単発エンジン型UH-1の生産は終了している。UH-1Hの一部は全天候性能を備えたUH-1Vに改造されているが、90年代から米陸軍はUH-1を大量に退役させており、間もなく全機が陸軍基地から姿を消す模様である。
 また、米空軍 では1964年からUH-1F(一部は秘密心理戦用UH-1Pに改造)を120機、訓練用機体のTH-1Fを26機、70年代には救難ヘリとしてHH-1Hを30機導入しており、現在は双発エンジンのUH-1Nが就役中である。さらに 米海兵隊 でも64年から192機のUH-1Eとその練習機TH-1E 20機を導入、空軍と同じく現在はUH-1Nを装備しているほか、米海軍 でもUH-1Nおよび捜索救難型のHH-1Nを装備しており、これらN型のUH-1は2008年3月以降、14年までに全機が後継のUH-1Yと入れ替わる予定である。
 UH-1は数多くの国の軍隊で使用されており、わが国の 陸上自衛隊 も1973年からUH-1Hを、93年からは夜間飛行能力が向上したUH-1Jを導入、現在も活躍中である。


UH-60L Black Hawk

UH-60 Black Hawk
UH-60ブラックホーク汎用ヘリコプター

SPECIFICATION
 ◆回転翼直径:16.36m
 ◆全長:19.76m
 ◆胴体全長:15.26m
 ◆全高:5.15m
 ◆自重:5,220kg
 ◆全備重量:9,980kg
 ◆最高速度:295km/h

 1972年、米陸軍 はUTTAS(汎用戦術輸送機システム)の提案要求を公示した。UTTAS構想で求められていたのは、UH-1の後継機となり、機動性、多用途性、整備性、信頼性、サバイバビリティなど全ての点において、同機を上回る能力を持っていることであった。具体的には、分隊単位の兵員が輸送できること、メインローターは23mm弾の被弾に耐え得ること、C-130で1機、C-141で2機、C-5で6機が搭載できるコンパクトさなどが要求されていたのである。
 1976年、シコルスキー YUH-60Aは、ボーイング・ヴァートルYUH-61Aとの競争試作に勝利し、米陸軍に制式採用されることが決まった。量産型のUH-60Aは78年に納入が開始され、翌年に実戦部隊への配備が行われている。A型は89年までに985機が生産され、その後はエンジンが強化され搭載量が大幅に増加したUH-60Lの生産に切り替えられている。現在、これらA型およびL型のUH-60に近代化の補修を施し、新造機および1,200機の既存機を改修したUH-60Mを製造する計画が進行中である。
 なお、本機には多くの派生型があり、米海軍や米空軍でも使用されているが、米陸軍向けにもいくつかの派生型が存在する。
 一つは、UH-60Aを改造、クイック・フィックスIIB方向探知・受信および通信妨害装置を搭載した電子戦機タイプである。試作機のYEH-60Aは1981年に初飛行、87年からEH-60A(後にEH-60Cと改称)の納入が開始され、66機で改装計画は終了した。また、30機のUH-60Aは赤外線前方監視装置などを搭載した特殊作戦機MH-60Aに改造され、後に補助燃料タンクなどを取り付けたMH-60Lに改修、92年からは本格的な特殊作戦仕様が施されたMH-60Kが就役を開始している。このほか、負傷兵後送専用のUH-60Qの存在も確認されており、現在は同様の任務を最新型のHH-60Lが行っている。
 UH-60の輸出型はS-70という名称で呼ばれ、各国の軍隊に就役しているが、わが国の 陸上自衛隊 も1998年から 三菱重工業 がライセンス生産するUH-60JAを装備しているほか、救難機UH-60Jが 海上自衛隊航空自衛隊 に採用されている。

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Photo Copyright : U.S. Army, U.S. Marine Corps, Sikorsky Aircraft Corp.