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CH-46E Sea Knight ◆回転翼直径:15.24m ◆全長:25.40m ◆胴体全長:13.66m ◆全高:5.09m ◆自重:5,630kg ◆全備重量:9,710kg ◆最高速度:270km/h |
1960年、米海兵隊 はヴァートルが開発したモデル107-IIを、HUS-1の代替となる中型ヘリコプターとして採用、同機のエンジンを換装したモデル107M(HRB-1、62年以降CH-46Aと改称)の量産契約を、同年にヴァートルを吸収合併した ボーイング と結んだ。 最初の量産型であるCH-46Aは1962年に初飛行、65年から米海兵隊への就役を開始しており、最終的に160機が製造された。その後、エンジンが換装された226機のCH-46D、アビオニクス強化型のCH-46Fが174機引き渡されたほか、米海軍 向けにもCH-46Aと同じ機体であるUH-46Aが14機、CH-46Dと同様のUH-46Dが10機製造され、71年までに全機が納入されている。なお、米海軍は、調達、改造、あるいは米海兵隊から譲り受けたCH-46DおよびUH-46Dを、Vertrep(垂直輸送任務)用ヘリとして運用しているほか、少数の捜索救難型HH-46Dを保有しているが、間もなく全機がMH-60Sナイトホークに代替される予定である。また、CH-46Aと同等仕様である6機のCH-113が カナダ空軍 で採用されたほか、カナダ陸軍 もCH-113Aの名称で12機を導入している。わが国も 川崎重工業 のライセンス生産するモデル107-IIを、陸海空すべての自衛隊が装備していたが、現在は 航空自衛隊 が少数の捜索救難型V-107Aを運用するのみとなっている。 1975年以降、米海兵隊は旧式化したCH-46D/Fのエンジンを換装、機体構造を大幅に強化したCH-46Eへの改造を開始、300機以上がこの改修を受け、現在も239機が就役している。後継機であるMV-22の配備が遅れているため、本機はブルフロッグ計画などの近代化改修を受けつつ、今後もしばらくは第一線で活躍することであろう。 |
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CH-47D Chinook ◆回転翼直径:18.29m ◆全長:30.14m ◆胴体全長:15.54m ◆全高:5.77m ◆自重:12,210kg ◆全備重量:24,490kg ◆最高速度:285km/h |
CH-47は、ヴァートル・モデル114を原型に、ボーイング が開発したタンデム・ローター方式の中型ヘリコプターで、1965年から 米陸軍 への配備が始まっている。 CH-47はタンデム・ローターの特徴を生かし、胴体を最大限に活用した広い貨物室を備えており、後部ランプからの車両の積み降ろしや、最大で44名の完全武装した兵員の収容がスムーズにできる。本機はUH-1と同様、ベトナム戦争に主力輸送ヘリとして参加していたため大量生産されており、米陸軍は初期のCH-47Aを349機、1967年からはCH-47Bを108機、68年からは281機のCH-47Cを取得している。そのうち4機のCH-47Aは20mm機関砲や最大5挺の12.7mm機関銃、70mmロケット弾および40mm擲弾発射機を搭載したガンシップ型に改装され、ACH-47A“ガンズ・ア・ゴー・ゴー”として3機がベトナム戦線に投入されている。 その後、472機のA型〜C型にはエンジンの換装やアビオニクスの更新などの改修が施され、CH-47Dとして1982年から就役を開始しているほか、空中給油能力を与えられた特殊作戦型のMH-47DおよびMH-47Eも製造されている。 CH-47は米陸軍以外にも各国の軍隊で採用されており、オーストラリア陸軍(CH-47C、CH-47D)や イタリア陸軍( アグスタ ETM-1)、英空軍(HC.1、HC.2およびHC.3)などが導入しているほか、わが国の 陸上自衛隊 も 川崎重工業 がライセンス生産するCH-47JおよびCH-47JAを配備している。 |
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OH-58D Kiowa Warrior ◆回転翼直径:10.67m ◆全長:12.85m ◆胴体全長:10.48m ◆全高:3.93m ◆自重:1,490kg ◆全備重量:2,495kg ◆最高速度:235km/h |
1960年、米陸軍 が提示したLOH(軽観測ヘリコプター)の要求仕様に対して、ベル はモデル206の設計案をYHO-4(62年以降、命名方式の変更によりYOH-4と改称)として提出したが、ヒラー、ヒューズを交えた競争試作の末、63年に米陸軍はヒューズ・モデル369を選定した。同機は後にベトナム戦争においてOH-6観測ヘリとして活躍している。 さて、比較審査に敗れたベルであったが、同社はモデル206を改良、1967年から民間市場向けのモデル206Aジェットレンジャーの顧客への引き渡しを開始した。すると、68年1月に米海軍は、モデル206AをTH-13(ベル・モデル47)の後継となる訓練ヘリ、TH-57Aシーレンジャーとして採用、さらに同年3月には、米陸軍が再開していたLOHの審査でも勝利し、OH-58カイオワとして導入されることが決まった。 米陸軍は2,200機のOH-58Aを発注、初号機は1969年5月に納入され、同年中にベトナム戦線に参加している。同機は カナダ空軍 にも採用され、COH-58A(後にCH-136と改称)として就役しているほか、オーストリア陸軍 には12機のOH-58Bが引き渡されている。また、78年から85年にかけては、OH-58Aのエンジンを換装、キャノピーに反射光を減らす平板ガラスを装備、排気口には赤外線放射を抑制する「ブラックホール」が取り付けられたOH-58Cの米陸軍への再納入が行なわれている。 1981年、米陸軍はAHIP(ヘリコプター能力向上計画)において、OH-58A/Cを大幅に改造したOH-58D(ベル・モデル406)を選択した。OH-58Dはローターが4枚に増やされ、支柱上に赤外線センサーなどを内蔵した照準器「MMS(マスト・マウンテッド・サイト)」が追加されているのが特徴で、85年から引き渡しが始まっている。その後、88年にはペルシャ湾でイランの高速哨戒艇を撃退する作戦に投入するため、15機のOH-58Dがヘルファイア空対地ミサイルなどの携行能力が与えられた「プライム・チャンス」仕様に改良され、後に全機が武装型のOH-58Dカイオワ・ウォリアに改修されている。さらに、81機のOH-58Dは緊急展開軍用のMPLH(多目的軽ヘリコプター)仕様に改修されている。 なお、OH-58Dは 台湾陸軍 にも採用されており、1993年から引き渡しが開始されている。 |
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RAH-66 Comanche ◆回転翼直径:11.90m ◆全長:14.28m ◆胴体全長:13.22m ◆全高:3.39m ◆自重:3,515kg ◆全備重量:4,587kg ◆最高速度:320km/h |
1982年、米陸軍 はUH-1、AH-1、OH-6、OH-58に代わる次期軽ヘリコプターを求め、LHX計画を提示した。当初、5,000機の調達を見込んでいたこの計画は、87年には2,096機に変更され、さらに90年には1,292機に減らされている。要求仕様を再三にわたって練り直した末、米陸軍は88年に提案要求書を公示、これに応じて提出された ボーイング / シコルスキー の設計案が、ベル/マクダネル・ダグラス案に勝利し、96年1月に初号機のRAH-66が初飛行した。 RAH-66は世界初のステルス・ヘリコプターで、ポリゴンモデルのような小平面を組み合わせた特異な機体形状をしており、メインローターにも特殊な最先端技術が採用されている。また、機体表面に電波吸収材や赤外線輻射抑制塗料を使用、兵装を機内に収容することでステルス性の向上が図られているだけではなく、その機体構造は複合材料の使用による耐弾性や、ダクテッド・ファン方式のファンテイルによる低騒音対策にも熟慮されたものになっている。 本機が搭載する電子機器は、当然のことながら最新のデジタル技術が採用されており、暗視装置や赤外線前方監視装置などの光学センサーはもちろん、搭乗員が着用するヘルメットにはHIDSS(ヘルメット内蔵表示・照準システム)が取り付けられており、昼夜を問わず高度な偵察・攻撃作戦任務を遂行することが可能となっている。 予算上、技術上の問題を多く抱え、RAH-66の配備計画は大幅に遅延しているが、本機は米陸軍のフォース21構想には欠かせない存在であり、実戦部隊への就役が完了した暁には、デジタル化した戦場で比類なき能力を発揮することであろう。 ※ 2004年2月、国防総省と米陸軍は本機の開発計画を終了することを発表しました。 |
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Photo Copyright : U.S. Army, U.S. Marine Corps |