伊豆大島 天気俚諺集

雨天予想
 1 利島の山頂に雲がかかっていると雨が近い。
 2 利島が雲でかくれると雨が降る。
 3 利島に笠がかかっていたら天気は下り坂。
 5 利島がはっきり近くに見えるときは天気はくずれる。
 6 富士山が近くに見えるときは雨になる。
 7 伊豆半島が近く見えたら雨になる。
 8 飛行機雲がはっきり見えたら雨になる。
 9 つばめが低く飛ぶと雨。
 10 かまどにススが多く付くと雨。
 11 かえるが鳴くと雨。
 12 うろこ雲は雨。
 13 蜘蛛が家の中に巣を作ると雨。
 14 真紅の太陽は雨。
 15 月や太陽が暈をかぶると雨。
 16 三原のおけぶが乳が崎になびくと雨。
 17 ボラが跳ねると雨になる。
 18 雨の降り出しは上げ潮。
 19 うみうし(あめふらし)を踏むと雨。

晴天予想
 20 利島が遠くかすんで見えるときは天気が良くなる。
 21 白い月は晴天。
 22 三原山が、朝、もやっていると晴れてくる。
 23 西の空が水平線に沿って黄色か緑色なら次の日は晴天。
 24 海鳥が沖に出るのは快晴無風の前兆。
 25 朝、蝉が鳴くと晴れ。

大島にかかる笠雲
 26 波浮神社の方の空が晴れていれば他がくもり雲でも雨は降らない。
 27 波浮先が明るいのはあてにならない。
   (曇りでも水平線の方が明るいとき島の上にだけ雲がかかっている。この雲は大島の
   上にかかる笠雲で、風に流されることはない)

台風
 28 いなさ(南東風)が吹くと台風が近い。(大島の風は北東と西よりの風が圧倒的に多い。
   南東の風は台風の時以外、ほとんど吹くことがない)
 29 虫が窓につくと台風が近い。
 30 台風がまともにくるときは海は穏やか。
 31 快晴でむし暑いときは暴風雨。
 32 蜂が低いところに巣を作る年は台風が多い。

時化
 33 南東の風で水平線上に立ち雲のあるときはシケがくる。
 34 たちぐも(立ち雲)がしたら明日は波。
 35 こびが出ると大シケになる。
    (太陽が水平線から昇り、およそ7割ほど現れたとき、太陽の周辺に虹のような光が
    見えることがありこれを”こび”という)
 36 赤い月は暴風雨。
 37 朝の雷は船乗りに注意。

大雨
 38 彼岸のうしろまえの大糞流し。
   (彼岸の前後は大雨が降る)

ならい(北東の風)
 39 ならいが3日吹くと翌日はナギる。
 40 朝ならい、昼こち、夕みなみ。または、朝ならい宵ごち。
   (海陸風)

ながし・はい(南風)
 41 盆ながし
 42 南風はバカが吹く。
   (小笠原高気圧の北の縁にあたるとき、夏の南風は容易に吹き止まない。
    神津島では「夏のながしは餓死のもと」という)
 43 五月ながし(5月は旧暦、島の南部と北部では同じ言葉でも意味が反対になる。
    南部では時化、北部では凪)
 44 五月しらはい(”しらはい”強い南風)

にし(冬の季節風が吹き出す。漁師にとっては一大関心事)
 45 西が晴れれば風が吹く。東がくもれば雨となる。
 46 正二月の手の裏返し。(急に季節風が吹き出す)
 47 富士山の雪が飛ぶと強い西の風が吹き出す。
 48 師走の八日吹き。
 49 西風が北風に変わるとき、突風が起こる。(冬の季節風は、中部山岳を迂回して伊豆
   諸島北部でぶつかり収斂線をることが多い。収斂線に沿ってできる積雲列を”ならいの
   土手”という。これが北に上がれば西風が、南に下がれば北東風が強くなる)
 50 雲に足がつくと間もなく風が吹き出す。
 51 秋から冬にかけて、雲がちぎれると上手(西風)になる。
 52 伊豆先がきれると西風が吹き出す。
 53 海が鳴ると西の風が吹き出す。
 54 冬季三原山の煙が泉津の方にたなびくときはシケ。
 55 夏の風は空を吹く。冬の風は海を吹く。

なぎ
 56 朝、北風のときにはナギになる。
 57 うばのしょ凪(春3月、姥の衆=おばあさん達が磯の海草や貝を採るようなうららかな凪) 
 58 ひよどり凪(初冬の好天・小春日和)
 59 よもぎのさきに船をつなぐ。(蓬に船をつないでおけるほどの凪)

冬晴れ
 60 寒のうちに雨が三日続くと猫の顔が三尺伸びる。
 61 夜露がおりると天気が続く。

うねり
 62 地波が立つと沖は波。

夕立
 63 大山かんだち(夕立)常南。
   (相模の大山方面に稲妻が見える様なとき、こちらはいつも南風)
 64 かんだちは馬の背を分ける。
 65 みなみ雨に馬鹿が濡れる。(南風の雨はにわか雨)

長期予報
 66 冬が暖かいと夏は冷夏。
 67 寒の内に雨が多いと土用の内にも雨が多い。
 68 寒中の雨は土用に3日降る。

天気予報
 69 朝ぐもりは晴れ、夕ぐもりは雨。
 70 夏沖秋山(夏は沖の方、秋は山の方が晴れていれば天気がよい)
 71 秋山春海

長続きしない天気
 72 雨風に貸借なし。
 73 卯の刻雨は間もなくやむ。
 74 釜雨(水たまりに泡ができるような大粒の雨)は間もなく止む。
 75 日いっぱいもの
 76 八月の風は宵越しを持たない。

噴火
 77 夕焼けが異常に赤いと噴火が近い。
 78 羽蟻のような虫が大量に飛んでいると噴火が近い。
 79 カラスが異常に多くなると噴火が近い。(1986年の噴火を経験した人にこの話をすると
   「そういえば、あの時カラスが異常に騒いでいた」、と言う人が多い)
 80 お山が焼ける。(火映現象)

参考文献 東京都立大島高等学校 紀要 第10号  1994.4
大島町史(資料編)(民俗編)


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