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( 9) エッセイ
                   1.

ネパールがラフティング天国であるということは意外に知られていない。そもそもラフティングという言葉自体を知らない人が多い。
  四季折々の自然を愛する日本人は元来「川くだりが」が好きで、近くは天竜川、木曽川、京都の保津川、熊野の瀞(ドロ)八丁、芭蕉の句で有名な東北の最上川そして遠くは九州人吉の球磨川などが古くから知られている。それらはいずれも2〜3時間の行程で、春秋の行楽シーズンともなれば酒酔い客でけっこう賑わっている。
  急峻な地形を有する日本のこと古来、急・緩・清流変化に富み風光媚な素晴らしい川も多かったが、近年は治水の堰、発電のダム等でずたずたにされたうえに、下水道の普及や生活雑排水等の流入で多くの川は半死半生、魚も棲めなくなってしまった。 と、まあそんな日本の川に愛想をつかしたわけでもないが、かねて望んでいたネパールの激流下りに出掛けたというわけである。
  このエッセイは私の住んでいる地域、町川田の公民館報「まちかわだ」 第83号(平成9年6月15日発行)に投稿したものです。写真は同じ年秋にカリガンダキ川を、上・中流域はラフトで、下流域は日本から持参したファルトボートで下った時のもの。 キャノンEOSで撮った写真をデジタルカメラで複写しましたので鮮明さに欠けますがご容赦下さい。
スン・コシ(黄金の川)を下って
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