兵力の集中 "concentration: standard of strategy"

戦略の基本は、決戦地点にどれだけ兵力を集められるかで決まるのだそうだ。「砂漠の狐」ことエルヴィン・ロンメル将軍も指摘している。どんぱちを始める前に戦場にどれだけ物資を集められるか、それで勝敗は決まっていると。(ついでにいえば、「砂漠のキタキツネ」氏はロンメルの言葉に従い、見事、勝利を収めており、有名な格言を残している。曰く「買わずに後悔するよりも買って後悔」)

「決戦地点」を見極める能力と、そこに必要と思われる兵力を判断し、集中させる能力をもたない者は、戦略的センスがないということになる。ディーラーでいえば、どのアイテムをどれだけ投入するか、という判断力だろうか。消費者でいえば、限られた予算のうち、何にどれだけを充てるか、である。また、イベントまでに予算を用意する能力も当然ながら問われる。

当日は新橋駅に7時に待ち合わせをして、AOIさんCARREYさん、そしてなみへい君と一緒に会場入り。なみへい君、会場で財布の中身を見せてくれたが、戦場に向かうオトコとして、戦略の基本を外していなかった。かつて、知人(オトコ)が「中洲で遊ぼうと思えば財布が曲がらないくらいに札を詰めておく必要がある」と豪語し、戦場に向かい、見事、玉砕を果たしたが、そんな感じだ。もっとも、WFを決戦場と見なし集中投入したのはなみへい君だけではなく、周囲には大勢いた。

私にとってWFは、消費という名の戦場における決戦地点ではないように思えた。ゆえに、ごく一部を除いてブースにも狙いをつけない。同居人にキット購入を一任することにした。

ただし「製作」に関しては、WFは「シミュレーション」の場だ。美しい完成品を目の当たりにして学ぶことは多いし、普段は手にすることのできないアマチュア・ディーラーのキットを通じ、造形物に対して新しい発見があるかも知れないからだ。

本当の戦いは、家に戻ってから始まるのだ。

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