その1 あらぁ、画質落とし過ぎました、、、。
← 大神殿をナセル湖側から
ご存知、アブシンベルの大神殿。左から2体目の像は紀元前1259年の大きな地震で崩れ落ちている。
いやーしかし、移築した後も落ちた状態のまま忠実に再現されているのが、いいねーいいねー。
← やや近景
忘れ去られていたこの大神殿が、1813年スイス人探検家ヨハン・ブルクハルトによって偶然発見された時は、
神殿自体がかなり砂で埋まっていた。当然今見えている入り口も、埋まっていて内部までかなり砂が入ってい
た。
結局イタリア人のジョヴァンニ・ベルツォーニが、かなりの時間を費やして1817年に入り口を発見している。
(ベルツォーニ自身は、神殿内部に膨大な財宝があると信じて掘ったが、財宝ではなく歴史遺産があった。当時
入り口がどこにあるのか不明だったが、「神殿中央のラー神の真下にあるはず」と言うベルツォーニの読みは
見事に当たった。)
↓ それで、発見当時に描かれた絵を見ると非常に興味深い。
【出展】リナン・ド・ベルフォン画 1819年
1817年の時点で、すでに入り口だけは掘り出されているが、神殿はまだ砂に埋まっている状態。
一番右の像は砂で溺れかかっている。
【出展】1838年 デビット・ロバーツ「エジプトとヌビア」より
それからしばらく後の1838年。入り口付近は、以前より砂が多くなっている。
↓ だから、当時ならこんなことができちゃう。
左から2体目の左足のひざ下部分。
当時まだ、足に手が届くので、ここを訪れた探検家は、記念に自分の名前を掘っている。
↓ でも悲しいことに、数千年前のエジプト人に彫刻技術で完全に負けている。
その巨像が座っているイスのレリーフ。
辺り一面にびっしりレリーフ。この正確な掘りの深さと、見事な立体感・躍動感は見ているだけで感動する。
↓ ちなみに上記「エジプトとヌビア」よりもう少し参考資料。
← 発見当初のエドフ神殿入り口。かなり砂に埋まっているね。
← 現在のエドフ神殿入り口。
←ハムシーン(砂嵐)のギザのスフィンクス。当時、首から下はまだ埋
まっている。
だから、下の2枚を見ると「砂の下にまだまだ埋まっている遺跡が多く、今でも全体の2割も発掘できて
いない。」と、言われるのがわかる。
→ アブシールの空撮映像
写真の下の方を見ると”妙に不自然な砂の積もり方”。
いかにも、ピラミッド付近以外は”まだまだ砂の下に遺跡が埋まってます。”と言う雰囲気。
→ タニスにあるむきだしの遺跡群。
横たわる巨像や、スフィンクス、その他多数の遺跡が整理されないで放置されたまま。
本格的に発掘すると、未発見の遺跡がぼろぼろ出てきそうだ。