・モーニングコール 8時30分
・ホテル出発 9時30分 (ちなみに朝食は5時30分以降ならいつでもOK。
ホテル内レストランでバイキングスタイル。)
・荷物出し 本日もソネスタ・セント・ジョージ宿泊のため荷物は部屋に置きっぱなしでOK。
さて、前日、というよりついさっき6時に寝て、しっかり熟睡して8時に起床。2時間しか寝て
いないのだが疲れはまったくない。実は、この旅行中は寝不足で体調が悪いとか、お腹の具合が
悪くなることは一切なかった。1年中で一番涼しい季節に(と言っても日本よりはるかに暑いが。)
来たことも大きい。(真夏のうだるような暑さの時にも来てみたい。後悔するかも知れないが。)
モーニングコールは別に待たなくて良いとのことだったので、起きてすぐ朝食を取りにレストランに
行く。バイキング形式で好きなものが食べられるのでいい。いやあ、それにしてもうま〜い。来る前
は「エイプトの料理は口に合うかな?」と心配していたが、まったく日本人の口にも充分合っている。
まずパンがうまい。有名なアエーシももちろんうまいのだが、毎朝10種類以上あるパンを迷いなが
ら3個くらい取って食べていたが、これがどれもこれもうまいうまい!バッグに入れて持ちかえりたい
くらい。
さて、朝食を取ってシャワーに入りテレビをつけてみたが、まだ集合時間までたっぷり時間がある。
ビデオ片手にベランダへ行くと、外の景色がいや〜すばらしい。下のプールが広い広い!左側を見
るとメイン通り。車の往来も激しいが、その中を馬車やオートバイ、ガラベーヤを着たエジプト人が行
き交う。美しい〜。右を見ると、、、お〜!ナイル川!美しい。さらに奥を見ると白い岩山。いわゆる
ルクソール西岸の死者の町。美しい〜!!空の青と山の白、緑の大地のコントラストがすばらしい。
→ホテルの部屋から写したプール。ナイル川はすぐそこだ。
9時30分出発予定なのでそろそろ1階ロビーの集合場所に行く。みんな集合しているが昨日の飛
行機到着が遅かったためほとんど眠れず、ベッドで身体を休めただけという人も多い。そして間もな
く出発。
陸上の移動手段は今後1週間お世話になるBAHI TRVEL AGENCYである。私達に最終日まで
ぴったりガイドしてくれるのは、現地カイロ大学卒業の秀才アムルさん。日本大使館関係でかなり日本
にもいた日本通。長い間日本に滞在していたこともあって下手な日本人より日本語がうまい。そして
驚くほど知識が豊富。あちこちで「アムル イズ ナンバル ワン ガイド」と現地の人が言っていたが
本当だと思えるほど知識がある。(ちなみにエジプト人は”R”の発音が強い。14はフォルティーン、
No.1はナンバルワンである。)説明も大変深くわかりやすい。旅行中後悔したのが「もっと、エジプト
について勉強してからエジプトに来るんだった。」ということ。知識はあればあるほど観光そのものが
より充実する。バスの運転手さんは都市によって変るが、ルクソールの運転手さんはヤマルさん。
サングラス姿がかっこよい!
バスの窓からルクソールの街並みを眺めると、あたりまえだが日本とかなり違う。鉄筋作りの建物も
あるが、粘土を固めた日干しレンガや土でできている家も多い。見た目の色は”きれいな白”あるいは
”黄色”あるいは”あざやかなオレンジ”。道行く人ものどかで落ち着いている。バスが通りすぎる時に
日本人が乗ったバスだとわかると、必ず手を振ってくれる。子供達もニコニコしながらハローハローと
言ってくれるのはなぜだろう?エジプト旅行中ずっと不思議に思っていた。
バスはホテルを出発しルクソール西岸に向かう。死者の町である。ホテルが東岸にあるので、どこか
でナイル側を横切らなければならないが、すぐ近くに橋はない。ちょっと遠いが北にかかってる橋を渡
って遠回りで西岸に行く。実は以前は橋はかかっていなかったそうだ。西岸に渡るとテレビや写真で
見覚えのある景色が広がる。見渡す限りの岩山が連なる。エジプトの風景で良く見る王家の谷の雰囲
気である。その岩山までまだかなりの距離がある。
と思っていると、いきなり最初の観光場所であるメムノンの巨像がド〜ンと目の前に現れた。しばし
絶句、、、いや、すごい、、、でかい、、、。写真で何度も見ていた像だが実物を目の前にするとドギモを
抜かれる。2体の像はそれぞれ台座の上に乗っているが、そばを歩く人間がその台座より小さい。
カメラもかなり離れないと2体ともファイダーに収まらない。まだエジプト観光も始まったばかり、それも
最初の遺跡で感動させられた。この感動は最終日まで続く。
→メムノンの台座。観光客が台座より小さい。
日本でもそうだが、ここメムノンの巨像の回りもおみやげのお店やさんがいっぱい。日本と違うのは
一人一人無理やりなんでも買い物させようという力強さ。行くところ行くところでワーッとそばにくるので
買う予定のないときははっきり「ノーサンキュ−」を言わないとしつこいしつこい。エジプト人は別に悪気
はない。エジプトの商売の仕方と思ってしまえば納得できるのだが、行くところ行くところ寄ってくるお土
産やさんにはちょっと疲れるかな?毎回毎回買い物してると1日でトランクいっぱいのお土産になる。
「ゆっくり遺跡を見学させて!ゆっくり写真を撮らせて!」と思う場面が何回もあった。ま、それも楽しい
エジプトの思い出。
最初の遺跡、メムノンの巨像をしっかり目に焼き付けておこう!今度はいつ来れるかわからないし、
来れないかも知れないから。
バスの運転席で待っているヤマルさんにビデオカメラを向けるとニッコリとポーズを取ってくれるからう
れしい。
→ビデオに向かって微笑んでくれるヤマルさん。ありがと〜。
メムノンの巨像を去るのは名残惜しいが、ここで時間を使いすぎたら時間がいくらあっても足りない。
なにせこのあと膨大なエジプトの歴史遺産を見るのだから。
ルクソール西岸は全体が古代遺跡の場所だが、ツアーで観光する遺跡はある程度絞らなければ
時間が足りない。例えば途中、ラムセス2世葬祭殿(ラメセウム)が見えるが、目の前を通りすぎるもの
の降りて観光する時間がない。今度フリーで来たときの楽しみにとっておく。一つ一つの観光する遺跡
は離れており、移動手段はバスとかタクシーをチャータするとか自転車を借りる。
メムノンから再びバスに乗り込み西岸独特の街並みを移動する。途中クルナ村という有名な村。
泥棒の町の名前がついている。
ディール・アル・バハリというこれまた有名な場所に来て目指すはハトシェプスト女王葬祭殿。みごと
な遠景の巨大な絶壁に囲まれた位置にあるあまりにも有名な遺跡。私はもう興奮状態。バスを降りて
山の方向を眺めると、きれいな3層テラス構造の葬祭殿。
実はここから神殿まで遠い遠い。歩いていくと結構体力を使うな?と思いながらお土産やさんの攻撃
をかわしながら先に進む。セキュリティチェックを受けると、なんと電気自動車が用意されている。ま、
体力があれば歩いて行けないこともないが観光はまだ始まったばかり、体力温存である。この電気
自動車(タフタフという名前だったかな?)は実に快適。速度はそんなに出ない(歩く早さと同じくらい)
がとても優雅。ゆっくりゆっくり神殿に向かうと徐々に神殿が近づいてくる。あまり急がないのがいい。
いろいろな国の言葉が耳に入ってくる。英語、アラビア語(たぶん)、フランス語(たぶん)、イタリア語
(たぶん)実にさまざまな国から来ているのがわかる。意味はさっぱりわからないが、同じ観光客として
妙な一体感がある。
気がつくと、なんだか暑い。気温が急上昇しているらしい。朝は涼しかったので(それでも冬の北海道
とは比較にならない)気にしなかったがもう30℃近くになっているような感じ。朝昼の温度差が大きい。
今は冬なのでエジプトといえども死ぬほど暑くはならないが、これが真夏だとちょっと苦しいか、、、
ゆっくりした傾斜の階段を上がり、第1テラスから第2テラスに向かう。美しい〜。各テラスの格子状の
模様はただの模様かと思ったら、中はびっしりレリーフでいっぱい。当時の色もきれいに残っている。
ガイドのアムルさんは実に詳細に説明してくれる。ハトシェプスト女王とトトメス1世、トトメス2世が初めて
知識としてつながる。(もっと勉強して来るんだったなあ。)
ちなみに我々は全員、受信機をもらっていて1チャンネルか2チャンネルに合わせてガイドさんの説明を
聞く。ガイドさんは発信機とマイクを持っている。説明を聞きながら、ちょっと離れて写真を撮ったり、若干
迷子になっても大丈夫。マイクで誘導してくれる。添乗員のHさんは気が気でない。つねにツアーの22名
がいるが確認している姿が目に付く。Hさんは観光どころでないんだろうなあ。
第3テラスがこれまたきれい、、、第3テラスの狭い入り口から奥に入ると広間へ。結構広いんだー。
これは実際に来てみないと立体的な作りは理解できないな。
ここもしっかり目に焼き付けておこう、頭に記憶しておこう!
← ”左”の矢印部分を拡大したのが”右” →
↑ ハトシェプスト女王葬祭殿3階テラスから来た方向を写したのが左のキャプチャー画像。
葬祭殿まで結構長い距離を歩いてやってくるのがわかる。矢印部分にバスが待機しているのだが、
それを拡大したのが右の画像。わかるだろうか?すぐ奥は緑の農村地帯。コントラストがきれい。
さて、つぎに訪れたところはアラバスターの石屋さん。ツアーだから観光の途中で頻繁にショッピングが
入る。純粋に観光だけを目的に来た人はショッピングは楽しくないかもしれないいが、私はお店屋さんを
訪れることも観光だと思っているので実に楽しい。ショッピングといっても別に無理して買わなくても良い。
過去の歴史遺産に混ざって現代のエジプト文化に直接触れられる。
アラバスターの石屋さんの中には実にさまざまな商品が並んでいる。見ているだけでも心が洗われる感じ。
このお店ではお買い物をしなかったが、繊細な部分まで手を入れている作品には感動しますよ。
店の外ではアラバスター原石から商品を作る過程が実演されている。第1段階でこうやって、第2段階で
、、、、と非常にわかりやすい。一緒のツアーの人々が値段交渉をしながら買い物をしているので、私は
外に出て回りの景色を見る。小さい子供達が本当にスッポンポンで遊んでいる。見ていて微笑ましい。
家の中も”まる見え”で簡素な作りの台所が見える。なんか覗いているようで(充分覗いてる。)気が引ける
ので子供達に目を戻すと、小学生くらいの男の子が寄って来て、しきりにビデオカメラを指差して話し掛け
て来る。「◎▽×、、?□○、、、?」。たぶんどういう物か知りたがっていると思ったので、ファインダーを
ひっくり返して、写っている男の子が見えるように見せてあげると「わー。○◎▽!!、キャー××□!」と
興奮状態。どうして映るっているのか不思議なんだろうなあ。使っている私も不思議だから、、、。
男の子と遊んでいると、アラバスターの実演をしていたおにいちゃんが近づいてきて「プレゼントプレゼント」
と言っている。片手にアラバスターでできたピラミッドを持って私にくれると言う。ん?あやしい、、、。ただより
怖い物はない。なにせここはエジプトである。
案の定、腰にぶらさげている「ペンライトと交換して欲しい」と言う(意味はわからないが身振り手振りで
わかる。)あの?それプレゼントって言わないよ??「ピラミッドでこれから使うし、高いんだこれ。だめ。」と
言うと了解したらしく「ベラミド?ベラミド?◎○▽□、、、×。」すると今度は胸ポケットに刺しているボール
ペンを指差して「ベン?ベン?」とあくまで交換要求。「いやこれも1本300円もしたんだわあ。だめ。」
「ごめんね、おにいちゃん。アラバスターいらないからこっちのボールペンあげるよ!」と言って百円ショップ
で購入した20本で100円のボールペンをあげた。「1本だけね(5円だけど)。はい、これ!」
さて再びバスに乗り観光の続き。ツアーだから、その日の予定は大まかに決まっているのだが、細かい
部分は行ってみないとわからない。見る順番が変更したり時間がずれたりするのは当たり前。
バスから外を眺めていると、緑がだんだんなくなって砂と岩と青い空だけが見える。なんだか見覚えの
ある景色。ん?、、、、んん?、、、、、、、お〜!!。ここは、王家の谷でしょーーー!!。すばらしいー。
美しいー。ビューティフル!ついに憧れの王家の谷に来たぞー。
バスを降り、私はもうほとんど興奮状態。血圧は180oHgくらいか、、、いつ血管がぶっ飛んでもおかしく
ない。バスを降りたところから谷の入り口までまだかなりの距離があるのだが、見える景色は絶景そのもの。
”真っ青な空”と”やや赤茶けた岩”しかないのだが、も〜すばらしい、すばらしい、美しい。
バスを降りて遊園地の乗り物みたいなシャトルトレインに乗り入り口へ向かう。それにしてもいやあ暑い。
みんな「あつあつあつあつー。」と言いながら乗りこむ。エジプトのはえが顔にまとわりついてくる。別に不潔
には感じないが、払っても払っても顔に止まるので勘弁してよー。となりのおやじさん「このハエはメスだな?」
「そんなにオスが好きか?」とハエと会話する余裕がある。
→王家の谷入り口のセキュリティチェック。ピラミッド形の山はアル=クルン
入り口に到着。なんと残念なことに、ここから先はカメラはいいけどビデオはだめとのこと。悲しいー。
写さなくても持ち込みすらだめ。69番の預かり札をもらって棚にビデオを置く。鍵も何もない丸見えの棚に
無造作にボンと置かれて、おいおい?なくならないだろうなあ?盗まれないだろうなあ?ここはエジプトだか
らなあ。頼むよー。それなくなったら泣くよー。
私の心配を察知してか、係りのおじさんは私のビデオカメラをなでながらニヤニヤニヤニヤ。おいおいっ?
→ラムセス9世王墓。玄室天井の天体図。
(WHITE STARガイドブックより)
王家の谷はチケット1枚で3箇所の王墓に入れる。ツアーなので入るお墓は決まっているがフリーで来る
時は事前に研究してから選んで入りましょう。
最初はラムセス9世王墓。王家の谷と言えばツタンカーメンしかなじみがなかったので、大変新鮮!!
王墓入り口でチケットを見せると”右上”を破られる。「私のチケットになんてことするの?」実はこれ不正防止
である。破りながら3ヶ所入場制限をチェックするというエジプト方式。「始めから3箇所の切りこみ入れておけ
ばいいのに?」と思うのは日本の感覚で、たぶん王家の谷も他の遺跡も印刷は微妙に違うものの一斉に同じ
印刷機と裁断機あたりで作成するんだろうな?と勝手に解釈するのであった。
広い、美しい!(こればっかり)きれい!写真に残せないのが残念だが(王墓内部は写真撮影も禁止)数千
年前の彩色もきれいに残っており感激。よくもまあ岩の塊を地下数十メートルも掘り進み、こんなにきれいな
彫刻や彩色ができたものだと感心。そして絶句。ガラスで保護されてまったく触れないかと思ったらレリーフは
ムキ出し状態。触れる触れる。何千年も前にここを彫った人と同じ場所を手で触れる。でも?悪い人だったら
さらに彫ったり、サインしたりしないのかな?と心配したりもする。
じっくりラムセス9世王墓を堪能し、次にどこのお墓に入るのかな?と思ったら、、、お?おー?、、、、ここは
、、、ツタンカーメン!!もう血管ブッチン状態。鼻息荒く、ガイドさんの解説も耳に入らない。ついにハワード・
カーターが生涯かけて発掘した超有名なお墓に入る。入り口プレートには、解読不能のアラビア文字が並び
その下に英語で「TOMB OF TUT ANKH AMUN No62」と印刷されている。ついに来たぞー。
ひょっとして、夢じゃなだろうなと思い顔をつねると「い、いでーーっ!」血圧はたぶん220oHg、、、動脈瘤破裂
一歩手前である。ちなみにここに入るには別チケットが必要。
→ツタンカーメン(トゥトアンクアムン)王墓。玄室に今も第1人型棺の中に
ミイラが収められている。観光客の中にはその事実に気がつかない人もいる。
そして、ついに中へ。16段の下降階段を踏みしめるように下に降りる。ここで足を踏み外したらアホである。
まして捻挫でもしたら今後のエジプト観光はパーである。そんな失態はしないのである。フッフッフッ!(ところが
次の日アスワンの切りかけのオベリスクで不覚にも足を思いっきり”くじいて”動けなくなるのであった。いでー。)
中は他の王墓と比較するとかなり小さい(これは予備知識として知っていた。)そんなにきれいなレリーフも多く
あるわけではない。問題はそこではない。
この狭い空間にびっしりと置かれた黄金の数々はエジプト考古学博物館の2階の半分ほどを占めている。それは
それはすごい量で、どうやってこの空間に入っていたのか思うほど膨大な量の埋葬品が入っていたらしい。
小さい玄室の中でツタンカーメンのミイラは確かめられないものの確実にこの中に収まっている。本当は誰にも
見られる予定もなく永遠の時をひっそりと誰にも知られずに安らいでいるはずだったのに、毎日こうして多くの
観光客に見物されるのでは落ち着かないだろうな?と思う。自分が見学しておきながら可愛そうになる。
いつまでもここにいたいが時間が許さない。
→ラムセス6世王墓の玄室(最深部)。盗賊に破壊された石棺がひっくり返った
まま存在している。それ以上崩れないようにつっかえ棒をしている。
次の王墓は、ラムセス6世王墓。ハワードカーターの”ツタンカーメン発掘記”を読んでいたので、その2つの
位置関係は非常に興味があった。(この発掘記はかなりぶ厚い2冊の本だが、最初の出だしは”白鯨”を読んで
いるような感覚になる。ハワードカーターの実に細かい描写や科学者らしい記述が延々と続いてなかなか本題
に入らない。)聞いていた通りツタンカーメン王墓にかぶさるようにラムセス6世王墓がある。というよりツタンカ
−メン王墓を掘るとすぐラムセス6世王墓に貫通するような近さ。まさか掘れないけど。通しても意味ないし。
ラムセス王墓入り口で、今度はチケットの”右下”を破られる。「おー私のチケットがだんだん小さくなっていく。」
ツタンカーメンの後だったので、中は広い。美しい。すばらしい。他のお墓も全部見たいが許されない。時間も
ないし、ルクソールに何日も滞在できない。
フリータイムで、しばし休憩しながら写真をバシバシ撮って、王家の谷を後にする。悲しいけどしょうがない。
来たときと同じ道を帰って風景を楽しんでいると、途中に早稲田ハウスとハワードカーターのお家。吉村さんは
最近忙しくて来てないみたい。
再びクルナ村。古代の墓の上にそのまま家を建てたという泥棒の村を訪問。いやそれにしてもすごい名前つけ
るねえ。その中の貴族の墓の1つに入る。入るのお墓はどこかな?と思っているとラ・モーゼのお墓。モーゼの
十戒とは違う。もう、ここらへんから勉強不足がたたって知識がない。(もっと勉強して来るんだった。)貴族の墓
と言っても王墓ほど広く豪華でないものの、しっかりした荘厳な作りになっている。なんでも未完成のお墓だそうで、
これから彫ろうとする直前のスケッチが残っている。レリーフの製作過程が見えて面白い。泣き女の絵などガイド
さんは実にわかりやすく説明してくれる。「なるほどーそうだったのかー。」
貴族の墓は民家と思われる家々を横切って入って行く。途中やせ細った”やぎ?”やおとなしい犬と出会う。
そしてあちこちで子供達が「ワンダラー、ワンダラー」。ここでは子供達も商売人。と、思ったら20枚くらいつながっ
た絵葉書をバラ〜んとぶら下げて、おとうさんが「ワンダラー」
→ 泥棒の町クルナ村。古代人のお墓が多くある。
それにしても、エジプト観光ってバスを降りてから結構たくさん歩く。まだ観光1日目の昼食前だが、もう足が
ちょっと痛いかな?
ここで予定の午前中の観光は終了し、レストランに向かう。そう言えばお腹がすいたかな?レストランは東岸に
ある。ここは西岸だからどうやってナイル川を横切るかと思えばモーターボート。お〜っ乗りた〜い!!モーター
ボートといってもけっこう大きい。20〜30人は楽に乗れる。ボートの鉄のてすりを触ると「あち、あっちー!」やけど
するかと思うくらい鉄が熱い。ボートに乗って8分ほどで、あっと言う間に対岸に到着。ナイル川は本当に狭い。
そして昼食はメルキュールホテル内のレストラン。お食事お食事。名物のハト料理、、、、?、、、え?ハト?、、、
まったく意味のないホテルの金属探知機を通過(ホテル、有名レストランなどは空港と同じく金属探知機が設置さ
れている。しかし日本人だからかピーッピーッ鳴りぱなしでも係りの人は平然。)し、2階レストランへ。
→ モーターボートからナイル川東岸。対岸は意外に近い。
ハトは実はおいしい。お腹がすいているのもあるが、なんの抵抗もなく食べてみると、うんま〜い。ただし、ハトは
食べるところが少ない。ハトはまるまる1羽出てくるが意外と小さい。最初は上品にフォークとナイフで戦っていた
が、途中から手でわしづかみ。これが食べやすい。鳥の手羽先を食べる雰囲気が食べやすい。昼食には必ず
ツアーのサービスでミネラルウォーターが出る。水は冬といえども貴重!必ず出るBARAKAはちょっと硬いが
飲めないわけではない。
昼食のメニューはハトの丸焼き、野菜スープ、タフタと言う牛肉のソーセージ、牛ステーキ、温野菜、ピラフ、プリン
他に私は別にコーヒーを頼む。おいし〜い。いやあ、エジプト料理って日本人の口に合うわあ。お米もおいしい。
ステーキやソーゼージは日本と雰囲気が違うが、おいし〜い。幸せな昼食であった。
さて、食事後は1階ロビーに降りてニセモノパピルスのお店屋さんをからかってくつろぐ。さあ、午後の観光だ。
午後最初の観光はカルナック神殿。名前は聞いていたがどの程度の何なのか知識は薄かった。しかし、入り
口に入った瞬間その荘厳さと巨大さに腰を抜かされた。カルナック神殿観光とは言っても全部は1日では見られ
る広さではない。ムート大神殿やモンツ大神殿は犠牲にし、たった一つアムン大神殿に絞る。さらにアムン大神
殿も全部は見られない。スフィンクス参道から第1塔門をまっすぐ入って突き当たりまでの観光である。ラムセス
3世神殿もトトメス3世神殿も横目で眺めるだけ。ところがこれだけでも時間がいくらあっても足りない。そのくらい
広い。すさまじい広さだ。圧巻とはこのことを言う。ガイドのアムルさんも一生懸命ガイド説明するが、かなりはしょ
っても時間が足りないほど遺跡は膨大にある。いや、本当にすごい。(私の解説などぜんぜん参考になりません
から解説本など参照して下さい。)もう見る物見る物すべて書きとめたいがカルナックだけに場所も避けないので
概略だけ。
第1塔門そのものからぶったまげる。大きすぎて全然カメラのファインダーに入らない。第2塔門までの
あいだにアムルさんは細かく時間を使って説明する。まだ第2塔門、第3塔門、、、、、第10塔門もあるのに全然
時間が足りない。(あら?同じことばかり書いてますね。そのくらい興奮状態。)第2塔門を抜けると有名な大列柱
室。すごい。ただただ絶句。134本の柱が整然と並ぶ様はただ呆然、、、
第3塔門を抜けた瞬間にドドーンとトトメス1世のオベリスク。はーっ、ため息しか出ない。そばにへばりつくともう
ものすごく太いしものすごく高い!第4塔門を抜けると今度はハトシェプストのオベリスクがドドーン!もう好きに
して下さいっという心境。一番奥の至聖所で神聖な気持ちになり、大きな壁を通り過ぎて聖なる池の方向に行く。
巨大な建物から外に出てきたという感じ。屋根は一番もろい部分なので残ってはいないからここに来るまでも外
だったのだが、感覚的には巨大な建物の中から出てきた感じがする。
→ 大列柱室でガイドするアムルさん。
ここから見る第4塔門、第5塔門の方向が絶景。2つのオベリスクがこれでもか!というようにドーンと立ってお
り、さらにハトシェプストの倒れたもう1本のオべリスクが横に倒されて目の前にある。すぐ右を見ると有名な巨大
なスカラベ。もうここは予想もしていなかったほど大きな衝撃をうける遺跡だ。
ここで添乗員のHさんに記念写真を撮っていただいて(Hさんには遺跡のたびに写真を撮っていただいた。)
さらに私のビデオで私がインタビューを受けるような格好に「エジプトはどうですか〜?」興奮状態の私はしばし
返す言葉がみあたらない。「えぇ、、すばらしいです。」。その時ふと、ハワード・カーターがカーナボン卿に「何か
見えるかね?」の質問に対して「えぇ、すばらしいものが、、、」と言った気持ちが理解できるような気がした。
→ 幸せを約束してくれるスカラベちゃん。
さて、ここからフリータイムになった。興奮状態の私は他の遺跡にも行って見たかったが迷子になるような気も
して、今来た道を反芻しながら忠実にたどって帰ろうとする。至聖所に行って再度細かく辺りを観察し、ビデオに
収録し、オベリスクをあきるだけ見て、大列柱室にきて134本の柱に興奮する。もう鼻息ハアハア状態。
ふと気づくとまわりに観光客の姿がない、、、、それにしても美しい。すばらしい。でも?来た道を戻っている
はずだが、この景色は見た記憶がない。あれ?誰もいないぞ?ま、いいか。、、、すばらしい、、、ん?、、、
やはり迷ったかな?、、、うん、迷ったな、、、、出口が見つからない、、、(汗;)、、、、(汗;)、、、、ここで迷って
集合時間に間に合わなかったら、みんなに申し訳ない。半分泣きそうになりながら時計を見ると、まだ集合時間
までかなりの余裕がある。もう少しじっくり遺跡を見ながらでも「とにかく動いていればきっと出られるだろう。」と
いろいろ探索。お〜っ!これはさっきぜんぜん来ていないところだな?すばらしい。おーっ。ここもすばらしい。
、、、と歩いているうちに、ついに人の気配がまったくしなくなった。鳥の鳴き声しか聞こえない。、、、、やばーい。
だんだん早歩き状態に、出口が見つからない。そもそもどっちに向かっているのかもわからないし、どっちに
出口があるのかもわからない。内心半ベソ状態だが見た目は平然と走る。やばいやばいやばいやばい。
どうやって入り口まで戻ったのかさっぱりわからないが、とにかく急に記憶のある場所に出た。最初来た入り
口だ。一緒のツアーの人はもう入り口付近の石に座ってくつろいでいる。やっと私も冷静になり「いやあ、すばら
しい遺跡ですね。感動しっぱなしです。」(いろいろな意味で。)
ちょっと疲れてきた。少し走ったせいもあるが、2時間しか寝ていないから寝不足もあるかな?それに炎天
下の中、朝かかなりの数の遺跡を観光してるし。ホテルでゆっくりやすみたいな。頭は興奮しているが、身体
が動かなくなってきた。初日からこれだとちょっときついかな?と感じた。
全員そろったのでバスに戻り次の観光の前にショッピングである。PHLIPPEという有名なジュエリーショップ
へ。別に買い物をする予定はないがショッピングで店に入るのは嫌いではない。ところがこのお店ちょっと高い
余裕があれば買いたいほど良い商品だが、まったく予定していない金額。う〜ん、ほしいけど我慢我慢。
そして本日最後の観光はルクソール神殿である。今日が観光初日なのに、すでに朝から興奮状態の私。
この神殿でとどめを打たれてショック状態でホテルに帰るのであった。
ルクソール神殿自体の広さは先の広大なカルナック神殿には及ばない。それもそのはず、この神殿はカル
ナック神殿の付属神殿として作られ、かつては長いスフィンクス参道がつなっがていたいうからすごい。さらに
今現在全体の20%しか発掘されていないと言うから驚くほかはない。これで20%?スフィンクス参道から正
面を見ると、もう圧巻。ラムセス2世の巨体像がド〜ンとあって、オベリスクが1本ド〜ンと立っている。もう1本
はフランスに行ってしまったが、2対そろっていたころはさぞかしものすごい存在感があっただろうと思われる。
ナポレオンの”エジプト誌”(だったかな?違う資料かも知れない。)で当時の絵を見ると、手書きの”絵”だけれ
ども2本対で立っている背景は充分威圧される。多くの遺跡がそうだが、この神殿も過去に砂が高く埋まって
いて、その下の広大な神殿の存在に気づかず、その上にモスクが中途半端に立っているのが面白い。
もう、なんだか知らないがなんでもありの世界。
そろそろ夕方になり、一斉にオレンジ色の照明が入る。斜め下から神殿を映し出すので、これがまた幻想的で
妙に美しい。すばらしい。
→ 残された1本のオベリスクの頂上部分。
↑ 上から下まできれいに彫刻が残されている。すばらしい。
→ そのオベリスク台座部分と落ちたラムセス2世の頭部
↑ 照明が入り辺りは非常に幻想的。ラムセス2世の座像と回りの配置がすばらしい
向こう側のオベリスクは台座しか残っていない。パリに行ってしまった、、、
→ そのオベリスクの真上に浮かぶ月。空は雲一つない。
↑ 肉眼では地面と遺跡と空のコントラストが全部目に入るが、ビデオでは伝えきれない。
ルクソールは、古代テーベの町で王家の谷を始め多くの遺跡を残している有名な都市だとは知っていたが、
実際それらの歴史遺産を目の前にすると、いかに自分の想像力が低いか実感させられる。毎日8時間くらい
ビデオを回し続け、すべての記録は残しているが、実際に目で見る感動は100%までは味わえない。ビデオ
には視野の限界がある。映っている部分は完璧に捉えるが、ちょっとでも映らない部分は当然なにも見えない。
遺跡や風景は360度広がっているのである。目で見る感動には絶対勝てない。
初日の観光が終了し、ソネスタ・セント・ジョージホテルに戻る。昨日と同じルクソ−ル東岸のホテルである。
18時頃ホテルについて、シャワーを浴びて、テレビを見ながら(さっぱり理解不能だがとても面白い。)少し休憩
してから19時に晩ご飯である。お食事お食事〜!ホテルレストランでイタリアンバイキング(ってなんですか?)
バイキングなので好きなものをたくさん取る。スパゲッティでしょー。おー、ご飯もあるー。チャーハンでしょー。
サラダに、ラムにチキン。パンでしょー(なんという組み合わせ。)そして温野菜にケーキ(これが死ぬほど甘くて
おいしい〜!)を3個、さらに果物、、、、ん?取りすぎたかな?でも大丈夫。お腹もペコペコだし大丈夫。
お〜いし〜い!!とにかく食べるもの食べるものすべてがおいしい。
何がおいしいかと言うと、まずパン。いろんな種類があって全部おいしい。お米もとってもおいしい。料理は薄味
だがこれがまたとーってもおいしい。とにかくなんでもおいしい。
たっぷりの夕食を取って、幸せな気持ちで自室に戻る。「明日はどんな観光かな?」とルンルンしながら明日の
準備をして荷物を整理、「いやあ、とってもちかれたびー。ちょっと横になりたいかな?」、、、すると、なんだか足が
痛い。筋肉痛である。「フッフッフッ、こういうこともあろうかと思って、貼り薬を持ってきたのさ!」きっとピラミッド
に登って筋肉痛になって必要になる。
他に胃腸を壊すかもしれないので太○胃酸とさらに強力な○露丸。風を引いても大丈夫なように風邪薬。さらに
おかゆにチョコレートにお茶にポ○リス○ェットの粉末に。かなめは1リットル入る湯沸しポット。これ大事。お腹を
壊してからではもう遅い。毎日だいたい4〜5リットルの水を飲んでいたが、ホテルに帰ってからはかならずお湯を
沸かして、レモンティ(これがおししいんだ〜、また。)にしたり、番茶を飲んだり。
しかし、初日から筋肉痛とは予想していなかったな。良く考えると、この先が心配なのであった。「足、いでー。」
明日のモーニングコールもそんなに早くないので、バルコニーで夜景を眺めながらレモンティーを飲んだり、意味
不明のテレビを見たり、ちょっと地○の歩き方を読んで今日のおさらいをしたり、明日の予習をしたり。
外は、まだ都会の喧騒が聞こえる。メイン通りに面しているせいもあるがルクソールも都会だなあ。
気分はもうエジプシャン。0時頃床に入るが眠いわけでもない。結局寝たのは午前2時頃かな?