旅行記3日目(2/27金)

   この日の観光地の天候  アスワン 快晴  最高気温32℃ 最低気温21℃
                                アスワンも暑〜い!!

  モーニングコール 6時30分
  ホテル出発     8時      (ちなみに朝食は7時15分以降ならいつでもOK。ホテル内レストランで
                       バイキングスタイル。)
  荷物出し      7時15分までにドアの外に出す。その後ポーターさんが持っていってくれる。

  2日間宿泊したこのホテルともお別れ。情が入りやすい私は、なんだか悲しい。(もっとルクソールにいたい。)
 最後の西岸方向の眺めを目に焼きつけるように部屋から覗くと、まったりとナイル川を南下する船がとても優雅。
 「う〜ん、また来なくてはいけない!」と心に誓うのであった。

 → ナイル川をゆっくり南下する船。優雅。対岸の緑もきれい。

  
  ルクソールの観光は昨日で終わっていて、今日はまず飛行機でアスワンに移動。移動中のバスの中でガイドの
 アムルさんが今日のアスワン観光の予定を説明している。
  私のアスワンのイメージは恥ずかしいことに”アスワンハイダム”しかない。「アスワンハイダム以外になんかある
 のかな?」そんなイメージ。しかしそのダムも実際に見たことがないから、想像だけのアスワンのイメージである。
 アムルさんは「アスワンまで飛行機で30〜40分です。(そんなに近いのか、、、)まず、、、アスワンハイダムを観光
 して、、、(フムフム)、、、切りかけのオベリスクを、、、、(聞いたことがあるけど、どんなのかな?)、、、昼食はどっか
 のレストランで、、、、(あれ?場所決まってないの?と思ったがDokkaと言うりっぱなレストラン)、、、一旦ホテルに
 チェックインしたあとファルーカ、、、、(帆かけ船か、、、)、、、夜はスークに、、、、(なに?それ)、、、、」と詳しく説明。
  私は実際の状況を頭に描けないので、ま、見てから驚くことにしよう!」とのんびり窓の外の風景にくぎ付け。(とこ
 ろがアスワンは私の予想だにしないすばらしい都市で、ルクソールとはまったく違う雰囲気の都市。あまりのすばらし
 さに感動の1日になるのであった。)
  そんな感動を予想もしていない私は、窓の外のルクソールの景色にうっとり。これがすばらしい景色。ナイル川を
 はさんだ西岸の方向や、王家の谷の方向、美しい緑や公園を通り過ぎながら、しばし放心状態。頭はぬぼー。
  バスは東岸をナイル川沿いに北上し、やがてさらに東に曲がりルクソール空港に向かう。街から離れると辺りは
 緑一面の美しい景色になる。

 → 東岸の街を離れるとだんだん緑が多くなる。美しい。


  8時20分頃ルクソール空港に到着し、出発までまだしばらく時間があるようだ。ここでちょっと失敗を犯した。
 ここで犯したと言うより昨日、荷物を整理した段階でミスしていた。今日は宿泊都市が変るので荷物すべてを持っ
 てホテルから出なければならない。(荷物自体はポーターさんが運んでくれる。)必要があって使用した多目的ナ
 イフ(アーミーナイフ)を手荷物で飛行機に持ちこもうとしてしまった。サムソナイトで機内預け入れにするとまったく
 問題なかった。
  ルクソール空港は、セキュリティチェックが2回ある。2回もあるのは妙だが、それだけチェックが厳重と言うこと
 か?今考えると、不思議なことに1回目でなにもひっからなかったが、2回目の金属探知機で持ちこみ手荷物を
 一旦没収され、ボーディングパスも没収された。「○◎×△■、、、スイスナイフ?」最初は聞き取れなかったが、
 英語を話してくれている。アーミーナイフのことだ。「わ〜、まずい、ひっかかった。飛行機に乗れない〜。」添乗員
 さんとガイドさんに泣きついて「アーミーナイフがひっかかりました。搭乗券も没収されました。」結局、ナイフは機
 長預かりと言う失態。アスワンに到着したら返してもらえるが、恥ずかしい、、、
  ちいさなアーミーナイフに黄色と緑色のタッグを巻かれ何やらミミズの這ったような字(アラビア語)で書かれてい
 る。FLIGHTの個所に”IYO”と英語のように読める文字。後で調べるとアラビア語で”135”。搭乗する135便の
 こと。犯罪者のように小さくなって飛行機に乗るのであった。
  この時面白いなと思ったことがある。エジプト人は大の大人が男同士で仲良く手をつなぐのである。私のアーミー
 ナイフを持ったままお手手つないで2人の男がルンルン歩く。わー、ちょっと気持ち悪い、、、そっちの趣味があるの
 かしらん?
  後で聞いた話だと、エジプトでは普通のことで問題ないらしい。仲が良い証。

 → ルクソール空港内のお店屋さん。


  お店屋さんを眺めながら、「欲しいものが売っているけど、、、まだ後でいいか、、、」この考えが後で公開することに
 なった。どのタイミングで買い物するかは結構難しい。カイロに行ってもなんでも揃っているかと思ったら、ルクソール
 やアスワンにしかないものが結構あった。残念。

  空港に着いてから1時間ほどして飛行機は離陸。ルクソールと”さよなら”である。離陸すると空港はあっと言う間に
 小さくなり。辺りに緑の畑が大きく広がる。美し〜い。きれいに区画された緑の区域と縦横に走る境目が妙にきれい。
  でも、緑が減ってきて辺りは一面砂色。砂漠地帯に突入である。エジプトは本当にナイル川流域の狭い範囲にしか
 住めないのだと実感する。高度はかなり高いのだが、下を見ると雲一つない。そのため砂漠地帯が延々と広がってい
 るのがわかる。たまーに、まっすぐなアスファルトの道路が視界を横切るが、それが見えなくなるとまたしばらく砂漠。
 でも、全然見飽きない。ビデオをオンにしたまま下界を写しっぱなし。ちなみにエジプトは平らな砂漠だけかと思ったら
 結構山もある。砂浜状態ではない。見た目にはゴロゴロした山(当然植物の気配はないが。)が視界を通りすぎる。
  水平飛行になり、ポーンと鳴ってベルト着用サインが消える。と、おやつの時間。おー、おやつだおやつだ。男性CA
 がテキパキとジュースを一人一人に手渡す。私は辺り障りのないオレンジジュース。
  実は日本からルクソールに来る途中、マンゴージュースとはどういうジュースか飲みたくて頼んだら、これがショック。
 おいしいことはおいしいのだが、ゲルじょうたいというかゾル状態。ドロドロの濃い液体であった。スッキリした飲み物が
 欲しかったのでその時は後悔した。

 ジュースも飲んで窓から下を見ると「お?なんだ?海か?ナイル川にしては随分広い。川とは思えない。」ナイル川は
 狭いと思っていたが、実はこれアスワンハイダムの建設で貯水されてできた巨大なナセル湖。ということはアスワン・
 ハイ・ダムを過ぎた?実際通りすぎている。大きく回りこんで一気に着陸体制に入る。な〜るほど、後でアスワン市内
 とアスワン空港の位置とハイダムの地理関係を把握して理解できた。

←離陸直後、そして→
 ↑ 離陸直後は緑もいっぱいあってきれい。でもすぐこんな砂漠の景色になる。空からしか見えない風景だね。

 → おーっ!おやつだっ、おやつの時間だー!
↑ EGYPT AIRは男性が多い。女性も見かけるのだがそばにこない。

 → 視界いっぱいにナセル湖が見えて来た。
 ↑ 左に大きく旋回しアスワン着陸が近い。いつも北から軽い風が吹いているので、南から北に
    向かって着陸する。北方向のルクソールから来ても一旦ナセル湖をまたぎ、大きく旋回して
    着陸。

  あれ?もう着陸?ほんの35分の飛行だった。ルクソールとアスワンって近いんだー。エジプト国内の空港では
 全部タラップを使用した。ボーディングブリッジがあるようには思えない。私が知らないだけかも知れないしカイロ
 第1空港か第2空港にはあるのかも知れない。飛行機と空港建物の間はバスで移動する。バスから見える「AS
 WAN INTERNATIONAL AIRPORT」の文字の下に美しい古代女性の絵が描かれている。良く見る顔で見
 覚えがあるが思い出せない。さて?だれだったかな?
  アスワンの町は美しい!と言うか”とてもきれい”。オレンジ、白、黄色の壁で塗られた建物が非常に美しい。

  さて、バスはアスワン空港を出発し、アスワン・ハイ・ダムへと向かう。窓から見える景色が美しい。ルクソール
 と違い、今までに見たことがない景色。見渡す限り砂漠なのだが、ところどころに緑の木がパラパラ生えており、
 なんかきれい。バスの中ではガイドアムルさんがアスワンの歴史や風土を休みなしにガイドしている。「な〜るほ
 どねえ〜。そうなのかあ〜。」ガイドさんの話しに感心しながら徐々に風景はオレンジや茶色や白、黄色の家が
 ポツポツ見え始める。きれいだねえ。ちなみにアスワンのバスのドライバーさんはバハルさん。

 → とてもきれいなアスワンの街並み

  「アスワンはダムだけの街じゃないんだ、、、」ゆっくりと状況が飲みこめて来た私。それにしても美しい街だね〜。
 アムルさんはハイダムの歴史も実に細かく説明する。「そうどぅったのくゎ〜!!」ひたすら感心する私。バスは
 そろそろアスワン・ハイ・ダムにさしかかる。ハイダム記念塔が目の前に見えてきてダムが近いのがわかる。

  ちなみにバスは40〜50名乗りなのだが、我々のツアーは22名で席は自由。自由に2つの席を確保できる
 のだが、今日は右側の窓側に座っている。
  突然視界はバーと水面が広がる。「お〜。これがナセル湖だ!(と先ほど聞いたばかりの知識で感動する。)」
 広い広い、地平線のかなたまで広がっている。それもそのはず、この人造湖。ナイル川をダムでせき止めて
 出来上がった湖は南のスーダンまで完全に入りこんでしまっている。琵琶湖の8倍もあると言うから、狭いと思っ
 ていたナイル川の知識がショックで崩れる。広〜い。

  当初「ダムの上は怖いだろうなあ。落ちないだろうなあ。下を見られないだろうなあ。」と思っていたが、アスワン・
 ハイ・ダムは日本のダムとイメージがかなり違う。(少なくとも私のイメージとはまったく違う。)
  「あら?ここがダムの上?ダムはぜんぜん見えない、、、ダムらしくない、、」とう感想である。私のイメージは”文明
 の力を駆使して完成した巨大なコンクリートの塊”。ところがアスワン・ハイ・ダムはまったりとした傾斜のゆるい山の
 ような感じ。いつダムの上に着たのかわからいうちに到着。なにせ長さ3600メートル。高さ111メートル、頂上部の幅で
 も40メートルもあるから、ぜんぜん恐怖感はない。だいたい頂上部は広い道路になっており、なおかつ廻りは公園。
 美しい、美しい!きれいに植林されてお店やさんもある。記念碑の前で記念撮影を撮り、道路を横切って北方向へ
 行ったり、南方向へ行ったりほとんど歩行者天国。

  実はここはビデオはダメである。軍事施設がいっぱいあり、ちょっと都合が悪いそうだ。観光客はカメラはOK。
 ただ、この時点でバスの中からほとんどの視界をあちこちズームしたり、標準モードで撮ってしまった。別に軍事
 物は映ってなかったような気が、、、(その時はそう思った。)

  アスワン・ハイ・ダムは考えてみれば当然のことだが、北方向のナイル川と南方向のナイル川(ナセル湖)とで
 は川幅がかなり違う。ナセル湖は貯水されて”ぶっとく”なっているが、出水方向の北側はいかにもかわいそうな
 細さ。観光した時は出水していなかったが、日本のイメージと違い、かなり下のほうからクジラが潮を吹き上げる
 ように回りが破壊されるのではないかと思うほど水が噴き出す。

 → アスワン・ハイダム記念塔の頂上部。

 → もうハイダムの上を通っている。南に巨大なナセル湖。

 → ダムの上は大変きれいな公園。

 ↓  バスの窓からただボーっと撮影していた風景。後で良く見ると面白いものが映っている。
 ←  → 
 ↑ 左のキャプチャー画像は、遠くに黒い穴が何ケ所も並んで見える。ズームアップすると右のキャプチャー画像
   なんと、あちらこちらに戦闘機(爆撃機?攻撃機?)がうまくカモフラージュされて隠れている。
 

 
  小学校の時から聞いてはいたアスワン・ハイ・ダムを感動できて満足し、ひたたびバスに乗り今度はどこの
 観光かな?なにせアスワンの予備知識はアスワン・ハイ・ダムしかないのだから。
  次は”アスワンの砂採集”イベントであった。アスワンの砂は美しいと聞いてはいたが、本当に美しい。サラサ
 ラ、キラキラしてなんと表現して良いのだろう?

  日本を発つ前に、エジプトの現地で実行しようと、密かにいろいろ計画していたことがある。その中の一つに
 訪れる街の砂を全部持ちかえると言う計画があった。(9地域で砂を回収する予定が、遺跡を見た興奮状態の
 中で5ヶ所忘れた。採れたのはアスワン、ギザ、サッカラ、ルクソール。忘れたのはアレキサンドリア、メンフィス
 ダハシュール、カイロ、アブシンベル)
  前日のルクソールでは忘れそうになったところを、砂を売っていたおにっちゃんがいたので思い出した。目の
 前にある砂を買う人はいるのだろうか?ルクソール神殿の中で袋に多量に詰め込んだ。(ニコニコ)
  アスワンではこのイベントがあったので忘れなかった。ガッパリ、ドッポリ袋に入れバスに戻る。でも、中には
 あまり関心のない人もいる。そういうものかな?私なんかエジプトの”エ”の字でもつくとなんでも持ちかえりたく
 なるのだが、、、、回収した砂は香水ビンに入れてみんなにプレゼントしようっと。(ニコニコ)

 → アスワンの砂はとてもきれい。
       ↑ とてもサラサラして砂とは思えない美しさ。


   さて、次は切りかけのオベリスク。聞いてはいたが、これはアスワンにあったのか、、、勉強不足である。
 アスワンは有名な花崗岩の採掘地。ピラミッドを作る石灰岩や柔らかい砂岩はカイロ近辺でも採掘できるが、
 硬い花崗岩はアスワン地方あたりでしか採れないそうな。ガイドさんのお話は大変ためになるわあ〜。とぎれ
 とぎれの断片的な知識が理論背景とともに一気につながる。

   バスは石切り場に到着し、入り口へ。「ここからしばらく歩きます。あの山の上です。15分くらい、、、」、、、
  へ?、、、、そんなに歩くの?あたり一面岩の山。わあ〜すごい。登別の地獄谷(知らない人は知らない。)で
  も登る雰囲気。前日の湿布8枚応急措置でなんとか足の疲労は回復しているもののもう”笑い出している”。
   でも、美しいねえ。岩だけど情緒があるねえ〜。なんでもかんでも感心しまくる私。

   切りかけのオベリスク本体までかなりのまだ距離があるが、あたりはもう小さいオベリスクやら、切った後の
 谷だったり、失敗?した岩がゴロゴロ転がっている。すごい光景。でも、ここに限らず柵もフェンスもないから、エ
 ジプトらしいねえ。自然をそのまま鑑賞できるすばらしさが残っているのがすごいねえ。でも、落ちたらどうするの
 かねえ。こわいねえ。

  と言ってる間に本物オベリスクに到〜着〜。わ〜っ!でか〜、ふと〜、なが〜、こわ〜!すごい、すごすぎる!
 私はもう、なんでも感動するパブロフのワンちゃん状態になってしまっている。
  ガイドさんの話しを聞きながら「すご〜い。な〜るほど〜。へ〜。ほ〜。」ビデオは私の足もとをブラブラ写した
 まま固定されている。またやってしまった。ビデオも私と同じ方向を見るように慣れさせなくては、、、
 長さ42メートル、重さ1267トン、完成していれば現存するオベリスクで最大という響きに感動する。
  だいたい、作り方も不思議だが、どうやって運ぶの??そもそもここからどうやって持ち出すの??と思いな
 がら昨日のカルナック神殿でのオベリスクに刻まれた碑文が気になる。「後世の人は、ここにどうやってこのオ
 ベリスクを立てたか不思議に思うだろう!」とその碑文に書かれていた。どうして謎めいた言葉を残すの?
  現在の科学でもこの42メートル1267トンのオベリスクを何日で完成し、何日で運び出し、所定の場所に正確
 に接着剤もなしに、台座に微動だにしないで載せ上げられるだろう?と思ってしまう。

  お昼時期なので、大きなスピーカーからアザーンが鳴り響く。すご〜い、観光途中でも聞けるとは、、、。いいね、
 アザーンの響き。ずーっと下を見ると大きな木の下で暑さをしのぐ観光客が小さく見える。帰りはあそこまで戻らな
 いといけない。フリータイムで時間はたっぷりある。飽きるだけ鑑賞し、あちこち眺めながらゆっくり降りる。それに
 してもこの山全体がすごいねえ。山全体が岩の塊。
  来た道と同じ道をたどって待っているバスのところまで帰る。時々立ち止まってあちこち撮影。ここで気を許した
 のか、或いは見ている方向と歩く方向が違ったからまずかったのか、思いっきり左足をくじいてしまった。まずい!
 実質の観光2日目で捻挫でもしたら、この後の観光はパー。病院でじっとしているかホテルでずっと待機している
 かである。「痛、、、。」しばらくすぐには歩けない。その場に立ちつくして少し様子を見る。ビデオは回しっぱなし。
  幸い歩けるようだ。歩いてみると意外と痛みはない。今後歩く時は常に緊張感を持って臨もうと心に誓うのであ
 った。バスに戻る途中でいつものように「ワンダラ〜」「ワンダラ〜」と誘われるがちょっと時間がないから、見て
 あげられないんだわあ。

 → 観光客が下から登ってくる様子。あたりは小さな切り石がゴロゴロ。
  ↑ 手前の空間も過去に巨大な石を切り出した後だろうか?深さ6〜8メートルはある。
    それにしても柵もフェンスもないので危ない危ない。落ちたらどうするのだろう?確実に怪我をする。 → これが本当の”切りかけのオベリスク”。
 ↑ 全部ファインダーに納めきれない。これで半分くらいか?過去は許されたが、現在は石の上に
    乗れなくなっている。遺跡保護の目的か、或いは隙間に落ちて怪我人でも出たか?
 → オベリスクの底の部分。当然四角い。足場から滑り落ちそうで怖いが、、


  さて、12時を過ぎて午前の観光は終了し、予定では昼食〜。おっ昼!おっ昼!
 お昼のレストランはDokka(ドッカ)というお店。料理はヌビアン料理。名前は聞いていたが、何が出るのか(写真
 しか見たことがないので妖しい気持ち)興味深々。

  Dokkaにはモーターボートで渡る。「お〜、船だ、船だ。」エジプトでこんなに何回も船に乗るとは思わなかった。
 船は大好きだから、どんどん乗せて〜。ナイルを横切るだけだから、わずか10分ほどの船の旅だが面白い。まず
 地上では見られない眺めがある。これが美しい。エジプトの歴史遺産を観光しているんだか、自然を満喫している
 んだか錯覚する。うーつくーしーいー!!すーばらしーい眺めー!
  ただし間違って鉄のパイプに振れると「あち、あっちー」例によって今日も30℃は超えているだろうが、むきだしの
 鉄はとても30℃くらいとは思えない。

   で、Dokkaである。ヌビアン料理は、ヌビア風のお料理。で、そのヌビア人とは何かと言うと、大昔からとても悲し
 い歴史を持っているみたいなんだね。みんなとても温厚で清潔でいい人々なんだけど、、、
   Dokkaに到着し、中の商品も鑑賞しながら(レストランの入り口はお店屋さん)待っていると、おーきたきた。まず
 は、アエーシに前菜のサラダをつけて食べる。これがおいしいおいしい。ご飯とコリアンダーサラダ、レンズ豆と野菜
 のサラダ、ゴマペーストそれぞれをアエーシにつつんでたべるとうんまいうんまい。前菜にはそれぞれ名前がついて
 いてタヒーナやらババガヌークやらホムモスやらあるらしいがどれがどれだかわからない。
  そうして、次にモロヘイヤスープ。オリーブオイルで一緒に煮てデロデロの感触だがおいしーい。ようは何でもおいし
 い。これだけでもうお腹いっぱいになっているご婦人もいる。そしてメインディッシュの素焼きの入れ物がやってきた。
 わ〜!おいしそう!、、、ところで何入ってんの?、、、白身魚のトマトソース煮である。一見合わない組み合わせに
 感じるが、違ーう。スプーンをかなり深くまで入れると大きなお魚がドーンともぐっている。これがおーいしーい。お魚
 にトマトソースの煮こみはとっても合う。(トマトジュースと全然違うのである。)
  私はもう、満足満足。お腹一杯である。そうするとバナナやらオレンジやらたくさん入ったデザートが出てくる。
 テーブルは他の食器でいっぱいだから、どこに置くのかと思えば、なんと、まだ残っている前菜サラダの上にグッチ
 ャンと乗せる。どうでもいいけど私はもうお腹一杯で食べられない。
  ただ、これも含めエジプト料理は家庭で食べる料理が一番おいしいんだそうな。レストランでは絶対家庭の味を出
 せないとのこと。観光客では本当の味をほとんど食べられないんだなあ。でも充分おいしいぞ!

 → タヒーナをアエーシにはさんでパクッ!「うんま〜い!」
 ↑ アエーシというエジプトパン。何もつけなくても充分おいしい。


  あ、さて、満腹で幸せになった私。昼食の後は、ここで一旦ホテルでくつろいで夕方のファルーカまで自由行動
 である。宿泊するホテルのオベロイホテルは島にあるので、アスワン市内からホテル専用のボートが行き来して
 いる。24時間往復しているからうれしい。
  ホッテル!ホッテル!と、どんなホテルか楽しみに船に乗ろうとすると「オー、センチョーサン、センチョーサン。」
 ???、、、明らかに船長と思われるオジチャンが私の方を見ながら「センチョーサン、コッチ、コッチ。」、、、、?、
 なんと、運転席へ引っ張り込まれてしまった。「ちがうちがーう、わたーし、かんこーきゃく」と日本語で言っても無駄
 である。拉致監禁状態。
  「オベローイ、アッチ。」と前方に見えるアスワンオベロイホテルを指差して、「操縦してよろしい」と言う身振り手振
 り。「お〜運転していいの〜?」「ありがとぉーお!」
  ところが、お船の運転は予想以上に難しい。一生懸命”操縦桿”(船はなんと言うんだったっけ?)を動かして、ホ
 テルに向かおうとするが、前方に見えていたホテルがどんどん視界の右にズレて行く(汗)。何回、回せば”おも舵
 いっぱい”なのかもわからない。「モット、モット」、、、もっとなんだかわからないが、とりあえずグルグル回してホテ
 ルを捜すと、、、、な、ない、、、、見えない、、、。後ろには観光客が5〜60名ほど乗っているのだが、そんなことは
 どうでもいい(笑)。悪戦苦闘しながらホテルに向かう。「でも、止め方がわからないぞ??」ここで、島に激突した
 ら、一番近い”操縦席”(船ではなんと言うんだっけ?)が危ない。「ギブアップ、ギブアップ、ヘルプミー。」
  おじちゃんはニッコニッコ笑いながら、交代してくれた。そりゃ、そうだ。おじちゃんは、右にヒョヒョイ、左にヒョヒョイ。
 でもって、エンジンを早めに切って、後は惰性で船の向きを合わせる。「上手なもんだねえ。」実にきれいに止める。
  チップを手渡すと(これがおじちゃんの目的なのは、最初からわかっている。)「Thanks!Thanks!」なんだか
 寿命が縮まった感じ。

 → 操縦を途中でギブアップして”本当”の船長さんに交代。
 ↑ 運転席は意外に質素。操縦桿はけっこう重い。


 さて、なんとかエレファンティナ島の美しいホテルに到着してロビーで打ち合わせ。プールは日の出から日の入り
 まで使えるが、考えていなかったので準備していない。まだファルーカの出航まで数時間ある。1度シャワーに入
 って明日の荷物を早めに整理し、お湯を沸かしてレモンティーを飲む。「おーいしーい!」。いやあ、落ち着く部屋
 だねえ。窓から外を見るとナイル川。そりゃあそうだ。ここは島だから、あっちを見てもこっちを見てもナイルであ
 る。対岸のアスワン市街は近い。ナイルを見ると数艇のファルーカが右へ左へ、流れにまかせてゆーっくり動いて
 いる。のどかだねえ。
  例によって意味不明のアラビア語のテレビを見て、部屋を探索し、けっこう広いのがわかる。木のふたを開ける
 とミニバーだったり、違うところを開けるとロッカーだったり、面白い。ドライヤーもあるし、お水もお湯もしっかり出
 るし安心。さて、そろそろ船着場に行こうかな?

  オベロイホテルの船着場にはすでに予約されているファルーカが待機している。これからしばらくの時間は観光
 と言うよりは、バカンスの雰囲気。
  この船にはエンジンはついていない。方向をある程度決める舵はついているようだ。素人目には帆は2枚ついて
 いるように見え、その帆を微妙にあやつり、見事にきれいに運行する。スピードは出ないが、速度は重要ではない。
 船には2人のヌビア人が乗船しており、まっ白なガラベーヤ(と言うのだろうか?)の背中に”NOBIAN”と刺繍されて
 いる。胸の方には”赤”と”青”の三角形をベースにした刺繍がしてあり、3色の色合いがとてもきれいで清潔。
  ちょっとした操作でゆっくり岸を離れナイルのゆっくりした流れに逆らわずに漂っている感じ。なにせ、見るもの・聞
 くものが初めてなので、なんでもかんでも感動してしまう。

  やがて、小さな男の子が一人乗った小さな手こぎボートがファルーカにつかまる。別に何をするわけではないが、
 歌をうたいながら、ずっとつかまって一緒に進む。(ひょっとしたら、チップを欲しかったのだろうか?)その船の作り
 は非常に簡単なもので「ちょっとした波に今にも沈むのではないか?」と思うくらい。まあ、波はほとんどないのだが。

  それにしても、いい眺めだなあ。静かなナイル川を”チャプン、チャプン”と船に当たる小さな波の音だけが聞こえる。
 手を伸ばすとナイルの水に触ることができる。目を上げるとアスワンの街並み、緑に囲まれたエレファンティナ島、
 宿泊所のホテルも見える。そしていたるところに遺跡が。まさに、時間が止まったような感じ。船に乗っている人も
 思い思いに写真を撮ったり、会話を弾ませているご夫婦もいる。このままずっと1〜2時間「漂っていてもいいな」
 と思っていると、ガイドさんの説明が始まった。ヌビアの歴史から始まって、ファルーカのことや、ヌビア人そのもの
 について、そしてヌビア人は「歌も上手です。」みんなに歌を聞かせてくれると言う。独特の音が出る太鼓(だろうか
 ?)を手にガイドさんが「今日は、なんの歌?」ヌビア人の一人が「オアレ!」。

  「オアレ、オアーレ」の出だしで非常に美しいメロディ。ハワイの「アロハ」とはまた全然ちがう。最初は静かに歌っ
 ていたが、やがて立ちあがり、一人づつ後ろに従えて狭い船内を回る。徐々に後ろに従う人が多くなり、完全に一
 つの輪になってつながった。

  もう、一人のヌビア人は小刻みに帆をあやつって実に見事に船を操縦する。「このまま進むとあの船にぶつかる
 かな?」と思うとちょっと帆を動かすと(本当にちょっと)船の方向が大きく変る。「こんなに大きく変るものなんだ
 〜?」
  歌も盛り上がって大盛況に終わり、しばし外の風景を眺める。美しいねえ。

  で、ここはエジプトである。ヌビア人もそこは商売人であった。大きな袋からいろいろな物を取り出して中央のテ
  −ブルに並べる。店開きである。実にさまざまな商品がテーブル一杯になる。きれいなビーズの品物や、ヌビア
  独特の原色のきれいな帽子(?)、他にもたくさん。
    さっそく狭い船内は値段交渉しながらお買い物。見ていても楽しい。やっぱりここはエジプトですね。

 → 「おいでおいで、輪になって踊ろう。」


  楽しい”ファルーカでの夕涼み”が終わって、船はホテルのあるエレファンティナ島ではなく、逆のアスワン市
 内方向の船着場に着ける。アスワンのスーク(市場)の散策である。初めての者にとっては恐怖の巨大市場
 である。こちらは、初めてのエジプトだから何をどの程度の値段で買わされるかわからない、という不安がよぎ
 る。船着場からトコトコ少し歩いてド〜ンとスークが現れる。いやあ、いかにもエジプトのお店屋さんがズラリと
 並んでいる。そして予想通り活気に満ち溢れている。スーク街に入った瞬間から「ワンダラー」「イッチポンド」
 の合唱。「ゼンブ、ターダー」の日本語も飛び交う。いやあすごいねえ。「ミ〜ルダケ〜ターダー」と向こうから
 言うのも面白い。きれいいな香辛料に目を引かれ、ズラリと並んでいるガラベーヤや衣装に目を引かれ、買い
 物はしなくても、歩いているだけで楽しい。エジプトにきたら”水パイプ”だな、と思っていたが見て歩いている
 方が楽しい。それにホテルに帰るまでの自由時間もそんなにない。買い物はカイロのハーンハリーリでいいか
 な?とも思っているので、まずはエジプトの市場はどんなのかを自分の目で確かめたい。

  大きな十字路がみんなの集合場所になっている。そこからあまり離れないように右・左とゆっくり店を見物。
 ひっきりなしに「ワンダラー」「ワンダラー」のお誘いの挨拶。店に入ったら「テンダラー」になる。ま、それはいい
 として、ロバを引いた車や自動車がたまに通るので気をつけなければいけない。エジプトは車の方が人間より
 偉いのである。ちょっとでも車の進路を妨害すると「プップッープップッー」あまりもたもたしてると怒られる。日本
 では考えられない。

  店から「ワンダラー!」だけなら良いが、商品をガッパリ手にぶらさげて、行く手をさえぎるから困ったものだ。
 でも、楽しみ方次第。食べ物もおいしそうな物がいっぱい店先に出ている。「あれ、おいしそうだな、、」とは思う
 もののどんな種類かわからないので買えない。じっくり見に行くとしっかりつかまって買わされるはめになりそう
 だ。ま、ホテルで晩御飯も近いし、ここでお腹を壊しても、と諦める。安い料金で靴磨きもやっている。私は運動
 靴なので磨く必要はないが、一緒のツアーの方は50ピアストル(約8〜9円)で磨いてもらっている。とにかく物
 価が安い。スークはなんだか楽しいね。でも、この一帯のお店は衛生的とは言えない。良く見るときたないきた
 ない。でもエジプトだからなんでも許してしまう。

  物乞いも多い。後ろから肩を軽く叩いてくる。見ると女性だが、腕にかわいい赤ちゃんを抱えている。かわいそ
 うだが断るしかない。あらかじめ添乗員さんからそう言われている。一人に与えると、回りからガッパリ同じよう
 な人が現れ、とんでもないことになるそうだ。一人を助けるなら全員を助ける。それができないなら断るしかない。
 でも、かわいそうだなあ、、、今晩の食べるものはあるのだろうか?、、、、

 楽しいスークの散策を満足感一杯で終了し、例によってホテルの専用ボートでホテルに帰る。今度は船長さん
 をまかせてくれないらしい。ホテルのレストランで晩御飯を取り、これまた満足して、部屋に戻る。「アスワンはな
 んだか情緒たっぷりのいい街だなあ。」遺跡はたくさんあるのだが、今日は遺跡をあまり見ていないせいか、街
 のすばらしさに感動してしまった。ヌビア人もいいなあ。ベランダからナイルを渡ったアスワン市内を見ながら、
 その夜景の美しさにも感動。外はまだ20℃以上あるようで全然寒くはない。
  しばらく夜景を楽しみながら、ポットでお湯を沸かしてレモンティー。これがうまいんだ、また。例によって今日の
 復習をする。「あらあ、アスワン地方はもっともっと遺跡がたくさんあるんでしょ。」じゃあ、今度時間があった時の
 楽しみに、、、明日はアブシンベルである。そして1日に3回飛行機に乗る。さらに朝早い。
  モーニングコールが早いから、早く寝ようとするがすぐ眠れるわけでもない。また、意味不明のテレビを見ながら
 本を読んだり、明日の予習をしたり、、、寝たのは何時頃だろう?知らないうちにねてしまった。

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