トップページ

紹介映画リスト

管理人コラムへ

007 美しき獲物たち(14)

ロジャー・ムーア主演 ジョン・グレン監督作品。
死んだ003のペンダントからマイクロフィルムを回収した007=ジェームズ・ボンドは雪山をスキー、スノーモービル、スノーボードで追っ手から逃げ、敵のヘリを発煙筒で撃墜。
核爆発の電波に負けない新ICの技術がKGBに流失した可能性を探るため、企業買収を行った新社長マックス・ゾーリンが出場する競馬場へ向かう。
ゾーリンを見つけ、彼のすぐ傍らには赤いドレスを纏った黒人女性のメイデイが侍っていた。
Qの知人であるティベット卿のお抱えの探偵から、勝った馬には薬物使用とは違ったいかさまがあると知らされるボンド。だが探偵は殺されてしまい、追うと犯人は塔の上からスカイダイビングで逃げてしまった。
ボンドはティベット卿とオークションへ潜入。パーティーでチェックし、深夜、馬小屋へ潜入。ティベット卿と小屋の奥で馬の脚の中にステロイドカプセルと制御装置を埋め込む手術を行っているのを確認し、追っ手に気付き、逃げる。
トレーニングをしていたゾーリンとメイデイがボンドの正体を思い出し、彼の部屋にチェックへ向かう。先回りされてしまったボンドは疑われぬようメイデイの部屋のベッドで彼女を迎え、一夜を共に過ごした。
翌朝、ゾーリンはボンドが007と確信し、インチキ障害レースでボンドを罠に嵌め、ボンドの馬を暴走させる。ボンドは森から、連絡へ向かわせたティベット卿の車に乗り込む。だが車にはメイデイと既に始末されたティベット卿がいた。
ボンドもその車ごと池へと沈められてしまう。ボンドは水の底でタイヤの空気を吸い、やり過ごした。

結末 ネタバレ注意

育ての親であるソ連のゴーゴル将軍とKGBを裏切り、アメリカ・シリコンバレーでの独占カルテルを目論むゾーリン。
ボンドもまたアメリカへ向かい、ゾーリンの側近ドクター・モートナーが大戦中はドイツ軍のステロイドベイビー研究者だったと知り、ゾーリンは高い知能と引き替えに精神に難がある、唯一のステロイドベイビーであると推理し、カニの消えた採油基地を怪しむ。
ゾーリンはメインストライク計画のため、スクリューの出力を最大にする。潜行して探っていたボンドは巻き込まれかけ、やむなくボンベを使って止めて脱出する。ゾーリンの部下が迫るが、爆弾を仕掛けていたKGBの工作員が見つかり、ボンドは助かる。
海岸に戻り、同じく逃げ延びたKGBのポーラと入浴し、ポーラはボンドの盗聴テープを持ち逃げ、待っていたゴーゴル将軍の車で掛けるが、ボンドがすり替えており、ボンドはメインストライク計画が3日後に行われると知る。
市役所石油課でハウ市長に取材した記者に扮したボンドは、職員にステイシーを見つけ、彼女の家へ侵入。ショットガンを向けられるが、ゾーリンの部下たちが現れ、ボンドが撃退。
ステイシーは父のサットン石油を買収され、持ち株譲渡を求められて抵抗していた。
地震が起き、採油基地が源と知り、ハウ市長に掛け合うが、ステイシーはクビにされ、チャック・リーと相談し、資料集めに急ぐ中、チャックはメイデイに捕まってしまう。
ボンドたちは資料室でゾーリンたちに捕まり、ゾーリンは市長に通報させ、市長を殺害。ボンドとステイシーをエレベーターに閉じ込め、放火。ボンドたちは天井から脱出し、外でチャックの死を警察署長に聞かされ、MI6であることを明かし、逃げた。
トラックを奪い潜入した2人は、トロッコで爆薬を坑内へ。ゾーリンのメインストライク計画が、岩盤を破壊して海水を注入し、シリコンバレーの壊滅であると気付き、ボンドたちは脱出へ。一方ゾーリンは爆破させ、労働者たちを皆殺し。ボンドはステイシーを上へ逃がし、裏切られたメイデイと水の中へ。
トロッコから飛行船に移り、ゾーリンとモートナーはその様子を見下ろす。
ボンドは岩盤用の起爆装置をメイデイの怪力でリフトしてもらい、トロッコに乗せて出発するが、メイデイがブレーキを抑え、仇を頼んで爆死する。
ゾーリンは駆け寄るステイシーをさらい、ボンドはロープに掴まり、ゾーリンはボンドを橋の柱に叩きつける。しかしボンドはロープを結び、ステイシーがゾーリンに組み付き、ゾーリンは外へ放り出され、ボンドはゾーリンと格闘、ゾーリンは斧を取り、振りかざすが、海へと落ちた。援護射撃の弾が切れたモートナーはダイナマイトを手にすると、すかさずボンドがロープを斬り、飛行船が離れ、バランスが崩れて転び、飛行船と爆発した。
ボンドに勲章がロシアより贈られ、ゴーゴル将軍とイギリスの大臣、そしてMは祝杯。Qはロボを使い、ステイシーの家でボンドを見つけるが、ボンドはカメラにタオルを投げた。
DVD通販 DVD/CDレンタル

管理人の批評

1985年、イギリスの作品です。
共演:クリストファー・ウォーケン グレース・ジョーンズ タニア・ロバーツ
ロジャー・ムーア最後の007主演作品です。芝居や007が好きなロジャー・ムーアとしては、いつまでもやりたかったのでしょうが、この時既に50代を迎え、国際スパイとしては演じきれますが、相手役のボンドガールが年齢的に娘ほど差が開いてしまうとなると、ベッドシーンにはいささかの照れがあり、観る側だけでなく演じる側にも戸惑いが生まれてしまい、さすがに辛いところでしょう。
ある新聞に書かれていた事ですが、もし上空で核ミサイルが爆発した場合、下の陸地には爆発による火災などの実際のダメージ、 また放射能汚染はないということなのですが、恐ろしくは電磁パルスが発生し、パソコンやスマホといった多くの電子機器が一瞬にしてがらくたになってしまうということが考えられるそうです。大量破壊や殺人が行われれば、それは激しいバッシングがなされるでしょうが、人的被害が無い場合、いくら国の中枢コンピュータが不能になったからと言って、同じレベルのバッシングが同じパワーで出来るでしょうか?そこを狙って考えられたとなると、相当に恐ろしい兵器だと思われます。
ニンテンドー64用ソフトとして発売された「007 ゴールデンアイ」の中に、対戦モードの使用キャラクターとしてメイデイは登場します。特に使える機能がある訳ではないのですが、目立ったキャラクターとして使用可能となっています。
この作品には画替わりのエンタメ性がありながら、殺人や放火、人体実験話などシリアスが目白押しです。ちょっとそれまでの家族揃って観られる作品から、大人向けの作品になった気配がありますが、ロジャー初演の「007 死ぬのは奴らだ」が1973年、「007 ドクターノオ」からすれば20年近く経っていますから、当時の子供もすっかり大人になっているということを考えると、そういった作風の拡大は、当然かなとも思われます。さらに冷戦という時代背景を考証に入れてます。ですから、まだそれ以前の作品を観ていないという方は、そちらから観ていただけると、ロジャーボンドの締めくくりに相応しく、満足することが出来ることでしょう。