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網走番外地 北海編(4)

高倉健主演 石井輝男監督作品。
網走刑務所内に非常ベルが鳴り響き、早朝に飛び起き、各房内は大慌て。ゆっくり起きた橘真一は脱獄だと教え、みんなは憧れるが、網走は零下20〜30度。助かる環境ではなかった。
外での作業中、脱走者が浦上だという情報が真一まで伝わると、同じ房の仲間である葉山が病気で倒れ、真一は看守部長の木暮に楯突く。
刑務所に戻り、食事の時間となり、真一は調理場で、葉山の為に栄養の付く特別料理を頼むが、傲慢な食事係に断られ、彼らと真一一人で乱闘に。
しかし、騒ぎを聞きつけた木暮が現れると、食事係の親分は木暮に泣きつき、木暮は真一の仮釈放を取り消そうと口走るが、すると鬼寅が前に出て、出刃包丁で木暮と刺し違える覚悟を見せ、怖気づいた木暮は発言を撤回。銃を仕舞わせた。
特別料理を持ち帰った真一たちは、葉山と食事にするが、看守がやって来て、大槻と慌てて隠す。するとオカマのおよちゃんが新入りとして現れ、相手やケンカをしている内に、大槻が全て平らげてしまった。
真一の仮出所が決まり、葉山は病気の母の看病代金の為に受けた王子運送の密輸の仕事の罪を被った分、補填してくれるはずの看病代が母に届いていない事、更に、本来ならその仕事をせずとも面倒を見てくれるはずの大沢組の親分に、自分の妻を取られた事の様子を見てきてほしいと頼まれ、まずは王子運送へ。
すると、志村社長は金を送ってやりたいが、ボロトラック1台に、危険な道を越えられる優秀なドライバーがおらず困っていると告げられ、金の支払いの確約を取り付けて、真一は運転手になる。
荷台には怪しい2人組の男と荷物、そして心配で隠れ乗った社長秘書で娘の弓子と出発するが、近道をしようとコースを外れた真一は、荷主に銃で脅される。
しかし食い下がりそのままペンケセップへと向かうトラックは、途中路上にサングラスの男が現れ、真一達は無視して突き進むが、男は無理矢理乗り込み、ひき逃げを盾に居座る。
そして村に入ろうとすると、警察官に止められてしまうのだった。

結末 ネタバレ注意

鉄道が不通となってしまったため、骨折した子供とその母親を病院まで連れていくよう頼まれ、やむなく引き受ける。
荷主がこれ見よがしにサンドイッチを戴き、真一と弓子は巨大おにぎりを頬張り、車が止まって点検中、サンドイッチはサングラスの謎の男とケガ人の女の子のお腹へ。
また走り出し、今度は道の真ん中に乗り捨てられた乗用車が。真一ははっと気付き、森の中へと走る。
そして森の中で、眠るように倒れている女性を発見。女性は心中相手に裏切られ、置き去りにされていた。
道に戻った真一は、荷主に置き去りにされたと気付き、乗り捨てられた乗用車も直らないと知る。
そして真一は、女が助けてくれた礼にと差し出した指輪を拒絶する。
すると荷主の弟の方が、トラックが脱輪したので、男手が必要と走って戻り、更に女にいい顔をし出したので、腹が立った真一は、荷主と殴り合った。
一方、立ち往生したトラックに残る弓子は、山に入り、「誘拐されている」というメモをしたためていたが、もう一人の荷主に捕まり、山小屋に連れ込まれてしまう。
一方、トラックの荷台では、サングラスの男が母親に代わって子守りを代わり、そこに真一達が戻ってくる。すると弓子も。真一が尋ねると、弓子は地区の防犯護身術教室で痴漢撃退法を学び、荷主の股間を蹴りあげたという。
山小屋で荷主は悶絶しており、弟分の問いに「転んだ」と答える。すると真一達全員が集まり、動けないので、山小屋にて夜を明かす事に。
翌朝、男達が脱輪したトラックを戻そうと作業していると、弟分が注意を怠り、下に潜っていたサングラスの男を下敷きにしてしまう。真一が急ぎ救出し、抱えて山小屋へ。荷主達は先を急ぎたいが、真一がいなければ難所越えが出来ず、動けない。
真一が思っていた通り、サングラスの男は網走刑務所の脱走者、浦上だった。浦上の優しさに心打たれていた子供の母親は涙を流し、浦上は感動して死んでいった。その後、その母親は女中ではなく、男の相手が仕事だったと告白した。浦上の遺体は一本の樹の下に埋葬した。
町に着き、連絡を受けていた警察の迎えで母子と女を降ろし、弓子は警察官にガムを渡そうとするが、荷主に奪われてしまい、出発後、メモが見つかり、真一が上手くフォローする。
そして真一は車を止め、降り、大沢組へ突入。組員達に襲われるものの、長ドスを奪い、組長と話を付ける。だが葉山の妻は病人の世話など真っ平御免と抜かし、真一は女の髪を切り、改めて、組長に金の話と、けじめをつけさせる。
長ドスを渡され、構えるがなかなか決心のつかない組長を見かね、真一はくしゃみ一発、組長は勢いで小指を切り落とした。
トラックに戻り走らせていると、降ろしたはずの心中女が立ちはだかる。彼女は責任を取りたいと申し、真一は葉山に髪を届けるよう頼む。若い荷主が降りて、女を元気づける。その弟分の妹に女は似ていた。妹が結婚した時、相手の男がクズで、その男を始末した。だが妹はそれを悲しみ、後追い自殺してしまった。だから女には幸せになってほしかった。
険しい道を強行し、荷主の制止を無視する真一だが、ブレーキが壊れていた。
そして荷主に森の中で止めさせられると、荷物を降ろし、運んできた液体を蒸発させ、麻薬の精製を手伝わされる。
再び走っていると、荷主達は飛び降り、真一達はブレーキの効かないトラックで急坂を下らされ、カーブに差し掛かる。
すると、タイヤが猟銃から発射された弾に撃たれ、車は走行停止。近寄ってきたのは、出所して猟師になった鬼寅だった。真一は鬼寅と荷主達の始末に向かう。
荷主達はヘリコプターで来た男達と合流するが、始末し損ねた真一達の始末へと向かい、銃撃戦に。
弟分が撃たれ、真一は銃を取って加勢。鬼寅が威嚇するが、撃たれ受傷。既に弾切れだった。真一は逃げる荷主達を追ってヘリの縄梯子に掴まって、ヘリを飛び立てなくさせると、薬を落とし、ダメにさせる。ヘリを降ろし、生き残った荷主達を死体を弔うよう命じ、真一、鬼寅、弓子はヘリコプターで脱出しようとするが、パイロットが3人も乗せて飛べないと叫び、真一は鬼寅を制して、雪の上に飛び降りる。
真一は「葉山の母親の見舞いに行く用事を思い出した」と強がり、上着を脱いで見せ、歩き出した。
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管理人の批評

1965年、日本の東映作品です。
共演 大原麗子 嵐寛寿郎 田中邦衛 杉浦直樹 千葉真一 由利徹 八名信夫 石橋蓮司 小林稔侍
この作品は、他のシリーズ映画のように見たり、考えたりする前に注意がございます。
シリーズ第1作目の『網走番外地』が公開されたのも1965年なのです。4月に公開され、大ヒット。7月にはもう第2弾『続・網走番外地』が公開されていたのです。
もちろん、手抜き映画ではありません。それだけ、当時の映画撮影が過密であり、映画への人気が高かったことがうかがえます。
ましてや、高倉健さんは網走番外地のみをやっていたわけではなく、並行して他の作品も撮影されておりました。所属俳優というのはあまりにも過酷な仕事でした。
共演の千葉真一さんは、高倉さんにとって東映の後輩で、所属後に高倉さんに憧れ、付き人に志願し、勉強されたそうです。高倉さんから、どこで調べたのか、家紋入りの腕時計を贈られた事もあるそうです。
回を重ねるに連れ、ややコメディー的なノリが増えつつありますが、その見やすさが更なる人気につながったのだと感じます。