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ドクター・ドリトル

エディー・マーフィー主演 ベティ・トーマス監督作品。
幼少期に飼い犬と話が出来たジョンは、父のアーチャーにその事を咎められ、更に犬を捨てられ、普通の大人の医者になり、妻リサと反抗期の2人の娘に囲まれ、医者仲間のマーク、ジーンと経営する病院も、大手との契約を控えていた。
契約の日が土曜日になり、妻と娘達はキャンプに。留守番をするジョンは下の娘マヤのペット、モルモットのロドニーとカニアレルギーの鳥パーカスに叩き起こされ、夜、車で病院から帰宅中、野良犬を轢きかける。その時、犬が捨て台詞を吐いて去っていったのが、ジョンには聞こえた気がした。
翌日、カルネットのキャロウェイとオープンカフェで契約の話をしていると、動物の声が聞こえた気がして途中退席させてもらう。
ロドニーを連れてキャンプに向かい、助手席に置いたロドニーとうっかり会話し、互いに驚く。一度はロドニーを捨てようとしたものの、車のルーフに乗せて、家族と父アーチャーと合流。
その夜、フクロウの翼のトゲを抜いてあげたのを皮切りに動物の声に囲まれ、車で1人街へと戻り、知り合いの脳外科医サムに脳を診てもらい、相談する。
キャンプに戻る途中、あの時轢きかけた野良犬が保健所に連れていかれるのを見たジョンは、お詫び代わりに助ける事にして逃がしてあげる事にするが、家族への電話口でマヤに勘違いされ、ラッキーと名付けて飼う事になる。
マヤを3週間のキャンプへと送り、帰宅し、一息つくジョン。その頃、あのフクロウが動物達を集め、ジョンの宣伝をし始めていた。

結末 ネタバレ注意

リサと楽しもうとしていたジョンだったが、動物達が現れ、診察をする事に。
最後に馬に眼鏡を作って、診療を終えた頃、サーカスの呑んだくれ猿が助けを求めて現れ、自殺しようと塔に上り、縁を歩くトラを説得してサーカスへと戻す。
トラの調教師オスカルはジョンの話に聞く耳を持たず、ジョンは獣医フィッシュに参考意見を聞き、トラの脳腫瘍を見つけ、医者としてのやりがいを取り戻した。
契約をすっぽかしたジョンの家には動物達がたくさん訪れ、ある日、病院に戻り、倒れたドブネズミコンビの片割れを治療(人口呼吸)しているところをリサやマーク達に見られたジョンは、精神病院へと入院させられる。
ジョンは退院するためにトラを見舞ってきたラッキー達をあえて遠ざける。
帰宅したジョンは、キャンプに馴染めず早く戻って来たマヤに驚き、そして元通りのビジネスライクドクターへと戻る。
契約発表記者会見の日、マヤはジョンとの事をアーチャーに相談し、ジョンはマヤに詫び、励ますのだった。
リサ達を会場に送り届けたジョンはラッキーとトラを脱走させて病院に運ぶ。
検査室で鼻の治療に来たマークとジーンにトラの治療が見つかり、ジーンは契約優先のマークを殴り倒し、協力する。
だが会見の時間が迫り、キャロウェイに捕まってしまい、そのまま移動して、会見場でトラが見つかってしまう。その頃、警察が踏み込まないよう、病院の外をラッキーや猿たちがガードしていた。
アーチャーはリサにジョンの能力を喜びながら伝え、トラの手術が始まり、リサがトラを勇気づける。
そして脳腫瘍を摘出し、手術が成功。キャロウェイは感動してくれたが、ジョンは動物達の為に契約を解消する事にした。
そして後日、マヤが大事にしていた卵からはワニが産まれ、ジョンはラッキーとサーカスへ往診に向かった。
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管理人の批評

1998年、アメリカの作品です。
共演:リチャード・シフ オリバー・プラット ピーター・ボイル オシー・デイビス
エディー・マーフィーといえば、『ビバリーヒルズ・コップ』の3部作のヒットを皮切りに大スター、セレブへの仲間入りをし、『ナッティ・プロフェッサー』シリーズなどのコメディーが順調で、この頃は日本へも活躍が聞こえてきていました。
ドクター・ドリトル自体は動物の声が聞こえるお医者さんという有名なお話で、今回はその設定を活かしたオリジナルストーリーとなっています。このヒットもあってか、『ドクター・ドリトル2』も作られました。
夏のキャンプというのはアメリカの子供たちの一大イベントです。アメリカでは9月から新学年の新学期が始まるので、夏のキャンプは長期にわたり、子供達を成長させてくれる、思い出となるイベントとなっており、『アダムス・ファミリー』などでもそういう描写が見受けられますが、映画ではメインの扱いではないため、たいてい行くのが嫌な子供達が描かれています。確かに、アウトドアと映画(インドア)は真逆ですから。
テレビでよく見るこの作品の日本語吹き替え版は豪華で、エディー・マーフィーを山寺宏一、ロドニーを中尾隆聖、ラッキーを山路和弘、トラを小林清志といった布陣で整え、ドブネズミのコンビをお笑いコンビ・アンタッチャブルが務めます。アンタッチャブルさんは『ペンギンズ』でも吹き替え、ザキヤマこと山崎弘也さんは『スマーフ2』にも、一方相方の柴田英嗣さんは動物に詳しく、動物園に足繁く通い、動物に関する著作もいくつか出版されています。
この物語で動物愛はもちろんのこと、子供の可能性を親が潰してしまう事への危険性を訴えていると思います。
この作品のように、子供の個性を異端だと、他の子供と違い普通じゃないと叱り、潰す人。子供に夢を諦めさせる道ばかりを歩ませ、世間や社会のレールに乗せようとする人。金銭的、その他の事情から、子供の将来や進学の道を閉ざす人、子供が自分の想像と違う成長を見せ、戸惑いから矯正させようとする人がいます。ですが、子供は親の道具や、安定した投資ファンドではありません。子供の好きにさせてあげる事が、子供にとって一番の成長なのだと、この作品が教えてくれます。