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ミセス・ダウト

ロビン・ウィリアムス主演 ピアース・ブロスナン共演 クリス・コロンバス監督作品。
子煩悩ゆえに、ディレクターの指示に従わず、声優の仕事をクビになったダニエルは、自宅に直帰して息子クリスの誕生パーティーを盛大に始めるが、近所に迷惑を掛け、妻のミランダは限界を感じ、離婚。ダニエルは子供の親権を奪われ、週に一回だけ3人の子供と会えるようになるが、それでも耐えきれず、ミランダのベビーシッター探しを妨害。ミランダがうんざりしてきたところに名乗りを上げ、採用されたダニエルは特殊メイクアーティストの兄の力を借り、英国のベテランシッター、ミセス・ダウトファイアに成り済ますのだった。

結末 ネタバレ注意

過去の反省から子供を厳しくしつけ、だが家事仕事は一流のシッターとしてごまかしつつ家に潜り込み、ヘトヘトになってアパートに帰宅して、生活調査員のセルナーの来訪に慌てたダニエルはダウトを姉と説明し、うっかり顔を落として潰してしまう。
その後、兄から新しい顔を貰い、ダニエルは昼まではテレビ局でフィルム整理の仕事に就き、3時からミランダの帰宅する7時までミセス・ダウトに変身。勉強しながら、子供達をちゃんと育て、自分も正しい家事を身につけていく。
そんな一方、ミランダは会社で元彼のスチューと再会。かつては子供嫌いで結婚に縛られるのを嫌っていたスチューも今では年を重ね少し丸くなり、未だ独身のスチューとミランダは距離を縮め、ミランダはスチューを自宅に招待し、その光景を見たダニエルはミセス・ダウトの恰好で互いに互いの陰口を言ったり、悪評を立てたりして、何とか遠ざけようとするのだった。
そんなある日、ダニエルはトイレで小用を足していると、クリスと鉢合わせてしまい、クリスと長女リディアに変態扱いされ、正体を明かす事に。
またある日、ダニエルはフィルムを届けに行ったついでに老舗子供番組のスタジオ収録を見学。ダニエルはあまりにも活気のない現場に、一視聴者として退屈でつまらないと批判。収録を見守っていた老男性ジョナサンをプロデューサー兼社長と知らず発言する。
ある日、ミランダと子供達はスチューに招待されプールに。頼まれたダウトも付いて行き、なにかと妨害工作を図るが、スチューの評判のあまりの高さや、スチューの心構えや財力などに打ちのめされ、自分のしたことを悔やむ。
ある日、ダニエルは退屈な老舗子供番組の収録スタジオが放置されているので、中に入って、セットで子供達と居る時のように遊んでいると、ジョナサンの目に止まり、君の意見を聞きたいと食事に招待される。
一方、ダウトもミランダに彼女の誕生パーティーに誘われるが、ジョナサンとの食事と同じ時刻同じ場所。ミランダや子供達にどうしてもと頼まれ、ジョナサンの方の予定を動かそうとするが、過密スケジュールに就き動かせず、ダブルブッキングされたままレストランへ。
ミランダ達とレストランに入ったダウトはスチューに嫌がらせしながらも、トイレに入って着替えを繰り返し、喫煙席のジョナサンテーブルと、禁煙席のミランダテーブルを往復する。
途中、厨房に入ったダウトは、スチューの料理にアレルギーの赤唐辛子パウダーを振りかけ、意気揚々。だがダウトのまま、ジョナサンテーブルに着いてしまう。
理由を問われたダニエルは、思わずダウトを番組ホストとして売り込む。ジョナサンの反応も上々。だが、ミランダテーブルの方から騒ぎが。
アレルギー反応を起こしたスチューは苦しみ、助けを求められたダウトは急いでスチューの背後を取り、喉に詰まったエビを吐き出させた。
だが、その反動でダウトの変装が取れ、ミランダに正体がバレてしまう。事情を知り憤慨したミランダは、怒り狂い、子供達を連れて引き上げるのだった。
約束を破った事で調停に呼び出されたダニエルは、弁護士も付けず、子供への愛を訴えるが、裁判長は却下する。
ミランダは新しいシッターを探すものの、ダニエルの妨害が無いにもかかわらず、更にミセス・ダウトほどの人物もおらず、良い人は見つからない。
そんな落ち込む家族の前に、ダウトはテレビの中に現れた。
ミランダは収録スタジオを訪ね、ジョナサンから番組が好評だと聞かされる。そしてダウトにミランダは…。
落ち込んだままの子供達の前に、ミランダが新しいシッターを連れてくる。それはダウトの姿ではないダニエルだった。ダニエルは毎放課後、子供達と遊べるようになった。
ダニエル達を送ったミランダはたまたま放送中のミセス・ダウトに目を向ける。テレビのダウトは、両親の関係に悩む子供に「子供はいつでも愛されている」と伝えていた。
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管理人の批評

1993年、アメリカの作品です。
クリス・コロンバスといえばハリー・ポッターシリーズですが、この頃から既に心温まる作品を作っていたようです。
個人的にはこれぞロビン・ウィリアムス作品、ロビンの黄金時代を築いた一本という感じです。
私はこの後、「ジュマンジ」「ジャック」「パッチ・アダムス」と来て、「フラバー」「アンドリューNDR114」と、ロビンにしかできない作品に感動させられ続けました。
物語は、子供好きで、子供が楽しいと思う事だけを与えればいいと思っていた父親が、教育や根回し、後片付けなど、妻の苦労を顧みなかったがゆえに三行半を突き出され、社会の寒風に晒されて初めて、子育てというものに取り組む、というお話です。
ある意味では、子供を甘やかす親に対して、後で一番苦労をするのはあなたの愛する子供なのですよ、と教え諭しつつ、しかし育てるあまり甘やかす愛を忘れてはいけない、というバランスの大切さも説いていると思われます。
こういう喜劇シーンを交えながら、重要な、耳の痛くなるテーマを描く手法は、ある意味、チャップリンに通じるところがありますね。
物語の途中で訪れる、ダニエルが既存のスタジオで自分のスタイルで評価されるシーンは、おそらくすべての創造家たちを感動させるシーンではないでしょうか?なかなか芽が出ない自分を認めてくれる人がいる。自分のやってきた事に自信ができる瞬間です。
ちなみに、編集のラジャ・ゴズネルは後に監督になり、「ビッグママ・ハウス」という作品を撮っています。